使用生地の選択肢がうんと広がる巾着共布ひも真ん中2枚はぎ案【1179】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近、デジタルコンテンツ制作とパッチワーク企画のパッチワークシートで作るデザインが共通していまして、ナップサック型です。

ナップサックはリュックのように背負いますので、ここへショルダーを兼ねた巾着ひもを共布で作るということをしています。

その巾着ひも/ショルダーの長さがある程度長く必要なのです。

これまでは、150cmの型紙で1枚仕立てで作る一続きのものとして考案したのですが。。。

150cm巾の生地がレア過ぎる、狭い巾の生地にも対応した型紙への変更

150cm巾の生地というと、カーテン地とかインテリア生地に多いのですが、大きな生地というくくりで見るとレアな巾です。

やはり、多くが、みんなが好まれる綿/100%のプリント生地であったり、服地の多くも日本製であると巾は108-112cm辺りが多いです。

確かに1枚一繋ぎは途切れ目がないので、「高級の証」という考え方があります。

が、しかし。。。

現実的なことを考えると、150cm巾限定でこれを作る気になるかというと、とても敬遠されることになるのです。

気に入った一番の生地があるのに、生地巾が不足しているために妥協したりあきらめなければなりません。

それを思うといたたまれません。

そこで、ある決断をします。

意味のある2枚ハギであれば、それは、高級云々を上回る立派な哲学が入るのではないかと。

そして、もとは、150cmであった1枚の型紙を、80cmを2枚ハギ合わせで1本にする仕様へ変更しました。

少し気になっていた長さの不足分も同時に長くすることで、
2枚ハギの160cm程度(正確には縫い代が1cmずつ消えて158cm)の長さの型紙へ変更です。
その後、製作では、更に両端が1cmずつ縫い代で消え、ひも自体の最終仕上がりは156cmです。

早速この実験をしておりまして、結果はグッド(^o^)丿でした。

巾着ひもがフルに開かれた時に、本体の一番長いてっぺんも十分に広がることができました。

ここで、2枚ハギの仕様が始動です。

2枚ハギのハギ部分の強度についての工夫

基本的には、可能であれば1枚一繋ぎが丈夫であるという理論です。

今回は、やむを得ずハギにしましたが、ハギは「強度が弱い」とか「不安」なイメージがあります。

それを、「大丈夫ですよ」と納得していただける工夫をしております。

まずは、全面に接着芯を貼ることです。

全面接着芯は当たり前になっている私の製作ですが、これが意外と生地そのままで作られているお品も多いのです。

ぱっと見は中身まで分かりませんので、手間が省かれる部分のようですが、触ってみたりしたそのハリコシ、その後の経年でその違いは明らかです。

そして、更なる工夫がこちら↓。

ハギの地縫いは二度縫いで、さらに、表からハギ目の両端2mm程度にステッチをかけ固定します。
ひもの出来上がり:両端の固定ステッチはこんな風に出ます。
巾着ひもホールに通した状態のハギ目の位置:ど真ん中でハギを作ったので、
サイドの本体のハギ目の延長上の位置にあり、もう1本のひもの内側に隠れます。

どうでしょう。目立つものではありませんね(^-^)。

強度の強さをしっかり徹底しておけば、見た目は目立つものではないのです。

これで、1枚繋ぎにこだわる必要がなことをお伝えできればと思います。

このハギの方法で、本来一番大切な作業である、生地の選択というものを制限のないめいっぱいの渾身のチョイスができることになります。

80cm以下の巾の生地というのはあまりありませんので、この80cmの型紙は、ほぼすべての生地に対応できると思います。

あとがき

この型紙で作るナップサックの本体の容量は限られたものです。

非常に大きな旅行バッグに重さが10kgもある荷物を入れてのハギ目というのは、これまた強度の不安があります。

しかし、今回ご紹介のハギ目で作るバッグが、コンパクトなナップサックでありますので、その容量とのバランスも考えるとハギ目はあっても大丈夫という判断です。

もし、このハギ目の案をいろんなケースに応用する場合には、支える重さがどのくらいが最大限であるかなどを考えるということも同時に補足したいと思います。

美しく仕上がるには、三つ折り/四つ折りの幅の限度は7mm程度【1069】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

私の場合ですが、裏地無しの袋物のハンドメイド製作の場合、縫い代を三つ折りして始末する手法を採ることがあります。

ロックミシンをわざわざかけずとも、それよりももっと引っ掛かりにくくほつれにくいです。

ただ、野暮ったくならないように気を付けねばならないやり方ですが(^_^;)。

こういった作り方などは、近く、コンテンツ販売をしていきますので、またご紹介したいと思います。

今回は、こういった箇所など、最低限のすっきりした感じに仕上げるためには、細かく三つ折りしたいです。

しかしながら、細かいといっても限度があります。

今回はこの限度のミリ数がどのくらいなのか、細かいと言っても綺麗に仕上がらねばならないわけで、綺麗に仕上げながら最低限度のすっきりとした細かい巾がどのくらいなのかという寸法を見ていきたいと思います。

1.5cmの縫い代の半分の7.5mmが数字的にも覚えやすい

まえがきで書きました一重仕立ての三つ折りは、ある意味まるごとラッピングのタイプですね。

その他、もう少し難しい、縁の縫い代とラッピングテープが分離したタイプがあります。

これを少しご紹介したいと思います。いろんな場所に有効活用できそうです。

バッグの縫い代を共布や別布のテープ状のものでラッピングするという作業は結構高度になりますが、コツもあります。よく考えがちなイメージとしては1cm巾くらいの仕上がりがやりやすいと思いがちですが、実は、これは間違い。1cmだと元のテープの幅は4cmになりますが、カーブの所がしわが多すぎて綺麗にできずに失敗が多く、7mm程度がベストだとバッグ作りに詳しい人から過去に習いました。私としては、いろんな場面に応用できるということで、よくある1.5cmの縫い代の半分という覚え方で、7.5mmを推奨します。

バッグの縁かがりのラッピングは結構高度な技術ですが、コツもあるんです。

意外にこの巾が一番綺麗にできるし、やりやすいのです。

1cmでは失敗します。過去に何度もしわが寄ったり汚く仕上がったりして研究済みですので間違いないと思います。

特に丸底バッグなどのラッピングなどには、布の裁断もバイヤス(45度向き)で行うのがマスト。

これをストレートでやってしまうと、また別の融通の利かなさの問題が発生しますので、ある程度伸び縮みがあり、作業しやすいバイヤスが結果として美しく仕上がっていきます。

ストレートの部分のラッピングはコストがかからないようにストレートで行うのも工夫ですが、ストレートであってもバイヤスの方がラッピングしやすいと感じています。

ただ、出来上がりの汚さはストレート部分に対してならストレート裁ちでそれほど影響しませんので、カーブ部分=バイヤス裁ちとまずは覚えていただくと良いかと思います。

四つ折り観音開きのラッピングが使われるその他のアイテム

上述では、丸底バッグの縫い代ラッピングの例をご紹介しましたが、その他、コートとかジャケットの背のハギの縁っこにラッピングがよくやってあるのを見かけます。

今度洋服をご覧になる場合に一度探してみて下さいね。だいたい7mm程度になっているのがご覧いただけるかと思います。

あとがき

今回の記事の中で特に大切な点は、私が10年以上も前に、人から習ったという点です。

やはり、人から人へその手法やポイントを伝えていくことが、長い年月を経た未来に役立つことの1つの例です。

教えて下さった生地屋さんのオーナーさんには感謝い致します<m(__)m>。

そんなことを受け継いで、今後私も困っている人、美しくバッグを作りたい人へ良きアドバイスが出来たらと思っています(^-^)。