貴重!パッチワークの生地を全部で64パーツ使用のナップサックの原価計算表の実物【1188】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

年末ぎりぎりのこの時に何か1つ型破り、破天荒なことをしてみました。

それが、ハンドメイドバッグの実際に販売するものの原価計算の様子をご披露させていただくことです。

原価というものは、会話の中でもよく濁すもので、一番知られたくない隠したい部分です。

それは、売値が分かっているので、原価がはっきりわかると利益が導き出されやすいからです。

そのことによってもしかして悪い受け取り方をされることもあるから、ふせられた秘密の事項なのです。

しかし、私の場合ですが、自分で隠し持っていても何も活きないノウハウをご紹介することでハンドメイドバッグを製作している方へのヒントになればと、ここ最近、作り方だけではなく、材料調達の金額の面にもスポットを当て始めています。

附属品の少ないミニマムな作りのナップサックの原価には生地代が影響しやすい

現在製作中のナップサック型は、附属品パーツはDカン2個だけ。

あとは、接着芯と時々ハード薄芯を少し、そして縫い糸です。

ここまで附属品が少ないバッグもかえって珍しく、多くが様々な金具で装備されたものが多いです。

そのパーツの少なさが、このたびの、原価計算における生地のコストの影響が分かりやすくなっていることを後押し。余計にこのご紹介の意味が出てきたようです。

さらに、たまたま同じ黒系のトーンの2点であることで比較が分かりやすくなる偶然にも恵まれました(^-^)。

①黒系の全体的にモノクロなタイプ:こちらでは、高額生地が複数入り込んでいます。
②黒系のカラーで内側にカラーの差し色があるタイプ:こちらでは、適正価格なコスパ良い生地が勢揃いです。

黒系であり、同じデザインの2点は共通事項が複数なことから、比べ易いです。

附属といってもDカンくらいしか金具は無く、後は接着芯と糸だけですので、生地の影響が分かりやすい原価表になります。

エクセルシートや画像の読み込みを盛り込んだ自作の原価表の使い道

1点ずつ完成するたびに、原価表を都度作っています。

特に今回のようなパッチワークタイプはその材料の盛り込み方が複雑。

とは言え、1パーツずつ丁寧に事実を元に算出していけばその合計であるわけですので、べたでシンプルな考え方です。

【1184】の記事で、パッチワークの原価の算出方法はご紹介しましたので、ここでは、その後の原価表作りのところを中心にご紹介します。

ただ、せっかくここに訪れていただきましたので、復習を兼ねて、1生地だけピックアップさせていただき、原価算出もやります。

表地の左に番号がある1という表生地が¥62と算出されていますが、その左の0.0875m2というのは、パーツ4枚分のフロッキー生地の面積の合計です。

1パーツの型紙が、縫い代込みで、縦12.5cmx横17.5cmですので、0.125mx0.175mx4枚=0.0875m2です。

この生地は、写真で映る左上端のてっぺんに位置する柄のフロッキーに当たります↓。

生地:シャンタンフロッキープリント(薄グレーx黒)、
ポリエステル/100%、柄-ナイロン/100%、日本製。
・・・110cm巾で@¥780(税込)/m。

この生地が4パーツ分で1点のバッグに盛り込まれています。

この4パーツ分の面積は、購入時の生地巾1.1mで長さ(縦)が1m購入の時の金額が¥780であったというデータが下段の一番左上の生地データとして掲載。

そうしますと、¥780に占める0.0875m2がどんな値段なのかを求めることで原価が出ますので、0.0875m2÷(1mx1.1m)×(@¥780/mx1m)という式です。

0.0875m2の部分を式にして、最初から一列にした式は、

(0.125mx0.175mx4パーツ)÷(1mx1.1m)×(@¥780/mx1m)=¥62

となります。これが、他の値でも当てはめる定形です。

フロッキー生地4パーツがこのバッグに占める金額は¥62だったということです。

同じようにどんどん他の種類の生地も計算していき、エクセルの金額の箇所に値を入れていきます。

もしくは、計算式も入った式だと後で確認がしやすいですね。私は、そうしています。

そうすると、9裏地の¥561は結構金額がはることが分かります。

この理由が、m単価が¥3,320という高級品の部類の生地代であったことにあります。

4パーツ使用しているので、¥561÷4パーツ=¥140/パーツとなり、他の1パーツのみ使用の0.0219m2のものと同等にして比較しても高額になっています。

そして、¥2,333という原価の値に対して、¥3,300という売価を決めました。

¥1,000だけをのせる売価決めが私のこの<パッチワーク企画>の方針です。

続きましては、①と生地の集まり方が違い、コスパの良い適正価格な生地ばかりの集まりの2点目のナップサックの原価表です。

②の原価がぐんと下がっていることが分かりました↓。

②「適正価格生地」の集まりのパッチワークバッグの原価計算表。

原価は¥1,261で、それによって売価も¥2,200に設定しました。

①と同じ¥1,000を加えています。

生地の価格帯の違いから原価計算表を比較して分かること

①と②を分かりやすく隣同士に並べてみました。
左が①高額生地を含むバッグ、右が②適正価格生地の集まりのバッグ。

附属品もシンプルな作りながら、少しだけありまして、下の方に掲載していますので、加工賃を含まない材料だけの原価計算表はこんな値です。

期末の棚卸の際も、加工賃は自作の場合は入れませんので、この値そのままをアップします。

生地のロス分は計算には入れていませんが型紙に当てて捨てた分はわずかですので、きっちりの型紙の寸法のまま作った原価表になります。

ロス込みの原価表はパッチワークではない場合の、またの機会にご紹介したいと思います。

それで、この比較から私が思うことを書いて終わりにしたいと思います。

附属が少ないシンプルなデザインだからこそ、生地の値段の影響が出やすいこの比較です。

たまたま黒系という条件、同じデザインという条件がそろったことで、その差が生地にあることが浮き彫りになりました。

生地選びがいかに大切なのか、原価に一番に関係することなのかなどが分かります。

この比較では、¥1,000というはっきりとしたなかなかな差ではあったのですが、じゃあそれほど大きな数字であるかというとそうでもないとも言えます。

ハンドメイドバッグの材料で何百円単位で売価を調整することがあまり意味が無いということで、私としましてはざっくりとした¥2,200や¥3,300の¥1,000以上の差を設けた切りの良い数字で決めています。

ここに大きく、苦労などの付加価値を入れ込もうとすると、考えれば考えるほどきりがありません。

その苦労を考えたら、¥10,000の利益を積んだっておかしくは無いと思っています。

現在の私の考え方は、元は在庫の生地であるということ、しかもはぎれであるということからのお得感を売価で表示したつもりです。

これだけはお伝えしておきたいのですが、利益の付け方はいろいろでも、原価割れは起こすべきではないと思います。

それは商業としては失格です。

その場合は、そもそも、このお品を作って行くべきなのかをジャッジするという根本的な検討をするべきだと思います。

なぜなら、もうすでに売り手と買い手との公平さがアンバランスで、つまりは、持続性すらない事業になるからです。

気づかにそうなっているということがないよう、やはり原価表の大切さがそこにあります。

常に把握しながらいつも検討し続ける姿勢で常にチェックしていくということです。

あとがき

私も、今後もこれまでやってきたハンドメイドバッグ作りを続けてはいくのですが、違う方向へシフトしていくことはこれまで何度か投稿してまいりました。

その違う方向とは、ノウハウやコツをコンテンツを通じて伝えていくということを中心に活動していくことです。

今回の原価のお話も、いわゆる「タブー」とも言える内容ではあるのですが、本来秘密にしたいことほど、実は一番のポイントであるから隠しがちなのです。

それをあえて投稿することで、今後のハンドメイドバッグ製作者様にお役に立てればと思っています。

ハンドメイドバッグも作ってから売るということが待っているわけですから、このお値段の部分も実は倍くらい大切になっているのに、どうしても多くは語られません。

自身のハンドメイドバッグに関する守るものを手放し、デザイン、手法の著作権フリーをしていくことを決意した者ができることかなと(^-^)。