<経理>①代引②着払運賃③代引手数料の3つが混じった金額を合計金額1本でお支払いした時の仕訳、「代引手数料」は「仕入」に含めてはならない【790】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これは、先日の実体験となります。

商品を購入した際に「代引」を選択。

そして、運賃に関しては「着払運賃」、「代引手数料」も発生したケースがありました。

いろんな項目が混じり複雑ではあるのですが、宅急便業者様には、合計金額1本でお支払いをしたということでレシートを1つもらいました。

この「代引」のお取引では、間違い易い点がありますので、その仕訳にスポットを当てながら、商品代:¥10,000、着払運賃:¥800、代引手数料:¥1,000として解説したいと思います。

ポイントは、「代引手数料」は「支払手数料」という費用科目であるため「仕入」に含めないという決まり

よく知られているところでは、「送料:元払も着払も両方」に関しては、取得原価つまり「仕入」という科目に含めても良い、もしくは含めるものだなどとも言われ、実際の購入の際には、納品書には送料も掲載された合計金額を払うことがほとんどです。

このたびのケースは、「着払運賃」であり「代引手数料」もかかりましたので、なかなか複雑な内訳となった合計金額でした。

この時の仕訳はこのようにしました↓。

仕訳がアシンメトリーです。注意点は、「代引手数料」は費用であり個別計上せねばならないこと。

同じ配達業者様へお支払いしたということで、「代引手数料」が仕訳としては別物になるところを、着払運賃に混ぜてしまう間違いが懸念されます。

当然ながら、代引手数料が無料の場合もありまして、その時は仕訳が直線の1行のみです。

あとがき

「思わず」といった感じでうっかり全部1行でやっちゃいそうですが、十分にお気を付け下さいませ。

その後の繋がりとしましては、ここで「仕入」と「支払手数料」とにくっきり分けたわけですので、当然ながら、「棚卸資産表」に掲載の金額は、この商品に関しては、「¥10,800」が入力されることになります。

「棚卸資産表」が「仕入」の金額の集まりであるという見方です。

「商品仕入」「材料仕入」と科目をあえて分けていますが(商品と付く方は既製品、材料と付く方は製造するための材料という意味での既製品という分け方)、決算書では合算されていき、結局「仕入」に入って混ざりますので、あくまで自分だけの括りです。

とにかく、「仕入」の金額は「棚卸」の金額にイコールなのだということも併せてお伝えしておきます。

それでは、日々の事業活動にエールを送りたいと思います(^-^)。

<経理>棚卸資産表に入力する金額は帳簿の「仕入」科目の金額にぴたり一致、「振込料」は仕入時に2段に並ぶが「除外」が正しい【1013】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびはタイトルにすでに答えを記載しました。

ブログの中身の奥の方にそれを貯蔵するのではなく、先に結論を述べることが増えました。

このたびは、「おっとと。。」とうっかり間違いしそうだなと思った「棚卸資産表」に入力する在庫の「金額」の正しい引っ張り方をお伝えします。

「棚卸資産表」は在庫の金額の集まりですが、その1つ1つの金額というのは、帳簿でいうどこの金額から引っ張ってきたものなのか、何に一致するのかというのが、答えは「仕入」金額なのです。

この「仕入」金額にそもそも含んでよいもの、含めることが不可なものがありますので、それが正確にできていれば随分単純なことをしているに過ぎないと分かります。

仕入金額の中にはすでに「附随費用」は当初の仕訳で入っているのが前提、「支払手数料:振込料」は除外の注意

よく、ネット情報で、「附随費用」は仕入金額に入れても良い/入れるべきだという文言がありますがその通り。

実際に仕分け時には到着までの宅急便の運賃が入った合計で「仕入」の金額に含めた1本計上をしています。

仕入先からの納品書に「送料」が含まれて合計金額になっていますので、その納品書や請求書の合計金額をそのまま拾って仕入計上するのが常だと思います。

この「送料」は会計上のルールである「附随費用」に入るのです。

では、次に「附随費用」には入らない項目2例をご紹介したいと思います。

実際に経験した項目になります↓。

購入時に「振込手数料」が発生していた場合と「ポイント値引き」が発生していた場合の2例の在庫金額はどれになるのか

①支払手数料は除外:支払手数料はこの時点で経費。在庫金額は「商品仕入」の¥10,000を引っ張ってきます。
②ポイント値引きは除外:全体の金額が小さくなるポイント値引が¥50。ポイントは事業主借を使いました。

仕訳を見ると視覚的に納得できると思います。

とにかく、黄色マーカーの「仕入」に含まれていない金額はすべて除外なのです。

安易に「支払ったすべての金額」をエビデンスなどだけを見てそのままの合計を拾ってしまうと、余計な除外するべき金額も含まれて「過大評価」であり不正確な間違った金額になってしまいます。

実際の「計上」の方の「仕入」の金額ぴったりなのかをくれぐれもご注意いただきますよう。

あとがき

棚卸資産の仕訳は、多くの項目が密集した細かな表の合計の値1つだけをピックアップするので、その仕訳だけでは深く分かることはありませんが、蓋を開けた時の正確さというのは必ず追求するべきです。

もしかして他のケースにも引用できる考え方なのかもしれませんが、勘定科目にある金額そのものを引っ張ってくるだけという単純さなので、非常に機械的な事をやっているだけです。

根拠のない突然現れる数字というものはあり得ないということです。

すべてが理屈であり、単純な当たり前の組み合わせで成り立っていると考えれば、「棚卸資産表」がそれほど複雑な表でもないと思えてくるものです(^-^)。

<経理>「荷造運賃」の相手科目に「立替金」を使う必要はない、シンプルでもちゃんとストーリー性のある帳簿に出来上がる仕訳【384】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつて、14年程の期間「経理事務」を会社で経験してまいりましたが、「個人事業主」となった今、経理分野の仕訳を時々ご紹介しています。

このたびは、簿記の教科書通りではないシンプルな表現のケースとして成り立つというご紹介を商品の発送の場面において出てくる「荷造運賃:にづくりうんちん」という科目の例でご紹介してまいりたいと思います。

ポイントを置く場所は、「荷造運賃」の「総勘定元帳」を見た時にいかにストーリー性が感じられ分かりやすいかというところです。

「creema」様で商品(マスク)をご購入いただいた時の発送、物語のように連なる「振替」の姿

荷造運賃(にづくりうんちん)と呼ばれる荷物を発送する科目を、事業では、「商品発送運賃」としています。

サンプルを発送するという時もありますし、着払運賃の際にもこの科目を使います。

この「総勘定元帳」を見ると商品発送時の運賃がずらりと集まります。

「総勘定元帳」をぱっと見るだけでお取引の流れが分かるような分かりやすい結果をもたらす仕訳をご紹介したいと思います。

先日creemaでマスクを1点ご購入いただきました。

「おしゃれマスク」というもので、お洒落な生地を使って作ったものです。

「コロナ禍」のほんの当初の2020年4月-5月がこうした活動をさせていただいておりました。

こんなマスクは、その後の大手の参入で事業としては「撤退」でしたが、貴重な体験として有難かったです。
「creema」様の納品書の一部分。

「creema」様は、有難いことに納品書のアウトプット機能を作って下さっています。

「おしゃれマスク」に関しては、仲間内の取り決めでお客様から送料をいただこうと決めたものでした。

商品代の¥880に加えて、定形外郵便の¥120が加わった合計¥1,000の納品書になるわけです。

この場合、次のような仕訳を致しました。

¥880の商品の送料¥120をいただいた時の売上仕訳の例。

すでに発送時にこんな仕訳が済んでいます↓。

郵便局もクレジットが可能になったので、費用計上と、クレジット引落時の仕訳を前もって記載。

クレジット引落日周辺に3/29分の入力をしますが、最初の2/6に一緒にメモだけしてふせんで3/29入力というタグを記します。

クレジットは2度仕訳があるというのが逆にスムーズです。

実際の発送のレシートで費用計上をしました①。

そして、その後で売上の計上をしました②。

①<2021.02.06>

120 商品発送運賃 未払金 120

②<2021.02.06>

1,000 売掛金 売上 880

       商品発送運賃 120

①と②の仕訳を見ていただくと、同じ科目の商品発送運賃が①で発生しましたが、同日にすぐに②で取り消されました。

現実には、お客様にご負担いただいたので当方は費用がかからなかった結果になったというストーリーです。

①と②は互いに分離して仕分けしていまして、エビデンスが別のものです。

①はエビデンスが「日本郵便」様のレシート。②はエビデンスが「creema」様の納品書です。

おのおの事実に従ってその場で仕訳をすることができ、後でそれを遡って気にかける必要がありません。

もし、参考書とか簿記の教科書のように「立替金」を使ってしまうと、新たなる科目が発生してしまい複雑に。。

そして、「立替金」はいずれ消滅させねばなりませんから、そこを忘れずに管理することがストレス。

ですから、この2行になる仕訳のやり方は、2行にはなりますがあとは気楽なのです。

万が一、送料に誤差があった場合についての対処と仕訳

お客様から¥120いただいたのに、発送は実際多く¥140になってしまった場合¥20の誤差が出ますが、お客様から追加していただくというようなことは普通はしないでしょう。

そういった場合にも、このやり方でそのまま行えばOKです。

帳簿になった時に、¥140で費用の時の商品発送運賃の計上がまず発生しています。

お客様からいただいた購入者負担の料金分が¥120だった、残りは販売者である私が¥20もったという事実のままのストーリーができあがるのみです。

何ら金額が一致しいない場合でもそのまま計上するだけで成立する記録なのでした。

送料も含んだ金額を売上金額にしてしまう1行仕訳についての私見、「かえってわかりにくい」が結論

よくネットで、売り上げの金額に運賃も入れてしまえばよいというのを見かけます。

今回の場合ですと、

1,000 売掛金 売上 1,000

というものです。間違いではないようですが、純粋な商品自体の価格が不明になります。

¥880+¥120=¥1,000 ということが仕訳だけでは読み取れない隠れた事実です。

この事実を隠す必要などありません。

そして、商品の値段は重要なので、数字として正確に残しておきたいという意向があります。

よってこの1行仕訳のやり方は現在採用しておりません。

「売上金は¥880で送料が¥120だった」という真実がそのまま反映されたような仕訳が「物語」の本質です。

あとがき

その後2022年1月からの「電子帳簿保存法」に従い、完全にエビデンスをデジタルにまとめています。

手書きの追加説明などの記録は今後のデジタル化では残っていかないことになります。

そうしますと、その都度の計上の具体的な分かりやすさが大切になると思っております。

手書きのメモ的な補足説明は、会計ソフトの「摘要欄」で表現していくのです。

まずは事業の内容の把握をスピーディーにリアルタイムに行っていくための対策は非常に重要。

総勘定元帳を見ただけでそのイメージが湧きやすいことは日々の実直な活動の「証」だと思います。

こうした事務作業は事実そのままで良いと思っています。

それよりも日々の事業活動に「AI」ではない「人間」でしかできない強味を持ちたいものです。

経理事務は今後は、より「AI」の範囲になっていくと思いますので、正直でなければゆくゆくは成り立たなくなると見ています。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク