ジルコンはジルコニアのような人工石?いいえ、生粋の天然石でジルコニアとは別物です【541】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

私もこれまで、疑問を持っていました「ジルコン」という石。

名前が、「ジルコニア:キュービックジルコニア:CZ」と似ているので、天然石にこだわるあまり、遠目で見ている程度でした。

それは、名前の類似からくる固定観念だったようなのです。

このたび、「鉱物・宝石のすべてが分かる本:下林典正/石橋隆 著」という本を読ませていただいておりまして、そこからの学びとなります。

ジルコンというストーンはむしろ価値ある生粋の天然素材なのです。

ジルコンはれっきとした天然石でありジルコニアとは関係が無い別物である

ジルコンとジルコニアの名前を並べてしまうのはいったんやめて、まずジルコンだけにスポットを当ててみます。

ジルコンという名前がまぎらわしいなら、「天然石z」とでもしましょう。

ジルコンは、英語表記で、「zircon」。

他の天然石でもあるように、やはりどんな宝石も天然と合成が存在するものです。

天然があれば、どうしても合成も作られる機会があるということですね。

ジルコンも何も他の天然石と変わらず、天然と合成が存在しますが、合成品もかなり多いということで、余計に天然のイメージが薄れているのかと考えます。

ジルコンの本当の天然というのは、「ホワイトジルコン」と呼んで無色透明。

そこへ、他の不純物のわずかな混じりにより、褐色、赤、グリーンなどと不純物の種類の違いで色が分かれていくといった経路をたどります。

まるで以前にブログでも投稿の「コランダム」が「ルビー」や「サファイア」に枝分かれしていくのと同じです。

合成サファイア、合成ルビーなどがあるのと同じで、ジルコンも合成ジルコンというのも存在するだけです。

その合成ジルコンがジルコニアと決してイコールではないということもここでお伝えします。

ジルコンの成分とジルコニアの成分の比較

これでジルコンという天然石が本物と呼ぶにちゃんとふさわしい石であることが分かってきました。

ここで、もう少し詳しく成分について書きたいと思います。

ジルコンの成分は、「ケイ酸ジルコニウム」です。

この難しめなケイ酸というのが、ケイ素、酸素、水素の化合物の総称。

では、ケイ素(漢字では珪素と書きます)って何なのか。

ケイ素は、意外にも地中に酸素の次に多く存在するもので、別名「シリコン」。元素記号は「Si」。

ケイ素は鉱物には、主成分として含まれることが多く、人間に関しても細胞の中のミネラルの中の成分で、骨、血管、皮膚などにも存在する重要な成分とのことなんです。

そんなケイ素が含まれた、酸素、水素との合体のケイ酸でできているということなんです。

では、末尾のジルコニウムとは。。

これは、元素記号が「zr」であらわされる銀白色の金属。

ということで、ケイ酸+ジルコニウムの合体したものががジルコンとなるということ。

ちなみに、ジルコンを化学式で表すと、「sizrO4」。

末尾のO4のOは酸素の原子記号。(ゼロではなくアルファベットのオーですので)。

4が付くと、O4で「四酸素:しさんそ」と呼び、何やら、酸素でも細かく性質の違うものが一緒になっているらしいのです。

このあたりで、とりあえず、深堀りはストップ。またの機会です(^_^;)。

単純に構造を一言でご説明が難しいほどの複雑な作りなのですね。

では、最後にキュービックジルコニアも見てみます。

キュービックジルコニアの化学式というのもあり「zrO2」です。

ジルコンと比べるとsiが入っていないですね。そして、末尾の酸素の部分の数字が違うようです。

キュービックジルコニア:CZは、ジルコニウムの酸化物、二酸化ジルコニウムの事。

酸化物というのは、酸素と他の元素とが合体した化合物。

酸素は他の元素と合体しやすく、ほとんどすべての物質と化合物になり得るとのこと。

このような合体をさせる点が自然現象ではなくて、工業的に手を加えるという点が天然ではない、「人工物」であるということだという解釈です。

あとがき

キュービックジルコニアは根本的な点で天然の素材ではない、作られた工業製品であると言ってよいです。

そうするともう冒頭のそっくりな紛らわしいイメージも払拭されてすっきりできたのではないかと思います(^-^)。

そう考えると、ダイヤモンドとCZの見分けがなかなか難しい点から、人工物を作り出す人間の工業技術のレベルの高さがうかがえますね。

天然にこだわる場合は、是非このキュービックジルコニアは除外することにご注意を。