<経理>事業者同士のお取引にある「売掛金」が複数積み重なるケース、合計請求書はポイントだけを引っ張ったシンプルなものがグッド【349】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「合計請求書」を発行させていただく機会がございました。

法人であれば、当然これが必要となります。

かつて経理部に所属の自身も、納品先と取り決めた締め日(月末とは限らない)で明細をくくり、前の締め日の次の明細からの合計金額を算出。

すべて会計ソフトがやってくれる業ですので、人間はボタン操作のみ。

とはいえ、その意味やポイントをこの度ご紹介しますことで、その後の会計ソフトの上手い使い方や、無駄のない迅速な作業へと発展できますよう実体験からのご紹介としてこの度の記事として綴ってまいりたいと思います。

同じ得意先と1か月に複数回のお取引の際には、合計請求書の発行が便利で互いの確認になる

ネット販売や店舗販売などで個人様相手の1度っきりの売り切り事業の場合は、「合計請求書」は必要でありません。

納品書を商品と附随して発送してお取引が終了となります。

「発送前入金」という鉄則があり、入金がないと発送しないという対等なアドバンテージの関係にあるからです。

その納品書の控えを売り上げのエビデンスとし、数々の納品書の金額の一定期間の集まりの合計が「合計請求書」という構図です。

簡単には、確認のために「こうですよね」の提示のようなもの。

対する納品書を持つ購入側の事業者様も同じようにきちんと「買掛金」として合計金額を把握しているべきであるということになります。

ところで、「BtoC」のような対個人様のお取引ではなくて、「BtoB」色のある対事業主様のお取引の場合、もしくは対法人様のお取引の場合であると、今後も複数回お取引ができるケースが多いです。

その結果1か月の間で複数回商品を発送して売り上げが複数回生じます。

そうした時に【末〆め】という支払の場合、1日から月末の31日までに生じた個々のお取引の納品書の合計金額を合算した「合計請求書」というものを売り手側は、発行するべきです。

数回程度のお取引までは、納品書を見て購入者が計算機で計算して合計金額を振り込むということも可能です。

しかしながら、お取引が複雑だったり納品書もれが起こったりしたときに大変です。

手計算を正確にしても1つ抜けた納品書の事を忘れていたらどうしても金額を間違えてしまうことがあるのです。

そして数回程度から、金額も増えた何十回とのお取引が1か月で行われた場合、もう計算機と人間の記憶だけでは限界があるのです。

そこで、納品書を縦にリストアップした総合請求書の出番となるのです。

合計請求書(エクセルで手作り)は単純で見やすいものがグッド

「合計請求書」の全体像(A4):単純ですっきりとした表現が分かりやすく見やすいです。

納品した商品というのは、個々の納品書に詳しく記載済み。

合計請求書というのは、あくまで、金額の合計の確認と思えばよいです。

ただ、その合計もただ合計だけ急に表しては、根拠が分かりませんから、それも意味がない。

ということで、いくつかのポイントの項目だけをピックアップして並べて出来上がるようにします。

そのポイントとはどんな項目なのか。。

「合計請求書」の真ん中の明細の欄:ポイントとなる数字や金額だけを羅列のシンプルなもの。

1)納品書番号・・・これを一番左端に持ってきました。当然納品書を発行している時点で納品書番号はあるべきです。後々ここで利用できるので、紐付けというものがしやすいのが納品書番号。例えば、同じ数で全く同じ金額のお取引がたまたま複数出てくることはよくあること。それの区別にも活躍してくれます。

2)日付・・・これを2番目掲載。日付もぱっと見、納品書番号よりもキャッチ―ですので、後々のチェックにとても使いやすいものですので、これも必要な項目。

3)合計数量・・・その納品書の合計商品数があるとこれもキャッチ―なので、ないよりはあった方が確認になります。

4)合計金額(税込み)・・・これも必須。究極、ここだけを見て判断もできてしまうもの。それくらい重要です。この(税込み)というところをご注意ください。

そして、最後に支払いサイトを記載。

口座名も分かってもらってはいても、常に記載しておきます。

この、1)-4)の項目さえ並べてあれば、たいてい間違いも起きません。

合計請求書の一番上の欄:左上には納品先、右にへりくだった段下がりに自社を記載。

左上に総合請求書の日付を、末〆の場合2020年4月30日と記載。

合計請求書を発行する日が前倒しになろうが、翌日になろうがとにかく月末日を記入。

そして、左側に得意先様の住所と会社名。

右側に少しへりくだって段を下げ気味で、当社の住所と社名を。

そして、先ほどの明細が真ん中に配置。

「合計請求書」の一番下の欄:ここが重要、お振込み日の期日をあいまいにせずピンポイント記載。

最後は「以上、どうぞよろしくお願いします。」と締めくくります。

私が会計ソフト様の「合計請求書」を使わない理由はこれ、そのまま引っ張り過ぎて複雑すぎるから

さて、こんな風にエクセルで「合計請求書」を手作りしましたが、なんと人間のすることとは不確かなものでしょう。

ときどきミス入力をしたりして完璧ではないものなのです。

ということで、もしも。。を考えます、莫大にお取引が増えた場合とか。。

そうするとエクセルで入力がひと手間にも二手間にも感じるようになるものです。

よって、「(株)マネーフォワード」様の会計ソフト「マネーフォワードクラウド」で納品書も合計請求書も作ることを考えました。

結論からは、両方可能です、ばんざーい(^o^)丿。

ところがです、最終的には不満もありました(;'∀')。

納品書はばっちりだと思いますので、今後使わせていただきます、ありがとうございます<m(__)m>。

納品書は、エクセルで作っていたものとほぼ同じようにできあがるので、会計ソフトの納品書の形式は、問題なくグッドだと思いました。

ただ問題は合計請求書、これには不満が残ります。

せっかく私がエクセルですっきりまとめあげた単純さが、複雑になった合計請求書なのでした((+_+))。

なんと、1枚以内に収まりまだ隙間さえある自身のエクセルの「合計請求書」に対して、会計ソフトの合計請求書は2ページ目まで突入してしまうのです。

その理由は、あの上の1)-4)の項目の内、肝心な4)の合計金額の欄がなく、あらためて、納品書の1行1行を並べる設定だからです。

これは使いにくい。。逆にごちゃごちゃして見にくいのです。

納品書で確認済のことをまた持ち返して並べているように思えてなりません。

「(株)マネーフォワード」様にもこのことを連絡しお伝えしたのですが、とりあえず現状これだそうです。

おそらくですけれど、「納品書無しで突然の請求書としての役割が果たせるものに」と納品書と請求書とを兼ねたものになっているからということではないかと。

もしくは、納品書を紛失した場合に新たに再発行などせずとも内容が分かりやすいようになどそんな意味があってあえて、明細重視の様式なのかな、などと想像します。

それぞれ使い方がばらつきがあるので、私のような納品書と合計請求書を組み合わせて両方並行して使っていく事業者ばかりではないのかもしれません。

ということで、自身の会計ソフトの使い方は、納品書は会計ソフトを利用、合計請求書はエクセルで印刷/PDF作成という方針でいくことに。

エクセルの金額が正確かどうかの確認だけにソフトの合計請求書を「見るだけ」でしばらく使わせていただきます<m(__)m>。

もしかして、その後変わっていくのかもしれません。

会計ソフトも随分といろんな改良をしていただいているようで、常に体勢が「最新」です。

なかなか全員のニーズには応えきれないし、もしかして、自身こそ古いやり方をしているのかもしれません(^_^;)。

あとがき

個人事業主も長年やっていく中で、いくつかの柱を持つようになります。

お取引の種類が1つだけでなく、いろんなタイプの流れがある。。

最初は、自分で作った商品をネット販売のみで、顔の知らないお客様に一度っきりのお取引をそれぞれ行うことがスタートでした。

ただ、今年になってお仕事仲間とお取引することで、BtoC(事業者→個人)から、BtoB(事業者→事業者)の様式のお取引も現れたのです。

法人様から見れば、私達個人事業主も「C」だと思われるかもしれないですが、実際に体験致しますとその構造たるもの明らかに「B」。

会社が会社に商品を卸すのと全く同じだったのです。

今後は、このように、小さな個人事業主が会社のような機能でこじんまりと活躍していくような時代になっていくかもしれません。

そうすると、個人事業者も、個人の延長という甘えた感覚ではなく、立派な法人の会社様と同等にお取引できるような体勢にしていくことは、将来の成長のためにとても大切だと考えます。

このたびの発信が、お役に立てることがありましたらば幸いです。

今後も<経理>の記事、アップしてまいりますので、時々「共有」するという意味でもお立ち寄りいただければと思います(^-^)。

<経理>個人事業主のハンドメイド事業の棚卸作業と仕訳(前期からの繰越製品を今期に廃棄処分をした場合の仕訳も含む)【199】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

個人事業主のハンドメイド業を持つ私が1月に入って早めに行うこと。

それは、決算の棚卸作業。

なぜ早めが良いかと言うには理由があります。

次の期になったとたんに、製作によって材料が減って変化していくからなのです。

そうしますと早くに在庫ストック分をカウントすることが分かりやすくて、後がとても楽です。

個人事業主のハンドメイド業者が1月になったら早めに作業しておくのがよい棚卸作業の内容

冒頭でもお伝えしましたように、1月に入ったらすぐに意識すること。

それは、棚卸作業を早めに行うことです。

棚卸作業というのは、主に2点のことを行うこと。

①遡ること12/31時点の「材料」の未使用分を数える。

②同じく12/31時点の「製品」の売れ残った数を数える。

です。

この数えるという言い方があいまいですが、数量の把握と同時に、①と②をそれぞれ「金額」で把握するのです、しかもその金額というのは「原価」です。

①の場合は、原価というのは実際の購入価格そのまんまで正解です。

ですから、過去の「材料仕入-買掛金」もしくは、「材料仕入-現金」という仕訳を帳簿で確認したり、材料購入の納品書や領収書、レシート等を見返す作業が必要となります。

②の場合は、下準備が事前にあってこそスムーズにできるものです。

原価表というものを1商品につき1つずつデジタル(エクセル等)で作っている状態にしておくと、この作業がものすごく簡単になります。

昨年度は、私は個人事業主1年目だったので製品原価表の中の材料の部分が事業主以前の何年も前のストックだったりして、正確な原価表というのは作っていませんでした。

しかし、今年度は新たに購入の事業主スタート後の材料だらけになってきて、正確な原価表が可能になりました。

そうすると原価表のエクセル表の合計の値を拾えばよいだけで楽です。

日々のコツコツとしたまめな作業、これは製品完成の時点でそれぞれ行っていけば、作業が散らされて5分程度で1点の原価表が完成するぐらいの短い作業となります。

原価表の作り方などは、また別の記事でアップするとしまして、ここでは、そこから合計「金額の値」を引っ張ってくるだけでよいのだということをお伝えするにとどめますね。

ところで、実は①の材料についても準備があるとよいと言えるのです。

確定申告の時期になって慌ててバタバタと過去の領収書を調べたりなどはなかなか骨の折れる作業。

そのようなことをせずとも、事前の材料のリスト作りで、その表だけで棚卸資産表を作るところへ進めるのです。

それをYouTube動画におさめていますので、よろしければ、ご視聴どうぞ(^-^)。

あくまでYOUTUBE動画はまだ①に関してしかアップしていませんので、②をアップしたらまた、貼り付けますね。

棚卸の仕訳(材料と製品それぞれの残り分の金額把握)

さて、仕訳をするにあたって、①材料在庫の棚卸表、②製品在庫の棚卸表とをエビデンスとして完成させていきます。

①材料在庫の棚卸表の例
②製品在庫の棚卸表の例

数字や写真はあくまでも例です。

そして、①と②を分けてそれぞれで仕訳するのが良いとのことです。

この合算してしまわず2種で計上するというのは税務署様からの推奨でした。

この2種というのは材料と製品の2種。

仕訳の行数は、材料で通常棚卸は2行1セットの仕訳ですから、①と②それぞれ2行ずつ合計4行の計上です。(すみませんややこしい言い方で<m(__)m>)

また、②が写真付きであるのかどうかは、私が自分自身の把握でして、あった方が分かるのでこうしています。製品番号だけでも本来十分ではあるかと思いますが。

この写真は、次の事項になる廃棄処分の時にイメージがわきやすいので、この表を利用する廃棄処分の仕訳の時に有効だからということで写真を使っているということも大いにあります。

では、まず材料の棚卸の仕訳。

2019.12.31・・・①材料在庫棚卸仕訳(前期末に¥5,000だったと仮定)

5,000 期首材料棚卸高 ※今期首時点の材料在庫 材料 5,000

10,000 材料 ※今期末時点の材料在庫 期末材料棚卸高 10,000

はい、今度は製品の方。

2019.12.31・・・②製品在庫の棚卸仕訳(前期末に¥7,000だったと仮定)

7,000 期首製品棚卸高 ※今期首時点の製品在庫 製品 7,000

14,566 製品 ※今期末時点の製品在庫 期末製品棚卸高 14,566

これで、12/31時点で、¥14,566分相当の価値の製品が売れ残っていたということが正式に帳簿に計上された、(事実としてアップされた)ということです。

製品廃棄をした場合の仕訳

期の途中で製品を廃棄することがあります。

私の場合まだ技術が未熟で今後販売するには説得力がない作品のバッグをまだまだ今回も廃棄処分したものがあるのです。

その仕訳をお伝えしたいと思います。

実際廃棄処分をした日は、期中の6月頃だったのですが、廃棄した商品の記録だけは別紙でエクセルに記録してありました。

昨年の棚卸表の横に「廃棄」などとメモ的に記録しておくことが最も分かりやすいかと思います。

そして、廃棄処分のエビデンスとして、前期の製品棚卸表の横に廃棄と記入した別表をコピーしながら作った廃棄処分表みたいな表を用意するのです。

廃棄処分額は製品原価ですので、金額もその棚卸表である製品原価をそのまま利用できます。

製品廃棄処分表:前期の製品棚卸表を加工して使うのがスムーズ。

そして、仕訳は、

2019.12.31

4,000 製品廃棄損 ※前期末製品在庫5点中2点を廃棄処分 材料仕入 4,000

と行います。

私は最初、この借方の「材料仕入」を「製品」という科目で行おうとしていました。

そうすると、先ほど行ってきた棚卸の仕訳の金額に矛盾が生じてしまいます。

確かに前期の製品から廃棄したから、振り替えて製品の金額を減らすと考えてしまうのですが、そうするとここで急に確定したはずの製品の金額を変えてしまうので、いじってはいけない、それ以上触ってはいけない数字だと考えられます。

そしてやむなく、「製品」という科目を避けるために、「材料仕入」という科目を借方に持ってくるということに至ります。

そうするとこの廃棄の仕訳のタイミングは上記の製品や材料の棚卸仕訳の前も後でもどちらでもよいということになります。

「製品」という科目を使ってしまう場合、たとえ棚卸仕訳の前の順番で計上するとか、もしくは、6月の廃棄を実際にした時点で6月で計上したとしても結局は、前期から繰り越してきた「製品」の金額が突然期中で変わってしまっていますから、期末で行う棚卸の仕訳の「製品」が前期末と一致しないというおかしな矛盾が起きます。

よって廃棄処分の際に「製品」という科目を使わないというのが正解でしょう。

また、製品廃棄処分の計上は期末に行うと、在庫を減らそうと悪い操作をしているかのような疑いがもたれるから、期中に行っておくのがよいという意見もあるようですが、そんなことはないです。

いつ廃棄したかは、12/31の計上時に摘要欄に記載すれば、期末でOKな仕訳だと思います。

なので、

・廃棄した日付:6月頃

・廃棄した理由:製品の技術の未熟さと付加価値の不足、今後売れそうな見込みがない等の判断による

などをエビデンスに記入しておくと実直です。

なにも怪しいことをしているのではないのです、実際にそういう場面が事実としてあったということなのですから。

廃棄処分すること自体は認められた行為です。

ただ、SDGs分野からは今後は起こらないようにしていきたいものです(^_^;)。

あとがき

今回は、ここまでですね。

廃棄処分の仕訳はわざわざ行わないということもできてしまいます。

しかし、今後は廃棄などしないで済むような納得の製作になることの改善もあって前期からの在庫の分からの廃棄は「製品廃棄損」科目をあえて計上しています。

そうしないと見えないところで利益も変わります。廃棄した場合としていない場合を区別したいわけです。

ところで、当期内に出来上がった製品を当期内で廃棄の場合を税務署さんに聞いてみました。

税務署さんに問い合わせした時のお話では、前期末からの在庫でなく当期で新規に作って、当期で廃棄の場合は、材料仕入-買掛金の材料購入時の仕訳そのままを活かした費用で終わらせるということでよいようです。

すべてそれを製品廃棄損で仕訳するのはきりがない、本来はそれがベタベタなやり方かもしれないけれども、その必要はないとのこと。

よって当期に作った製品は、当期に廃棄しても、わざわざ廃棄処分仕訳をしないということです。私もそれには納得していまして、それで良いかと思います。

実際は、当期製作のものは、もう少し粘って販売しますので、当期内でやすやすと廃棄処分することは稀(まれ)ですのであまりこのケースにはなりませんし。

では終わります。経理ブログ増やしてまいりたいと思います。もしご参考になる点があったなら、幸いです。

<経理>開業後早めに参加して数々の謎を解いておく、「税務署」様主催の「帳簿の記帳説明会」への参加の推奨と用意しておく質問事項【361】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

個人事業主をスタートさせて、現在ちょうど3ケ月が過ぎたところです。

日々、初の売上を作ろうと懸命な「ハンドメイドバッグ製作+マーケットサイトで販売」の最初の3ケ月の中で並行しながら、「経理事務」のお仕事があります。

会社員時代には長年「経理事務」に携わっていましたので基本的には心配するところはありません。

しかし、実際は、「マネーフォワードクラウド」という「(株)マネーフォワード」様にお世話になっている会計ソフトに、日々の取引を計上していく中で、「これでいいのかな?」など、モヤモヤして、はっきり分からないことなどが数点出てきておりました。

「マネーフォワードクラウド」にも質問はできるのですが、あくまでソフトの使い方などに範囲の限界があります。

のぞましい仕訳や、特殊なケースへの計上する手前の事項に関しては「税務署」様に聞くべきなのです。

そんな頃に、タイミングよく税務署様から、帳簿の記帳説明会のご案内を郵送でいただいたので、「よし、参加して質問してすっきりしてこよう」と思ったのです。

そして、先日4月中旬あたりでしたが、参加してまいりました。

このたびは、実際に参加した「税務署」様主催の「帳簿の記帳説明会」のルポタージュとしまして初めて事業主になられた方のためになるところがあればと、その時の実直な内容をお届けしたいと思います。

「帳簿の記帳説明会」のおおかたの流れ

ネットで、事前に記帳説明会に行った感想のようなブログ記事(このたび私が綴っているようなもの)を数件読ませていただきました。

感想は人によってさまざまでしたが、なかなかインパクトのある感想は見つからなかったです。

あまり、感動的な良かったという感想も見当たらなかったです。

やはり、実際に自分で出向いてみるのが一番だと思いましたし、質問をしたい内容が解決できるなら、行く意味は必ずあるだろうということで出かけていきました。

事前申し込みは必要なく、当日そのまま会場へ足を運べばよいというのが、とても行きやすかったです。

部屋の椅子の数の50人前後の定員がある程度決められているようでしたが、実際は、10人いなかったと思います(驚)。

税務署様がご用意の資料を「パワーポイント」を使ってお姉さん(税務署員様)が説明して下さいました。

記帳説明会の時間は、1時間半程度でしたね。

さて、参加して良かったのかどうかですが、迷うことなく、「良かった」です。

反対に、参加しなかったらと想像すると寒くなるほどの大きなイベントだったと思えます。

この後に綴りますいくつかの学びがあることでこの「良かった」「意味があった」という感想がいかにリアルなものであるかを感じ取っていただければと思います。

参加して良かったと改めて思う、初の情報の数々や大鉄則事項

1)クレジットカードと預金の残高ともども、月末では「帳簿」と「実際」の完全一致の鉄則

記帳説明会の参加を終えて、これは重要なポイントだと感じたことがあります。

説明会に参加する前は、実際にできていなかったことでもありました。

とにかく、預金通帳の残高と、帳簿の残高が一致しなければならないとうことが大鉄則とのこと。

クレジットカードも同じように一致しなければなりませんが、クレジットカードの引落も普通預金からなので、当然、連動して一致が余儀なく求められます。

よく、個人事業主になったら、「専用のクレジットカードを作るべき」「普通預金の口座も専用に作った方がよい」などは、ネットでも拝見したことがあった情報です。

専用のカードや口座を作ることは、多少分かりやすいですが、それが必ずしも重要ではなくて、むしろ「残高を一致させること」の方が重要なのです。

自身の場合、特に今までの個人のままの延長でクレジットも普通預金も継続したかったので、新規には一切作りませんでした。

結論から言うと、これでも「全然大丈夫」です。

ただ、預金の中に、個人(事業外費用)の使用の内容の物も含まれ、クレジットカードの内容にも、個人(事業外費用)の内容も混じるわけです。

それをクレジットカードの引き落とし日に、まとめて1本の計上をする必要があるというのが初耳。

自身は除外して、計上せずにいまして、「残高が合わないのはそういった事情で仕方がないと認められる」というような勝手な解釈をしていたのです。

それで、普通預金の月末の残高や、クレジットの月別合計が、ぴったりにならない状態で2-3か月を過ごしていたのでした。

絶対的なものでないから、仕方ないと認めてもらえると思っていたというところが大きな勘違いだったのです。

ほら、こういうことがあるから、こうした説明会でご質問する意味が大いにあるのです。

「法人」と同じで、完全一致であることが絶対だとお話を聞き、「頑張って合わせてみてね」、と税務署のお姉さんに言われ残高を合わせる作業を2-3日にわたって行い、やっと一致に至りました。

そこで、完全一致のために使う重要な勘定科目が、

・事業主貸

・事業主借

という2つの科目で、例えば、自身のような個人用と事業用が混在しているクレジットでも、

事業主貸 50,000    普通預金 50,000

「〇〇月分事業外費用(総合計) 支払 △△カード:xx銀行」と摘要欄に入力。

こんなふうにたくさんの合計を1行にまとめて事業外費用一括として、シンプルな計上で全然良いと、税務署様がおっしゃっていました。

この後に、「総勘定元帳:普通預金」で残高を「帳簿」と「通帳」で合致する確認をするのです。

クレジットは、事業専用に作るのも確かに良いです。

ただ、他の明細がどうしても混在するケースがどこかで必ず出てくるので、綺麗に分かれるということが難しいです。

例えば、事業用と個人用とで50%ずつの使用としています「地代家賃」という科目の場合、事業用のクレカを作っての支払いをしたところで、結局は、家賃を事業用と個人用に分ける2段の計上をせねばならないです。

さらに、家賃が実際に引き落ちるカードが事業専用の方ならば、結局は個人用の家賃の部分の金額も一緒に引き落ちる運命ではありませんか。

よって、クレジットカードは個人使いの1つのクレジットカードを事業用と共有し、中身の内容だけをクリアに分けることでかえって、1本のクレカの管理だけでに集中できるのだと考えるとむしろこの方が良いというのが自身の考え方です。

2)「預金利息」の入金は「事業外収入に該当」という決まりがある

「預金利息」で一番共通するのが、「普通預金利息」です。

普通預金に、「預金利息」がほんのわずかの金額ですが入金された場合など、これは、「事業のものではない」という決まりらしいので、いくら、事業主用に専用の口座を設けていても、

普通預金200 受取利息200 ・・・ x

という仕訳はダメで、

普通預金200 事業主借 200 ・・・ 〇

が正解。

ここでも結局、個人が混在してきてしまうのです。

3)「現金」のマイナスの残高は認められない(現実的な矛盾)

もう1つ、現金の残高はマイナスは不可というのも大鉄則とのことです。

マイナスになっているということは、計上などにミスがない限り、個人のお金から事業に使っていることになりまして、その流れを都度リアルタイムで計上します。

現金 100,000   事業主借 100,000

※振替(個人用現金⇒事業用に)

これで、個人の私のお金を事業へ投入したということになります。

会社であれば、会社専用に現金がはっきり分かれていますから、現金ボックスなどの現物を数えて、総勘定元帳の現金の残だと一致しているかを調べるということになります。

一方、個人事業主の場合は、たとえ事業用にボックスを作ったとしても、何か購入する時は個人の財布からということが多いですから、現金を別に分けておくということはなかなか困難です。

そこで、時おり、現金の帳簿をチェックすることを心掛けるといいです。

自身は、毎回現金の出費の計上をした後に、必ず帳簿上の「現金」の残高とお財布の現金を数えて合致を確認しています。

それならば、お財布を「個人用」と「事業用」に分けて管理はどうかというアイデアが浮かぶかもしれません。

実は3年程お財布を分けてやってきた結果が出ています↓。

あまりに管理がしにくく、その後はずっと1つの財布だけで管理になりました。

お財布を2個もバッグに入れてとても野暮ったいですし、結果は混乱の原因になるだけでした。

その代わり、ちょっとしたお菓子を現金で購入しても会計ソフトに、

100 事業主貸  現金 100 

※お菓子1個(事業外費用)

を入力することになるのです。

とはいえ、それでも自身はこちらの方を選択したのでした。

4)簿記の教科書に登場の、「仕掛品」「製品」は通常の計上では省略してシンプルに

ここからは、前もって準備していた質問に対して税務署様からいただいた回答をご紹介したいと思います。

どなたかのネット上のブログで、自作商品を製作している人の仕訳ということで、工業簿記を引用してみえました。

①材料仕入 現金(材料購入時)

②仕掛品 材料仕入(作業に取り掛かった時)

③製品 仕掛品(商品完成時)

④売上原価 製品(商品が売れた時)

と作業の順に振り替えていくのだということが書いてあったのを拝見しました。

これは確かに、工業簿記に従っています。

しかし、とても複雑であり、頭が痛いです。

税務署様によると、「商業簿記風で簡素で良い」とのことです。

①材料仕入 現金(材料購入時)・・・②③④の仕訳は無し。

⑤売掛金 売上(商品が売れて受け渡し時)

これだけで良いのです。

「受け渡し時」は、商品を発送した日でも、相手が受け取った日でもそれは、ご自身の方針通りでどちらでもいいとのことです。

そして、実際に入金があった時に、

⑥普通預金 売掛金(商品代入金時)

を仕訳します。

ということで、①⑤⑥だけの仕訳しか現在も使っておりません。

「製品」という科目は、通常は使いませんが、決算仕訳の時だけ「棚卸仕訳」の計上の際に使うことになります。

5)「社会保険類」の支払いの計上はすべて「個人扱い」であり事業の費用とはみなされないルール、ただし、「損害保険」のみ費用計上OK

・国民健康保険料

・国民年金保険料

これらは、「確定申告」時には控除対象になるもので、申告はしますが、その都度の計上は、

・国民健康保険料・・・事業主貸 - 普通預金(自動引落日だけ計上)

・国民年金保険料・・・事業主貸 - 普通預金(カード引落日だけ計上)

で「事業主貸」の科目を使って計上しなければいけません。

税金関係は個人のものだから、「保険料」という費用の科目を使用してはいけないのです。

ただし、自身もそうなのですが、家賃を事業と個人とで兼用しているタイプの方も多いと思います。

この賃貸の際に契約している「地震保険」「火災保険」などの「損害保険」に関しては、費用計上するのです。

全額ではなくて、「家賃」の計上をするときの割合に等しい案分で、「控除証明書」の金額を分け、2月の確定申告の際に、控除金額の欄には、案分金額を入力することで事業分を差し引いた「個人分」のみを控除してもらうのです。

この保険に関する以上のことをクリップにまとめました↓。

6)不用品の販売と収入(「ヤフオク」や「メルカリ」で衣類や雑貨を販売した場合)

このこともよくある話題なのですが、実際に税務署様にお聞きしました。

前に買ったたくさんのお洋服などが不要で、現在ヤフオクで売っています。

それでも、個人の持ち物である衣類などの不用品販売というのは、売上の多少、関係なく「申告対象外」とのこと、計上も無しでよいそうです。

一方、「せどり」「転売」など、事業として行い、個人の不用品販売とは明らかに違う場合は、「事業要素が高い」と判断されますので、「計上も申告も必要」とのことです。

事業者としてそういった「せどり」「転売」をしているかどうかなどは、ご本人が一番分かっていることです。

正直なのが後々楽なのです。

あとがき

今回、初めて経理部門のカテゴリーの記事を書いてみました。

もしかして「自身の経理経験が生かされた部分があれば」ということ、ネットで調べてもなかなか完全な答えが見つからなかったこと、がこの度お伝えしたことの中に入っていれば幸いでございます。

「普通預金口座の一致」や、「現金がマイナスになるのは不可の鉄則」は、かえって、計上もれや、重複の答え合わせにもなる良い鉄則なのです。

自身もまだ個人事業主経験が浅いですので、まだ多くのことはお伝えできませんが、今後、この<事業><経理>のカテゴリーにも、経験が増えてきたら、記事を増やしてお役に立ってまいりたいと思います。

お互い、事業の発展と実りを目指しながら日々の事業活動を頑張ってまいりましょうね(^-^)。