マルチカラーの糸の色を当時の焦げ茶からベージュへ変更、約6年ぶりに解体して丁寧な仕立て直しをした大容量バッグの立派な姿【1381】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび3回連続でお送りしてまいりました「仕立て直し」のシリーズ。

【1379】【1380】【1381】と連続の、このたびが最終の【1381】です。

①スツール用の低反発クッションカバーの仕立て直し(【1379】の投稿)↓。

②3点のトートバッグを裏地を追加したピンタックデザインへ仕立て直し(【1380】の投稿)↓

そしてこのたびの③は、ビッグトートバッグの一重仕立てのゆるゆるなルーズ感が気になる超大容量バッグを丁寧に仕立て直し、しっかりしたものに仕上げて締めくくります。

②の3点目もビッグトートバッグでしたのでサイズが非常に似ていますが、このたびのバッグが一番大きいサイズとなります。

この数年間のノウハウが高まったことで、様々な箇所において作り方が変わっていました。

当時のままの希少なその時だけの生地を大切に新しい形で活かす素晴らしをお伝えできればと思います。

コスパ良く生地を使用たラッセルニット横向き裁断の過去の製作、解体後の仕立て直しはバッグなのに縦が伸びるデメリットを解消した

解体した後、裁断し直しの本体:「わ」です。真ん中が底になります。縦20cmx横10cmをくり抜きました。

ということは、マチは20cmに出来上がるということになります。

柄の向きに融通があるため分かりにくいのですが、この向きは地の目に対して横向きなのです。

本体と取っ手でおそらく購入は1mだったと思います。生地を余らせず、フルに利用した記憶です。

当時の生地購入時の記憶が薄いですが、おそらく、広幅の生地を有効に使うために横取り裁断をしたと思います。

よって、横向きに裁断するという考え方で当時はコスパ良い生地の調達を工夫した個人使いの製作品です(2015年頃の製作)。

このビッグバッグには、その後布団も収納しましたし、ボリュームたっぷりの資材も収納して複数と用途で使わせていただきました。

エレガントな薔薇柄がかなりインテリア性を高めてくれていたのです。

「ダブルラッセル」という種類の生地が該当すると思うのですが、ネット検索でググっても薔薇柄などというのはかなりのレア生地、なかなか見つけることができないのです。

ただ、当時の表面的な考え方があり、今こうして解体後見てみると、横裁断したせいでバッグとして持ち上げた時に、引っ張られて生地が伸びてしまっている部分がありました。

もし、今この生地を調達するならば、おそらく、2枚仕立てにして、めいっぱいの生地幅の横並びに裁断ができるサイズへ小さくしてでも地の目に忠実に作っていたでしょう。

そうした過去のつたない考え方や作り方を今こうして現在の技術をもって仕立て直しできる機会が大変嬉しいです。

糸の色を当時の焦げ茶からサンドベージュへ変更したことでステッチが美しく映るようになった

このバッグ製作当時はそもそもミシン糸を50-60番で縫っていた時代。

現在はバッグに関しては30番を徹底しています。

過去は60番程度の細番手。解体しながら感じたのは、持ち上げる圧力がかかるバッグにはやはり30番が安心です。

そして、糸の色を変えたところも重要なポイントです。

焦げ茶は一見合いそうだと思われるでしょうが、マルチカラーにおいてはそういった判断は表面的です。

登場するカラーの濃い・薄いの中間の色を選択が正解なのです。

これはさんざんマルチカラー生地を扱ってきた者が糸の色に悩みながら導き出した答えなのです。

大部分は確かに焦げ茶。しかし柄の部分もそれなりの面積です。この薄い綺麗な色へ焦げ茶の糸は汚いのです。
サンドベージュの糸の色は平均的にどの色の部分にもなじみました。これが正解。

この生地はメッシュで穴が開いています。

裏に接着芯を貼ったその接着芯の色さえ白か黒かの選択が重要でした。

柄の部分に黒が透けることがないよう、白のニット芯を選択したことも糸の色選びに関係してくるのです。

裏地付きのピンタックは表地、裏地それぞれで行い、凹凸が反対になるところがポイント

表地は表へ突き出すように、裏地は凸面が内側へ隠れるようにピンタックをつまみます。

こうすることで、凹凸のコンビとして、表地と裏地がうまくぴったりと重なるという構造なのです。

ピンタックをする前に入り口の縫い代を折ってからやるというのも綺麗に出来上がるポイントです。

完成品を見ながらの「仕立て直し」の総まとめ

③仕立て直したビッグトートバッグ:<サイズ>縦50cmx横60cmxマチ20cm。

②の時は、縦横50cm四方だったので、こちらの方が横が10cm広いです。

10cmの違いはさすがに大きいので、大容量バッグと呼ぶにはふさわしいこの度のバッグです。

裏地も②と同じヘリンボンの厚手生地を設置。

裏地には接着芯は不要と判断し、表地だけの接着芯ですが、物を入れるとこんなにスタイリッシュです。

横顔です。きちんとしたフォルムは眺めていて大変気持ちが良いものです。今までの姿とは全く違ったものです。

あとがき

「苦労を買ってでもする」という言葉がとても好きです。

今その一瞬は長い長い歴史では、ほんの一筋の光の矢でしかありません。

「長い目で見る」というもう1つの好きな言葉と共に常に引き出しの中に入れている言葉です。

その後見るたびにうっとりとする心地を毎回感じることを考えたら、今の苦労などたいしたことではないのだということです。

当たり前に手間をかけていき、終わったら涼しい顔をする、そんなスタイルを大切にしてきたいのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ピンタックをあしらう仕立て直しの結果がすごい、整然たるインテリア容器への生まれ変わりを遂げた過去の製作品のトートバッグ【1380】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ3回にわたり、過去の製作品のハンドメイド品を仕立て直しています。

1回目の【1379】では、5年前に製作の2018年製のスツール用の低反発クッションカバーを角型から座面の楕円に上手く沿った楕円カバーへと変えました。

全部糸を解きほどいての仕立て直しなのでほぼ最初から作るのと同等です。

それでもその生地をそのまま活かして仕立て直すことの無駄の無さや気持ちの大きなリフレッシュをお伝えしたいと思っております。

当【1380】では主にトートバッグに主にピンタックを追加していきます。

3点中2点はすでに出来上がったところへ追加だけをするやり方、最後の1点は元々裏地無しであったことから、この機会を兼ね、全解体の裏地付けを含めたピンタックバッグへの変更となります。

なかなかのボリュームある作業ではありましたが、とても有意義でした。

では、是非変化をお楽しみくださいませ。

縁が曖昧なルーズなトートバッグがピンタックを施すことで劇的に生まれ変わる、180度反対なスタイリッシュなテイストになった

仕立て直し前の3点のトートバッグ:左2点は接着芯を貼った裏地付き、右は一重仕立ての無接着芯。

どれもだらんとしたルーズさがあります。

きちんと整ったラインがはっきりしたボックス型の方へとそのフォルムを変えていきます。

「あいまい」から「はっきり」への変化は、その見かけの物理的なことだけでにとどまらず、気持ちが引き締まるような「心地」の変化も生むのでした。

作業過程は映しておりませんので、次の写真からはピンタック後になります。

随分変わりました。

もともと縦長のサイズだったのですが、角がはっきりして前よりこちらの方が断然グッドです。
こちらは横長。前は縦が短くて物がこぼれそうだったのがピンタックだけでこうも変化しました。
縦横50cm四方のビッグバッグ:もう迫力満点。このようなサイズのビッグバッグはなかなかレアです。

ここへプチプチを入れている事業用の資材品入れとして使っておりますので、出番も多く毎日見かけるバッグでした。

毎日見るからこそ見た時の心地良さを重視した仕立て直しだったのでした。

これは最初一重で作ったのがかなり前なので、そこからこんなにも作り方が変わったことに驚いています。
裏地も持ち合わせの生地があり、これを利用。接着芯は表地だけに貼りました。

ピンタックは、最初の2点は表地と裏地が重なったままアイロンで線を付けてまとめてつまみましたので早く仕上がりました。

ただ、この3点目に関しては、本来最初から作る裏地付きのピンタックタイプは表地、裏地それぞれでピンタックをつまんだ方がラインが綺麗で寸法も正確です。

注意点は、裏地は内側へ隠れる方へ突き出すつまみ方で裏面で山を作りますので、出来上がりはピンタックが奥へ隠されることです。

表地は表側へ突き出す方が断然美しいですので、そのようにつまみます。

ピンタックをつまむ面が表地と裏地で違うということです。

そして、最後口の縫いとじの時にピンタックが凹凸で重なりうまく合体できるという仕組みです。

おまけ:ジャガードの裏面使いの良さを意外なカラーの裏面でアイロン台クロスとして仕立て直し

実は3点目の生地の裏面が結構素敵だったので、これを表面としてインテリアカバーで使います。

もともと、アイロン作業の箪笥(たんす)のてっぺんにクロスとして敷いていた本来の表面でしたが、3点目のバッグと同じ柄だということに差別化を付けたくて、裏面仕様で違った雰囲気にしてみたのです。

実際にこのようにインテリアクロスとして使用しています。

今思えば、何年か前に購入のこの生地、気に入って多めに調達していたようです。

バッグに余ったからインテリアクロスにしたというのがこのアイロン台クロスにしたきっかけ。

当時しっかりこの生地をしっかり見ておらず、裏面がこうなっていることをこの仕立て直しの機会に初めて知りました。

あとがき

ここで仕立て直しシリーズの第二弾が終了したのですが、最後の第三弾というのは、同じビッグバッグのもっと一回り大きな一重仕立てをこれも全解体の裏地付きで仕立て直します(【1381】記事にて投稿)。

こちらにも裏地を付けていきますが、この度のビッグバッグよりも生地が伸びるタイプでやや難易度があるかもしれません。

そちらの生地もこの度の生地と同様もう今は売っていない生地で、その当時限りの素材なのです。

そう考えると、生地の希少さ1つとっても、この仕立て直しの意味があるわけです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

5年前の製作の未熟な技術からの成長、5年後に仕立て直した薔薇柄のスツール低反発クッションカバーの楕円型がスタイリッシュになった【1379】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

大みそかにこの記事を書いています。

年末に特に大きなことも成し遂げられず、今年2023年の残りわずかに相応しい作業を探っていましたところ、「これだ」という作業が見つかりました。

常に目にするたびに気になっていた過去の製作品です。

大きく3種ありまして、当記事では2018年製作のクッションカバーを2023年バージョンとして仕立て直しをします。

そして、後日の投稿では、1年前くらいのトートバッグなのですが、更にひと手間加えてスタイリッシュな使いやすいバッグへ変えていきます。

そして、更に後日の投稿で、10年くらい前の大きな入れ物として使用の今でも毎日目にするビッグトートバッグの仕立て直しです。

このことを通して、ミシン製作を続けてきたこの5年間で変化していた技術とアイデアを実感することがまず1つです。

そして、仕立て直しによって腑に落ちたその気持ちでリフレッシュして今後もその実用品にお世話になるという見通しを確認することです。

年末に3つ目までは行けませんが、2つ目までは現時点で完成しています。

この体験を通して、1つの物を長く使う姿勢と長く使えるような物を追求するきっかけをお届けできればと思います。

木製座面のスツールの低反発クッションカバーの仕立て直し、粗い簡易な四角い作りからスタイリッシュな楕円形へと5年後に発展した

2018年製のスツール用クッションカバー:単純な四角ですが、実は座面は楕円形なのです。
クッションカバーをリッパーで解体し、中身のウレタンに座面を当てます。

このウレタンは、厚みが無いので2重で重ねて入れ込んでいました。

今後も引き続き二重で使います。

ウレタンに丸い角の部分を作図します。
型紙を作ります。とりあえず縫い代1cm込み、角を半径5cmの円をコンパスで描きました。

やや角が布が余り過ぎますので、角を半径7.5cmの円へ変更します。

余分をカット。「半径が大きくなるとカーブのとがりが削られる」これを知っていると他の製作にも役立ちます。
こんなところです。縫い代込みで無駄のないスペースが確保できました。
実際に解体した生地に当ててみます。ウレタンよりも1cm以上ゆとりがありますのでOK。
型紙通りに2面とも裁断。
裁断完了しました。
一応薔薇の向きがあるようで、向きを両面正位置に統一。
「リボンひも」も解体して、今度は以前の2cm幅から1cm程の出来上がりへとスタイリッシュに。

細くするのと同時に、以前は十文字結びだった野暮ったさを解消。

縫い代込み40cmの長さで横は3.5cm幅のパーツから仕立ててゆきます。

全部で8本作るところが少し時間を要しましたが、かなりの変化です。

両面縫い合わせの前にひも8本を各角に2本ずつ仮縫い設置。
中表で2枚を縫い合わせ。空き口は左端。(ごめんなさい。このアイロンの線は意味がありませんでした。)
ウレタンを入れるので結構広めに左端を空けました。
ひっくり返す時、実際に座る時に引っ張られるので、パンクしないよう二重縫い。
ミシン後、カーブ部分などを切り込みを入れてラインを綺麗に出す融通を利かせます。
ウレタン2枚を入れ込みふっくらとなりました。この後空き口を「はしごまつり」で手まつりして縫い閉じ。
はしごまつりの口の様子、だいたい良いのですが、右の方に玉止めが見えてしまいました(^_^;)。
完成です。椅子のフォルムになじむクッションのデザインです。登りやすく座りやすいと思います。

思うようにカーブラインのクッションが出来上がりました。

1つ思うことは、ウレタンのカットもラインに影響するので、「いい加減なカットはまずい」ということになります。

ウレタンへのカーブの作図こそ慎重にされることをお勧めします。

あとがき

このたびの仕立て直しは、ほぼ全解体でしたので、一から作り直しに等しいものでした。

それでもあえてこの生地を使った理由が、この生地を気に入っていて特に不満が無いから捨てない決意をしたことにあります。

こうして仕立て直しをわざわざする気になるのも、そもそも最初の段階の生地選びをしっかりした気持ちでやったかどうかさえ影響してくるということなのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク