まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
このたび3回連続でお送りしてまいりました「仕立て直し」のシリーズ。
【1379】【1380】【1381】と連続の、このたびが最終の【1381】です。
①スツール用の低反発クッションカバーの仕立て直し(【1379】の投稿)↓。
②3点のトートバッグを裏地を追加したピンタックデザインへ仕立て直し(【1380】の投稿)↓
そしてこのたびの③は、ビッグトートバッグの一重仕立てのゆるゆるなルーズ感が気になる超大容量バッグを丁寧に仕立て直し、しっかりしたものに仕上げて締めくくります。
②の3点目もビッグトートバッグでしたのでサイズが非常に似ていますが、このたびのバッグが一番大きいサイズとなります。
この数年間のノウハウが高まったことで、様々な箇所において作り方が変わっていました。
当時のままの希少なその時だけの生地を大切に新しい形で活かす素晴らしをお伝えできればと思います。
コスパ良く生地を使用たラッセルニット横向き裁断の過去の製作、解体後の仕立て直しはバッグなのに縦が伸びるデメリットを解消した
ということは、マチは20cmに出来上がるということになります。
柄の向きに融通があるため分かりにくいのですが、この向きは地の目に対して横向きなのです。
当時の生地購入時の記憶が薄いですが、おそらく、広幅の生地を有効に使うために横取り裁断をしたと思います。
よって、横向きに裁断するという考え方で当時はコスパ良い生地の調達を工夫した個人使いの製作品です(2015年頃の製作)。
このビッグバッグには、その後布団も収納しましたし、ボリュームたっぷりの資材も収納して複数と用途で使わせていただきました。
エレガントな薔薇柄がかなりインテリア性を高めてくれていたのです。
「ダブルラッセル」という種類の生地が該当すると思うのですが、ネット検索でググっても薔薇柄などというのはかなりのレア生地、なかなか見つけることができないのです。
ただ、当時の表面的な考え方があり、今こうして解体後見てみると、横裁断したせいでバッグとして持ち上げた時に、引っ張られて生地が伸びてしまっている部分がありました。
もし、今この生地を調達するならば、おそらく、2枚仕立てにして、めいっぱいの生地幅の横並びに裁断ができるサイズへ小さくしてでも地の目に忠実に作っていたでしょう。
そうした過去のつたない考え方や作り方を今こうして現在の技術をもって仕立て直しできる機会が大変嬉しいです。
糸の色を当時の焦げ茶からサンドベージュへ変更したことでステッチが美しく映るようになった
このバッグ製作当時はそもそもミシン糸を50-60番で縫っていた時代。
現在はバッグに関しては30番を徹底しています。
そして、糸の色を変えたところも重要なポイントです。
焦げ茶は一見合いそうだと思われるでしょうが、マルチカラーにおいてはそういった判断は表面的です。
登場するカラーの濃い・薄いの中間の色を選択が正解なのです。
これはさんざんマルチカラー生地を扱ってきた者が糸の色に悩みながら導き出した答えなのです。
この生地はメッシュで穴が開いています。
裏に接着芯を貼ったその接着芯の色さえ白か黒かの選択が重要でした。
柄の部分に黒が透けることがないよう、白のニット芯を選択したことも糸の色選びに関係してくるのです。
裏地付きのピンタックは表地、裏地それぞれで行い、凹凸が反対になるところがポイント
こうすることで、凹凸のコンビとして、表地と裏地がうまくぴったりと重なるという構造なのです。
ピンタックをする前に入り口の縫い代を折ってからやるというのも綺麗に出来上がるポイントです。
完成品を見ながらの「仕立て直し」の総まとめ
②の時は、縦横50cm四方だったので、こちらの方が横が10cm広いです。
10cmの違いはさすがに大きいので、大容量バッグと呼ぶにはふさわしいこの度のバッグです。
裏地も②と同じヘリンボンの厚手生地を設置。
裏地には接着芯は不要と判断し、表地だけの接着芯ですが、物を入れるとこんなにスタイリッシュです。
あとがき
「苦労を買ってでもする」という言葉がとても好きです。
今その一瞬は長い長い歴史では、ほんの一筋の光の矢でしかありません。
「長い目で見る」というもう1つの好きな言葉と共に常に引き出しの中に入れている言葉です。
その後見るたびにうっとりとする心地を毎回感じることを考えたら、今の苦労などたいしたことではないのだということです。
当たり前に手間をかけていき、終わったら涼しい顔をする、そんなスタイルを大切にしてきたいのです(^-^)。