ドットジャガードがハイレベルなライトオンスデニム、リボンアップリケの裏面がコントラスト効果を生んだ丸底バッグ【97】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ハンドメイドバッグの製作を素材に特化した、<デニムシリーズ>を続行中。

①セルヴィッチデニムの丸底バッグ②デニムライクの丸底バッグの2点をすでに完成、類似生地であってもそれぞれの味わいの違いをはっきりと感じることができました。

このたびは、当シリーズのラスト、7オンスという薄手のデニムを使用。

「ライトオンス」と言えどもれっきとした日本が誇れる「岡山産」のデニムを利用させていただきました。

セルヴィッチデニムらしい12-14オンスのジーンズのイメージのあのごわごわしたものの半分くらいのボリューム。

どんな感じでバッグに出来上がるのか、是非楽しんでご覧くださいませ。

<デニムシリーズ③>7ozのドットデニムがエレガント、単調なシンメトリーの中に裏面使用のリボンアップリケの丸底バッグ

<表地:黒>7オンスドットデニム、綿/100%、日本製。<裏地:ブルーグレー>ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
本体パーツの裁断:すべてのパーツ共通で型紙は「縫い代込み」。裁断は型紙の端っこに沿ってカットするやり方。
リボンアップリケ:裏面をコントラスト効果に利用。表面には裏面リボンを配置、内側には表面リボンを配置。
貼り付けポケット:内部に設置。生地の裏面をここにも使用。コの字ステッチは裏側に当て芯。茶は接着芯。
入り口フラップ:カーブに切り込みを入れカーブラインをう美しくクリアに。縫い付けは裏地のトップに重ねます。
楕円底と本体との合体後:表地袋と裏地袋の底同士を重ね、部分的ステッチで固定。底板はこの場面で投入。
入り口ラインの縫い閉じ:サイドひもやDカンタブはあらかじめ仮縫いはしてありますが、通る時に返し縫い。
7ozドットジャガードデニムの丸底バッグ完成:<サイズ>縦32cmx横35cmxマチ15cm。

本当にデニムなのかとさえ思うほどのエレガントさを感じます。

全パーツの一望:取っ手は8mmの穴の直径の片面ハトメに対して8mm幅の牛革ひも。Dカンの位置は斜め同士。
入り口付近:先にフラップを閉じて、外側にサイドリボンが配置。この閉じた状態ではほぼ正方形のフォルム。
お洋服とのコーデ例:黒の水玉ジャガードロングワンピースと粋な相性。ドット柄同士が大小でリズムよくリンク。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.12.23からおよそ5年後の2025.04.09にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年から振り返ると、この時の丸底型は現在のナップサック製作で引き継いでいます。

後に、片面ハトメの廃止・本革レザーの廃止・マジックテープの廃止など、多くを削ぎ落としていくことになりましたが、このシリーズの体験は非常に意味がありました。

当シリーズでも②で登場してきました「デニムライク」の「綿無地」というような一見デニムだと分からないようなネーミングの存在も良き発見でした。

ちゃんと目で見て、デニムと同類であるとジャッジしていくと、「デニムライク」という生地は随分たくさん見つかります。

そういう点は店舗の良さであり、ネットよりもラインナップのきめが細かいと感じています。

「大塚屋」様では、「フランス綾」「コットンデニム」がここ2025年の最近出会った素敵なデニムライクな生地です、ありがとうございます<m(__)m>。

生地名不明のデニムライクな色違いの同生地:ダンガリーのハードなタイプというような質感です。素敵です。

↑こんな素敵な生地も見つかり感激したものです(「大塚屋」様にて)。

あとは、そうして集めた生地をうまく活かすということを頑張るお仕事が待っているのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

デニムと名乗られずとも同等の生地、瀟洒な仕上がりの「デニムライク」なバラ柄アップリケ付き丸底バッグ【95】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作を、ある共通の分類で括る<〇〇シリーズ>として続行中。

現在は<デニムシリーズ>で、デニムを含む類似素材で同じデザインの丸底バッグを連続製作しています。

このたびは、このシリーズの2点目。

前回の1点目は、「セルヴィッチデニム」という正真正銘のデニムで作りました。

このたびからは、素材に少し変化を付けていきたいと思います。

前回と同様に正面にアップリケをしていきますが、アップリケの構図はまた別のタイプになります。

アップリケの違いによっても、同じモデルのバッグにそれぞれの味わいをもたらす無限の可能性を感じていただければと思います。

<デニムシリーズ②>セルヴィッチデニムよりもエレガント、裏面の濃さを薔薇アップリケの凹凸感に活かした丸底バッグ

表地(グレー):綿無地、綿/100%、日本製。裏地(赤紫):ジャカードクロス、ポリエステル/100%、日本製。
生地の表面と裏面の濃淡の比較:左が表面右が裏面。裏面の方が縦筋が極めて少なく、色が少し濃い点が違い。
薔薇アップリケ:花芯の正方形からスタートして、変六角形の型紙で作った共通のパーツを花びらと葉っぱに。
本体の縫い代始末:「わ」の1枚を縫い代1.5cmで繋げます。二重縫いをすることを基本仕様としています。
丸底と本体の縫い合わせ:丸底バッグの難関。ここも二重縫い。縫う面を底面を上にしているところが間違い。
失敗のやり直し:底面と本体の合体に余計な部分を重ねてしまいがち。本体面を上にして縫うのが基本。

その他、寸法ミスで失敗することがあり、本体の底辺の長さ(出来上がり寸法)と楕円底の1周(出来上がりライン)の一致を型紙の時点で徹底していなければなりません。

この調整方法は、前回の【94】の投稿で、<楕円底のタック解消の型紙ピッタリの調整の仕方>と題して生地内に記録がございます。

実は、この時まだ未熟であり、徹底していないことでこうした失敗が起こりやすくなっていたと反省。

ショルダーカンの取り付け:完成品ではショルダーは付けませんが、アレンジしやすいようにと設置しました。

付け位置は、斜め対角線同士の2箇所です。

薔薇アップリケの丸底バッグの完成:<サイズ>縦32cmx横35cmxマチ15cm。取っ手は本革レザー黒。
薔薇パッチワークの立体感:わずかに濃い裏面を使うことの効果が立体感という姿で表れたのです。
後ろ面と底面:左上は後ろ面、右下は底面。1点目の時よりもタックが解消されています。
裏地部分:入口最初にサイドひもがあり、その下にマジックテープフラップという配置。ポケットはタブ付き。
お洋服とのコーデ例:ジャケットは本革レザーの黒。ブラックデニムコーデで素材が馴染むように合わせました。

あとがき

このたび利用させていただきましたデニムライクな生地は、「綿無地」という何とも地味なネーミングでありネットなどでは見つけにくいものです。

この生地は、「大塚屋」様で購入のもの、店舗で実際に目で見て探す良さはこういったところで実感しました。

所謂掘り出し物のような存在、「大塚屋」様の店舗においては、「デニムライク」がたくさん見つかります。

たくさんの生地の中に埋もれた優れた存在は、私達のようなバッグを製作する者が発見した時にこうしてアウトプットしていくことでより世に知られると思うのです。

製作するだけではなく、せっかく出会えた生地の有難さの感謝の意味をこめて、「このようなエレガントな雰囲気のデニムも実はあるのです」とお伝えしていく任務のようなものを感じました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

衣服の時は隠れた存在の生地の赤耳セルヴィッチ、デニム丸底バッグのど真ん中に主役級として配された瞬間【94】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで「リーバイス」様などが特に象徴的な存在であったセルヴィッチデニム。

衣類は「流行」が伴うものであり、長い長い大きな括りのファッションの中ではジーンズアイテムの落ち着きが見られる昨今。

ここでデニムという素材を、これまでのジーンズのイメージにイコールの固定観念を取っ払った1種の「素材」としてフラットに見てみる機会を得たいと思いました。

そして、このたびハンドメイドバッグ製作を<デニムシリーズ>と題して、いくつかの種類の違うデニム類のバッグを作っていきます。

当シリーズの1点目がこのたびの完成です。

ポイントとしては、ジーンズの状態では決して表に出ることが無かった「赤耳:セルヴィッチ」の存在を、思い切ってアップリケとしてバッグの正面の真ん中に配置した点です。

是非、完成品の姿と共に、「隠れた存在が表に姿を表す主役になった瞬間」をお楽しみいただければと思います。

<デニムシリーズ①>赤耳のブランディング的ステイタスを取っ払い本当の主役へ、正面がセルヴィッチ花のデニムバッグ

<表地:濃紺>インディゴデニム、綿/100%、日本製。生地幅75cm。<裏地:キャメルベージュ>ジャカードクロス、ポリエステル/100%、日本製。
表地のセルヴィッチデニムの裏面:いかにも丈夫な緻密な織りが見られます。こちらの面もこのたび使用します。
糸の色:作業の効率も得られる1色のみ。濃紺の表地には差し色的に、裏地のキャメルベージュには馴染ませ効果。
フラワーアップリケ作り:セルヴィッチをわざと見せた折り方。赤耳=縫い代ですので、ほつれないことを利用。

花びら1枚ずつの縁取りが赤耳部分というコントラスト効果が美しいです。

花芯は正方形を折り込み、裏面を表に見えるように利用させていただきました。

フラワーアップリケの葉っぱの部分:ここで再びコントラスト効果を。こちらも生地の裏面で葉っぱを作ります。
フラップ:入口すぐにマジックテープを利用しながら「蓋」の役割となる部分です。縫い付け線は美しく。
取っ手ホール:打ち込み式の「片面ハトメ」のゴールドを利用しました。ベージュのステッチや裏地と相性良し。
入り口の二列のステッチ:一列のみならず二列でしっかり固定しながら迫力を出す効果もあると思いました。
フラワーアップリケ完成:葉っぱのサイズの大小の抑揚が効果的。花びらのセルヴィッチの存在感にご注目を。
入り口内部のフラップの使い方:マジックテープで留め、入り口の隙間のカバーの役割となってくれます。
その他の内部の機能:取っ手は本革レザーのベージュを利用しホール内部で結ぶ固定の仕方。ポケットも設置。
フラワーアップリケデニムトートバッグ完成:<サイズ>縦31cmx横31/35cmxマチ15cm。
巾着を解いた時のフォルム:形が変化する点が価値。気分や状況でデザインを変えられる「心地」にフォーカス。
サイドの巾着ひもを結んだ状態:内部のフラップよりも巾着ひもが外側になる方が良いみたいです。
その他の角度(左上から時計回りに):斜め上正面から→後ろ面→底面。底面に関してはタックが随分寄りました。

タックの原因は、底面の1周の寸法と本体の寸法の不一致が原因。

このぴったりな合わせ方は、後の研究で解明しました↓

<楕円底のタック解消の型紙ピッタリの調整の仕方>

底面の型紙を十文字に折り、1/4の寸法のみ最低限に柔らかいメジャーで計ります。

計る時には、縫い代1cmの内側の部分ですので、メジャーの幅1cmを利用しながらきちんと置くように忠実に測り寸法を算出。

次に算出した寸法をx4(4倍)して、楕円底の出来上がり線の周囲を算出、本体の直線の出来上がり寸法をここに一致するよう細かく調整していきます。

間違えてはならないのは、本体の縫い代x2倍を差し引いた出来上がり寸法と必ず比べることです。

また、反対に楕円底を本体の寸法と同じに調整していきたい場合、楕円底の型紙の真ん中をカットし、不一致の寸法の4等分を楕円の横幅として追加もしくは削除したした型紙へ。

*** 以上 ***

このやり方が確実で易しい調整方法でした。

お洋服とのコーデ:ライトブラウン系のミックスのベロアノースリーブワンピースに合わせました。

あとがき

「赤耳:セルヴィッチは内部に隠された端っこの存在である」という固定概念、このたびの製作で見事打ち破られました。

もし、赤耳が残布として残った際にすぐに捨ててしまわずに、別の使い方ができるのではないかと考える際のわずかなヒントにでもなればと、こうして記録に残しました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク