工業用ミシン糸30番のスパン糸の下糸ボビンにフルに巻けるm数は17.5m、60番の50mに比較した極端な少なさでも二重ステッチを惜しまない【1039】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシン縫い作業において、通常下糸のボビンは、上糸のコーンから巻き取る作業をします。

この時にストッパーが作用し、自然に止まるところがボビンにフルに巻いた状態です。

あの全体の長さってどれくらいなんだろう。。

一度はそんなことを考えるものです。

ありがたくネット情報を拝見しました予測をされた方の見解からは、「60番糸でだいたい50m」だと見ています。

30番糸をハンドメイドバッグに使用していますので、この糸の太さの違いはなかなかのもので、60番で50mであれば当然少ないm数しか巻けないことになります。

このたびは、実際に30番のスパン糸のボビンにフルに巻いた糸を測る実験をしました。

単純計算の「60番で50m→30番で25m?」を遥かに下回る結果に大変驚きました。

しかし、それでも量産品でよくある削減(使用糸の分量や作業の分量をそぎ落とすこと)を決してハンドメイドではするべきではないというメッセージをここに綴りたいと思います。

60番糸でだいたい50m周辺という情報から、30番の場合はどれくらいなのかをリアルに実験、スパン糸とテトロンでも違う巻きm数

ボビンに巻いた糸:黄色が30番、グリーンが60番。同じような分量に見えますが、実寸は黄色の方が短いはず。

細い糸はたくさん巻けますので当然60番のグリーン色のボビンの糸の方が分量は当然多いはずです。

まずネット情報の複数の見解を拝見したところからの予測では、だいたいスパン糸60番で50m、比較実験としまして、スパン糸30番で実験をしてみました。

単純計算では、「60番と30番でちょうど数値が1/2、50mは同じく1/2の25mになるのか?」とまず考えます。

しかしながら、実際の実験では、30番のスパン糸で17.5mの結果が出たのです↓。

フルに巻いて実際に巻き尺でボビンにある糸の合計m数を計った実験結果は17.5mでした。

同じスパン糸でもメーカー様によって違いがあるでしょうし、テトロンの場合は、細いのでボビンを巻き切るまでの秒数が長いことでテトロン糸の方が長いm数巻けていると予測します。

随分30番ともなると随分糸の線径が太いということを、この少ないボビン巻数の数字からも実感できます。

原価表に入れ込む糸の見積もりは常に200m使用までの範囲と仮定の一律で¥100を入力している

ここで少し余談ですが、1点ハンドメイドバッグを製作する時に、1点分の原価表をそれぞれ作っています。

これは、販売価格を決める際の資料ということと、期末の棚卸の際に原価表の合計の値を引用するからです。

1つの原価表で複数の活用があるわけです。

フォームはいたってシンプル。

商品を自社製造している方は加工賃は会計上は入れません。

請求書などが発生した「仕入」科目を使ったものだけを棚卸資産にリストアップしますので、自作は¥0であるというのが会計上の見方。

しかし、その分販売価格に見積もればよいので、製作者の裁量とお客様のお求めになる価格を考慮して売値を決定することになります。

それで、この原価表の中にも糸の項目を毎回設けています。

ミシンで何かを作るには必ずこの糸の項目が登場すると思うのですが、実際に出来上がったステッチの部分をすべて計って合計しても不正確。

そもそも、縫い始めと縫い終わりのあの糸の飛び出しこそが余分なロスであり、糸の使用度が進行していく大きなきっかけなのですから。。

よって、一律で200m使用する設定をしています。

このたびの場合、原価表には当然上糸の分も入れねばなりません。

糸を1コーン(2,000m巻)で購入の場合の原価は、購入時のm数から何分の1くらい使ったのかなどという見方で、1/10くらい(200m)というざっくりとした見方です。

そうしますと、糸代はよほど最高級な糸をわざわざ調達しない限り「数十円」という原価ですので、毎回計算せずとも、見積もりの固定価格を設定して、常にその分を糸代として入れればよいのです。

ということで、1点のバッグで一律200m使用の¥100を見積もっています。

ちなみに、アパレル勤務の会社員時代の仮原価表の算出の際にも、同じ¥100でやっていましたので、お洋服のコートやジャケットなどの重衣料の分量でこれくらい。

ステッチの量が非常に多い4本ステッチの支柱を設置するバッグを作る者でもこの範囲で大丈夫だと見込みました。

あとがき

附属品の既製品の金属パーツなどは高額です。

それを調達する代わりに糸で縫いを丈夫にするという手もあります。

目指すところは、あくまでも「良質」なお品物である所は変わりが無いのです。

しかも、材料調達の工夫としまして、糸を一度に複数購入のお得なパックでこれまで過去の在庫糸を調達してまいりました。

かつての国内縫製工場の使用糸はこちらもおそらく日本製で非常に良質。

新品で製造された糸よりもかなりお得なので、元々コスパがあるのです。

その分、惜しみなく糸を必要に応じて二重縫い、見えない部分の丈夫さの追求に役立てているのです(^-^)。

ちょうどのタイミングで下糸がなくなったケース、玉止めの下糸がほんの1cm程度のわずかしかない場合の手先を使った結び方【1024】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシンによるハンドメイドライフが長くなりますと、時々このたびのような状況があるのではないかと思います。

最後の玉止めをしたいのだけれど、下糸がちょうど終了してしまい、ちょんと短くしか残っていない場合です。

特にボビンに巻いた下糸はその終了時がなかなか予測不可能なのです。

普通に上糸と下糸を両方動かすと指がそこまで細かい部分に対応しきれず、途中で挫折。。少しのコツがあるのです。

では、この場合の玉止めの最もやりやすい結び方をご紹介したいと思います。

下糸が足りないことがほとんどで起こる玉止めの分量不足の事態の打開策、手先を使い短い方は立てて長い方を根元に巻き付けるイメージ

縫った生地の裏面。分かりやすくカラー糸で。上糸の紫色は長く、下糸の黄色は1cmくらいしかない場合です。

Youtube動画もこの後貼りますが、ほとんど指に隠れて映りませんでしたので、ここでは言葉と写真で具体的にご説明します。

玉止めは左右均等に両手で行うことがほとんどですが、こういった場合は緊急事態と言えます。

そもそものやり方を見直さなければ不可能だったことでおそらく自然にどなたもここに行き着くのではないかと思うのです。

<具体的なやり方>

短い方の黄色は上に立てて、動かさないですしほとんど触れないです。

紫色を黄色の周りに囲むように輪を作って、紫色だけを黄色の糸の根元に結びつけるようなイメージです。

短い方の黄色の糸は立てたままで、指を使って長い方の紫の糸を黄色の糸の根本に巻き付けるイメージです。

最後結び目を固定する時だけ、黄色の短い方もしっかり引っ張ります。

片方の糸が短くても、もう片方が長ければ結べるということが証明できました。

通常の玉止めのように二度結びますが、二度目も同じようにやります。

短いことで力が及びにくいので、指の先の方や爪を使いながらぎゅっと結んで固定して下さいませ。

完成:短かった糸の困難を見事克服して玉止めが完了しました。

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このケースではなくて、途中で下糸が終了してしまったりなど縫っている途中のケースに関しては、これも別のやり方がございますので【123】の記事をどうぞご参照お願いします<m(__)m>。

あとがき

些細な事ではありますが、なかなか手芸の本には良いコンディションでできることしか書かれていません。

こういったハプニングは各々がやる中で経験していくことになるわけですが、それでも、事前に知っているのはよりお得です。

そんな裏技みたいなことも今後たくさんお伝えしていきたいと思います。

要するにうまく出来上がれば良いので、野を越え、山を越え、良きゴールにたどり着けるようなやり方であれば、邪道でもないのかもしれません(^-^)。