<マチ>区切り良い王道な型紙寸法から見込む出来上がり寸法との誤差、完成したエコバッグの実寸が教えてくれた【1453】

アイキャッチ画像1453

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去動画のマチ付きトートバッグの出来上がり寸法から逆算するノウハウの投稿が私のYouTubeではダントツの注目度です。

ただ申し訳ないのが、かなり昔の動画であり、私の投稿の仕方・解説の仕方が非常に拙いのです。

そのために随分分かりにく、補填として後に動画を追加したり、当ブログ記事の「手直し」によって補足説明などをしています。

それでもマチの計算に対するニーズはいまだに多く、理解が難しい分野なのかもしれません。

こうしたことは非常に大切で、まさに疑問が集まった場所、解決をすることこそが「一助」そのものです。

いろんなやり方で説明はするもののどうしても込み入ってしまうので、このたびは思い切って1クリップのみで完結に解説します。

そして、更には型紙からイメージする理論としての出来上がり寸法に対しては実際は誤差が出ている事実をお伝えします。

この誤差の原因もしっかりと解明したいのですが、ことりあえず誤差がどこで生まれているのかの予測を立てるところまで今回でやってみました。

特にマチで奪われる部分・三つ折り始末で奪われる部分・ラッピング始末で奪われる部分の3つが計算のポイントになります。

<マチ>リクエストにお答えします、一重仕立て(裏地無し)のマチ付きエコバッグの型紙と出来上がり寸法を同時に表示

リクエストをYouTubeにいただいたことでこの投稿が決まりました<m(__)m>。

1クリップのみで解説の型紙と出来上がりの寸法の比較(一重仕立て):左上が型紙、左下が出来上がりです。

縦50cmx横60cmの長方形をマチの部分縦9cmx横10cmを削除する形で出来上がった型紙はかなり王道な寸法。

これに対して出来上がりは、縦41cmx横35cmxマチ16cmでした。

①縦の寸法の比較②横の寸法の比較③マチの寸法の比較それぞれを型紙と出来上がりで見ていきます↓。

<①縦の寸法の比較>型紙50cm→出来上がり41cm・・・50cmから底のマチ9cm分が奪われますので、50-9=41cm。ここで不思議なことが。。

入り口の始末は1.5cmずつの三つ折りなので、3cmが更に奪われているはずなのにぴったりなんて。。と思うのです。

詳しいことはまだ分かっていませんが、YouTubeの中でも気付かなかったことで、このブログを投稿する当日に思ったことがあります↓。

一重仕立てに支柱を縫い付けるあの作業で縦が少しずつ伸びているのではないかと。

これは、おそらく正解だと思います。

<②横の寸法の比較>型紙60cm→出来上がり35cm・・・60-10-10=40cmが理論上の値。実際は35cmなので5cmも減っていました。

この原因は、三つ折りの両サイドで、生地の厚みも伴い生地が予想以上に奪われたということを想像しました。

最後の仕上げのピンタックは、確かに生地を奪いますが、図る時にピンタックから測りますので、この影響での誤差はそれほどないとYouTube投稿後に考え直しました。

<③マチの寸法の比較>型紙9cmx10cm→出来上がり16cm・・・マチは型紙に対しては2倍で出来上がります(2パーツの合体だからです)。

縦9cmは、縫い代そのままを1.5cm分のラッピングでカバーするので1.5cm分奪われますので9-1.5=7.5cmのマチの半分が準備されます。

横10cmは、縫い代1.25cmずつの三つ折りの1.25x2=2.5cm分が奪われますので、10-2.5=7.5cm←こちらもマチの半分が上と同じ分量で正しく準備されます。

そうすると7.5cmx2=15cmのマチが理論上の出来上がり。

にもかかわらず16cmで出来上がっていました。

この誤差の原因は、マチにも底と同じくラッピングをするので、その時に生地が引っ張られて伸びたことかなと。

あくまで現在の想像に過ぎません。

とにかく、理論通りに機械的には出来上がらない、誤差が生まれている事実がしっかりとあったのでした。

あとがき

この道を歩んでいる以上、今後もいただくであろうマチを含む計算に対して、都度お答えしてまいりたいと思います。

エコバッグも作りはトートと同じですが、裏地無しの一重仕立ては縫い代の工夫が必要です。

かえって裏地付きの方が、すべての縫い代を1.5cmに統一することで、型紙を理想通りに作ることが簡単であることも、何とも言えないパラドックス。

裏地付きの方が手間がかかり良質だと思われがちですが、一重仕立てこそしっかり作るためには工夫が必要なのです。

つまり、一重仕立ても同等に良質さを追求する姿勢は変わりないというのが望ましい姿、一重仕立てだってメインバッグになり得るとさえ思うのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

同規格のミニポーチ2通りの作り方の比較、「難関と立体感」か「簡単とペタンコ」のどちらを選択するのかの答えは後者【1299】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1つ前の番号【1298】の記事とも関連したのがこの度の【1299】です。

【1298】では、蓋と本体が分離した型紙を使用して、小さなコンタクト液ケース用のポーチを製作。

【1298】投稿のミニポーチ:蓋の型紙が本体と分離、蓋をはめ込む位置が分かりにくい難しさがありました。

出来上がりは苦労した成果とでも言うような、ふんわりと膨らんだ立体感あるものに仕上がりました。

ただ、このフラップの取り付けにくさも見逃してはなりません。

作りやすいことは美しく仕上がることにイコールだからです。

やり直したような結果からも、短い時間でスムーズに出来上がるためには、作りやすくなければいけないのではないかと考えました。

このたびは、一繋ぎの1枚の型紙を裏地付きで2枚分裁断、三つ折りタイプの蓋と本体が繋がったタイプで同じ出来上がりサイズのミニポーチを別生地の黒無地で作り直してみました。

シンプルな1枚のみの型紙を三つ折りに組み立てながら出来上がるミニポーチ、ペタンコであることはミニサイズでは問題なしと判断

一繋ぎの型紙(今回のやり方):縦18cmx横12.5cmの長方形の底面を半径5cmの円のカーブにカット。
蓋分離型との型紙の比較:全く同じサイズに出来上がるには、左のつなぎ目の縫い代分をカットしたのが右側。
完成:【1298】の時と同じ、縦5.5cmx横10cmxマチ無しです。見かけは同じデザインですので。。

途中の製作過程は、後で貼りますYouTube内で大まかに口頭でお話させていただきました。

詳しくは、後日作り方専用に投稿をさせていただきます<m(__)m>。

コンタクトレンズケースだけでなく、こうした塗り薬も入りますし、鍵やバンドエイドも入ります。

この真っ黒生地はニットでよく伸びるタイプです。

パワーネットと呼ばれるタイプの生地で、接着芯は黒のニット芯を貼りました。

さて、ここからは比較、作りの違いが生み出す出来上がりの見た目の違いをご覧いただきます↓。

左が分離型、右が一体型です。サイズは同じです。正面は特に違いがよく分からないです。
左サイドの膨らみの様子:結構この角度が一番分かりやすく違いが見られます。ひっくり返した左は良い雰囲気。
右サイドの膨らみの様子:こちらも歴然とした違いです。一繋ぎ型はペタンコになってしまうのでした。
底の様子:何となくラインが魅力的なのは左の方ですので、苦労して左のように作るメリットもあるのでしょう。
背面の様子:型紙の違いでステッチ線が入る入らないの違いがあります。

パッと見た感じの良さや雰囲気は左側に軍配。

同じ生地で比べるともっと良かったと思いますが、手間をかけた分の成果がそのフォルムに分かりやすく現れたと左側に対して感じます。

ただ、左側は作りにくいので、慎重かつ困難な場面があることはデメリットです。

一方右側の無地は気軽に作れるものになりまして成功しやすいです。

これをどちらかに選択するということが非常に難しいものです。

もう1つ重要なメリットが左側にはありました。

分離していることで、はぎれが使い易いことです。

右側は大きな面積が無ければそもそも裁断できないのです。

となると、条件のようなもので、生地が中途半端にしか余らない時には左側で、生地が十分あるならば作りやすい右側でというのがジャッジもしやすいでしょう。

あとがき

こういったミニポーチも商業としてお値段を付けるとなるとなかなかお値段が付け難いものです。

以前の投稿でもお話致しましたが、プレゼントとして添えるということが道としては可能性を感じています。

もしくは、セットにしてまとめ売り、贈答品向けにパックになっているという状態で販売することです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

本革レザーで作られるフラップバッグを和風生地三つ折りタイプで製作、ヒネリ錠がワンポイントでスタイリッシュ【117】

アイキャッチ画像117

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.04.06からおよそ5年後の2025.04.29にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

当記事は、2020年に立てた目標の「フラップ付きのハンドバッグをショルダー付きで作る」というものの実践です。

所謂、ハイブランドのトリクルダウン型のようなタイプであり、あこがれから生まれた気持ちがありました。

まだまだハンドメイドバッグ製作の中では研究製作の1つであったと2025年から見るとそのように振り返ります。

ただ、2020年当時の精一杯の製作であったことは確かであり、完成までに至ったことで、記録に残したいと思いました。

立体感があるハンドバッグタイプは、「外表」で組み立てていくやり方をすると、思い描いたイメージを現実にしやすいです。

あまりのいろいろな作業に、思わずポケットを付け忘れるというハプニングもありましたが、フォローとしてポーチも作りましたそんなドタバタ劇を是非ご覧くださいませ。

三つ折り組み立てのヒネリ錠付きのフラップバッグをマチ付きで製作、側面のマチパーツは「外表」で縫い付けた

使用生地(表地・裏地共通):生地名不明(おそらくブロード)、綿/100%、日本製。パープル地の鶴の和柄です。
型紙作りのベースのサイズ感:三つ折りに組み立てるための縦の長さを縫い代込みで50cmに設定。
フラップの先端にカーブを付ける:雰囲気良く、ゆるやかなカーブを自作コンパスで円の一部を利用します。

よじれているタイプのビニールひもの先にシャープペンを結び付け、文鎮や机の脚に括りつけて固定、ビッグな円の一部を利用するのです。

描いた緩やかなカーブ:すみません。クリップの赤線が下手ですが、美しい緩やかなカーブが実際には描けました。
出来上がった先端のライン:縦向きにしましたが、このようなわずかな角度の緩やかさです。
ヒネリ錠の設置:本体に切り込みを入れて底へ設置するタイプ。ネジ式がスタイリッシュで美しいと思います。
ヒネリ錠の1セット分の設置完了:左上の「枠」の方はネジ式で本体側に、右下の「ヒネリパーツ」は蓋側に。
三つ折りのシミュレーション:このサイドの自然な空間にマチパーツを当てはめて合体していきます。
本体パーツと側面マチパーツの合体:「外表」で縫い合わせ。元々パーツは「中表」で縫い代を解決済。
ヒネリ錠の「ヒネリパーツ」の位置:何分初めてですので位置は予測で決めましたが、この位置はかなり重要。
フラップバッグ(鶴の和柄のパープル)完成:<サイズ>縦16cmx横27cmxマチ6cm。
フラップバッグの背面:歪みがあるとここに現れますので、難易度の高いデザインだと実感しました。

柄の向きをフラップに合わせると背面の柄が逆になってしまう、背面に柄を合わせると正面の柄が逆になってしまうというジレンマ。

無地を選択したり、向きの無い柄を選択しておくことは、余計な意識が必要ありません。

付け忘れたポケットのフォローのポーチ:マチ無しポーチを残布で製作。更にポーチ内にポケット付き。

実は、このポーチ内の「ぶら下がり式ポケット」こそ、1つ前の投稿の【116】で作ったものだったのでした。

バッグとポーチのサイズ感:ポーチの中にもポケットがあるので、お部屋を充実させるフォローとなりました。

あとがき

2025年の製作では、こうしたヒネリ錠が要となるバッグの製作は廃止、「縫い」の強靭さを信じる製作に特化しています。

ヒネリ錠は確かに見かけのかっこよさ・スタイリッシュさは、かつては憧れてきた存在でした。

類似品の「差し込み錠」も同じことで、いつ外れるかわからない曖昧さがぬぐい切れませんでした。

そして、その他の課題も複数あり、例えば、地面にしっかりと立たない底のラインの曖昧さも解決するべき点です。

バッグは下げて歩くだけではない、お出かけ先でしっとりとチェアーの上に安定的に置くシーンもあることを想定すべきなのです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク