小規模事業者はこのハイブランド様の形態が参考になる、「自由」こそがたゆまぬ努力の時間をあたえる逆説【724】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「シャネルの戦略:長沢伸也 編著/杉本香七 著」という本を読ませていただきました。

10年以上前に書かれた本ではありますが、現在でも大変参考になる内容です。

他のハイブランド様についても、著者様が多くの研究の末、書かれているのですが、今回は、その1つのブランドとしてまずは気になる「シャネル」様の事が書かれたものを手に取りました。

なぜ1900年代にに突如として現れたかのように急成長できたのか、なぜ100年も経過した現在も人気のブランドとして継続することができているかを、他の様子を伺い見ながらではなく独自の路線を貫き通した部分があるのです。

何と言っても「シャネル」様は、他の老舗ハイブランド様と違い、「皇室御用達」などからスタートした企業ではありません。

現在の「コングロマリット傘下(参加とも言えますかね)」に対して、「自社メゾン型」で継続している位置付けにも繋がっていったと見ています。

本の著者様も綴られていたように、大いに小規模事業者もヒントになるやり方ですので、とても貴重な事業のやり方のモデルとして見ることができます。

むしろプチ業者こそが参考になる「シャネル」様の方針・価値観・考え方、一度我が事業のフィルターに通してみるとよい

いろんな特徴が書かれていますので、是非この本をご一読くださればと思いますが、このたびは、この中から、「非上場の自由」というキーワードで綴りたいと思います。

意外ですが、あのビッグな世界中の人々が知るブランド様が、大企業の証である「上場をしていない」ということです。

これにも訳があり、かえってメリットがあるのです。

もしも上場したり、株式公開がされていると、事業以外の分野からのしがらみによって事業が自由にできない点が出てきます。

我々の目には意外ですが、陰での数多くの努力や、実らない日の目を見ない期間も長いと聞きます。

そうした努力の途中段階で目立ちすぎる存在でいると、落ち目だと悪い情報を流されたり、せっかくの将来の実りの為の種まきとか、地道なコツコツとした歩みがしにくくなるのです。

そういった点で、ひっそりと影の努力が人知れずのびのびとできている点がむしろ成長に大きくつながっているのだそう。

確かに上場は「地位や名誉」を求めやすいものですが、反対に身動き取れないほどの不自由さも感じることがあるのかもしれません。

自社にとって一番大切にしたいことが何なのかを冷静に考えた末の「上場」が本来の順番なのかもしれないです。

あとがき

高い位置ですました感じのイメージであるハイブランド様も、陰の人知れぬ努力を怠らなかった結果今があることを知ります。

あぐらをかいて遊んでしまっては決していけないという「継続した成長を目指す精神」は一番見習うべきところかもしれません。

綺麗なお洋服、高価な品物をご提供されている裏には、何としてでも伝統あるブランドの継続のための日々のたゆまぬ努力があることを知りました。

事業者が毎日毎日成長を願いながら工夫を凝らし発展を目指していく姿勢など、「当たり前」のように見えてきます。

上手くいっているからと遊びほうけたら終わりなのだとそんな戒めまで感じるほどです。

「うちのオリジナルです」は本当にそうなのか、「オリジナル」の商品と「模倣」の商品の決定的な違いを考えてみました【704】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

どのような事業者様もほとんどが「商品」があると思います。

ダウンロード型のコンテンツパッケージであっても、あのソフト自体が「商品」なのです。

ほんのたまに、間に入る仲介的な役割が「手数料」だけで成り立っている事業もあるかもしれませんが。。

特に、自社で製造して1点作り上げていくような事業では、その「オリジナリティ」という言葉が浮かびます。

ファッションの分野では、大半が一流ブランド様の模倣をして作られてきた「トリクルダウン型の商品」が数が一番多く、トリクルダウン構造のトップのハイブランド様がいわゆる「完全オリジナル」というイメージです。

このたびは、「オリジナル商品」とはどんな定義なのだろうということを考えてみたいと思います。

真似されることこそが広く知れ渡ったという余裕ある考え方ができるハイブランド様の例

特にこういった模倣のお話では「シャネル」様が際立つ存在です。

たくさんの模倣をされてきたブランドだと言えます。

創業者である、「ガブリエル・シャネル(通称ココ・シャネル)」の考え方として、「模倣されればそれだけ認知されて広く知れ渡った証である」と語られていたそうです。

創業者様は、著作権などの縛りでブランドを守ることをせず、むしろその点は放っておく考え方であったと聞きます。

ただ、周りの製造側の仲間がそれを許さなかったかもしれませんが。。

その真似されても強気でいられる根底には、模倣されても必ず首位の座を譲らない確固たるものがあると分かっているからだと考えます。

模倣した側は、同じレベルに並ぶことは難しく、ほとんどがそれ以下でしかないので、ほとんどが大きくかけ離れた本物未満のお品になるかということを考えますと、真似された側の第一人者みたいな存在は強いです。

ぱっと見だけでの模倣は限界がありますので、どう頑張っても2番手ということに。。

ネットで流行っていそうな素敵な商品を見て真似していく「市場調査から生まれる商品」について思うこと

ネットを見て真似して製作していくことが特に悪いということではないのかもしれません。

しかし、オリジナリティをとことん追求した一流ブランド様の例を見れば、その路線が明らかに違うものになっていくのです。

そもそも違う道を歩いているということは少し恐ろしいことです。

ここで、オリジナルと模倣との定義のようなものを言葉にしてみました。

「オリジナル」:哲学や技術が多く盛り込まれた商品・・・長い期間の資産となり得る。

「模倣商品」:デザインを真似た奥の浅い商品・・・どうしても流行に乗ることになり、短期間の資産。

こんな風にまとめてみました。

哲学と聞くと難しそうな話だと思ってしまいますが、そんなことはありません。

分かりやすくは、「なぜ」に答えられるかとどうかという「理由」が明確な「考え方」を投影されたものであるかどうかということ。

ハンドメイドバッグの場合だと、なぜ、その形なのか、なぜ、そこにポケットをそのサイズで取り付けたのか。。などです。

そこを説明するその内容が「哲学」という難しめの言葉で表されるだけであって、身近で日常的なものに過ぎないものなのです。

にもかかわらず、自分で考えず他からの引用だらけの傾向は結構見た目に表れているものです。

あとがき

音楽を例にしてみると、その楽曲が商品であるということから、そこに「哲学」なるものを入れ込むという点では、ハンドメイドバッグ作りにも共通するものがあります。

少し古風な楽曲であっても、超個性的過ぎて難しそうな楽曲であっても少々ごつくてもオリジナルの曲なのか模倣なのかで大問題にもなることがあります。

特に著作権に敏感だと思われる音楽の分野も、ハンドメイドの分野も同じことがベースにあるような気がしてなりません。

同じ「つくる」ということだからでしょう。

そのメロディーを少し聴いただけで、このミュージシャン様の歌だと予想出来たりすることは、ハンドメイドバッグで、この部分の作りがこの作り手っぽいなあと思ってもらえることが「印」のような部分になり、オリジナルである証になろうかと思います。

今回、「模倣・真似」の商品に対する1意見としての考え方をお話しました。

とはいえ、芸術作品ではない以上、「商品」なのですから、「完全オリジナル」などと謳うことが的外れであり、究極でも「オリジナリティあふれるもの」という表現が「オリジナル商品」に対しての最高の評価なのかもしれません。

ハイブランド様の存在位置、「コングロマリット傘下」なのか「独立系メゾン」なのかという見方【693】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「共有型のハンドメイドバッグ」「本物志向のレンタルジュエリー」という2つの事業の事業者です。

これまで幾冊かのファッション史などを拝読の中で、必ず登場の「シャネル」ブランドの創始者「ガブリエル・シャネル(通称「ココ・シャネル」様の存在感は相当たるものです。

マーケティングの読みに関しては、かなり長けていた人物であるという印象を持ちまして、ブログ記事の【231】でご紹介させていただきましたこともございます。

「シャネルの戦略:長沢伸也 編著/杉本香七 著」を拝読。

「ガブリエル・シャネル」様が創業し、100年以上にも渡り存続のハイブランド様の事業としての見方が書かれた本です。

小規模事業者にはヒントをいただけ、勇気をいただけるような内容でした。

このたびは、目まぐるしい変革もありながら存続の2021年、そしてその後のブログ記事の手直しで書き加えリライトの2024年現在で見直した文章でもって今後の動向を見守り思うところをまとめたいと思います。

ハイブランド様同士の競争の厳しさの現状、「シャネル」ブランドが現在も「独立系メゾン」として存続の背景

現在、たとえ名の知れた伝統あるブランド様も熾烈な競争の最中におられます。

今後の生き残りをかけて。。ということになります。

その生き残りには、2つの道が残されていると言われています。

1つは、「コングロマリット」と呼ばれる、異業種が1つの同じグループの傘下に入り、グループの一員として位置付くこと。

それくらいもう自社のみの基盤では存続できないところまで来たのです。

もう1つは、これまでと同じように自社の名前そのものが会社名のような「独立系メゾン」と呼ばれる存在で継続していくこと。

いずれにしても、険しいことには変わりなく、その内部は他グループからのデザイナー様の獲得競争などとても忙しく大変な状況のよう。

「シャネル」様の位置付けは、どちらかと言うとレアな「独立系メゾン」です。

ただ、この位置付けもたやすいものではなく、今後は、もしかしてコングロマリットの方からのお誘い、自社の見の力での存続ということが決定付けられている意味では険しい道のりなのです。

同じように他の老舗ブランドで現在独立形態をとっているところも今後は分からないと言われています。

それほどに、1社だけでハイブランドを存続していくことが難しくなっている現状なのです。

実は、この本自体が少し前のもので、この本出版以降から現在までにもかなり変化しています。

コングロマリットは複数。「LVMH」が有名どころですが、各ハイブランド様はどこかに属しているという見方。

こうして見てみますと、「独立系メゾン」の注目度や決心の硬さがうかがえます。

庶民的に広がる数多くのブランド様とは対極にあるラグジュアリーさをキープすることこそが揺るがすことができない基盤です。

どちらかというと「攻めた」ことが難しく、「守る」というようなスタンスに感じられますのもこういった事情なのでしょう。

「シャネル」様がこれまで「独立系メゾン」で存続してこれた理由

他のハイブランド様が、「〇〇の御用達:ごようたし」からスタートしたという経緯がほとんどの中では「シャネル」様は特殊。

短い期間で一気に名も知れぬ帽子屋様からの飛躍、そのビジネスの手腕は創業者「ガブリエル・シャネル」にあるとともに、オーナー様が安定の「超資産家」であったからということも大きいです。

シャネル様の靴屋バッグやお洋服は高額と言えどもアパレル品。

おそらく主力のビジネスとはなっているわけではないのかもしれません。

それでも基盤の経営者の余裕から1つの「アイコン」のような形で知名度を上げる役割は「シャネル」ブランド自体にあると見ています。

ハイブランド様がこぞって「香水事業」に乗り出してきたわけですが、なぜ香水?というというところも、利益率の高さのある香水事業で他をカバーするような事情がありました。

ファッションのイメージが強いハイブランド様も本当は余裕などない現状、ビジネス存続の為には、利益率の高い商品という点を遥かに超えた、ブランディングの存在自体の位置付け、「コングロマリット」の構造がやむを得ないといった見方です。

あとがき

随分これまでのハイブランド様に対して華やかな面だけを見ていたかに気づくことになります。

ハイブランド様さえ苦戦の時。

どの事業者様も規模関係なくファッション業は大変なのです。

そう考えると、絶対的存在であらねばならない不自由さと反対にある自由さは小さな事業者ができる大きなメリットなのではないかと思えてきました。

小規模事業者がハイブランド様から学ぶことは、「模倣品」「コピー」という表面的なデザインの真似事では決してなく、むしろ、徹底した研究や良質な品物を作るための影のたゆまぬ努力をする姿勢という点であるべきだと思います。

照れて隠しておられるるだけで、ハイブランド様はた日々ゆまぬ努力をされておられたのです。

シャネル様の「独立系メゾン」型がフィットしているのは、上場していないことで良い姿を常に見せねばならないという縛りがないことにもあるようです。

たゆまぬ努力をする地道な作業を思いっきり自由にやって行けるメリットをお持ちなのです。

この点は、非常に強味だということができます。

そうしますと、出来る限り今のままで行きたいところなのでしょうが、「存続」こそ一番に大切でもあり、それを考えると常に考えながらということなのでしょう。

お品物の良さ、創業者の「真似されることは広まるということだからプラスに考える」という広いマーケットをイメージしたスタンスにはとても共感できます。

他のハイブランド様も「コングロマリット」に属してはいるものの、今後も決して楽な道のりではないと思われます。

一庶民としまして思うことは、せっかく老舗としてここまで庶民までに広まったハイブランド様の認知度なのですから、現在の「富裕層のみの品物」というスタンスではなく、多くの人に「夢」をいただけるような品物を。。と希望するところです(^-^)。