ロックミシンの最終の糸始末は結んで玉止め、ロックがほつれにくく丁寧なお仕立ての極み【639】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020年より、ロックミシンを一部使いする製作の機会をいただきました<m(__)m>。

デニム生地で作る雑貨品は、ほとんどが裏無しの一重仕立て。

一重仕立ては一見簡単そうですが、縫い代の始末の悩みが増え、むしろ裏地付きよりもごまかしがきかない難しさがあるのです。

裏地を付ける場合は、縫い代が内部にそのまま密閉されますので、縫い代が裏地内で守られ傷みが起こりません。

縫い代の傷みは外部との接触でほつれていくことが多いですので、閉じ込められた状態であれば問題ないわけです。

このたびは、一重仕立てでポケットを縫い付ける場面などにおいて、見えない部分の丁寧なお仕立ての1つとしてロックミシンの始末の「玉止め」の場面をご紹介したいと思います。

更にそのロック部分の縫い代を視界から隠すというアイデアは別の記事【716】の投稿で綴らせていただいております。

そちらもセルヴィッチデニムの一重仕立ての例ですので、当記事の続きとしてお立ち寄りいただければ光栄でございます。

ロックミシンも表立って見える部分ではないのですが、のぞくと目に映るようなポケットの内側などの場所では、縫い代を綺麗に始末する意味が非常に重要になります。

このたびは、ロックミシンの糸自体の始末をそれぞれの区切り目において「玉止め」をしている者の「決まり事」をご紹介したいと思います。

ロックにも玉止めが有効、ロックの糸をどのくらい残すと結び目が作りやすいのかの解説

では、玉止めをしていく様子です。

ロックの最後の糸ループを多めに残します。8cmくらいがグッドです。5cmだと結びにくいです。
よく手縫い糸で、ボタンを付けるなどの時にほどこす玉止めと同じで、一度コマ結びをします。これだけです。
角の先端に結び目がちょんとできました。その結び目周辺3-5mmでカット。
ツンと残り糸が出ますが、どのみち、縫い代内などに隠れます。
玉止めをしないプチッとカットしたままだとほつれることがあり、しっかりと解決したい場所です。

あとがき

やや我流ですが、人間が考えることなので、きっと同じようにされている方がいらっしゃるのではないかと予想しています。

自然でシンプルなやり方なので、余計なことをしなくてよいから、クセにしてしまえば、その後は当たり前の作業となっていきます。

丁寧に仕上げる策の1つとして、こんな影の部分も実は効果があるのです。

ちなみに今回登場の生地は、25ozデニム(ヘビーデニム)。

ロック糸は、「フジックスシャッペスパン」の#90の薄グレー色でした。

ミシン屋様がおっしゃるには、ロックのミシン糸は90番ではなくても、50-60番糸でも良いそうです。

ほつれにくいのは、90番よりも50-60番でしょう。

ただ90番の方が在庫の減りが少ないので糸が有効に使えます。

よく情報を知らない内に調達した糸はたまたまのセット購入のお得な出会いもあり、それが90番だったことと、デニム用にと考えデニムの裏面に色がなじむミドルグレーを選択。

デニムに90番も相性が悪いわけではありませんので、生地の厚みとロックミシンの番号のギャップなどは特に考えられていないようです。

その他、帆布やゴブランなどもなかなか裏地付きが困難なこともありますので、同じようにロックミシンの縫い代始末を引用すると良い場合があると思います。

一重仕立ての縫い代始末に困った時は、ロックミシンに助けてもらうという手があることを思い出してみてくださいませ(^-^)。