街行くおじさんのマチ厚コンパクトポーチからの着想、ぎっしり詰め込むイメージで作るミニボストンのフォルム【72】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ハンドバッグ製作では、<同素材シリーズ>という企画を続行中。

同じ生地で共通に全く別の5種のデザインを作ることで、デザインの違いの比較が顕著に。。良い研究になりその後のデザインの中での絞り込みに大変役立ちました。

5デザインというのが、①ドーム②バニティー③巾着④ボストン⑤リュックで、どれも立体的なフォルムをしている最もオーソドックスなデザイン。

このたびは、④に着手、後半部分を含む完成は【73】の投稿でご覧いただけます。

当記事【72】の前半部分では、ポケットを内蔵し・ショルダーカンをあらかじめ縫い付け・取っ手のいアイレットカンを取り付けた本体プレートが前後面共に完成したところまで。

主にミニボストン型を思いついたきっかけを中心に綴らせていただこうと思います。

<同素材シリーズ:ボストン-前編>メンズアイテムからの引用、当たり前のように作られたオーソドックスさが魅力

もともとバッグは、大昔は男性特有の持ち物でした。

洋服の定番デザインの多くもメンズ専用であることが起源であることも多いのです。

ある日、ふと街角ですれ違ったおじさんの「中身たっぷりポーチ」を目にしたことがあります。

ちょうどファスナーを開けて中を見ている場面ですれ違いました。

そのポーチは立体的でマチが大きく、非常に安定感がありました。

ナイロン製でファスナーが真ん中に付き、ちょんと取っ手が付いたようなセカンドポーチ。

あれが可愛い柄になるとどうなるのか。。などとイメージしたのがこのたびのミニボストン型になります。

左(黒地xパープル系花柄):表地-風通ジャカード、綿/54%、絹/26%、ナイロン/20%。イタリア製。
右(パープル):裏地-ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%。日本製。

↑①-⑤の製作に共通にこの2種を使用させていただきます。

ショルダーDカンの縫い付け:早期段階で取り付け。1)使いやすさ 2)見栄えの美しさ、3)取り付けやすさ。

意外と3)をないがしろにしがちですが、良質なバッグを作るためには一番大切な事であるとも言えます。

決して怠慢なんかではありません、作り方をシェアしていく上でも必ずここの問題にぶち当たるからです。

ファスナーポケットの裏側:あらかじめ表地にも裏地にも合計2個で取り付け。ミニバッグでは2個は充実。
「中表」縫い:カーブを含むデザインではこのやり方が綺麗。返し口をストレートの箇所で行います。
後に見直したこの時点での外枠ステッチ:これをしてしまうと最後の組み立ての縫い合わせと糸が混み合い汚い。
取っ手部分のホール作り:片面ハトメのアルミ製を利用、アルミ製は「プライヤー」がセットで見つかります。

「カワグチ」様の製品を使用させていただきました、ありがとうございました(^-^)。

本体パーツの前後の完成:ここまでがこのたびの進捗度。イメージが湧いてきましたね。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.10.17からおよそ5年半後の2025.03.13にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

先程の外枠ステッチの見直しのご説明の通り、後にこの外枠ステッチはプレートのみの完成時点で「無し」が正解であると考え直し。

返し口はボンドで仮止めするにとどめます。

そして、後半のファスナーの口布パーツとの縫い合わせの時に、「外表」で初めてステッチが1本のみ出るというのが綺麗だと解きました。

それでもぴたりとパーツの縁のラインが綺麗に重ならない困難さは、こうした作り方の限界、後に「外表」の縫い合わせを全面廃止してしまった2025年です。

「そうすると、もう作れるデザインなんてないのではないか。。」これが、ミニマムな少数のデザインに絞っていくためのむしろきっかけになりました。

枯渇した中で生まれる本当のミニマムさを後に知ることになります。

そこに行き着くまでには、このいろいろなデザインを作る過程は必要なことだったのでした(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

まるで絵画のような暖色系マルチカラーの草木柄はシャンタン織、アシンメトリーなファスナー位置のミニボストン【19】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ミニボストンショルダーバッグの製作を致しました。

丸いカーブを取り入れたドームのような形はいかにラインを美しく出せるのかというポイントが1つ。

そして、ここ最近ややプチ流行のファスナー位置が片方に寄ったデザイン、真ん中よりもしっかりとオープンできる点がメリットになると思います。

ファスナーの始まりと終わりの綺麗な処理の仕方のイメージをまだ持っておらず、行き当たりばったりで研究を兼ねた製作となってしまいましたが、そのままを綴りたいと思います。

ファスナー位置がアシンメトリーのぱっかり開く仕様、心躍るボタニカルなビタミンマルチカラーのミニボストンバッグ

ボタニカルな大柄の暖色系マルチカラーが美しく楽しい雰囲気です。

柄の縁取りのブラウンカラーが特徴で、まるで、絵画の巨匠「ルオー」様の作品のよう、こんなところに惹かれてこの生地を使わせていただきました。

裁断風景:表地の前後にそれぞれポケットを取り付け済み。1m購入で表地も裏地も同じ生地を使用。

使用生地(表地・裏地共通):シャンタン、ポリエステル/100%、日本製。

作り方は、あらかじめ「中表」にしたプレート状のパーツを「外表」で組み立てながら縫い合わせて作っていくという方法です。

<サイズ>縦20cmx横22/26cmxマチ8cm。幅2cmの取っ手付き。ショルダーは幅1.5cmx81/129cm。
コンパクトなサイズながら、めいっぱいのポケットの広さを確保。外側にはすぐに取り出したいパスなど。
底面:後付けでリムーバブルな底板を設置しています。同じ生地で包み込んで作ったものです。
柄のおかげでそれなりな見え方にはなってくれていますが、左下の写真のファスナーの端っこの取り付けが曖昧。

このアシンメトリーなファスナー仕様では、ファスナーの端っこを完全に隠すということができませんでした。

更に、切替の部分の繋ぎ目がしっかり合わなかったのです。

非常に曖昧なまま、それとなく出来上がってしまったのが現状です、決して成功ではありませんでした。

着用風景:この生地だったからそこそこ出来上がったという条件を感じます。下の角のラインが難関過ぎました。
コーデのイメージ:せっかくなのでお洋服との相性もご紹介。バッグ自体がアクセントになると効果的なケース。

あとがき

このたびのアシンメトリーなファスナーの取り付けの経験は、その後の比翼付きのリュックの入り口で活かされます↓。

その後の比翼付のリュック:部分的に見れば、アシンメトリーなファスナー付けはこのたびと類似です。

比翼が隠してくれることもあり、不完全な縫い付け部分をカバーしていったのですが、起源はこのたびだったと思うのです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.05.20からおよそ5年半後の2025.01.19にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年では、ファスナーさえ全く使用しないバッグの製作に行き着いています。

カラーが限られた既製品の附属品の限界を感じたこともあり、メインの入り口にもなり得るファスナーを思い切ってやめたのです。

とは言え、ファスナーを真ん中に取り付ける仕様・アシンメトリーに取り付ける仕様を含む製作をしてきたその先に今がありますので、過去のこのような製作は辿るべき道であったと思っております。

実際に製作していない者はファスナーを使用しないバッグの良ささえ語れないのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク