片面ハトメ(アイレット)に通す取っ手の恰好良さと質の隔たり【57】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

【56】の記事から続行のマルチボーダー生地で作るA4横バッグがこのたび完成しました。

今回は、その後半でございまして、ポイントとなるのが、取っ手を通すための片面ハトメ(アイレットカン)の取り付け場面です。

片面ハトメはバッグ製作の最終段階で取り付け、そこへ取っ手を通して完成となります。

いわゆるクライマックスの作業とも言えますね。

この記事は、2019.09.22投稿のコンテンツなのですが、その後に、2022年11月30日にブログの手直し作業の中で、大きく付け加えました事項があります。

そこが一番2022年現在では重要なポイントですので、前もってお伝えしておきたいと思います。

片面ハトメ/アイレットカンに必要な道具とパーツの正しいセットの仕方

まず、下準備として、チャコペンで穴を開ける位置をしっかりと印します。

ここで前もってお話しておきたいのは、穴を開けながら同時にアイレットカンを打ち込むことは物理的に不可能であるということです。

最初にポンチというカッターナイフのような刃のついた丸いパンチみたいな道具で穴を開けてから、新たに打ち込み用にセットし直して打ち込むという2段階を踏みます。

このやり方は、他の類似パーツでもすべて同じですので、これ1つクリアすることでいろいろ展開しやすくなると思います。

※【お詫びと訂正:段ボールは敷くべきではないこと】
後になってブログの修正にあたり、この箇所を大きく訂正させていただきたいと思います。
というのは、下から2段目に敷いた段ボールは非常にまずいです。
クッション性のあるシートやマットは敷かずに硬い所に置くことこそが
上手く打ち込める秘訣であることが後に分かりました。
訂正してお詫び申し上げたいと思います<m(__)m>。
一番下・・・汚れ防止のための新聞紙を敷く
・その上・・・ゴム製厚い台を置いています。この板で東急ハンズ様で¥540程度。

ブルーの色のチャコペンで印を付けてあるので、その印にポンチを水平に当てて、金づちでたたきます。7回程度たたいています。

ポンチを水平にして、金づちで7回たたいて、穴をくり抜きます。
仕方がないことなのですが、生地が合計5層に重なっていることもあるのですけれど、
最後に丸いくり抜きの端っこが少し残ることがほとんどです。
じゃあたたく数を増やすのかというと、そうではありません。

そして、次に、いよいよ、アイレットカンを打ち込んでいく作業になります。

後で貼りますYOUTUBE動画では、失敗バージョンも、間違ったやり方の例として動画になっていますが、当ブログ記事では、成功した正しいセットの仕方だけにまとめさせていただきました。

左から、3つまでは、道具パーツで、
右2つのゴールドがバッグに取り付けてバッグの一部となっていく材料パーツです。
①ゴールドのアイレットカンの凸を表側から差し込みます。
②裏側にゴールドのアイレットカンのワッシャーをシンバルのような向きに
ややふくらみのある方がこちらに見えるようにセット。このワッシャーの向きが正しい向き。
手で当てる時に実際にしっくり固定されるのもこの向きなので、
作業するときによく分かると思いますので大丈夫です。
道具であるコマの凸をここへはめ込みます。
④打ち込みバーを③の穴にはめ込みます。
⑤残ったドーナツの水平型の道具パーツを消去法でここへ当てます。
この道具は結局一番下に位置するということになります。
これの位置が分かりにくいから混乱しがちだと私は考えていますが、
この私の説明の順番で行えば、最後にこの道具が残りますので、それが一番下になるのです。

アイレットカン/片面ハトメ打ち込み作業

そして、金づちで7-8回たたき込みます。
この回数で十分ですので、これ以上やりすぎてどこかがへこんでもいけませんので、
最低限必要な回数だけでたたけばよいということです。
アイレットカン取り付け完了です。
表側からは出来上がりのぷっくりとした面が、
中側にはワッシャーの面影が残る線の入った見かけになります。これで完成です(^o^)丿。

完成を見ながらのまとめ

これで、完成です。

アイレットカンを取り付けた細身の取っ手のバッグがサブバッグといえどもいかにスタイリッシュかをどうぞご覧くださいませ。

ゴールドのアイレットカン8mmによる効果はかなりのものです。
サブバッグがスタイリッシュになりました。
サイド部分の柄合わせの効果は絶大。
取っ手の柄合わせも更に高級感を出していきます。

片面ハトメについての、質としてはどうなのかの結論

当記事を、後になって見直し、手直しをさせていただきましたので、大きく追加事項が出来ました。

実は、その後の2022年11月30日現在のブログ記事手直し中の現在ではこうした穴を開けて取り付けるタイプのカンをすべて廃止しています。

ここまでご紹介させていただいた記事ではあったのですが、見かけの恰好の良さとは裏腹に、その質は危ういものということで、このバッグ自体も後に解体しました<m(__)m>。

また別の投稿でなぜこうしたパーツを廃止したかのお話はじっくりさせていただきますが、そもそもメーカー様との直接のやり取りでも、メーカー様は生地への使用を否定しておられます。

こういったものは、本来「本革」用の物なのです。

革という素材は生地とは雲泥の差の密な素材の構造です。

それに比べて生地はスカスカなのです。

引っ張ったり、重い荷物を入れて取っ手がギューッとなると、いずれパーツが徐々にずれ、ポンと外れるとともに、生地のカットの部分がはみ出す可能性は否めません。

それもそのはずで、元はレザー用のパーツであるからなのです。

気軽に使用できてしまうことと、特に禁止事項でもないことから生地に使われてしまっていることも多いので、皆様がやっているではないか、良いではないかと思いがちですが、やはり本当のところはどうなのかを見極めることは大切です。

間違いなくメーカー様が生地には不可であるとおっしゃったそのやりとりを実際に私がしたのですから。

あとがき

不明な事、困ったことがあった時には、メーカー様に聞くなどの一歩踏み出した行動により、有難い答えがいただけることがあります。

それが後の採用、不採用の貴重なジャッジの理由にもなって行きました。

さんざんやり方をご紹介しながら、最後にお勧めではなく真逆の結論になったことをお許しくださいませ。

しかし、これが現実で、本当のことを伝えていきたいというスタンスからです。

本当にお役に立てるのは、やり方のご紹介よりも、もっと本質的な生地に採用して本当にその商品が良質になるのかどうかということをお伝えすることだと考えた末のことです。

お客様ががっかりするようなお品になる原因を作るようなパーツは使うべきではないという結論に至っております<m(__)m>。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク