職業用ミシンで何とか縫えた美しい花柄の厚手インテリア生地のリュック、ボツになった理由は口の隙間の危うさ【259】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ペールカラー」とも呼ばれ近年「癒しのカラー」としてインテリアに積極的に取り入れられている「中間色」というのは本当に綺麗です。

落ち着いていて、柔らかい雰囲気たっぷりなのです。

今回は、まさに中間的な色だというような色のピンクの表地と裏地を濃淡で組み合わせた場合の厚手生地でハンドメイドリュックを製作。

トートバッグのその先に少し機能を加えたデザインです。

裏地なのに極厚を選んでしまっても最低限の重なりを意識すれば大丈夫

通常裏地は薄手です。

表地をチョイスした後に附属品としてチョイスしていくもの。

けれども、裏地にもデザイン性やおしゃれ感を取り入れたいというスタンスでこれまで裏地には特に工夫を重ねて製作してまいりました。

今回の表地は非常に難しい色でした。ピンクと言っても青みがかったものではなく、サーモンピンクのようなオレンジみが入っているのです。

茶色寄りだという見方もできます。

左:表地-インテリアファブリック、ポリエステル/100%、ベルギー製。
右:パイルカーテン地、ポリエステル/100%、ベルギー製。

表地のインテリアファブリックは、薔薇の柄が浮き出た凹凸感が非常に美しいと思います。

毛羽だった生地は毛並みがありますので、見る向きにより色が濃淡に分かれます。

この向きから見た時に薔薇の柄が濃く映るその色と裏地がぴったり相性良くマッチしました。

どうしてもこれを裏地として使いたいと思ったのです。

そうすると表地の厚みと裏地の厚みが重なり、ミシンの針が通るのかという心配をしながらの製作でした。

こんなに厚みがあるものを裏地にしました。これ以外ベストマッチな裏地が見つからなかったからです。

今回は、このような厚い裏地をどうのように工夫して縫っていったかということを見ていただきたいと思います。

そして、最終的には、限界の部分もあらわになりましたので、貴重な体験として記録にしっかりと残したいと思います。

接着芯:接着芯のみ使います。選んだ接着芯はごわっとした硬めのタイプ。

これ以上、ハードな芯地は貼りません。

サイドのリボンひもが別生地である事情は、本来は裏地のところを厚みのある裏地を避けたからです。

同じような手触りの感じが似たスエードプリントというポリエステル/100%、日本製の薔薇柄プリント生地で取り付けました。

片玉縁風のポケット:いつもと同じように。ただ、入り口の伸び止めテープは省略。接着芯が貼ってあれば十分。
フラップポケット:上の片玉縁風の反対側に付ける貼り付けポケット。フラップに表地を使用。
取っ手の取り付け:取っ手は、間に挟み込む方法では到底難しく、縫い付け。

ここ最近取り入れ始めた先端に「変六角形」のタブを取り付ける方法がとてもしっくり来ています。

この変六角形は、縫い代が見えたままの先端を隠すと同時にバッグの顔のようにも見える大切な部分でデザイン性を表していくという2つの役割があります。

取っ手の中の作り:今回のような厚手は、取っ手にも接着芯のみというのが正解。
底板:底板は、1.5mm厚のベルポーレンという割れないプラスチック底板です。これをこの瞬間に内蔵。
入り口の留め具:リボンひもで、に口の開きをこのようにDカンとナスカンで口を閉めました。

ただ、リュックとしては、この入り口の絞り具合に限界がありました。

この入り口の隙間だらけのせいで結局リュックの機能としては不合格ということになってしまいました。

トートバッグの領域を越え、リュックとしても十分使える物にはなれなかったのです。

タブの縫い付け:タブは、単独でまずタブの重なりを縫い付けておくのが作業しやすいです。

以上、せっかく厚手の生地に挑んだわけですが、これ以上口を閉じるにはまだまだ機能が不足で、不安が残るデザインとなったため、廃止の方向です。

入り口の隙間をどう解消していけばよいのかの1つのアイデア、タブを設置し巾着として絞り切る機能

<餅巾着:ピンク薔薇ジャカードVER>縦27cmx横27cmxマチ11cm。

トートバッグ使いはそれほど問題がありませんがリュックデザインに使うととたんに不安が高まります。

それは、視界から遠ざかる背中に移動するからです。

<餅巾着の内側リボンをしぼった時のデザイン>ショルダーの長さは、ナスカンも含めて91cm。

この状態で背負うと中身が丸見えと言うほど背中で口が開いてしまいます。

この数年後に考えたのが、タブを複数設置した巾着ホールを作り、そこへひもを通してしぼる機能です。

そうすると、別で取り付けたショルダーが不要になり、全然別のモデルに変わってしまいました。

取っ手はこの後案のアイデアでは付けることができないのです。

というのも、付けると巾着によりタックの影響を受けてラインが崩れるのです。

ということで、取っ手をあきらめざるを得ませんでした。

ナップサック型:口をしぼるひもとショルダーが兼用になっていることが無駄がないと考案のデザイン。

このデザインはこれで完成型です。

よって、前案のトート型の取っ手付きはリュックにはならないまま廃版ということになりました。

あとがき

ということで、結局は、今回の取っ手付きのトートバッグにもなるリュックというデザインは実現不可能として廃止です。

とはいえ、たくさん学びがありこの段階は非常に貴重でした。

こうして、「本当に必要な機能なのか」の精査をしながらのモデルチェンジです。

ただ、取っ手はあるとありがたいことも多いのでなくなるということは価値が減るのは確かです。