まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
2018年の前半の頃、「生地くるみ底板作成:¥1,700」というものをさせていただきました。
そのサービスを利用していただいた方にはやはり抱えているブランドバッグへのひっかかりがあったのですね。
どうもその節はありがとうございました(^-^)。
底の部分が物をたくさん入れると下へ膨らんで沈んでしまうのです。
見栄えの悪さと、安定していない底部分への不安もあります。
そのような心配をいちいちしなくてもよい状態にあらかじめなっているバッグがやはり一番です。
なんと高級なハイブランドバッグでこのことが何度も起こっていたのです。
なんたること!、底が安定してもいないのに高級ブランドバッグの地位にあるそのことを大変疑問に思ったものです。
いかに過去の商品達が、機能をしっかり考えられていなかったものが多かったかということの例にもなるかもしれません。
そして、長い歴史でブランドの力がパワーアップし、手間を省かれた過程のあると見られる商品でも受け入れてもらえた時代があったのかもしれません。
しかし、今後は違うと思います。そんなことは、購入者は見破ります。
やはり、本当のこと/真実があらわになる時代になると思っています。
ごまかし、隠したり、手を抜いたり、こういうことがいずれ暴かれるということです。
お客様のお手持ちのバッグに底板をお洒落な生地入りでお作りするサービスのアイデアを思い付いたきっかけのある出来事
2015年あたりの事だったかと思います。
あるナイロンバッグの元祖とも呼ぶべきハイブランド様のキルティングが入ったビンテージのチェーンバッグを持っていました。
色の変色もなく、茶色の色がカーキがかっているのではなくライトな感じの黄土色寄りなところがとても魅力な、A3程の物がらくらく入るくらいのビッグサイズのバッグで、そんな点も個性的なお品。
これをお洋服とのコーデの色が合わなくなってきたこともあって手放そうとヤフオク様で販売させていただきました。もう私としては不要でした。
ありがたく落札してくださった人がいて、商品を発送したところ、1通のメッセージが。。
「とても残念なことに、底がくの字に曲がってしまい、物を入れても底がどよーんと沈んで不格好な形になってしまいます。」とのこと。
慌てました。私が使っていた時にはそのようなことが起こらなかったので気づかなかったのです。
私が持っている時では気づかなかったことでした。
もしかすると、発送時に2つに折りたたんだ時に、もともと厚紙が入れてあった底部分がその梱包で曲がったとも考えられます。
どのみち、もともと入れてあったのは、厚紙相当のものだったと思います。
すぐに私は、お金を返金しました。ただ、それだけでは、どうしても気がおさまらなかったのです。
お金だけの問題ではない、とてもがっかりされている気持ちが晴れるにはどうしたらいいのか、何とかできないかを考えました。
そして、お客様にメッセージ。
「まだ、私の方は返金だけでは気がおさまりません。1つ提案ですけれど、私に底板を作らせていただけませんか。ハンドメイドをしているので、作れます。バッグの底部分の縦横サイズをお手数ですが、教えてください」と。
そして、そのサイズをもとに、今現在も使っているベルポーレン2mm厚の底板をたまたま持っていた黒い色の生地に包んで縫って、送りました。
その後のお返事は、ぴったりで喜んでバッグを使うことができるようになったとのこと。
ここでやっと本当に良かったと思えました。これが本当のお取引のゴールであったと。
お客様は、そのブランドバッグを気持ちよく使うことを夢見て落札したのですから、ここでやっと目的が果たせたのです。
お金を返金したから100%満足するわけでは決してありません。
本当の目的は別のところにあったのです。その本当の目的を達成できる手助けをすることが、お金以上のさらに踏み込んだ提供する側がやるべき使命です。
とても学ぶことがあったこの出来事でした。
この経験が、3年後に底板を作ってお送りするというサービスをしてみるヒントになった出来事であったことは間違いないです。
底板をお作りするサービスというのはとても行いやすいのです。
設置が自由なリムーバルなので、バッグをこちらに発送してもらわずともサイズのご連絡だけで作れるので、無駄な経費とか、時間もかかりません。
また再開しようかなあとも思うのですが、布のこだわりがそれぞれの人があるので、その点が難しいです。
ならばと、セミオーダーで、この中から選んでもらうというのを考えがち。
ところがこの試みは、その2018年の時にあまりにお客さんの思う生地との隔たりがあり、結局ニーズがあまり得られずに続きませんでした。
また、何か良い形で再開できるといいです。何か新たなアイデアを考えたいと思っています。
バッグの中のパーツでは底板が一番こういうちょっとした付加価値の追加がしやすいようです。
ショルダーとか、入り口のファスナー付けなどは、もし可能であれば、これも非常に効果は出ますが、金具をそもそも本体に付けていないと引っ掛けるところさえないですから、すべてのバッグには展開が厳しく、バッグの形が限定されてしまいます。
しかし、底板は、そういう点でフリー。すべてのどんなバッグにも対応できます。
底板を中に挟み込んで設置するタイミングはいつ?
さて、今回のポイントである、自作ハンドメイドバッグの場合の底板を設置するタイミングを見ていきます。
前述のオーダーメイドのリムーバル底板というのは後付けです。
そうではなくて、本来そんなことを後からしなくてもいいように前もって、バッグにきちんと底板が設置されているのがベスト。
そのベストの状態を今回ご紹介しています。
どのようなバッグも挟み込むタイミングというのは、表地と裏地を重ね合わせて縫い合わせる直前です。
つまり、合体する一歩手前のタイミングで底板を挟み込んで、その後ひっくり返すということです。
あくまで、この挟み込みのやり方が可能なのは、表地袋と裏地袋の合体という典型的な袋物のバッグの作り方の場合に当てはまるやり方になります。
そうすると、おのずと、底板のサイズは、底の面積よりも小さくするべきです。
ぴったりや大きいサイズでは、収まりきらずバッグが変形してしまい不格好。
私は「2まわり小さく」ということを心がけています。
1まわりだとまだ足りません。まだまだ底板にとってはスペースが狭いのです。
具体的な数値では、10cmのマチに対して、底板の型紙の幅は7.5cm両サイド1cm強の余裕を入れます。
こんな風にして、底板を入れた底部分というのは、入れていない底に比べて、立派なものになります。
今回は、<ハンドメイドバッグ教室>にて底板を挟み込むタイミングということでYOUTUBEにアップしました。
どうぞ、ご視聴してみてくださいませ。
あとがき
底板の必要性を感じる時というのは、物をたくさん入れる時だと思います。
最初の見かけというのは、ショッピングの際に中に物を入れる写真などはほとんど撮られません。
実店舗でもネットでもこれは同じです。
なので、バッグの底の様子など見逃されがちです。
しかしながら、縁の下の力持ちとでもいうような重要な部分であるのが本当のところなのです。
これを最初にしっかり取り付けてあげる「陰ながらの真心」というのは、長い目で見ると信頼につながると私は考えています。
見かけだけのかっこよさで買い物の後、年月が経過した後、がっかりすることは長い目でみるともう二度と購入しないお店になる、つまり信頼を失うことになるのです。
そう思うと、ひと手間の隠れた工夫などは、必ず最終的に強味であり価値になると信じています。