途切れない一続きが無駄のない作業と仕上がりのミニマムさに貢献、4本のステッチで固定するバッグの支柱を一続きで縫う順番は「渦巻き」を描く【1215】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、「切餅」というデザインをヘリンボン生地で製作中です。

エコバッグのデザインでして、重くてたくさんのお荷物も中に入れても丈夫な支柱が四方から支えるという理論で丈夫さを追求しています。

実際に一部のサイズの段ボールごと入れることもできるというフィードバックをいただいていますので、その用途は豊富。

このたびは、持ち上げるための重要な力支えの役割である支柱のステッチの4本をどのような順序で縫っているのかを写真コピー上で赤マジックによるシミュレーションでご紹介したいと思います。

エコバッグの支柱ベルト4本ステッチ、どこからスタートしてどこで終わっているのかをシミュレーションで解き明かします、忘れないためには「渦巻きを描く」と覚えます

もともと、ハギ目が2箇所ある長い取っ手と支柱のベルトに4本ステッチが均等に施されています。

これが、このたびのシミュレーション作業以前に現物で作業済みです。

左右の端から20cmの位置にベルトの左右の端をそれぞれ配置した位置が設置の位置。

実物の支柱縫い付け後の様子:これだけ見るとどこから始めているのかさえ分かりにくいので解説していきます。

上の写真は段階が1つ進んでしまい、ハギ目カバータブが縫い付けられてしまっていますが、本来カバーが付いていない状態で縫い付けていく順番ですのですみません<m(__)m>。

ミシンの場面は、順序となると映し方が難しく、コピー用紙にシミュレーションを選択しました。

それでも動きが分かりにくいですが、後で貼るYouTube動画内でも一度ご確認いただければと思います<m(__)m>。

スタートはバッグの底の位置の一番外側の部分から:マジックのシュミレーションでは一番左のステッチを上へ。

ハギ目をなぞるように横切り、そして外枠(4本のステッチの内一番右)を下へ降りてきます。

一番下で糸を切ってしまわず連続していきます。

そして、下の先端付近の内側1-2mmの所で左へ曲がり、今度はこの向きでは左から2番目の位置のステッチを登っていきます。

そして、またハギ目で右へ曲がり、最後の右から2番目を降りてきます。

結果として渦巻きの線をルートとして歩んだということになるのです。

このルートの途中、上の溝のステッチに何度か繰り返してステッチが通りますので、自然な形で丈夫に縫われていくのです。

溝に重ねるのか上下にずらすのかという点はまた別の機会で追求しますので、ここでは、ハギ目が印という分かりやすさを選択し、溝に重ねるやり方で行きました。

こうして、縦線ステッチの箇所は本体には1度ずつのステッチだけ均等に配されました。

右側も対称に同じように一番外側(一番右)から始めます。

右側も、一番右端の外側から、今度は逆渦巻きのラインでステッチしていくのです。
「S」はスタート位置。最後にもとのスタートの糸の所へ針を少し進めて糸を同じ場所に集めて一度のみ玉止め。

「S」の場所は最初のご説明のように端っこから20cmの位置。

複雑なことをしたかのように見えますが、実は非常にシンプルで無駄のない作業となります。

この次の作業が、四角いタブで溝を覆うというように流れていくのです。

あとがき

できるだけ無駄なく、それでいて、たっぷり糸を使うところは惜しみなく。。

こんなバランスとスタンスで作業しています。

どちらかというとステッチ量は多い製作手法ですが、これは、手間や材料の使用を省かれた量産品と対極の考え方です。

量産は効率が大きくものを言う、丈夫に手間をかけるということなどはなかなかされません。

量産では実現できていないところをスモールビジネスをしている者が可能な点であり、お勧めしたいことです。

良質なお品物に自らが作れる喜びは計り知れません。

その場限りの表面的なバッグで本当に良いのだろうか、長きにわたり愛用するような良質なバッグの方が魅力的ではないのか。。

このような勝負に挑んでいるのです(^-^)。

横に本体が並ばない生地幅のエコバッグの裁断、縦に並べ余った横の隙間で長いベルトパーツ、底ベルトは本来の横向きですべてまとまった【1213】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在研究製作中のエコバッグ、その名も「切餅:きりもち」は、角々しい四角いスタイルが特徴です。

縦長のパーツが非常に多く、このたび、柄物で製作するにあたって、あることに気づきます。

それは、もとは長い取っ手兼支柱の150cm以上もの長さを要する長いパーツ。

縦取りでは1.5m以上もの用尺を要するコスパが悪い配置になる為、横裁断をししていましたこれまで。

しかし、そう工夫しても、結局は選ぶ生地幅が限られ、むしろ作りにくいデザインになってしまうことから、長いベルトパーツに2つのハギ目を作り、3パーツに分解したものへ仕様変更。

それに伴い、生地幅がシングルの狭い幅にもすべて対応できるようになったのです。

ただ、横が60cmある本体のパーツは横に2枚並ばないのです。

最初はこれに対しがっかりしたものでしたが、結果は素晴らしいまとまりとなった結末。

そんな経緯を是非ご覧いただければと思います。

110cm巾では本体パーツは横には並ばないことから生まれた横の隙間の利用、長いベルトパーツの大半を縦向き裁断に配置したことですべてが正位置にまとまる

本体のパーツは110cmの生地に置いてみるとこんなイメージ、横に2枚を並べるには生地幅が不足します(▲50cm分くらい)。

よって、上下に並べることになり、この時点で縦の長さの2倍分(約1.1m)の用尺が決定。

残りのパーツをコスパ良く、右の隙間へ配置していきます。

そうしますと、結果は少しだけ余るだけでうまく裁断できました。

横が60cmある型紙なので、120cm巾以上の生地が見つかった時にやっと2枚横並びが実現できます。

しかし、その時に、今度は縦の長さが一番長いパーツである取っ手の70cmが追加され、縦に場所をとっていきます。

おそらくその場合に横向きに裁断することを選択するでしょう。

このことから、結局はこの度のシングル幅と呼ばれる110cm周辺の生地に対応した配置のように縦に2枚本体を並べて横の隙間で残りのベルトパーツを本来の望ましい地の目の向きで裁断した方が良いお品物ができます。

よく量産で選択される長いパーツの横向き裁断とも良い意味でご縁なく達成することができる配置アイデアが生まれました。

横ベルト2本:これは、地の目もこの向きであることが望ましいです。この向きで柄も正位置に映ります。
「すき間」の部分で残りの細いパーツを本来のあるべき地の目の向きですべて裁断できることが分かりました。

色々複雑な解説となってしまいましたが、まとめますと、110cm周辺の生地幅の選択でも用尺は型紙の縦の長さx2倍の1.1mで製作できるということです。

シングル巾の生地に起こる、本体が縦に並ぶことになる場合は、横にすき間ができます。

この隙間で実際にうまく配置できる方法は、「支柱」「取っ手」の2種のパーツに関しては縦向き裁断、「底ベルト」に関しては本来の横向き裁断で行けるということです。

柄物であっても望ましい本来の柄の向きが見事に正しい向きにすべて表れてくれるという素晴らしい結果をもたらしてくれました。

そもそも、長い一繋ぎであったベルトを分解した時点で、望ましい裁断の向きが完璧に実現できるところに向かったということになります。

これは大変素晴らしいことだと言えます。

あとがき

こんな感じで、バッグ1つのサイズさえも理由のあるサイズになっていくことがあります。

在庫も長期間携えねばならない量産の設定ではなくて、その都度必要な物だけを必要な分量使える工夫やアイデアも大切だと考えています。

量産の考え方は、全体の数で考えるコスパの良さなのでどうしても数量がたくさん必要であることが条件。

一方、1点物の考え方は、1点作るための配置が一番望ましい形の工夫であり、そのためには、自由にデザインさえも融通を利かせるということです。

私にできることは、そのような必要分を最低限作るためのご提案ということでしょう(^-^)。

手持ちの残布だけで作る限られた長さの生地で長いベルトを作るヒントにどうぞ、2枚ハギの別生地2色で作った共布ひものつなぎ方【1207】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、<パッチワーク企画>という多数のパッチワークパネルで表地も裏地も製作するナップサックを製作中です。

その中で1つご紹介したいスポットがございまして、2枚ハギの共布巾着ひも作りの場面です。

今までは、生地幅一続きを裁断する手段しか考えておらず、150cm強の出来上がりに対して、選ぶ生地に「幅広生地の中から選ぶ」という条件がありました。

しかし、150cm以上もの広い巾の生地は正直レア、なかなか見つかりません。

かといって縦で裁断すると生地のロスが多く、コスパが悪くなるのです。

よって、横向き裁断のままで、1パーツを生地幅すべてに対応する長さ80cm程度にし、2枚ハギを繋げるやり方を考えました。

近いカラー2色コンビの2枚ハギで1本につないだ長いベルト、ナップサック全体には程好く馴染むバイカラーデザインパーツとして成り立った

左の生地は、麻/55%、ポリエステル/45%。右の生地は、ナイロン/100%。土色と砂色のコンビで接結完了。

この2色は比較的色が類似なので、バイカラーといえども馴染むようにバッグ全体に配置できます。

気になる真ん中のハギ目の位置につきましては、実際にホールに通すと内側に隠れますので、目に映らない位置に配置されるという偶然にも恵まれるのです。

ショルダー2本分:バイカラーながらなじむ映りです。3本ステッチが美しいのですが、その後4本ステッチへ発展。

もとは、5cm巾の80cm(縫い代込み)の型紙を1cmの縫い代で合体して、ハギ目で▲1cmx2箇所、端同士の縫い代▲1cmx2箇所の合計▲4cmが差し引かれて、160cm-4cm=156cm。

約155cm程の出来上がりの長さで、Dカンに設置時に「わ」になる部分が5cm持っていかれることで▲5cmという差引により、結果出来上がりが150cmのショルダーに出来上がるのです。

こうした安定的に常に150cmで徹底できるのも、2枚ハギにしているからこそ。

内側に接着芯をフルに貼り、観音開きで4枚が重なり丈夫になっていきます。

そして、更にステッチが内部に縫い付けられて、ハギ目の両端にもステッチを走らせてみました。

ここまで徹底した作りのショルダーが丈夫でないわけがありません。

出来上がり巾が、1.2cm程の華奢なタイプながら、十分な強靭さを追求したショルダーとなりました。

あとがき

今回のショルダー/巾着ひもは、<パッチワーク企画>最後の4点目(記事番号はすぐ次の【1208】に取り付けるものになります。

もう間もなく4点目のナップサックも完成し、パッチワーク企画が終了となります。

<パッチワークシリーズ>の最終で今まで全4点を同時に比べる投稿(記事番号はさらにその次の【1209】)を致します。

このたびのエコロジーな砂色や土色のショルダーがナップサックの完成品の中でどんな存在になっていくのかもお楽しみにどうぞ(^-^)。

バッグの取っ手・ショルダー・支柱・共布紐に及ぶまで広範囲、美しい4本ステッチの均等な間隔が美しいベルト作りの技術の高め方【805】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「HMB教室:ハンドメイドバッグ教室」へようこそ♪、よろしくお願いします。

この「HMB教室」は、YouTubeの10のカテゴリーの中の<製作>とは別の<HMB教室>として専用に設置しています。

日々改良や試行錯誤で学びを得ている記録がYouTube・ブログ記事の姿ですので、その中でも技術としては堂々とお伝えできるほどの確定したようなものを<HMB教室>に充当して分類しております。

実店舗は確かにコミュニケーションが取りやすいのでしょうが、どうしても時間に縛られ、下準備などに時間を割き、あまりピンと来ていません。

特性もあると思いますが、こうして、完全無料の動画と記事でお得に学んでいただければと思ってアップしています。

一方で、じっくりと手順を学べる有料もデジタルコンテンツとして今後増やしていきます。

もし、共感いただくことができて、取り入れていただくことがあったなら、一緒にハンドメイド文化を、美しいお仕立てのお品物を作る人が大勢の世界にしていこうではありませんか。

現在ハンドメイドバッグで活動されている方、未来にハンドメイドバッグを商業利用してマーケットサイトや実店舗で販売したい方は是非♪。

決して簡単ではないが。。4本ステッチの等間隔の難しさと、その反面のうっとりするような美しさ

しょっちゅう縫っています4本ステッチですが、これは非常に難しいです。

一方で、等間隔に出来たときの美しさと言ったらこの上ありません。

こういったリュックのショルダーなどに決まって利用します。3本より4本の方が格段に美しいです。
大変上手くできたと思う時の4本ステッチ:特に左が綺麗です。間が等間隔で美しく映ります。

このように綺麗にできることもあればなかなかうまくいかない時もあるというのが長年やっているのにもかかわらず難しい点です。

生地によってもやりやすさなどが随分違うものです。

ちなみに、上手くいった時の上の写真はメッシュタイプの生地でアイロンで折ったりする時も非常にスムーズだったことからその影響か、ステッチも綺麗に整います。

技術を高める上で、まずは綺麗に出来上がりやすい生地からスタートする方が良いと思います。

ところで、技術を高めるステップとしましては、1ステップ間に入れてみました。

急に綺麗にといっても難しいものなので、もし、均等に揃わない場合にも見た目が美しい部類になる1ステップ段階を設置したのがこの後ご紹介しますやり方です↓。

目指すゴールの姿(3スペースが完全に均等):黒-取っ手の生地の端。赤-1周ステッチ。青-追加的ステッチ。
あらかじめ赤い1周ステッチを準備。線など引きません。実は青線の1本目、すでに偏って右の方過ぎます。

あまりにも偏り過ぎている時は、ほどいてやり直しですが、ほどくのも一苦労で、跡が付くので、あまりこのようなパーツでやり直しは良くないです。

そこで、このままで仕上げる、「許容範囲の美しさ」をまずは目指すのです。

次のステッチの位置を工夫し、バランスを良くしていきます。

右に寄り過ぎた1本目を受け入れ、真ん中の空間を少し余分に空け、左右の間隔を均等に仕上げます。

あまりに極端だと不格好ですが、少々であれば、こういった見た目のバランスや安定感を考えた配置になれば、ほどいてやり直しまでは時間がもったいないですし、やり直しによる生地を傷めることをせずこれまでの作業を活かせます。

均等になる技術を高めるまでの途中段階のステップとして、このことを是非思い出していただければと思います。

あとがき

青線の一番最初の線の位置が最終的な均等を決める重要なステッチという見方ができます。

あまりにも細い6mm程度の仕上がりのリボンひもには赤線の枠で十分ですが、12mm程度の幅のスリムなリボンひもにも4本ステッチを施しています。

12mm巾だと3本ステッチで良いと思うのでしょうが、実際にやってきて思うのは、3本の方がかえって幅を均等にするのが難しいのです。

なぜかというのが、粗いので、その分間隔の部分が目立ち、ちょっとのずれが分かりやすく目に映ってしまうのです。

4本のように密だと、実は細かい単位では均一ではないのかもしれませんが、目には均等に映るという視覚的効果なのです。

人間のやることなので、そこがハンドメイド、機械のように完璧な均等にはなっていないはずです。

それでも美しく見えるようになったということは誇れる成果だと思います(^-^)。

たすきの先端の玉止めはサイドの溝へ糸を集めて結び隠す、最後の作業まできめ細やかに行う手間の大切さ【653】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

エプロンを複数製造させていただくお仕事をいただきました。

大変有難いお仕事の中で学びをアウトプットし、同じ品物を作れるように、もしくは更に良きアイデアにより発展した製造になればとお伝えしたいと思います。

テクニックというほどの大袈裟なものでもないかもしれませんが、「当たり前の丁寧さ」のようなものだと考えております。

アレンジしたものではあるのですが、同じ人間のすることですので、きっとどこかのどなたかも同じように、もしくはもっと工夫されたレベルの高さでもって解決されているかもしれません。

それが分かるのも、まずアウトプットすることであり、この<製作>のカテゴリーではそんな技術や裏技を同じハンドメイドをされる方向けに「共有」という意味をこめて綴らせていただいております。

端っこの糸を集めて束に、そして、一括りに結んでサイドの溝へ隠す手法で現在腑に落ちている

たくさん並行にステッチするなどのベルト製作の場合、このように端っこに糸がひげのように集まります。

これを針に通して、左側の溝のようなくぼみへ内側から見えないように移動。

ポイントとしては、最初に糸を綺麗に同じ長さに均一に切りそろえておくことです。

これで作業が幾分かスムーズになります。

そうして、こんな感じで糸が同じ場所に束のようにまとまったら、糸を均等に半分に分け、2度結びます。
サイドのてっぺん周辺の溝の部分に玉止めが隠れました。

このような作業をするのも、端っこが隠し込まれないむき出しのケースだからこそ。

バッグの取っ手を埋め込む場合などには、特に考えなくてよいことです。

ケースに応じて手間を適切にかけていくという意味です。

少し簡単に進んでしまいましたが、実際に作業している様子などはYouTube動画におさめました。

あとがき

今回のこの手法は、まつり縫いなどに最後の玉止めを内側に隠す時の違う場所へ針を刺すということからのヒントです。

糸はスパン糸の方がはるかに固定されやすいですが、テトロン糸でも同じようにやってしまっています。

その場合玉止めをかなりきつくギューッとやらないとスルリとほどけてきた時にかえって糸が集まってみっともなくなるのでその点は注意です。

なかなか手間のかかる部分ですが、これをするとしないでは雲泥の差。

見た目のすっきり感と今後の長持ちをイメージした必要手間だと考えております(^-^)。

ヴィンテージ日傘がおしゃれ、長持ちするための袋のゆとり確保リフォームと留めベルト付け【625】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

昨年末くらいから、肌がボロボロと荒れたり、乾燥したりしてきたのが、この5月くらいで限界に達し、いよいよ皮膚科へ。

なんと、軽いアトピーのもよう。

ショックでしたが、薬以外でもケアできることを探ります。

1つは、単純に紫外線対策として「日傘」を持ってみようと決意。

せっかくなのでお洒落な日傘を探しまして、見つけたのがこちら↓。

ヴィンテージ日傘:おそらく昭和のもの。折りたたみの収納。傘自体は小さめです。

いろいろ探した中、こちらがダントツ。

布ライクなので、UV云々はさておき、おしゃれ度も大切。

持ち手の部分も木製で彫りがしてあり結構凝ったものです。

傘の柄の部分:持ち手が木製。葉っぱの彫もお洒落度が高くて丁寧な手作り感があります。

このようなヴィンテージ日傘において、2ヶ所をリフォーム作業した記録を綴りたいと思います。

収納が狭すぎると「擦れ」などで傷む原因に、ゆとりの確保もリフォームの1つである

この度のリフォームは、まず、留め具の部分の設置と、袋の窮屈さの軽減目的で広げるということの2つ。

なぜかまったく留めベルトの長さが届かない。これを別布を調達することで作り直していこうというものです。

なぜ、このような状態なのか詳しくは分かりませんが、とにかくこの状態だと留め具の機能がないので、収納できません。

生地は同じ物は当然ないので、そっくりさんの生地を探しました↓。

ベルトに使用の生地:「しじら」という名前の織り生地。マルチストライプの雰囲気もそこそこ同類。
縫い代をすべて隠すようにアイロンで折り込みます。四つ折り観音開きです。
ベルト出来上がり:柔らかめが使いやすいので外側一周のみのステッチで十分です。
もともと付いていたリングはそのまま使います。折り返し部分は、手縫いの2本取りで3度固定。
その後は、手縫いが続きます。こちらも3度を2本取りで手縫いで本体へ縫い付けます。

ここはミシンでは、生地が傷む原因になるのでソフトな手縫いがお勧めです。

そして、右下のようにリングの穴より小さめのボタンを縫い付けます。

留め具機能の様子の確認:やはり、リングの面積がタブ生地に占領され狭いです(^_^;)。
さらに、このリングにつまみタブを付けることで、もっとボタンにリングをはめやすくしていきます。
次に袋のタイトさを解消してゆきます。なんでこんなにきついのかなどは不明。
入り口のドットボタンが閉めれない状態にあり、タイトな袋の縫い代を広げてゆきゆとりを加えます。

まず、狭い原因の1つに、装飾的なタックが入っていました。

きつい原因にもなっていますタックをすべて外します。

タック外し:タックが結構入っているので、思い切ってすべて外します。
まず、タックをリッパーで外す作業です。
糸を外したらアイロンで整えます。ハトメ周辺は、ミシンで縫えない部分なので、手縫いで補助します。
縫い代を広げる作業:縫い代のゆとりをもらって、半分くらいの縫い代に変更することで本体の横幅を広げます。

5mm強程広げることで両サイドの計1cm強を広げることができました。縫い代はブランケットステッチ手縫い。

スカートのダーツやタックのリフォームも同様で、広げた分量の2倍が実際に広がるということので、かなりゆとり確保の効果が出ます。

そして、この部分も、先ほどのタックのドットボタンのように、一番下のアイレットリング/ハトメリングがミシンを妨げるので、手前でミシンをやめて、残りを手縫いです。

こうして、ミシンと手縫いをミックスした作業を致しました。

いったん完成:ゆったりと傘が袋に入れられるようになりまして、ドットボタンもちゃんと閉まりました。

この後更に、上述の留め具のリングにつまみタブを付けるアイデアを実際にやっていきます。

細かい作業ながら大切な部分、留めにくいストレスを生まないための留めリング用のつまみタブ作り

型紙無しで、なんとなくデザインしてみました。

当然左右対称に重ならねば縫えませんので、どんなデザインでも左右対称は必須です。

ポイントは、リング内にボタンがはまりやすいよう、その空間を邪魔しないようにシェイプされたデザインにするという点です。

こんな感じで、1本のテープながら細い部分があるものをイメージした細長い台形。
アイロンで真ん中を縦に折り、さらにそこへ向かって外側から包み込む感じで、周りをステッチ。

ひっくり返す「中表」のやり方ではありませんでして、折り込んでステッチで閉じる常に「外表」のやり方です。

リングに細い部分を通して、先端を手縫いで縫い留めます。実際は写真よりもっと深く折り込みタブを短く。
本当の完成です。このつまみタブがあると、機能としては大変スムーズです。

2箇所(袋のゆとり・ベルトの設置)のリフォームを終えて今思うこと

今回の日傘は、非常に布ライクで、ガサっとしてすべりにくいので、こういった素材は特に、留めベルトもやりにくいものです。

総合して思うのは、あまりきつくやり過ぎず、少し余裕のある程よいゆとりが傘の生地自体を傷めないコツだと思いました。

ツルツルの滑りの良い傘なら自然にキュッと縮まってくれますが、結構厚みがあるままなのでその点は傘の素材の種類による配慮といったものが出てきます。

今回のリフォームは、ヴィンテージの古いお品をリフォームすることで、大切に使っていけるための工夫です。

目につくリフォームにとどまらず、使い勝手の良さをとことん見直し、更に複数のリフォームをしていった記録となりました。

昔の物は本当に素敵な物が多いです。

日傘もなかなかこれといったものが見つからなかった中にこのたびの傘が、昔ながらの手の込み具合で、オシャレな輝きを放っているいるお品だったのです。

ヴィンテージ物の購入の際に、不良や難点が存在することも多いです。

そういった時に自主リフォームができると購入に思い切って踏み切れますね。

このように思うことが多々あり、せっかくのヴィンテージ色のある素敵なお品物を是非ごミシンを1台持ち備えるスタイルをお勧めしたいです。

もうすでに出来上がっているものの一部ですから、入り口の敷居は低いです。

こうして、今後もリフォーム記録を綴ってまいりますので、どうぞ、初めの一歩を踏み出してみてくださいませ。

あとがき

その後なのですが、ずっと薬を飲み続けるアトピーの治療に対し納得できず、病院通院1か月をもって勝手に終了(先生ごめんなさい<m(__)m>)。

そして、なんと、薬をぴたりとやめたのに、徐々に直っていったのです。

当ブログ記事は、2024年の1年間でこれまでのすべての記事を順番に「手直し」しています。

現在は、2024.04.24であり、この記事【625】の順番が来ました。

「ブログ記事のリライト」は本来1か月ごとなどということが言われていますが、とてもそのようにできません。

ただ、このたびの大掛かりな「手直し」は2024.12.31をもってかなりの成果を上げられる予定です。

今もアトピーはこの時以来、もう起こっていません。

そして、この日傘が現在どうなったのか。。

答えは、ずっと使っています。

ここ近年4月からすでに紫外線が強い感じなので、晴れた日には朝のウォーキングで日傘を使っています。

この時に直して本当に良かったと思っています。

ただ、変化はあり、取り付けた留め具のベルトはまた外しました。

布が破れる懸念があり、傘にありがちなロゴ刺繍のヵ所が弱ることに似ています。

そして、ゆとりを出すために広げた袋は、せっかくのヴィンテージ物のお揃いの袋ですので、傷まぬよう別で保管、「使わない」という選択を致しました。

年月とともに随分考え方も変わるものです。

ただ変化と共に高まった考え方があります。

それは、「古き良き品物を大切に長く使う」という思いの一層の高まりです(^-^)。