一見装飾性を高める目的と捉えがちな全面フリル、綺麗に出ないドーム型バッグの全ラインを隠す「機能」という秘案【190】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年から何度も製作した「ドーム型バッグ」。

まだ未だに発展途上なので、どうしても底の丸みあるカーブが綺麗に出せず(おそらく型紙自体が正解に行き着いていない)、まだまだ出来上がりが美しくありません。

いずれは、1点でも心から成功であると言えるドーム型バッグを作りたいと、その後も研究製作的に時々トライしているのです。

毎回その時ならではの小さな習得を積み重ねてきての今がありますが、残念ながらそれでもまだ完成型にはなっていないということなのです。

このたびならではの策としまして、ラインを見せないという思い切った手段で、全面フリルを取り入れてみました。

この際に、今までは作っていない大きめサイズに型紙変更、そしてリュックにもなるという生地のイメージとのギャップを持った1点を作り上げました。

表面的な飾りではなく目的を持った「機能」になる、バッグのラインがどうしても汚い悩みを前向きな意味で隠す為の全面フリル

フリルのイメージ:シングルで間に挟み込むだけのシンプルさで、より機能の方向に寄った使い方をします。
使用生地:表地(ベージュxマルチ小花柄)-ちりめんプリント、ポリエステル/100%、原産国不明(おそらく日本製)。裏地(赤)-ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。
ハード薄芯の接着:ちりめんは本来バッグには向かない薄手、ハード薄芯で貫禄を出します。
フリル縫い付け:長いフリルを作り、縫い付けを先に済ませておくと作業しやすいです。端から7mm程度を固定。
本体のフリルの設置完了:「中表」で設置したので今は寝ている向きですが、最終的には起き上がります。
底面もフリル設置完成:これで全面パーツのすべてのラインにフリルが挟み込まれたということです。
裏地付け:それぞれのパーツを板状に縫い代を隠す「中表」でひっくり返してプレートを作っていきました。

このタイミングで、底には、「底板」が内蔵されました。

ファスナー付け:なかなか難易度あるカーブのファスナー付けで、裏面が丸見えなことも別の課題です。
リュック用Dカンの設置:タイミングはもっと前の表地と裏地の合体のプレート作りの際に挟み込んでいます。
本体と底の合体:底パーツを本体と縫い合わせるのがラストの作業です。
ちりめん小花柄のフリル付きドーム型バッグ完成:<サイズ>縦30cmx横31cmxマチ12cm。リュックです。
背面:ポケットも背中と接触する面に付いています。机の上などに置いた時の風景に一致します。
内側の様子:貼り付けフラップポケットが付いています。取っ手は「片面ハトメ」に通す形。フリルが全面的です。

これをご覧になると、随分ぱっかりと開き過ぎていると思われるかと。

その通りで、ファスナーを上部1/3程度、せめて半分で止まる短いものに変更するべきでした。

複数の金属パーツ:すべてゴールドで統一。共布の取っ手は馴染み過ぎて1本調子、後日本革レザーの赤へ変更。
お洋服とのコーデ:同じベージュのプリーツタンクのデニムコーデに合わせてみました。お洋服は無地が◎。
後日付け直した取っ手:共布よりもこちらの方が良いと思います。赤がコントラスト効果あり、パンチも出ます。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.08.22からおよそ5年後の2025.07.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

この時にもし、今までと同じようにサイズの変更のみでトライしていたら、フリルの「機能」を知ることは無かったと思います。

随分思い切った全面的なフリルであり、底面にも付けてしまいましたが、このとことんやってみた思いっきりがかえって分かり易かったと思います。

2025年現在では、このデザインはもう作っておりません。

ラインのみならず、内部のファスナーの設置の汚さの問題や、様々な困難があり「作らない」という選択をしたのです。

この「廃止」は残念なことではなく非常に前向きなものであることは、こうしてとことん作ってみるという過程を経た結果。

「捨てる・失う・やめる」ということは、次のフェーズに至る前の努力あってこその前向きな気持ちと決断であり、ただの手間省きや近道には無い大切な過程です(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

美しい和柄のバッグ4点、デザイン違いのポケットに附属品を付けない取り出しやすさと安全性のバランス【122】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作をある1括りずつで同時進行の<○○シリーズ>として企画。

このたびは、<和柄シリーズ>で豪華ラインナップの4点同時完成です。

どうぞ、華やかな美しい和柄の表面のみならず、ポケットやフリルに込めた哲学的な意味にもご注目いただければと思います。

<和柄シリーズ>美しい和柄のバッグ4点、装飾には必ず奥にある目的をもった「機能」が隠れている奥深い製作へ

表地(左から順に):①和風エンボスプリント、綿/100%、日本製、黒xピンクマルチ。②広幅コットンプリント(ブロードと予想)、綿/100%、日本製、オレンジ系マルチ。③和柄プリント(ブッチャーかクラッシュと予想)、綿/100%、日本製、茶x赤マルチ。
裏地(左から順に):②ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製、イエローゴールド。③シャンタン、ポリエステル/100%、日本製、ベージュ。①エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製、黒。
両玉縁風ポケット:桜柄の裏地のポケットに引用。入り口の比翼が上下半分ずつのダブル仕立て。
片玉縁風ポケット(ラッピング布の始末):動画内での「向こう布」という呼び名は伝わりにくく取りやめました。
片玉縁風ポケット(比翼に貼る伸び止めテープ):細い方は入り口の下側、太い二列貼りはメインの比翼部分。
片玉縁風ポケット(袋の合体):「わ」のままでは物理的に困難なので上下2パーツに分かれます。
片玉縁風ポケット(袋を枠へ縫い付け):まずは、枠の下側からスタートします。完成の裏面は右上のようにな姿。
片玉縁風ポケットの完成:内側が「中表」のまま出来上がっているので、のぞいた時には内部が表なのです。

両玉縁風の方は、さらっとお伝えしただけでしたが、ほぼ同じ考え方で、枠に当てはめる時に2つの比翼を上下均等にのぞかせる設置をするという違いのみ。

片玉縁風ポケット:後にこのポケットは永続的に引用していくデザインとなっていきました。
両玉縁風ポケット:どうしても口の開きが解消されなかったことから、その後はこのデザインの引用を取り辞め。
貼り付けポケット(カーブタイプ):フラップ・袋共に「中表」をひっくり返しでカーブラインが美しく出ます。

生地に枠を作る際にキルトの糸をカットすることにためらうようなケースには、貼り付けポケットの方が有効な場合があります。

隠すためのフリル作り:元は装飾目的ではありません。ファスナーサイドの重なりの汚さの解決方法の1つです。
ファスナーサイドのフリルの完成:何を隠しているのかということなど読み取られることはないのが残念。

どうでしょう、世のバッグのフリルがそのような目的を持つ意味で使われているのかどうか。。多くは見かけの装飾ではないでしょうか。

半月型バッグの方のショルダー:調節機能は無し、サイドに挟み込んで縫い付け固定しました。
ピンタックをしていないトートバッグ:こちらはあえてピンタックをせずに大柄の壮大さを活かします。
トートバッグ(桜柄:ピンタック無し)完成:<サイズ>縦27cmx横34/45cmxマチ15cm。
トートバッグ(菊柄:ピンタックあり)完成:<サイズ>縦27cmx横34cmxマチ15cm。
半月型ショルダーバッグ(菊柄):<サイズ>縦21cmx横23/33cmxマチ7cm。
半月型ショルダーバッグ(椿柄):<サイズ>縦21cmx横23/33cmxマチ7cm。
<和柄シリーズ>の4点:それぞれの和柄の素敵さがシンプルなデザインによって引き立ちました。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.05.10からおよそ5年後の2025.05.04にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年ではこうした柄物はどれだけ高級生地であっても「裏地」に利用するスタンスです。

この5年で、それだけユーザー様目線を考慮するようになったのです(無地の方がお洋服に断然合わせやすく出番が多い)。

柄を表に演出の2020年のスタイルは製作者の自信の無さとエゴが交じり合っていたと振り返ります。

とはいえ、実際の使い勝手として本当にファスナーやマジックテープが必要なのかという安全性とのバランスを考慮したことや、フリルを装飾ではなく「隠す」という機能がきっかけで引用したことは良き歩みでした(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク