デニムより軽めの「デニムライク」生地で柔軟性を活かしたバラ柄アップリケ付きのトートバッグ【95】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ただいま<デニムシリーズ>という企画をしておりまして、デニムの部類の生地を連続してバッグの製作を行っています。

今回は②です。

前回の①は、王道なセルビッチデニムといういかにもデニムのイメージそのものの素材でした。

今回は、素材に少し変化を付けていきたいと思います。

〇〇ライクという言い方は、アパレル用語でよく使われています。

〇〇みたいな、〇〇風、といった中間的要素を表現した便利な呼び名です。

一見中途半端のような気もしますが、今回はこの言葉をお借りして「デニムライク」な素材をチョイスしました。

ジーンズに使われるセルヴィッチデニムよりも「エレガントテイスト」に寄る「デニムライク」な生地

表地(グレー):綿無地、綿/100%、日本製。ややグリーンがかかった感じのグレー色です。
デニムでいうところのブラックカラーです。縦に入った筋が特徴。とても美しいです。
綿タイプは基本的にはカジュアルな印象なのですけれど、エレガントに見えます。
上品な織り目や筋の雰囲気がそう思わせてくれるのかもしれません。
裏地(赤紫色):ジャカードクロス、ポリエステル/100%、日本製。
前回のデニムシリーズ①の時のキャメルベージュの裏地との色違いがこちら。ベリー色です。
この赤紫のような濃ピンクの色と、ジャカード柄の美しさ、糸のツヤなどからもエレガントな雰囲気があります。表地のデニムライクなブラックカラーとの色の相性も良し。バッグの中をのぞくのが楽しみです(^-^)。

薔薇のアップリケの考案と作り方

試行錯誤の結果ですけれど、薔薇の花びらも、薔薇の葉っぱも1枚の台形のパーツだけで行いました。

違う形とか大きさを取り入れてはみたのですが、出来栄えが統一感がなくちぐはぐで、今回のようなシンプルな1パーツのみの結果となりました。

向きを変えたり、重ねたりすることだけでお花と葉っぱを表現していきました。

共布で控え目に出来上がった薔薇アップリケ:縁をすべてミシンで縫い付けています。
後述しますが、薔薇アップリケの面は生地の裏面の無地ライクな濃い色の方をあえて使用。
ぱっと見の凹凸感が高まり薔薇が浮き出て映ります。

台形型の1枚を交互に順番に縫い代を隠しながら折っていきます。

そして、完全に縫い代を中に隠しこんだところでミシンで渦を巻くような同一方向に配置して1パーツずつ縫い付けていきます。

1パーツずつきちんと玉止めをして区切りながらのまめな作業となります。

花びらの中心は、一番最初に5cmx5cmの正方形を折り込んで縫い付けています。

重なりながら花びらをどんどん縫い付けていきますと、こんな薔薇の花らしい形になっていきます。

大まかな流れは、まず中心をとりまくように4枚、その次に正方形になるみたいにその外側に4枚、そうすると隙間が左右に2か所大きく空くので左右に残りの2枚を配置するという順番でこうなりました。

葉っぱに関しましては、端が細くなる方を外側に互いに配置して、2パーツで1枚の葉っぱを表現します。

ちなみに、この時の生地の面は、本来の筋が多く入った表面ではなく、裏面の方を使います。

裏面は、色が濃くて筋が無いことから表面との違いがくっきりしますので、その違いによって凹凸感を出します。

同じ面だとなじみすぎて、薔薇柄がはっきり出ずにぼやけるので、共布でありながらはっきりとアップリケの薔薇モチーフをお披露目するには裏面を使ったことが効果的であったようです。

楕円底を縫う縫い代は7mm-10mmの少な目がしわ防止となる学び

バッグの楕円底の取り付け場面:本来、本体側からが望ましいとされています。
ところが、縫い代を1.5cmも取ってしまったために、こちらの底面からやり直し入っていた皺を取り除きました。

縫い代は1.5cmもとったことが良くなかったです。

そこ縫いの縫い代は、せめて1cm、本来7mm程度がしわが寄りにくく綺麗にできるという学びを得ました。

そうすると、本来推奨されている本体側からの縫いがやはり正解です。

完成品ご披露

完成品:<サイズ>縦32cmx横35cmxマチ15cm。

裏地で作った巾着ひもが効いてサイドが中に折り込まれてこういった形になっています。

広げるとバケツ型の1泊できそうな容量です。

そして、拡張機能として、ショルダーカンを付けてあるので、後々ショルダー使いをしたくなった時に対応しやすいようにしてあります。

あまりショルダーをトートバッグで使うことは少ないかと思いますが、長く持つ中ではそれは分かりません。

よって、そういう時があったときにショルダーを取り付けやすい状況をお作りしておくというものになります。

あとがき

デニムライクな生地は、これだけ見ると、カジュアルな素材のように思えますが、デニムの仲間と一緒に並ぶと、断然シックでエレガントです。

いかに、こういった〇〇ライクな生地というのが親しみやすいかを知ることができます。

もしこれが、セルヴィッチデニムの本格派であると、確かに素材自体は魅力的ですが、ここまでの薔薇のアップリケは不可能であったと思われます。

薄手の柔らかめだからこそ柔軟性がありデザインがあれこれ広げられるという融通性がメリットになります。

ただ、「綿無地」という生地名が目立たないものになっていますので、目で見てお店に足を運んでこそ発見しやすいタイプの生地ですね。