しなやかで本来バッグには考えもしない服地でも大丈夫、存在感あるフラップポケットを永久的な丈夫さで持続していける仕立て方法【1157】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまでハンドメイドバッグのフラップポケットを幾度となく製作してまいりましたが、このたびが初めての作り方になるという作り方で実験をしました。

というのも、ポケットに使用する生地が薄手で、フラップの美しいカーブライン、袋布の角の美しい尖りなどが薄手の生地であることが原因で歪むことを解消するためです。

ミシンの押さえとの摩擦で上手く回転せず、歪むことが多いです。

とはいえ、服地は本来バッグには使われないことでバッグに使用ということ自体がそもそも個性的。

よくあるバッグとの差別化で採用しているところを軸に置いていることをまずはご理解いただきたいと思います。

それでもデメリットがあった場合のケースとして、このたびのような「ハード薄芯」を思い切って全面に貼るということでフォローしていくのです。

接着芯に加えて全面にハード薄芯を貼った結果、驚くほど立派な凛々しいフラップポケットへ、永続的なバッグの1パーツとなった

通常接着芯は全面パーツに貼っております。

しかし、それだけでは、明らかにとろみがあるままであり、ポケットが綺麗なラインにならないということが確実です。

ということで、ボンドで縫い代に貼ったハード薄芯内蔵のフラップポケットが出来上がっていく様子をお伝えしたいと思います。

ポケットの袋:薄手に黒い生地です。少しストライプのような柄が入っています。ハード薄芯を内部に接着。

ポケットの袋は「わ」ですので、広げた状態で「ハード薄芯」を貼ると、出来上がりは2枚分入っていることになります。

手触りの確認では、ちょうど良い強固さです。

フラップをひっくり返す前:縫い代1cmで縫います。このカーブラインがハード薄芯のおかげで綺麗です。
切り込み入れ:カーブの強い部分にハサミで切り込みを入れカーブラインが美しく出る融通を利かせます。
ひっくり返し:カーブのライン、まっすぐなラインすべてがはっきりと綺麗に出ます。
ステッチがけ:外側1周に端から2mm程度でステッチをかけます。
袋との合体のイメージ:まだ合体していませんがこんなイメージのポケットになります。
裏地への配置:こんな感じで柄の中に無地を配置。ポケットの場所が分かりやすいコントラスト効果があります。

気持ちの良い綺麗なライン。

これをハード薄芯を貼らずに接着芯だけの状態で作るとここまでの綺麗なラインにはならなかったと思います。

薄い所へ結構しっかりとしたものを縫い付けることで、花柄の方の生地の傷みを防ぐために、縫い付けは裏側に当て芯を全体に当てます。

実験の結果からは、ハード薄芯を全面に貼ったことはこの度の薄手生地には大正解でした。

ここまではっきりとした綺麗なラインの実現は、これまで一部だけに貼った伸び止めテープを遥かに上回るものです。

ただ注意点としましては、今回の生地が極薄であったことでうまくできたということ、それ以外の中肉や厚地には「野暮」ということになります。

どんな生地に有効なのかということで言うと、「薄手の生地に限る」という条件を付けたやり方です。

あとがき

独学でミシンを扱ってハンドメイドバッグをお作りしてまいりました。

もう、今更お洋服の縫製を学ぶことはありません。

こういった者の良さは、固定観念を持っていないことです。

とにかく良い結果になれば、それは「有り」なのだと進めていき、研究の一過程としてチャレンジしていくことが大切です(^-^)。

①安全性の重視②取り出しやすさの2つを同時に実現したバランスの良いポケット、「フラップ付きの比翼ポケット」はハイブリッド型のモデル【998】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2007年「ハンドメイドバッグ道」なるものへ足を踏み入れてからというもの、様々なデザインのバッグを製作してまいりました。

素敵な大花柄を画角に収めるよう上手に配置し、麻の素敵なトートバッグがオークションで¥10,000以上の高値を付ける「ヤフオク」様の出品者様の方が非常にうらやましく、未熟な腕前に肩を落としたものでした。

あれから15年、やっとここへ来て機能と装飾を追求し尽くし、そこそこバッグらしくなった「完成型」のような姿に製作できるようになたっと胸を張って言えるようになっています。

その機能と装飾を兼ねたパーツの1つ、「ポケット」はバッグの中では重要です。

これまで当たり前に機械的に製作してしまっていたその凝り固まった考え方を見直し、「本当に相応しいポケットの姿」を追求しました。

そして、今ここに行き着いた、かつての「フラップポケット」と「隠しポケット」の合体の形のポケットをご紹介したいと思います。

フラップポケットのメリットと隠しポケットのメリットを同時に活かした混合型のポケット「フラップ付き比翼ポケット」の誕生秘話

2007年スタート時点の初期の中の初期にもポケットは付けていまして、このような吊り下げ式ポケットでした↓。

吊り下げ式ポケット(ぶら下がり式ポケット):最初に勉強しました青色のバッグの作り方の「本」からの引用。

トップを縫い代に挟み込む縫い付け方です。

一重仕立てでここまでの容器を作れる素晴らしさに当初は感動したもので、一重仕立てのサブバッグと一重仕立てのファスナーポーチに共通に設置しておりました。

ただ、デメリットとしまして、背面の柄の向きが反対になりますし、バッグ自体も接着芯を貼る二重仕立てへの変更に伴いポケットも二重仕立てへと飛躍。

次に二重仕立てで作る「貼り付けポケット」というポケットを数年利用↓。

貼り付けポケット:あまりに安全性が無いために、もっと深みのある構造へここから見直します。

作りが単純割には、必ず柄を合わせなければならない苦労を伴います。

柄合わせの勉強を兼ねて1年くらい取り入れてきましたが、ここからさらに発展↓。

フラップポケット:貼り付けポケットにフラップを加える形ですが、四角いコの字ラインが決まって歪むのです。

歪み解消のために、コの字ラインは伸び止めテープが必要になり、意外と単純ではありませんでした。

そして、貼り付け型はどうも容積が狭く感じるのでした。

綺麗に出来上がらないものは見直すべきだという思いが高まりましたし、貼り付けポケットはピンと張り詰める物理的な動き、マチが無いのであまり多くは入れられません。

ファスナー付き隠しポケット:セキュリティー性が抜群の完全密封のポケットですが、開け閉めにストレス。

このポケットの機能は、安全性の面はダントツですが、ファスナーの開け閉めに煩わしさを感じ始めました。

そして、元々色が合わせにくい既製品のカラー展開が豊富ではなかったファスナーを廃止。

比翼ポケット:ファスナーの代わりに布で覆い比翼を設置。スーツのポケットのお仕立て「片玉縁」からの引用。

もう1種「両玉縁ポケット」と呼ばれる真ん中で割れたポケット、こちらもスーツのお仕立てからの引用で作ってみたことがありましたが、開いたまま閉じないおさまりの悪さがありました。

両玉縁風隠しポケット:口が閉じないのでほとんど初期の貼り付けと安全性が変わらない様子でした。

「片玉縁風」のもう1つの役割り、屋根のようなひさしのアシンメトリーさこそ内部を見えにくくする1役となることに気付いたのでした。

それからというもの、もっぱらこちらの「片玉縁風」モデルばかりを採用しています。

ただ、この比翼は、物を入れることで少し口が開くことがあり、ダメ押しのフラップをこの上に縫い付けることで、更なる安全性を追求した姿になりました↓。

内部に設置するポケットにしていますが、フラップでゆったりと覆われ内部が一見分からないことがまず安全。
フラップをオープンすることで比翼の入り口が表れます。フラップは比翼から2cm離れた丈夫に縫い付けます。
初期モデルの頃の貼り付けポケットよりも隠しポケットは奥へたっぷりと融通が利くゆとりのあるポケットです。

こうして、ポケットの種類別のそれぞれの「メリット」をピックアップして出来上がったハイブリッド型のポケット「フラップ付きの比翼ポケット」が完成したのでした。

あとがき

「頑丈にし過ぎることはかえってストレスである」という使う時の「気持ち」をよく考えたバランスをとった最終的なジャッジが大きかったです。

確かに、ファスナーが付いていることで安心ではあるのですが、スムーズな取り出しができることも非常に大切。

製作する時に、自分勝手な押し付けになりがちなところを、出来るだけフラットに、ユーザーの身になって考えた時に1つの答えが見えてくることがあります(^-^)。

四角い貼り付けポケットの角が歪まないために貼った伸び止めテープ、ステッチが交わる必要がある【766】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

隠しポケットと貼り付けポケットとでは、前者の方が大部分が内部に隠されますので、見かけが何となく奥ゆかしいです。

一方貼り付けポケットは存在感があることがメリットで、ぺタンと貼った時のコの字がまっすぐでなければ粗く感じてしまう難しさもあるポケットだということに気づいたのも後から取り入れた隠しポケットあっての気づきでした。

もともと貼り付けポケットからのスタートだったのですが、こうして隠しポケットと両方を同時にバッグに設置することを並行してやってきた結果、貼り付けポケットの方が難易度が高いのだと思うようになりました。

目に映る美しいコの字ラインをまっすぐに縫えるためには、歪みを解消せねばなりません。

このたびは、真っすぐラインを作るための伸び止めテープの使用例をご紹介したいと思います。

同じケースのみにとどまらず、いろんな場所に効果的に使えるケースを是非考案してみてくださいませ。

ナイロン100%素材は弾力性が強いという理由で、伸び止めテープのバイヤスをストレートな部分に貼りました、正解でした

伸び止めテープというのは、その名の通り、伸びないように固定する働きが主にありまして、既存の説明などでは、洋服の襟ぐり、袖ぐりなどのカーブの部分にバイヤスを使うなどの例が多く見られます。

「伸びないように」→「変形しないように」という意味で使っていきます。

まっすぐなストレートなラインにバイヤスの方を貼る理由は、貼る生地がナイロン/100%だから。

ストレートとバイヤスの質の違いは、その柔軟性。

カーブなどの内輪と外輪があるかのような箇所では、伸び縮みに優れたバイヤスカットをしてあるテープが融通が利き、そのラインに沿ってくれるのです。

ストレートは、まっすぐの縦や横にびしっと硬く風合いを仕上げてくれる効果があります。

動きのある場所でもないストレートラインのポケットなのですが、接着をすることが伴うため、生地のナイロン/100%の弾力性に合うようにという意味でバイヤスを使ったところが特殊なケースなのかもしれません。

黒衣のが9mmの伸び止めテープバイヤスの黒色です。もっとステッチが真ん中に乗ると良いですが。。

そもそも、この接着芯をこのナイロン/100%の生地に貼る時にも、ニット芯を貼っています。

ここへ織芯を貼ってしまうと弾力性のあるナイロン/100%の生地がアイロンの熱によっていったんきゅーっと激しく縮み、その後熱の冷めによって再び戻ろうとするような動きからか、気泡と皺のオンパレードになってしまいます。

この接着芯の経験から、伸び止めテープも一部使いの接着芯と同じではないかと考えたのです。

市販では、ニットの伸び止めテープもあるようですが、伸び止めテープのバイヤスを選択で大丈夫のようでした。

巾9mmのバイヤステープ:表にひっくり返した時の端っこに位置するように使ってみました。

伸び止めテープはどこかに縫い目で固定されているのが鉄則。

その意味では一応乗ってはいますが、もっと貼るべき位置をずらすべきだと反省しております。

縫う位置を想定した位置にピンポイントでステッチが乗るように前もって貼る位置を決めるべきなのです。

この写真のポケットの底の部分には、この写真の現在では縫い線がまだないですが、後にひっくり返した後に、縫い付けのステッチがのります。

良い位置になるには、1本だけを折り目を対称にしてまたぐように貼るのが出来上がりが2重の伸び止めテープが重なったところへのステッチということでもっと効果が出るかもしれません。

とにかく、伸び止めテープの「接着+ステッチ」のコンビというのは、「はがれ防止」と「固定」の意味があると思いました。

特に、長方形の角の部分にご注目を。美しく直角が出ました。これが伸び止めテープの効果です。
裏側はこんな感じ。当て芯もしています。その縫い線のラインが裏から見てもすっきりと直角です。

当て芯だけではここまで綺麗なコの字にならなかった、伸び止めテープのおかげが大きいと思います。

とても素晴らしい附属品です。

こういった裏の場所というのは、バッグが出来上がってしまうと見ることがありませんので貴重です。

あとがき

この、貼り付けポケットはいずれ隠しポケットとのコンビで、混合型1種だけに変えていくことを考えました。

そうすれば、伸び止めテープの出番も必要なく、フラップ付きの隠しポケットという姿になります↓。

貼り付けポケット廃止後のポケット:フラップのみ活かし、隠しポケットとの混合型で1デザインのみで行きます。

ただ、このたびの、伸び止めテープを貼った効果は忘れません。

ちなみに、隠しポケットの比翼(写真では黒の横長のパーツ)に伸び止めテープのストレートを貼ります。

別の機会にも思い出して引用できる時が多々ある伸び止めテープの存在、どうぞ覚えていてくださいませ(^-^)。

実際にバッグの機能として申し分のないポケットの種類の大別3種【46】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグのポケットは、洋服からの引用や参考もあり有難い次第ですが、洋服の分野では細かい種類の展開が豊富だと思います。

箱ポケット、シームポケットなどと名前が違うと随分作り方も違うところまでは学んだ経験があります。

私の場合はバッグ一筋で製作してきましたので、洋服からの引用があっても、その後に自分なりの解釈をして自分デザインを決めていくということをしています。

そうして今まで複数のポケットをハンドメイドバッグに設置してきた経験から、その構造の違いを大きく3種に分けてみました。

貼り付けポケット

貼り付けの名の通り、生地の上にペタッと貼り付けた構造です。

これだけでは機能とかセキュリティー性が十分でないということで、フラップも組み合わせます。

そして、ポケット口からの物の飛び出しを防止し、入り口が分かりにくくしてセキュリティ性アップをはかりました。それがフラップポケットになります。

貼り付け型:袋が外に飛び出ていて、貼り付けて作る構造のポケット

そして、今度は、袋布が目に見えない奥に隠される、隠しポケット型です。

隠し型(ファスナーバージョン):玉縁の手法を取り入れて、袋が中に隠れているポケット

ファスナーとの組み合わせである場合このようにファスナーがのぞきますが、比翼布がひさしみたいに除く仕様も取り入れています。

隠し型(比翼バージョン):まるで、周りとなじむ昆虫の偽装みたいですが、
くり抜かれたポケットの入り口に比翼が雨蓋のように取り付けられています。
洋服ではこの向きは逆なので、バッグ用にアレンジしたものになります。
この目立たないなじんだ様相がセキュリティー性の高さの1つです。
吊り下げ型:こんな感じでよくポーチの内側に使われます。入口に面しているのですが、
取り出しやすさとお部屋の仕切りの役割で、ポケット無しの場合よりもかなり使い勝手が違ってきます。
ここにこのポケットを付けることによって、単なるポーチにも新たな価値が生まれます。

以上、「貼り付け型」、「隠し型」、「吊り下げ型」の3種がどれもその構造がそれぞれ違うので、主な3主として挙げてみました。

その他のいろいろなポケットは、このどれかに近い構造であると言えます。

特に洋服のポケットは、袋が奥に隠れているタイプが多くありますが、もとは袋が内部に設置される「隠し型」であると大別できるのです。

あとがき

今回は、リュックを製作している途中の過程でご紹介したいポケットがあったので、寄り道的な投稿をさせていただきました。

動画内のパイル素材のミニリュックには、「貼り付け型」と「隠し型」を取り入れています。

どのポケットも、やはり丈夫に縫い付けることが大切です。

ポケットの製作過程は途中のど真ん中の段階にあり、ほつれたお直しを最初に製作したと同じようにミシンで行うにはかなりほどいていかねばならず、簡単な事ではありません。

そうしますと、最初からきちんとした作りをしていくことこそ、後に余計な費用のかからないコスパの良い物ができることで長持ちな良質さを追求できます。

そして、セキュリティー性も自分自身の尺度と判断でどのくらいの程度にするのかを考えて、使いやすさ、手軽にポケット内を探れる容易さもありながら、セキュリティー性も考えるというバランスも大切です。

このバランスのお話はまたの機会に投稿したいと思っています。セキュリティー性ガンガンなポケットであることでストレスが生まれてしまわないための考察をしていくわけです(^-^)。