バッグの支柱をまっすぐに縫い付けるためには印を生地に書いてしまう方が良い、その上に端っこをかぶせ印を覆うやり方【356】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、「テリーヌ」という名前のお仕事バッグを製作中です。

メンズのブリーフケースからの着想で、メンズライクな形、これをナイロンの撥水加工生地で作っています。

このたびは、支柱を縫い付ける時にまっすぐになることがポイントであるということから、印付けの大切さをお伝えしてまいりたいと思います。

待ち針が大切、そして時には書いてしまうほどのはっきりした印付けも重要

出来上がった支柱をこのチャコの白色ではっきりと書いた印にうまくかぶせていきます。

この印が幅のある支柱の左端です。

ここでお詫びなのですが、以前は、支柱の真ん中に印が来るようにしていたのですが、非常に見にくく、正確にできないので、左端ぎりぎりに変えました。

よって、後で貼りますYouTubeも真ん中の時のもので食い違いますが、その後の見直しで「外側の端っこが印と合致」が最も確実だということになりました<m(__)m>。

最初にサイドから9cmの位置に印をします。上の方は取っ手が縫われている部分だけです。
左右とも印を付けたら、待ち針をこんな風に横向きにして、底の部分を一番最初に留めます。

ここをまず固定してすべてが始まります。

一番下の次は一番上がよいでしょう。
そして、本体の上辺から6.5cmの位置に横向きに印的な待ち針を打ちます。まっすぐ横向きというのがポイント。

これを中心として上下1cmずつの位置に返し縫いのステッチで固定するのでこの待ち針自体が印の役割です。

そして、中間地点のぶらぶらした不安定さをこのど真ん中の待ち針で1か所固定。

そして、ミシンで縫い付けていきます。

今回は、ミシンの縫い付け場面は省略です。またの機会に縫う順番などのご紹介を致しますね。

隠しポケットの設置は支柱縫い付け後の方が良いと後で気づく

ポケットが付く方の面は、先に隠しポケットを設置していましたが、これは後の方が良いです。
裏面の様子:ポケットの袋の縫い代をを中途半端に縫い付けることがなく袋が独立しています。

バッグになってしまうとなかなか見れない場面ですので、こういった裏側の様子は貴重です。

待ち針を横向きにした上下1cmずつの箇所の返し縫いのステッチの出来上がりの様子。綺麗に出来ました。
下の方の様子:ここでバッグの中身を「よいしょ」と持ち上げるので支柱はとても重要。

あとがき

実際のお仕事の場面では、このたびの支柱の間の細長いポケットはスマホ入れに適していると考えています。

スマホにキズが付かないようあえてファスナーなどは付けず、その代わりこぼれ落ちにくいように比翼仕立てでひさしが守ってくれるのです。

ただの黒いバッグだからこそ、特徴や差別化で勝負するという良き勉強になっているところです(^-^)。

「外表」製作のバッグでは隠しきれないファスナー周り、どこまでも外側である意識ですっきりと整えるファスナータブの役目【343】

アイキャッチ画像343

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

【319】の投稿では、ファスナータブの2つのタイプを同時に1点のバッグに引用する姿をご紹介致しました。

このたびは、表面にある「ファスナーつまみタブ」の方を「わ」にする改良をし、よりしっかりとした安定感ある設置になりました。

そして、もう1つの内部にある「ファスナーカバータブ」の方も引き続き安定的にすっきりと取り付ける設置をしました。

では、ビジネスバッグ製作の途中のファスナータブ2種を設置する場面を写しながら、「外表」で作ることの「丸見えになる部分ができてしまう」というデメリットをフォローしている様子をお伝えしたいと思います。

「中表」の製作では起こらないファスナー周り丸見え事情、丁寧に作られたタブの設置は「見せる」意識で装飾的に整えた

ファスナーの口布件マチ布:バッグの枠のような長いパーツです。真ん中をファスナーが飛び出すようにくり抜き。

すでに、表地と裏地を「中表」でひっくり返して作ったパーツであり、その後は「外表」で組み立てるという流れ。

表面の「ファスナーつまみタブ」:冒頭でお伝えしましたように、このたびから「わ」にします。
「ファスナーつまみタブ」の縫い付け完了:三つ折り観音開きで作った2つのタブを左右の両端に2列で縫い付け。
2列の縫い付けの裏面:裏面で玉止め。こうした貫通のステッチが見えてしまうのも「外表」のデメリット。
表面に美しく貫通する裏面の「ファスナーカバータブ」の固定:右側にある返し縫いは裏からの貫通。
裏面の「ファスナーカバータブ」上の固定ステッチ:返し縫の二重でファスナーの両端の不安定さを解消。

縫う時は、この裏面のタブを上糸側にして縫いまして、ここを固定することでファスナーがしっかりと隅っこまで面に馴染み安定する感触を得ています。

ただこの作業、最初から最後まで「中表」で仕上げればこのような過程はありません。

そして、「中表」の場合は、ファスナー周りが内部に隠れてくれます。

既製品ファスナーの黒は定番品で必ず見つかること、馴染む黒の布と黒糸で縫い付けることでより一層すっきりとしたという結果。

ファスナーに縫い付けた黒糸とのステッチも、馴染み切って目立ちません。

これは条件付きの成功であり、生地やカラーが変わるとそうもいかないということになります。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.22からおよそ5年後の2025.12.13にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

もともと、難しそうなこうしたファスナー付きのバッグを敷居を低く挑戦できるようにと、技術が低い頃にイメージしやすい「外表」構造で作ったのがきっかけ。

技術も高まった2025年では、「中表」でこうしたバッグを完全に縫い代を隠し込んだ伝統的な作り方の方が腑に落ちています。

「伝統」というのは、そういった深みがあり確かなものだと改めて納得したのです。

「外表」では生地によっては上手くできないことが、ミルフィーユ的な重なりに悩み、このたびのようなナイロンだったから何とか形になったという条件付きの部分もあったのです。

それでも、この「外表」構造も受け入れられ、ピクチャレスクの製作の中では一番の売れ筋デザインとなった「テリーヌ」と言う名のブリーフケース。

このロックテイストの黒x赤タータンチェックのバッグの完成は、【347】でご覧いただけます(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

「外表」で組み立てたナイロンビジネスバッグ、シーンへの配慮で控えめな表地グレーと引き換えに内部に広がるピンクの花園【172】

アイキャッチ画像172

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつては、経理部としてある時間帯のみ外回りのお仕事がありました。

書類の授受のお仕事は、貿易の輸入品のお品物に対して支払いの手続きのスタート場面であり、数か月後に実際に会社の口座から引き落としがあります。

淡々と流れに沿ったお仕事ではありますが非常に重要な場面であると言えます。

当然天候には無関係に期日が来ますので、雨の日も雪の日もその書類の到着のタイミングに合わせて必ず銀行様へ出向かねばなりません。

ということで、悪い天候の際にも対応できるようにと、幾度か書類バッグを自作したものでした。

そのような経験をハンドメイド事業活動で役立てたのです。

このたびのバッグ製作に引用するスタイル、「外表」の作り方は、未知のファスナー付きデザインに挑戦する際には、イメージを実現しやすい方法です。

「外表」式で製作したナイロンビジネスバッグをご紹介したいと思います。

堅いシーンに利用のグレーのナイロンビジネスバッグ、一方で内部の小花柄の華やかさがお仕事時間を楽しく盛り立てる

使用生地:表地(グレー)-ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。裏地(ピンク小花柄)-コーティングプリント目止め加工、ナイロン/100%、日本製。

表地も裏地もはっ水効果のある生地同士で雨対策を最強にしていきます。

はっ水加工生地の花柄は豊富ではありませんので、この生地との出会いが貴重でした。

支柱ベルト:内蔵の「ソフト厚芯」は、その後は入手できなくなりましたが在庫がある限り使っていきました。

内蔵する作業は比較的簡単、コツは観音開き折りのアイロンを生地の方と「ソフト厚芯」とを別々でしっかりかけることです。

ボンドは必要無し、比較的挟み込みやすくスムーズに進めることができます。

4本ステッチ:3パーツ連結仕立ての長い支柱ですが、存分に複数のステッチで固め、丈夫さと貫禄が高まります。
縁にはソフト厚芯を入れない:先程の内蔵の場面に戻りますが、支柱の両縁1.5cm程度の部分は除外。

理由は、一番右のように縫い代部分で混み合う出来上がりのラインのすっきりさを考慮したもの。

出来上がりのラインを優先した判断ではあるのですが、元の接着芯が貼ってあることは重要になります。

課題点の底ラインの位置:カーブの角同士が前面と後ろ面で同じ位置に対角線上に配置が正解。この出来は✕。
内部の花柄の広がり:非常に華やかで、表地とのコントラストが美しいです。奥にはファスナーポケットを配置。
外面のスマホポケット:かつてはここをファスナー使いにしていましたが、キズ防止にファスナーを廃止。

実際の、外回り中の電話はたくさんありましたのでこうした外ポケットにスマホを入れて持ち歩くことは正解です。

しかし、取り出しやすさとしてはこのたびのファスナーの廃止の方が現実的でした。

ファスナー2本使い:真ん中で止まるという構造になります。1本で両開きファスナーの方が設置はしやすいです。

ファスナーの在庫を使用したくてあえて2本使いにしただけですので、お勧めは「両開きファスナー」です。

ナイロンビジネスバッグの完成(ナイロンオックスグレー):<サイズ>縦29cmx横36cmxマチ10cm。
斜めの角度から:人から目に映る姿としてはこのような感じです。
その他の角度から:上から時計回りに、底面→右サイド→左サイド。すっきりとしたデザインです。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.08.04からおよそ5年後の2025.06.23にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

この後、黒2点を製作したのが2021年1月と3月。

このデザインは、ナイロンオックスのみに特化した製作をしたことがより伝わり易かったかと。。

世の中の流れはおそらく、書類を持ち歩く外回りという仕事スタイルが廃止の方向に向かうのではないかと考えております。

よって、このデザインはその後廃版へ。

ボックス枠をくり抜いてファスナーを当てはめる設置の仕方は引き続きどこかに引用したいと考えております。

デザインの廃止もかえって前向きなもの、未来へ時が流れるに伴いバッグの製作も変遷があって当然の事ではないかと(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

会社の経理業務で使用の自作体験による新機能が詰まる、現場から生まれた外回り業務向きなナイロンバッグ【115】

アイキャッチ画像115

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつて洋服の輸入業の会社員時代は経理部として勤務させていただきました<m(__)m>。

お仕事の1つに銀行様の外為書類手続きのための訪問のお仕事が2時間程ありました。

所謂「外回り」のお仕事の1つです。

この時に、厚み5-10cm程度にまで及ぶたくさんのA4書類を持ち歩くためのバッグが必須。

ある程度慣れてくると、「ニーズ」のようなものが生まれました。

2000-2010年辺りまでは、まだまだ主流はトートバッグ、ビジネスっぽさもありながら雨をもしのげる素材の既製品がなかなか見つかりませんでした。

トートバッグでは書類が倒れてしまい、おさまりがとても追いつきません。

そこで、ハンドメイド活動をし始めた頃から自作を始めたのでした。

外回りの本人が自作するのですから、直球にその希望の機能を盛り込みました。

あれから10年近くが経過、会社退職後の現在ですが、その体験はエピソードとして残ることに。。

このたびは、ハンドメイドバッグ製作の括りを<ビジネスシリーズ>としました。

堅いビジネスシーンに新しい息吹のようなものを吹き込めればと思います。

<ビジネスシリーズ>外回り用のナイロンブリーフケース・ノート型パソコン入れにもなるキルトをかけたビジネスクラッチ

では、簡単に途中の製作風景もお伝えしながら完成に至る様子をお届けしたいと思います。

ブリーフケース1点とクラッチバッグ3点です。

使用生地(ブリーフケース):表地(ベージュ)-ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。裏地(イエロー系小花柄)-コーティングプリント目止め加工、ナイロン/100%、日本製。
使用生地(クラッチバッグ:薔薇柄):表地(赤系)-キャンバスフラワー、ポリエステル/100%、日本製。裏地(ベージュ)-シャンタン、ポリエステル/100%、日本製。
使用生地(クラッチバッグ:トロピカル柄):表地(グリーン系マルチ)、ガーゼプリント、ポリエステル/100%、日本製。裏地(グリーンまだら柄)、ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
使用生地(クラッチバッグ:黒):表地(黒)-ダブルラッセル、ポリエステル/100%、日本製。裏地(グレードット柄)-生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。
ブリーフケースの支柱ベルト:4本ステッチの強靭さ。底の縫い代は内蔵のソフト厚芯を抜きラインを整えます。
ブリーフケースのファスナーポケットとメインファスナー付け:バッグ全体で3本のファスナーを使用。

特に内部のファスナーは開閉のストレスよりも、「印鑑」などを入れるため、セキュリティー性の方を重視。

クラッチバッグ(トロピカル柄)の正ダイヤキルト:5cm巾のキルト。本体はハード薄芯、ポケットはキルト芯。
クラッチバッグ(トロピカル柄)の表地と裏地の合体:中表にしてひっくり返し縫い閉じ、三つ折りで仕上げ。
クラッチバッグ(黒)のボックスキルト:こちらはキルトの向きを変え、5cm四方のボックスキルトに。
ブリーフケースの完成:<サイズ>縦28cmx横36cmxマチ10cm。

後の複数のリピート製作があり、裏地を写真に掲載して差別化しています。

ナイロンオックスはっ水加工生地のベージュといったら、ほぼこれになるというほど豊富ではないのです。

ビジネスクラッチ完成(薔薇柄):<サイズ>縦縦26cmx横36cmxマチ無し。キルトは無しです。
ビジネスクラッチ完成(トロピカル柄):<サイズ>縦縦26cmx横36cmxマチ無し。5cmダイヤキルト。
ビジネスクラッチの後ろ面:すべて共通でこの姿です。ただ、キルトが全体にかかっていると後ろも見応えあり。
ビジネスクラッチ完成(黒):<サイズ>縦26cmx横36cmxマチ無し。5cmボックスキルト。
<ビジネスシリーズ>の4点:新しいビジネスシーンの世界観。硬いシーンでは裏地のみ華やかにしています。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.04.01からおよそ5年後の2025.04.27にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

どんどんデジタルに集約されていく流れと共に、書類のA4という枠を基準にしたこうした四角いバッグも懐かしいものになる時が来るのかもしれません。

とはいえ、そうなったとしても、「かつては書類を入れていたバッグだった」という歴史とエピソードはいつまでも残っていくのでしょう。

建築物にもこれまで引用されてきた四角く安定したフォルム、この「造形美」は今後も不滅のものなのでは(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク