黒と茶のボーダーパッチワークバッグ3点、車のシートベルトのツヤと整然さを活かしベクトルは瀟洒な方向へ【127】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

日常的な素材のシートベルト、車通勤の方の場合、毎日触れている素材であることも。。

まさにこのシートベルトそのものを素材として、このたびバッグを3点同時製作しました。

当然ながら幅はせいぜい5cm程度、こちらをボーダー状にパッチワークに繋げてシートにするという作業が入ります。

この製作で、様々な金属パーツの材料にお世話になったり、自ら共布で作ったパーツもあり、3点それぞれの特有な「機能」が見どころとなりました。

黒1点と茶2点のシートベルトバッグ製作、イメージに浮かびやすい面積の広い生地以外の材料の可能性をお届けできればと思います。

ごついイメージのシートベルト材、並べてパッチワークボーダーバッグ3点に仕立てたその姿はどれもエレガント

表地(左が黒右が茶):シートベルト、ナイロン/100%、日本製。「トーキョービニール」様にて購入。
3点のバッグの内訳:左(上)の黒は内1点をトートバッグで製作。右(下)の茶はリュックと書類バッグ。

シートベルトにも織り方の違いがあり、表情の違いがあることを知りました。

裏地(左から①トート②リュック③書類の順):①濃ピンク:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。②オレンジ:①と同じ生地の色違い。③茶:レザーエンボス、ポリエステル/100%、日本製。
パッチワークシート作り(裁断):幅は違いますが、5cm巾の型紙を作りまして、長さ通り正確にカットします。
黒のパッチワークステッチ:通常の布よりもある意味簡単、接着芯も無し、片方の端のみを縫っていくだけ。
茶色のパッチワークステッチ:黒の方は印付けをしましたが、茶のこちらは織り線を引用し印無しでステッチ。
黒の方のパッチワークシートの完成:ツヤが集結することで非常にエレガントに。右下は裏面の姿。

こうして見てみますと、1ステッチのみでつながったベルト同士は、少し頼りないという印象を始終感じてしまいました。

マチのカット:①トートと②リュックは本体をくり抜いてマチを作るやり方なので左右をこのようにカット。

決して絡み合った織り目構造ではないことが窺え、凝縮している姿こそが強度、亀裂などが入ってしまうと脆いのではないかという奥に隠れた事情を感じることができました。

①の取っ手の縫い付け:表地と裏地の間にベルトそのままを平たいまま挟み込みします。
③の立体型ポケット(マジックテープ式):初の試みでありまして、取り外し式の「ポーチポケット」です。
「ポーチポケット」の設置:底に接触するような位置にマジックテープで設置。重くなっても底に支えられ安定。
入口の留め具のデザイン:①②③すべての入り口留め具の比較をしていただけます。
取っ手の持ちやすさのための部分折り:よく既製品で見られるスタイルです。①②③すべて共通です。
金属パーツ:③のDカンタブ(左)。②のショルダーのベルト調節機能(下)・ひも通し用片面ハトメ(右上)。

「片面ハトメ」の横の裏地のオレンジパーツは「共布ストッパー」です。

美しいフクレ織り:生地名には「フクレ」というワードは使われていませんが、この加工の仲間だと思います。

この美しい立体的なキルトのような加工は、ポケットによりハリコシを出して美しいものにしてくれました。

ということは。。ハンドメイドキルトをかけることで、よりスタイリッシュに仕上がると見込めるのです。

完成の3点(横にオープン):③のみ姿は変わりませんが残り①②は形状が変わります。
完成の3点(クローズ):「どこんじょパッチワーク」と名付け、その緻密な手間の意気込みをネーミングに表現。
①トートバッグ(黒シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦29cmx横33cmxマチ18cm。
②リュック(茶シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦34cmx横33cmxマチ18cm。
③書類バッグ(茶シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦33cmx横41cmxマチ7cm。

あとがき

さて、この3点大変美しく完成することができたように感じますが。。

実はコスパは非常に悪いものでした。

もともとここまでシートベルトをたくさん使った企画というのが、「困った状態」であったことでした。

ですから、原価云々よりもせっかくの材料を惜しみなく使うという点だけに焦点を当てた選択をしたのでした。

今後のアパレル業では、こうした原価に伴う利益の拘りを捨てることも一部必要なのかもしれません。

そうなると儲け主義だけではとても成り立たない、本当に心からここに携わりたい人だけがやがて残っていくと考えます。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ポケット無しのバッグにポーチを追加、本体のボーダーパッチワークの太幅に寄り添う細幅の水平型ポーチ【104】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびから、ハンドメイドバッグ製作の括りの<○○シリーズ>が、<黒白ボーダーシリーズ>に移ります。

黒白ボーダーは王道の柄、同じカラーの3点が集まる当シリーズにおいて、それぞれの黒白ボーダーの違いがそれぞれの味わいでどれも表現できればと挑みます。

1点目は、もうすでに<はぎれ>のカテゴリーで投稿済みの【101】で完成していたパッチワークボーダーのボディーバッグを当シリーズに入れたいと思います。

そして、<はぎれ>製作からの更なる発展として、付いていなかったポケットと同等の価値を追加。

水平型ファスナーポーチをボディーバッグに加える部分をお届けしたいと思います。

<黒白ボーダーシリーズ①>糸の色を生地に馴染ませた、ボディーバッグの太ボーダーに寄り添う細ボーダーポーチ

【101】のボディーバッグ:太ボーダーパッチワーク。<はぎれ>製作という固定観念でポケットを付けておらず。
最初の考案(ボツ):ファスナーのつまみに紐を通して本体と合体した案はまずまず。無地が味気ないと感じます。

ここで納得していなかったところからスタート、水平型ポーチそのものをボーダー仕立てにしていこうと考えました。

パッチワークフィルの裁断:チャコールグレーと白のボーダーです。本当の黒は使い切りましたので登場しません。

【101】で投稿の時と同じ手順でパッチワークシート作りを進めました。

このたびは幅が狭く、型紙が5cm幅で縫い代が両サイド1.5cmずつ取られ完成は2cm幅のボーダーです。

バッグの方は、型紙が7.5cm幅で出来上がり幅は4.5cm、この2cmと4.5cmの違いも完成時の見た目の違いとしてお楽しみにどうぞ。

パッチワークシート作り:1.5cmの縫い代で縫い繋げ、両割り、表面からハギ目の両サイド2mmをステッチ。
ファスナーとの合体前の三つ折り:ファスナーと合体の準備。後からの反省は二つ折りで十分なのではないかと。

左上はファスナーのうねり防止の伸び止めテープ(平)です。

ファスナーと本体の合体:ファスナーの両サイドに対象に縫い付け。ボーダーの段差が起こらぬよう位置を調整。
最後の上下のラッピング:ボーダー柄のカラーに馴染むように片方は白、片方はチャコール生地でラッピング。
完成サイズ-バッグ:縦21cmx横21/26cmxマチ10cm。ポーチ:縦19cmx横16cmxマチ無し。

【101】でボディーバッグの方の生地詳細はお伝えしていますが、改めて↓。

<使用生地詳細>

・ボディーバッグ:表地(黒・白):スポーツメッシュ、ナイロン/94%、ポリウレタン/6%、日本製。裏地(黒):ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。
・ポーチ:表地(チャコールグレー・白)スポーツメッシュ、ナイロン/94%、ポリウレタン/6%、日本製。裏地(グレー):生地名不明、綿/100%、日本製。

あとがき

定番とされる黒白ボーダー柄。

この直線が整然としたスタイリッシュさ・爽やかさが定番柄である理由の1つかもしれません。

当シリーズではあと2点更なる別の種類の黒白ボーダーのバッグが出来上がります。

ボーダーシリーズではな<黒白ボーダーシリーズ>という柄に深く迫ったシリーズです。

黒白ボーダーの中にあるエレガントな部分をピクチャレスクらしく見つけてみたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

一見バッグには縁遠そうなイメージのニット生地が背中に感じるソフト感、「外表」組み立て式のミニリュック【60】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、以前の【58】の記事の続きでございまして、モノトーンボーダーパッチワークのミニリュックが完成致しました。

無彩色のマルチカラー3色の黒、グレー、白は、「スポーツメッシュ」というユニークな凹凸感が魅力の生地。

製作したパッチワークシートから裁断後の「組み立て」がこのたびのメイン場面。

主に、「①ポケット付け」「②金属パーツ付け」「③ファスナー付け」の3箇所、完成前の途中段階の場面も写しながらその出来上がりまでの流れが分かるようお伝えします。

そして最後には、パッチワークのカラーが切り替わるところで糸の色も馴染ませながら交換した手間の成果もお伝えできればと思います。

あらかじめのひっくり返し済みにより生地の厚みの条件無く製作できる、「外表」組み立て式のモノトーンミニリュック

では上述のように、「①ポケット付け」「②金属パーツ付け」「③ファスナー付け」の3つの場面の流れの見方で完成までを追っていきます↓。

①ポケット付け(左から右へ):ポケットは裏地のみの状態で「一番最初」の順番で設置しておきます。
②金属パーツ付け(左上から右に):ポケットの次に作業。取っ手と四角カンタブ(上下)。

ショルダーは、バッグ本体が完成後、本当の最終で設置するというタイミングです。

③ファスナー付け(左上から右に):くり抜き枠に当てはめ設置。ファスナー先端付近の隙間が無い点が利点。
糸の馴染み:生地ごとにステッチ糸の色を交換。手間はかかりますが、これが非常に美しいです。
ミニリュック完成(モノトーンボーダーパッチワーク):<サイズ>縦24cmx横22cmxマチ7cm。

長財布が横向きに入りますので、最低限の横幅。

バッグにはあまり選ばれないニット生地で作った感想ですが、それほど無茶苦茶なチャレンジでもなく可能性があると見ています。

細かい点では、ボーダーの切り替え部分のラインが織物の方がまっすぐなのではないかなどもっと細かく追求していくとデメリットも見えることがあるかと思います。

ただ、こうして作ってみることで、選ぶ素材の可能性がニット分野にも広がる素晴らしさが発見できました。

このリュックを背中に背負うと柔らかな感触。

同じように「感触・心地」から素材を選んでいく際に、寒い冬にはウールの暖かい素材で作ったリュックは、素材自体が「あったか機能」になるかもしれないのです。

非常に素晴らしいことです。

コーデ例:セットアップでは比較的カジュアルな「別珍」の黒に合わせてみました。

あとがき

前半部分の投稿の【58】でもお話しましたが、このたび、カーブを思い切って半径12.5cmというダイナミックなフォルムに型紙を改良しています。

どうでしょう、まず最初に視線が行くのはトップのドーム型のカーブの部分ではないでしょうか。

それだけこの部分が注目の場所であり、ラインの美しさの見せ所なのです。

裁断の時に心配していた端にぼやけたオフカラーが配置されたことは、口布のグレー色でフォロー。

このたびの「外表」組み立て式の作り方は、後のリュック・ボストン・バニティーと複数の立体型のバッグ製作に引用できました。

当ブログ記事は最初の投稿の2019.09.28からおよそ5年半後の2025.03.01にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年では、「外表」組み立て式は採用しておりません。

というのも、ずっと引っ掛かりがあった完全ではない作りという点もあるからです。

2025年では、最初からひっくり返すやり方をもう少し研究して、そこそこ厚手の生地でも対応できるのかどうかの糸口を探してみたいと思います。

どうしても「外表」は裏地が見えてしまい、本来「中表」の目的の1つにそういったことを解消する意味があって採用されてきたことではないかと思うからです。

こうしたことに対しては決して蓋をせず、完全に腑に落ちるまで追求していきたいと思っております(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク