布製バッグの接着芯選び、とりあえず手元においておくたった1種は、織物生地にもニット生地にも融通性を持って対応できるニット芯が正解【1112】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ作りには必ず全面パーツに接着芯を貼っています。

接着芯は生地自体の風合いにハリコシを加えてくれ、出来上がりのバッグ自体が丈夫で長持ちになる「機能性」もあるのです。

特に、接着芯を貼った状態での生地の重なり部分などはより強固になります。

過去には、アイロンの熱に対応できなかった「不織布芯」もあり、溶けてしまうほどの質の悪さに使いにくかったことがありました。

それ以来常に布のような仕立てになった織芯やニット芯の「布帛:ふはく」タイプを原反ごと(通常50m巻)購入してストックしています。

「織」と「ニット」でも接着芯の性質には随分違いもありまして、このたびは実物写真もご提示しながらこの2種を比較します。

こうして分かれている以上はいずれにもメリットがあるわけです。

両方を使い分けていますので、最後に「使い分けの必要がなぜあるのか」までに迫りたいと思います。

とりあえず基本的に1種だけ持っておくなら断然「ニット芯」、織物生地にもニット生地にも対応できる融通性を兼ねた優れた性質

たった1種だけ接着芯を持つならば。。結論はニット芯です。

ニット芯は伸び縮みの融通が利き、ニット全般に加えて、織物の生地の一部であるナイロン/100%にも必須と言うほどのもの。

ナイロン/100%の撥水生地に織芯を貼っていた時に、どんどん皺が増えて、何が起こったのだろうと最初思っていましたが、原因は弾力性に優れたナイロン糸の性質が伸び縮みし、ニットに近い動きをしていたのでした。

織物とくっつけてしまっては、それは伸び縮みの動きのたびに気泡が生まれるに決まっているのです。

上のような体験から学べることは、織物生地に対してもニット芯を使わなければいけないケースもあるほどニット芯の需要の方が大きいということです。

そうしますと、とりあえずニット芯を持っていたら、すべてに対応できるということです。

伸びない通常のブロードなどにニット芯を貼っても不具合は何も起こりませんから、すべてをカバーできる性質がニット芯なのです。

ニット芯を貼ったことで、悪い方向へ行ってしまうような織物生地は今まで実際にも無かったです。

反対に、織芯を貼ったことで悪い方向へ行ってしまう織物生地が、ナイロン混や、ナイロン/100%なのです。

そうしますと、どちらか1つに絞って持っておくならば、ニット芯が正解であり安全なのです。

では、織芯など出番はないのではないか。。いやいやそんなことはないのです。

接着芯の入手の仕方は、古い在庫ストックの良質なままのものを反ごとに利用することで、同じものが二度とないような探し方で調達してまいりましたことから、結果様々な違いを体験させていただきました。

その中でとっても感激したような織芯がありました。

まるで生地みたいなしっかりと折り糸が見えていて、ごわっとした接着芯です。

これを織物の表地に接着すると見事に風合いがしっかりしてきます。

バッグ作りには最適だと思いました。

少ししか入手できなかったので、どちらかというとこういうタイプの接着芯はレアだと思います。

ニット芯では、このごわつきの良さが出ず、しなやかに仕上がってしまいますので、ハリコシを強調したい時などには織芯はかえって向いているのです。

そうしますと、時には「使い分けをする」ということがそれぞれに適した出来栄えになるかと思うのです。

あとがき

そもそも接着芯自体は表に見えるものではありませんが、接着芯を貼ってさらに折り曲げてステッチを何本か走らせたようなバッグの取っ手は、ツンとしっかりと立ちます。

長い目でみて、接着芯を貼ったか貼っていないかのお品を比べてみると、実は雲泥の差なのです。

「接着+ステッチ」というコンビは、伸び止めテープでも同じことです。

ただ貼るだけでは洗濯などで糊がはがれてくることもあり、ステッチの縫い付けも加わることでハイブリッド化するのです。

ぱっと見の最初の段階ではこのようなことは分からないことですが、出来上がった製作品も、その後の経年のユーザー様の使用で露わになってくるものです。

慣れない時代においては分かりやすいようにとニット芯をたった1つ持つ接着芯としてお勧めしたのですが、本当は「使い分け」が一番です(^-^)。

織物生地には織芯・ニット生地にはニット芯という使い分けは間違い、織物のナイロンでもニット芯がマストの証明【111】

アイキャッチ画像111

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

世間の長いバッグ素材の流れの中で、ある時期から確実に市民権を得たであろう「ナイロン/100%撥水加工」生地。

ピクチャレスクのハンドメイドバッグ製作でも引用し始めました。

やや困難なカーブを伴ったバッグ、縫い合わせの馴染みなどがスムーズなのも、ナイロン自体の薄手ながらの強靭さに融通が生まれているからだと考えます。

ナイロン生地をバッグ製作に引用のし始めの頃、ある事件が起こります。

その事件の解決が、接着芯の種類との相性にあったという重要なノウハウをこのたびはお伝えしたいと思います。

接着芯貼り最中にどんどん気泡が出来てしまう「ナイロンオックスはっ水加工生地」、「ニット芯」がマストの証明

以前は、織物生地には織芯を貼り、ニット生地にはニット芯を貼るという使い分けでやってきました。

ところが、織物のナイロン撥水加工生地でこんなことが起こりました↓。

ナイロンオックスはっ水加工生地に織芯を貼った直後の姿:気泡が至る所に現れ、非常に馴染みが悪い状態。

様々な生地を取り扱う中で、いずれはこの状況に出くわす運命だったと言えます。

この原因の解明の前に、「織芯」と「ニット芯」の見かけ・性質の違いを先にお伝えしたいと思います↓。

遠目で見た同じカラーの「織芯」と「ニット芯」:何となくニット芯の方が融通を感じます。では、次にズームで↓。
「織芯」と「ニット芯」の見た目の違い:芯地自体のハリコシは「織芯」の方に軍配。ニット芯はなめらかです。

柔らか過ぎる「ニット芯」ではハリコシが出にくいと「織芯」を好むこともあるのです。

「織芯」の更なる風合い:少し立体的に風合いを感じてもらいます。何となく「パサパサ感」を感じますかね。
「ニット芯」の更なる風合い:「織芯」には無い性質として縦にも横にも十分伸びる点。ここがこのたびのカギ。

さて、すぐには分からなかったことが、後の何度かの気泡の経験によって解明。

ナイロンという素材は織物の中でも特に糸自体の性質に弾力性を持ち備えたもの。

ニット生地という分類には入らなくても、ニットのような伸び縮みの性質を持っていることを引出しの中にしまっておいてくださればと思います。

アイロンの熱によって、ナイロン生地が伸び縮みすると同時にそこにぴったりと貼る接着芯も一緒。

アイロンの熱が冷めた時に、ナイロンの弾力性が今度は戻る動きをする時に気泡が出来ると解明しました。

伸び縮みの融通性が無い「織芯」の例のように、「合っていないよ」と気泡という姿で教えてくれるのだと考えたら分かり易いです。

ナイロンオックスはっ水加工にとどまらず、混率の中にナイロンが30%-50%占めている生地の織物や、ポリエステル/100%の織物でありながら横に手で引っ張ると伸び縮みする生地は同じこと。

それらには「ニット芯」を貼るべきなのです。

ニット芯を貼るべき織物の例:アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。ニットみたいに伸びるタイプの織物。

2018年頃のバッグ製作で使用のアムンゼン(ポリエステル/100%)はびっくりするほどの横伸びの性質がありました。

別のアムンゼンも多少同じような伸びがありますが、このダイナミックな2018年入手のアムンゼンは特別でした。

裏面に貼った不織布芯に皺がうねるように出ていた記憶がよみがえりました(その時はただの不思議現象として通過)。

よって、分類の括りの織物が必ずしもすべて「織芯」対応ということは決してないのです。

そういったことから巷では、接着芯はニット芯1種のみ持ち合わせておけば事足りるという考え方も推奨されています。

とはいえ、「織芯」のあのハリコシはニット芯には出ないものであり、「正しい使い分け」によりそれぞれの特性を存分に味わうのが本来の望ましさではないかと考えます。

あとがき

このたび写真には登場しなかった「不織布接着芯」については、「織芯」と同様だと考えていただければと思います。

生地は購入前であっても購入後であっても、横に伸ばしてみて弾力性を確かめておくことも必要だということです。

こうしたことから、ある括りにとらわれ過ぎることの注意が浮かび上がります。

その括られたグループは皆同じ性質なのだと考えていたら、とんでもない全く別物のような性質を持っていたということです。

様々なグループ・分類で括られることでかえって見失うかもしれない真の姿、これをちゃんと見抜く大切さも同時に教えていただいたような気がします(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク