ひも通し穴を伝統の12個を8個へ減らしたニュー巾着バッグ【15】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

遡ること、30年程前のこと。

巾着型のバッグがハンドバッグの中で主役といってもいいようなポジションにあったような流行の時があった記憶があります。

雑誌の隅々に及んで、巾着タイプのバッグが並んでいた記憶です。

ただ、そのショルダーはハンドバッグの肩掛けと同じ部類で考えられ、カジュアルにショルダーのような現在のイメージのたすき掛けではなく、ほとんどが、肩にちょこんとかけるような長さだったと思います。

本体のサイズ感も1980年代の巾着バッグは、「縦長」が特徴でした。

私もグッチで1点、ハイブランドではない茶色の革のもので1点お気に入りを持っていました。

記憶をたどると、巾着紐の前面周辺が幾度も開閉をする際に絞るということの繰り返しで擦れて、古びていき、使わなくなっていったという手放し方だったと思います。

基本的な作りとしまして、バッグの入り口の口布部分にアイレットカンというリングの穴を均等に全12セット設置。そこに、ひもが通されます。

そして、キューっとひもをひっぱることで、タックが寄せられ、ストッパーなどで固定されて、台形型のような形のバッグのフォルムができあがります。

この使いながら変形するところが巾着バッグの魅力ですね。

その後の、トートバッグやリュックの新型タイプなどで、1990年代後半-2010年辺りまでは、主役の座からはしばらく遠のいていたかのような巾着バッグ。

今2019年となって、また、この巾着バッグもまた注目されつつあるようです。

流行はらせん状に繰り返される。。。そんなことの1つだと思いますが、かなり広い範囲のゆったりとした流行のように感じます。

古着好きな私は、流行のない間の期間も巾着バッグは中古市場で見つけてはそこそこ追っていました。

やはり、巾着という1つの形は流行関係なしに定番で持っていたいデザインだと思えてしょうがありません(^_^;)。

とても懐かしく巾着袋の1980年代を思い浮かべるのが私の年齢に近いの人々だと想像しますが、その1980年代辺りを体験していない若い方達は現在の巾着バッグに対して、斬新さを感じていらっしゃるかもしれません。

懐かしく注目する人と、新しいデザインだと斬新さを感じる人とで人数が倍増です。

今回の製作は、私が2019年現在に考えてみたデザインです。

かつての12個穴を8個へ減らしたことも大きな特徴になります。形が少しカジュアルで、絞る時の生地への負担などを和らげることに重点を置きました。

その代わり、セキュリティー性が弱まるので別の工夫も必要になりました。

ミニ巾着ショルダーバッグの形に当てはまる良い柄を探した結果のチョイス

巾着型にはどこかフェミニンさを感じています。

そやわらかな雰囲気には、まずは花柄がマッチすると思いまして、少し個性的な花柄生地を選択しました。

デザインと柄の見え方の関係を考えますと、巾着型は紐で引っ張って形がシェイプされ柄が隠れたり凝縮されたりするので、その出来上がりの動きもある程度想像することもお勧めしたいです。

途中につなぎ目のようなレースストライプが入った花柄の生地。プリントは転写というタイプです。独特の雰囲気です。

花柄自体が非常にエキゾチックです。

以前に同生地でバニティー型を作りましたが、あえなく失敗しています(+_+)。

ポケットを外側に付けたことで、柄がさえぎられて、美しくなかったのです。

その失敗作から、もっと広く面積のあるタイプに当てはめた方が良いであろうと今回のチョイスに至ります。

片面ハトメが8個に減ったセキュリティー性の甘さのサポート

では、写真を10枚ご覧ください。

縦23cmx横22/30cmxマチ7cm
表地:トリアセ転写プリント、トリアセテート67%、ポリエステル/33%。日本製。
<裏地:モカ>アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。
一般的なアイレットの穴の数は、表6個、後ろ6個の合計12個が古典的な巾着バッグの仕様です。
私は、今回8個で行いました。
減らした理由は12個では絞り切れずに結局口が中途半端に空いてしまうので、あまりしぼり過ぎないデザインを最初から作ってみたということになります。
口をしぼり過ぎていないためにデザインが少し違って見えます。そこが現代版巾着袋なのかもしれません。


地が白の上に、オレンジxピンクxパープルなどの、マルチカラーの花柄で、異国情緒あふれ非常に美しい柄です。

転写プリントというのは、金属などの板の上に生地を貼り付けて写しとるプリント方法です。

一般的なプリントよりも美しい仕上がりと言われていて、どことなくミステリアスですね。

機能の特徴としましては、セキュリティーを強くする目的の中ぶたをお付けした点です。

巾着型は、重なる部分が多く、口が完全に閉まることは難しいのが物理的事情。

よって、口は半開きでよいから中側にブロック的な機能を作ろうとしたのです。

その機能がかえって邪魔にならぬよう、使わないときは側面に一体化できるようあまぶたの重ね方式を機能として取り付けてみました。

マジックテープも付けています。

作業的には、中ぶたを閉める時に両手を使いがちなので、片手でも可能なように、もう少し形を工夫する余地はありそうです。

あとがき

巾着型は、ひっくり返しの作り方なので、物理的にまあるくふんわり出来上がることができます。

小ぶりであるとショルダーとしては下げやすく、小さめサイズというのが合っていそうです。

お出かけに下げるのが一番イメージが湧きやすいです。

今回初めて、こういった細い共布巾着紐にもトライしました。

巾着紐はアイレットリングの直径を意識し、スムーズに通るのだけれどもスカスカも巾着のしぼりの機能が半減するからとその巾などの工夫があります。

そして、元の細長い生地の内側に接着芯を貼ることでハリコシが出てリボンがびしっとなるなど、今後研究してまいりたいと思います。

とりあえず今回は接着芯は貼らずにやってみましたが、接着芯が無いとリボンに元気がなく、柔ら過ぎる印象です。

その後の長持ちも考えると、こういった細かいパーツの紐の中にも接着芯は常に貼るということを決断した今回の製作でした。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク