大きなデニムリュックの裏地に決めた素材、大容量に相応しくデニムに相性が良いパサ付き感も歓迎【674】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、ビッグリュックを作ろうとしています。

近所の方からのオーダーが入り、ありがたくお作りするものです。

とはいえ、十分に打ちあわせが出来ず、セルヴィッチデニムの余り記事を有効に使い、そして裏地も勝手に選定。

大容量のお買いもの用のリュックなので、当然たくさんの物が入り、重さもかなりのものになることを想定しますと、影響するのが生地の傷みです。

使っていくのだから、ある程度すれたりなどはするにしても、簡単に破れたりはやはりコスパの悪い質の劣った商品になってしまいます。

表地は頑丈でも裏地もそれに伴って頑強に仕立てていきたいのです。

ジーンズに見られる「スレキ」が良い例で、何十年もはき続けた結果、生地がもともと負けている「スレキ」が先に破れるバランスの悪い現象が起きます。

何十年もはく想定などしていないから仕方がないとも言えるのですが、これがハイブランド様では何十年も先を見越した案を考えられる様子を感じることがありました。

そこには到底及ぶものではないにしても、この考え方はとても尊敬できるものです。

このたびは、表地の経年に伴いながらも裏地も良い持ちをするような仕立てを目指します。

どんな生地を選んだのかをどうぞご覧くださいませ。

ブロードやローンでは厳しそうな場合に選択する裏地生地にもう少し肉厚の「綾織り」の先染めチェックを選んだ

表地が綿なので、裏地も綿で行こうとしておりまして、少しお洒落に柄入りにしてみました。

生地名が不明ですが、黒x白xモカグレーで成り立つシックなタータンチェックの先染め生地です。

この彩にご注目、とても丈夫な織りであると見ることができます。

お洋服をたくさん見てきた方はよく分かっていただけるかと思いますが、先染めチェック=綾織りが大半です。

綾織りというのは、生地の織り方の中でも特に頑強なのです。

端の毛は、耳の部分です。糸の太さとか密集具合がこの部分を見るとある程度分析できます。

全体に肉厚ぎみな目の詰まった生地なのです。

ストライプの先染めとも迷いましたが、このチェックに入るモカグレーの素敵さでこちらを選択。

ストライプの方にはモカグレーは入っていませんでした。

こうして、重いものを入れ、かつ大容量入れる時に負荷が裏地にも当然かかってくるので、簡単に破れたりはしないしっかりとした裏地にするためのファーストステップとして、生地の選定が重要であるということでした。

あとがき

その後なのですが、、こんな風にビッグリュックを完成。

縦に長いタイプです。

表地と裏地をあらかじめ中表にプレート状のパーツを作り、外表で組み立てていく独自のやり方です。

今までブリーフケース型のA4横をナイロンで作ったり、ボストンバッグを作ったりしてまいりました時の同じ手法です。

ただ、サイズを変えるだけで全く同じやり方なのに随分雰囲気が変わるところに驚きがあります。

このやり方は縫いやすさがあるので、綺麗にできるというメリットがあります。

製作も難易度が高すぎるものは疲れ果ててしまいます。

それよりもいかに楽に作れるかという工夫もあるべきことだと思っております。

オーダーのお客様、本当にありがとうございました(^-^)。

布バッグのチェック柄のサイドの柄合わせ、最低限ボーダー状の向きだけ段違いなく合わせる勧め【80】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作で、<チェック柄シリーズ>という企画をしてみました。

3種の違った形のチェック柄を同時進行で仕上げ、ミニサイズのショルダーバッグを製作しました。

ミニサイズのフォルムの可愛さと、3種が元は同じチェックであることが少し違った形で勢ぞろいするコレクションの面白さをお伝えできればと思います(^-^)。

様々なチェック柄、マルチカラーな糸使いが素敵な素材コレクション

今回は、表地も裏地も同じ生地を使いますので、3種のみが生地として登場します。

左:手織りジョントン綿、綿/100%、タイ製・・・ジョントンはよくジョムトンと発音されているようで、
タイの北部のジョムトン地方で織られる織物のようです。
白い筋が特徴。色使いが原色カラーの集まりで、生き生きとした柄です。
中:起毛チェック、綿/100%、日本製・・・起毛という名前から毛羽立ったイメージがわきますが、
実際はネルなどよりもはるかになめらかです。手触りは、さらふわといった感じ。
黒色を使いながらもその他の暖色が活きて全体的に暖かみのある雰囲気です。
右:先染チェック、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製・・・インディゴブルーのギンガムチェックが爽やか。
ネイビーや水色ブルーよりもレアなトーンのブルーだと思います。

ボーダー方向のみ合わせてもかなり見た目に効果があるチェックの柄合わせ

チェックの柄合わせとなると本来は、縦と横を両方合わせるのが完璧な柄合わせ。

柄合わせにおいて、縦とか横という言葉を使うと大変紛らわしく、どちらのことを指しているのかわからなくなってしまいますので、「ボーダー状に合わせる」とか、「ストライプ状に合わせる」などと呼びますね。

つまり、チェックを、ボーダーとストライプの組み合わせと考えていきます。

バッグでは、一番視線の気になる場所がサイド。ここのハギ目の柄の出方が良い見た目になるかどうかがキーポイント。

今回は、ボーダー状のみ合わせましたが、これだけで随分見た目がすっきりと見えますね。

つまり、ボーダー状に合わせることさえ意識すれば、整った印象ができる大きな効果が得られるのです。

チェックの柄合わせ(ボーダー状のみ)・・・矢印はサイドの縫い合わせのはぎ部分を示しています。

ボーダー状に柄合わせというのは、例えば真ん中でいうと、赤とか黄色の横線がちゃんとハギ目に対して横に対象に一直線に並んでいるのかということです。

並んでいますね。そういう見方で右と左も見てみてください。

そうすると、すべて段が一直線にそろっていますよね。これは、ボーダー状に柄をそろえたことになります。

一方、ストライプ状の柄のそろい方の見方ですが、矢印のサイドの切り替え線を軸に、左右が同じ配分で柄が出ているかというとどれもそうではないですよね。

一番右は、一見分かりにくいですが、黒い線をブロックで考えると、ハギ目から右は半分なのに、ハギ目から左はフルに1ピッチ分ありますよね。

しかし、ストライプ状にそろえることは、これを見た限り、それほどボーダー状にそろえることよりも結果が分かりにくいということです。

なので、まずは、ボーダー状にそろえることが綺麗に見える一番の秘訣と言えますね。

ガチガチにそろえすぎると、生地がもったいなくて、余らせなくてはならないのです。

超高級品はこのようなことを徹底して行い、生地を余らせた分のロスを商品の値段に反映させて、高価になるわけです。

この辺りも生地の高級さを見ながらの匙加減でしょう。

今回の場合は、ボーダー状のみそろえれば十分な効果が出るのでそれ以上は必要ないとの私の判断からこのように作りました。

それに、真ん中のジョントン綿は、白いストライプ状の霧のような柄があまりにランダムすぎて、ストライプ状に柄合わせは非常に困難です。

とにかく、段違いみたいな見かけが心持ちを悪くするので、スッキリと段がそろう「ボーダー状に合わせる」ことをチェック柄の場合の一番のポイントとさせていただきたいと思います(^-^)。

あとがき

こんな感じで3点が一緒である良さがあります。

チェックも種類の違うチェックを集めるととても楽しいものです。

販売においては、お店にディスプレイで並べるように、こういった柄違いの展開の仕方は、同じ生地の色違いではない楽しさが生まれます。

何でもない平凡な形のバッグですが、集まってコレクションのようになると随分躍動感が出るものです。

「家族でお揃いのデザインでどうですか」などのご提案もできるかもしれませんね(^-^)。