ポリエステル100%も奥が深い、金銀ラメのジャガードが金属的な風合いを新しくご提案してくれる抽象柄の巾着袋【1121】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在連続製作中の「インテリア収納袋」。

このたびは、「小」というサイズで表地・裏地共に衣装生地のコーナーで購入の生地を使わせていただきました。

お弁当袋のような巾着袋とはシーンが違うような巾着袋に仕上がりましたので、使うシーンの想像を巡らせながらご覧いただければと思います。

表地に登場の濃淡の金銀以外の色をそれ以上混ぜないことで表地のツタの葉柄のような抽象柄と裏地のまだら柄が程好くマッチの巾着袋

<表地:ゴールドxシルバー抽象柄>パンデミック、ポリエステル/100%、日本製。

「コロナ禍」で購入の生地にこのような名前(おそらくそれ以前から名付けられた生地だと思います)も、「何たるシンクロ!?」と驚いたものですが、奇しくも非常に美しい生地だったのでした。

<裏地:チャコールグレーまだら模様>ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。

これまで、ほとんど全色を裏地に使わせていただいてきた生地です。

チャコールグレーは表地の銀色の部分とリンクして相性良し。

柄同士ですが、余計な色を追加していない分、合わせてしまえたのでした。

「インテリア収納袋:小」<サイズ>縦22cmx横19/34cmxマチ15cm。
こうして三つ折りにたたみます。生地にハリコシがあることが感じられます。

柄の中のシルバーの割合が高く、すっきりとしたジャガードです。

ループエンドは主役寄りなシルバー色に合わせて「ニッケル色」を選択。

江戸打ち紐は、登場はしていないですが黒を使いました。

ねずみ色のグレー色が良かったですが、手持ちのグレーは青味のグレーで合いませんでしたのでかえって黒が正解。

既製品の江戸打ちひもの色は豊富なようで、実際はぴったり合わないことが多く、その点は残念です。

裏地がチャコールグレーであったことで、3段階で色が濃くなっていく感じ、紐が一番濃い黒色といった具合で見ていただくと、黒色を違和感無く受け入れていただけるかもしれません。

以前にも別記事でお話致しましたが、ラメ生地は使いやすいのが意外です。

アイロンの折り線がきちんと付き、薄手でもハードさがあります。

同じようなグレートーンの糸を1つだけ選んで上糸と下糸共通で使用すると、どちらかが浮きます。

よって、まめなようですが上糸と下糸は微妙なカラーの濃淡の違いで別のカラーを使い分けました。

表地側には薄い白っぽい感じに映るグレーの糸を、裏地には、チャコールグレーに馴染むような濃グレーの糸を。

巾着袋のひもホールの下部分とコの字部分のステッチというのは、結構目に付きやすく、ポイント箇所です。糸の細かいこだわりの効果はやはりあったようです。

あとがき

金属質な風合いで出来上がった巾着袋、もしかしてメインバッグのように持ち歩きができるかもしれません。

なかなかゴージャスな仕上がりなのです。

巾着袋に要する製作時間はALLで、だいたい3時間くらい。

チャチャッと作るものでもないことがこの時間でご理解いただけるかと思います。

その3時間の中には、上下の糸の色を変えていることで、時々糸の交換があること、そして玉結び・玉止めの部分の糸ぶち切りせずにすべて目に付かない場所へ隠しています。

この作業が意外に時間を要するのですが、やはりこれも長い目で見た時常にさっぱりしていて美しい巾着袋でありたいという方針からです。

何ら強度にはそれほど関係ないことでも、すっきりさや上品な雰囲気みたいなものは、細かい始末の丁寧さからくるものだと思います。

この美しい生地であったからこそ、汚(けが)さぬようその続きのストーリーとして良いお仕立てをしたいと思うものです。

そういう意味では、良い生地を選ぶことは、結局は良質な高級感あるお品物の完成というところに繋がっていゆくのではないでしょうか(^-^)。

もったいない高級生地の切り落とし、小さな容積にしか作れない価値の不足を「専用ケースになる」という別の価値で埋めた【245】

アイキャッチ画像245

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年頃から「高級生地」をバッグ製作に取り入れるようになりました。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.10.17からおよそ5年後の2025.09.05にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

2025年から振り返ると、高級生地を使用した製作に対して技術が追い付かず、ほとんど販売するまでのレベルにも至らなかったことが1種のフライングだったと思います。

しかしその反面、早々と踏み出したことで、技術の足りなさを高める必要性を高級生地とのあまりのギャップで早めに体感できたのです。

まだまだ技術が追い付かないからと変に納得して、安価な生地で作っていたとしたら。。いつまでも未熟さを心の底から認められずに低ゾーンを彷徨っていたかもしれないのです。

生地は、その時々の唯一の一発物も多く、その時にしか出会えない一期一会というようなことが多いのです。

高級生地を使い切るアイデア、「小さな専用ケースを作る」ということで容量の小ささに対する価値の不足を「専用」という価値で埋めるという姿と共にお伝えしてまいります。

高級生地をもったいなく余らせない、1mあたり¥3,980のブロンズカラーのフクレジャガードの切れ端を使い切るミニケースの製作

使用生地(表地・裏地共通):ジャカード、ポリエステル/49%、綿/34%、ナイロン/17%、イタリア製。

この生地は、【31】で巾着ショルダーバッグを、【422】のバニティーバッグ製作の残布です。

ブロンズカラーの濃淡が美しい花柄にあしらわれた織柄とフクレ加工による立体感にうっとり。

@¥3,980/mという価格。m単価万単位の更なる超高級生地に比べると中間的な価格だという見方もできます。

同じイタリア製の中の生地では、ツイードで@¥15,000/mという価格を実際に拝見しています。

しかし、@¥1,000/m以下でもバッグ製作は十分可能、そして擦れも起こる消耗品という見方も含めると、この生地を高級生地の分類に考えております。

マジックテープ付け:入り口開閉はマジックテープです。裏面の縫い付け跡を隠すため、一番最初に1枚仕立てで。
中表縫い:すべてのパーツをあらかじめ「中表」でひっくり返して縫い代をどんどん隠していきます。
マチの作り方:あらかじめ削らず、途中で「二等辺三角形」に折ってマチを作り、切り落としをしません。
裏地部分:この小ささでボリューム感あるフクレジャガードの表地と同じ生地を裏地にも配することが可能。

はぎれ製作は表地だけでも成り立つもので、裏地用に新たに生地を無理やり探さない、あるいは相性がベストではない別生地のはぎれを無理やり組み合わせるよりも良いのです。

完成した時の立体感:ふんわりと仕上がるのも元の生地の性質相まってのもの。真ん中だけがマチ付きです。
「コスメケース3点セット」:左上から時計回りに、シャドウケース・ペンシルケース・ファンデケース。

仮名称であっても、入れる目的をネーミングにすることで、入れる物の容量などのイメージが伝わりやすくなると思います。

更に、「これを収納したい」という特化型のケースであっても、はぎれで作ることが可能です。

あとがき

専用ケースがあること自体、時々使う物品ということの証、ケース自体も時々使われることで長持ちが見込めます。

だからこそ一重仕立てで短い時間で作り上げてしまうよりも、バッグと何ら作りが変わらない裏地付きで丁寧にお仕立てすることの価値が、その後の経年によって活きてくるのです。

目先のゴールに囚われて、たくさん作ることを重視していた過去、後でその作りの粗さ、機能の不足に項垂れた過去があってこの姿への見直しがあったということです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク