巾着ホールをわざわざ10個のタブで設置した意味を今一度考えた、口の隙間が最大限に解消されるための薄手の生地選び【1313】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は言ってみれば、前回の投稿【1312】の続編となります。

前回の製作ではいったん完成したのですが、2つの課題を持ち越しました。

1つはここ。巾着ホールタブがボリュームがあり過ぎて口が完全に閉まりませんでした。

「これはまずい」と思った理由が、わざわざタブホールの仕様にした理由が口をきゅっと絞めるためだからです。

それなのに閉まらなければタブがただの機能を持たないデザインになってしまいます。

そうであれば、本体そのままをホールにしていく仕様と変わらないのです。

よって、今回は、このタブx10個をすべて薄手の生地に取り換えていきます。

もう1つは、ショルダーの調整機能を加えることです。

修正前はこんな風に調整機能無しでだいたいの位置に設定していましたが、
果たしてその「だいたい」が合っているのかが全く分かりませんでした。

やはり、ダブルタイプのナップサックよりもこちらのシングルの方がショルダーの長さのちょうど良さが分かりにくいのです。

そういう時には、調整機能の線コキを付けることで長さの「ご提案」という形にして幅を広げるのです。

この2つを修正していったのが今回の作業となります。

巾着ひもホールのタブの生地は融通の利く縮み方をしてくれる薄手の選択であること

今回使用の3種の生地の中で一番薄手なのは、この黒無地のエステルポプリンでした。
それなのに、赤のタータンチェックで選択してしまっていたところが迂闊でした(^_^;)。

以前よりもはるかに口がきゅっと狭まったのが分かりますね。

完全に穴をふさぐことは難しいですが、タブが融通が利いてくしゃっと縮まった様子が見られます。

これが丈夫過ぎる肉厚生地だとこうして縮むことができないので結果穴が大きく空いてしまいセキュリティー性が薄れるのです。

分かりやすく修正前と後を並べて比較してみました。
劇的に空きが解消されたのが分かりますね。

もっと言うと、修正後の生地のエステルポプリンも実は、ブロードの2倍の番手の糸で織られた生地。

そうするとブロードの方がもっと薄手となるので良かったわけです。

しかし、ここでわざわざブロードを新たに調達せねばならないので、持ち合わせの中からとなります。

そうすると、内側のポケットと外のDカンタブに使用していたエステルポプリンの残りの生地を使うのがコスパが良かったのでした。

この写真から、表地のごわついた生地に対して思い切って極端に薄手の生地で作ったタブを設置することがポイントとなると思います。

表地とのバランスを変に考えてしまってそこそこな厚みのタブを設置してしまうと、確かに迫力は有りますが、機能は果たせないということがこれで証明されたと思います。

ハの字ではないリュックのショルダーの長さの加減の難しさを調整機能で補う

ダブルナップサックのデザインの方は調整機能は付けていなくてもしっくりとちょうど良い長さが分かりました。

しかし、この2wayの機能の1つであるワンショルダーの方は、Dカンが中心に1つになるので、ハの字ではなく、アーモンド形になります。

「ワンショルダー兼リュック」:<サイズ>縦33cmx横21/36cmxマチ15cm。
この向きでリュックとして背中に背負います。
その時にアーモンド形というか弓形になることでサイズ感がダブルナップサックと違うように感じます。

長すぎると下に下がり過ぎ、ちょうど位に設定すると短すぎて背負いにくいような感じだったのです。

もともと2wayの内のセカンド機能なので、メインはワンショルダーです。

こうしたことは仕方ないのでしょうけど、それでも使い勝手は精いっぱい研究してそのベストな結果で示していくべきだと思っています。

線コキは、出来上がり1.2cmの巾のショルダーに対して「18mm」を選択。
15mmだと横幅は合いますが、重なった部分に紐が通らないことがほとんどです。
寝かせた状態です。黒に赤のタータンが映えていますね。
こうしてすっきりとショルダーを中にしまい込んで畳めます。

あとがき

修正は、出来上がった状態のDカンにひっかかっているショルダーの先端の縫い留めをほどき、ストッパーを外し、巾着ひもをホールから外しました。

そして、入り口の縫い留めの2重ステッチをほどき、タブをすべて取り払い、新しいタブ10個を製作し、設置して、再び同じことをやり直して完成となりました。

線コキは最終の作業の1つ手前。

線コキに通してDカンをくぐってから再び同じ線コキの真ん中線を通過。

そしてUターンした少し分の最低限の重なりを縫い留めて出来上がりです。

自由に調整する機能がここで付いたのです。

線コキやDカンは調整や留め具としての機能があるのですが、バッグのパッと見では「アクセント」に映りかっこよくなります。

何も付いていないと何となく布だけがべたっとした感じなのが、間に金属がキラリと光ることで高級感やスタイリッシュな見かけに繋がるようです。

ここ最近材料も物価高に伴い高騰の一途をたどっていますが、Dカンや線コキに関しては、私がよく利用させていただいています「HANDS」様では、比較的エコノミーで、2個入りで¥100以下です。

ナスカンなどは1個でものすごい価格なので、使わない方が原価が揺さぶられずに済みます。

こうして最低限の附属品だけを使ったミニマムな製作ですが、大半はステッチの綺麗さとかアイデアだとか出来合いの既製品に頼らない部分で生み出す力が試されるのです(^-^)。