ファッションは哲学に通じるもの、均一さ重視の教育や国民性の日本では埋もれていた個性の表現の上手さへの成長【1450】

アイキャッチ画像1450

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

時々拝見するパリのストリートファッションの写真や動画。

一人一人が、その装いに誇りを持ち自分表現が上手くされていることがうかがえました。

それを、親しみのある言葉で一言で表したのが「おしゃれ」なのではないでしょうか。

特に着飾りもしない、女性がメンズライクなスラックスをボトムに、三つ揃えの1つのベストを合わせている姿がここ最近の印象的なスタイル。

街角インタビューで答えるその姿は、主義や主張を持った一人の人間の人生観を語っているかのようでした。

このたび「東大ファッション論 集中講義:平芳裕子 著」を拝読。

東大でファッションについて講義されるという記録的な出来事は、おそらく今後の日本人のファッションに対する向き合い方の変化のきっかけをもたらしたものになったかと。

新聞で取り上げられていたこの本、その紹介によって拝読できた私が今度はこうしてブログ記事でアウトプットし、自らの意見も綴ってまいりたいと思います。

人生観を映し出す程の重要なもの、これまで均一化が重視された国内で奥にしまわれていた箱が今開けられた

4日間の集中講義は、これまでのファッションの始まりから現在までの歴史を、コンパクトにまとめられ、重要ポイントなどをすべて拾い上げられていたと思います。

もし、今後ファッションについて学んでみたい、ファッション系の職場に勤務し始めた、ファッションの道への修行として専門学校への道を検討しているなどの方、是非この本をまずご一読をお勧めしたいと思います。

ただ、コンパクトにまとめられた1冊、その後の深堀りはその後の活動として読書ライフの展開をして読み続けるというルーティーンをされてはいかがでしょうか。

いろいろな切り口があった目次の中で、ファッション業にはどうしても矛盾が起きてしまうことが気になっています。

商業として成り立たせるためには、手間をかけてはいられない大量生産の事情。

それならば、その根本の大量製造スタイルこそ見直すべきなのでは。。いやいや仕事を失ってしまうからそれはすぐにできることではない。。

「サスティナブル」に是非向き合っていきたい思いを持っているにもかかわらず、実際の実現が難しい。。

かつての流行が色濃く表れてしまっている服を心地よく着ていけるデザインへと解体し、タイムレスな服への仕立て直しをしたい。。

しかし商業でこれを行って二次製作品として販売は「著作権の侵害」になる。。

こうして書いている私が実際に行き詰まりを感じていることであり、現在も「リメイク」は「図解」にとどめ、自分だけの中でおさめるちっぽけな活動の領域を越えられないのです。

ここ最近のバッグ製作のスタイルも、タイパやコスパを無視、とにかく「質の良い優れた物」を完成していくことだけに焦点を当てることにしています。

これまでハンドメイド活動を長年やってきて、結局こうしたところに行き着いていますのも素直な気持ちからのもの。

ここから思うことは、手間と時間をかけるのであれば、ファッションは芸術寄りなものになっていくはずなのです。

その逆がファストファッションであり、手間と時間を極力そぎ落とし、いかに大量の製造がコスパ良く実現できるかが根底にあります。

そのようなお品物は、価格では受け入れられますが完全に商業用の製造になります。

製造の過程は人間が行うにもかかわらず、制限や縛りの中で人間らしさが削がれ、そのビジネスモデルに心の中までも翻弄されることがあるのです。

決して「サスティナブル」な体勢などではないことは明らかです。

丁寧に真心こめて作られた物を手にした時、あるいはその後の愛着はファスト的な工業品には無い「宝」のようなもの。

極端ですが、ファッション業というのはあまりにも商業的であるといずれは破綻してしまうのでは。

こうしたところに、非常に矛盾めいたものを感じずにはいられないのです。

あとがき

東京大学でいよいよファッションが講義されたという記録、歴史的だと思います。

4日間の講義を1冊の本で拝読させていただけたこの機会と著者様に感謝申し上げたいと思います。

文化や国民性というのは根強いものがありますので、一人一人に浸透し大きな意識となって成り立つものであり簡単には変化しにくいと思います。

とはいえ、自分もそうであったように、海外から見た日本人の特性、パリの人のファッションを通じた自己表現の素敵さを知ったことは、情報が盛んになったからです。

情報に溢れた部分をうまく活かし、これまで蓋をされていた自分との向き合いがファッションを通じて国民全体に浸透していけますようにと、わずかばかりの力ながらファッションの一端の事業活動を続けてまいりたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

フェイスタオル15年でも納得いかず。。この先も使い続けるための両サイドのほつれが落ち着く同色ブランケットステッチ【260】

アイキャッチ画像260

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「タオルを擦り切れるまで使う」というフレーズ、その続きは「タオルが擦り切れても使う」です。

このたびは、擦り切れが目立ってきたおよそ10年来のフェイスタオルを最も単純にリフォームしてまいります。

縁が擦り切れていても真ん中が健在ならば完了ではないという判断です。

古い物を大切する素敵さは、傷みをそのまま放っておかない修繕による「優しさ」を伴うものだということがお伝えできればと思います。

ほつれたまま使用するからみすぼらしく映るに過ぎない、丁寧な補修によるフェイスタオルの縁の落ち着きに感じる「優しさ」

2005年頃購入のフェイスタオル:百貨店様のワゴンセールだったかと。「カルバンクライン」様のロゴ。
擦り切れた縁:15年でこの傷みは、タオルマニアとしてはややコスパが悪いという感覚。

なぜコスパが悪いと感じたのかと言いますのも、他のタオルとの比較です。

「MCM」様や「FENDI」様は20年はゆうに超えていきます。

よってこの時点では他のタオルよりも傷みが早いと感じ、擦り切れの縁を補修することで今後も気持ちよく使っていくということを考えました。

「擦り切れ」「ほつれ」という姿自体、部分的に起こっているに過ぎない事を指しているのです。

同色の白糸のブランケットステッチ案:下に貼りますYouTube内のラッピングは失敗。こちらの方が自然でした。
長い辺の両縁すべてブランケットステッチ完了:幅は1cm程です。
補修後の落ち着き:完全にラッピングしなくても随分と縁が整ったと感じました。非常に気持ちが良いです♪。

あとがき

日用品を使う側も丁寧に長持ちする意識で使わせていただくと同時に、製造者様側も良質な日用品をご提供していただきたいと望みます。

過去の贈答品におけるブランド品の未使用デッドストックの作りは非常に良く、こうしたお品との出会いによってコスパの厳しい見方が自然に身に付きました。

新調するサイクルのために、買い替えを促す商業形態のパソコンやスマホ関係に対しても決して納得できるものではありませんが、可能な限り安易に買い替えはしないスタイルです。

遥か昔の着物の消耗の仕方としては、「着物→面積の狭いアイテムへの仕立て直し→小物へリメイク」といった経路をたどって末永く持ち続けられていたようなのです。

時代は変われど、この精神・考え方は素晴らしい、是非とも引き継ぎながら今後もその素敵さを今後もお伝えできればと思います。

確かな記録としてお伝えするには、10年来・20年来などと具体的な数字で示してまいりたいと思います。

新調を頻繁にするような表面的なかっこよさ、本当にかっこよいのかどうかということを問いたいのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

極小の残布を拾い上げたハギ目だらけのミニポーチに価値はあるのか、廃棄か製造かに迷い製造を選んだ回【258】

アイキャッチ画像258

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前の投稿【175】で、細かく刻まれた状態のはぎれを寄せ集め、パッチワークシートを作って保管しておりました↓。

【175】投稿のはぎれのパッチワークシート:ずっと保管中のこちらをこのたび利用。左下は厚地過ぎて不採用。

メインバッグ製作は、椿柄は【122】で半月型ショルダーバッグを、桜柄は同じく【122】でマチ付きピンタック無しトートバッグを、菊柄は同じく【122】でマチ付きピンタックありトートバッグを、赤のキャンパス地ボタニカル柄は【122】でリュックを製作した残布です。

ここから左下のキャンパス地を除外、残り3種で3点のマチ付きミニポーチを同時製作しました。

ここまで細かいパッチワークは、出来上がりがつぎはぎだらけ。

ハギ目の両サイドに決まって入れているステッチは、このたびは省略の方がすっきりすると判断。

通常なら、「コスメケース3点セット」となり、それぞれ1点ずつが違うデザインのところを、「ファンデーションケース」というマチ付きの四角型で3点共通に作りました。

トートバッグのマチの切り落とし残布を寄せ集めて製作したミニポーチ、柄がぶつ切りの価値の低下が無意味な製作になる可能性

使用生地:椿柄-和柄プリント、綿/100%、日本製。菊柄-広幅コットンプリント、綿/100%、日本製。桜柄-和柄エンボスプリント、綿/100%、日本製。真ん中のグリーン(蓋に使用)は、ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。

生地名がやや曖昧、椿柄は「ブッチャー」のような織り、菊柄はブロードのような織りです。

元は9マス分あったパッチワークシートの余分のカット:正方形の状態の上下を均等にカット。

ポーチを仕立てるための表地と裏地のパッチワークシートのサイズが、調整のカットによって定まりました。

マジックテープの縫い付け:やや見にくいのですが、赤いマジックテープを蓋パーツの1枚に縫い付けている場面。
マチ付きミニポーチx3点の完成(和柄):<サイズ:3点共通>縦7cmx横8cmxマチ2cm。
マジックテープとハギ目の配分:マジックテープは馴染む色を選択、ハギ目は均等配分で右のみ配置違い。

左2点はハギ目を中心に持ってきた位置、右1点は真ん中に1マスがまるごと出るように配置。

この違いは、元の残布の分量の違い、左2つのパーツが6マスに対して右の椿柄だけは9マスだったからです。

やはり、面積が多かった右がわずかにスタイリッシュに映るということなのかもしれません。

面積の大きい方が価値が生まれやすいということの例です。

内部の様子:それぞれ裏地付きですので、裏地付きのトートバッグのミニチュア版のような立派さです。

あとがき

こうして、ハギ目だらけのミニポーチを作った感想ですが、正直手間は感じませんでした。

ただ、元ある壮大な柄がぶつ切りになるデメリットがありました。

こうした製作はもったいない生地を集めて利用できたということにはなるのですが、ポーチ自体の価値はかなり落ちるようでした。

ただちゃんとした入れ物にはなってくれたという点では無価値とまでは思いません。

価値が少なそうな見込みなら、「作らない」という選択肢も検討し、廃棄が良い場合もあるのかもしれません。

価値の少ない物を製造すること自体「サステナブル」ではないからです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク