まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
よく会社の経理の事を「縁の下の力持ち」などと呼ぶことがありますが、この「縁の下」というのは表からは見えないような影や裏の部分。
ハンドメイドの製作においても、表というのはその出来上がりで誰もが見る場所で、当然見栄えを良くすることはどの製造者も心掛けていることです。
では、裏の部分で縫いこんだら表には見えない部分はどう作らているのか。。
これは、それぞれの製造者によって分かれるところではないかと思います。
ここにこそ、「物を作るための誠実な態度」が本来現れるものだと思います。
ただ、決してそれが表立って分かることはありません。
それゆえ、表面的な良さだけを見せ、裏の部分に手を抜くことが行われていることもあるのです。
特に「大量生産品」にはそれが顕著に見られることがあり、さらには開き直って表に見える部分でもコスト削減の効果が分かることもあります。
当然ながら目に見える部分でさえ手間を省いているのですから隠れた場所はおのずと予想ができます。
このたびは、小さな製造業者である個人レベルがもっとも強味とできる部分、「必要であるべき所に手間をかける」ということの例として、「当て芯」の大切さをお伝えしたいと思います。
手間をかけることはとても大変な事ではあるのですが、それは、巡り巡って、「手間をかけることができる環境と事業形態にある」と考えると小規模な製造では有難いことだとも言えるのです。
大量生産ではそれをしたくても事業形態自体のバランスが崩れるがゆえになかなかできないのですから。。
このたびのバッグは「巻き寿司」、ぽかぽかするような暖色系の世界観がある生地
ベージュ系ということでジャガードとプリント柄を採用。
表地はここ最近めったに製作していなかった無地ライク。
ジャカード生地なので柄は入っていますが色が1色使いです。
そして裏地に色物の柄を使います。
マトラッセは、某ハイブランド様の象徴的なワードですのでイメージが湧きやすいですね。
市松柄みたいな柄の事です。
裏地のブッチャーは、お肉みたいということではなく、お肉屋さんの作業着(エプロンのこと)がこういった節の入った凹凸感ある生地だったことからのネーミングのよう。
表地のマトラッセも、裏地のブッチャーも凹凸感ある表面の織り方の生地で、とても美しいものです。
マトラッセの縦横に走る柄と小花プリントのブッチャー織の縦横に走る柄の相性はあると見て、一見不似合いな柄同士のコラボを実現させてみました。
ハード薄芯を貼る8箇所のご紹介、決して表からは分からないここでしか分からない隠れた場所の数々
では続いて、ハード厚芯を貼る箇所をご紹介します。
想像としては、大きなメインパーツに貼るのだろうと思われるかもしれません。
それはそれで正解です。
けれどもそれ以上に意外な小さなパーツにも貼っていることに驚かれるかと思います。
以上の8箇所をご紹介しました。これほど多くの箇所にハード薄芯を貼るのです。
1つ1つの積み重ねというものは、8箇所にもなれば、効果が大きく表れます。
パッと見るのは一瞬ですが、その時の印象を良くも悪くも決定付けるのも、この細かな隠れた場所の工夫が「パット見」を作ることにもなるかと。
あとがき
こういったことは、実際に作ってきた中で分かってきたことなので、本とか基本的な作り方レシピには書かれていない部分だと思います。
以前より細かいパーツも増えてきましたので、考えてみると意外に、細かいパーツにこそ貼っているというのが驚きでしょう。
お店での販売では決して見ることのないバッグの「裏側」。
ここに手間をかけることができるのかできないのかは、長持ちとかコスパのよい良質なお品になるかどうかに繋がります。
そして何よりも、「信用・信頼」を得るための大切なカギを握っているのではないかと信じてやみません。