まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
アパレル業界勤務において事務方は「原価表」を作成することがあります。
経理部とはまた違った、営業部署で「見積り」として初期に算出するものでした。
とにかく材料をすべて積み算することで原価を見積もることで、過去のデータも大いに活用しました。
その中で出てきた議論、「型紙は材料なのか」ということに対してなのですが、こう考えております↓。
「型紙は、1製品に必ず存在するもの、それなしでは製品を作ることができない。それなしでも製品を作ることができる「製品収納袋」が「消耗品費」という一般管理費の考え方に対しては、やはり「型紙」は「材料」なのではないか」という考え方を持っていました(20代の頃のお話)。
型紙はハサミや縫い針などの道具とは違うのだけれど、実際の製品にそのままの姿では登場しませんので特別な存在です。
こんな風に見解が分かれる型紙、ハンドメイドバッグにおいても大いに活躍しています。
その時に、バッグ専用として厚紙では作らず、お洋服と同じ、アパレル専用の型紙用紙を使用させていただいております。
このたびは、その型紙用紙がいかに効率的な寸法で示されているのかということと、その分かりやすさを大いに利用することの勧めを綴ってまいりたいと思います。
直線の多いバッグには向いている、1マスが5cm四方の型紙はオーソドックスなサイズ感に活かされる
「アパレル用型紙用紙」は、1マスが5cm四方。
10cm単位の単純なサイズで暗記できるほどの寸法の分かりやすさをいただけます。
そして、5cmの半分の2.5cmにも印が示され、2.5cmという数字もよく引用しています。
例えば、厚手の生地の三つ折りは、1cmずつだと縫い代が完全に隠しきれないことで、2.5cmの半分の1.25cmずつ折り曲げる三つ折りなどにも引用しています。
型紙は出来上がると、どのデザインのものかを示し、右下にシールを貼りながら、袋付きファイルへ収納。
表面には一度出来上がった完成品の写真を掲載し、イメージを分かりやすくします。
こんな風に収納して保管できるのも、用紙の適度な柔らかさのおかげです。
これでもかなりのアナログですが、生地で製造するものは今だに遥か昔と何ら変わっていないアナログな場面も多いのです。
何せミシンで手作業で縫っていくことこそハンドメイドなのですから。。
パッと見て見やすいとよく言われるグリーン色が線に使われているのが印象的。
この矢印の向きも非常に重要。
生地の地の目の縦向きにこの矢印を合わせて生地の縦横向きを型紙で把握しています。
この矢印もいろんな使い方があるので、商品自体の縦向きであったり、柄の方向だったりとバラエティに富んだ使い方ができると思います。
そして、このはっきりとした5cm四方のマス目。
ハンドメイドバッグも5cm単位での修正が多く見やすいです。
5cmくらいからの変更が目で見てすぐに変化が分かるサイズ感だと思います。
そして、さらにその半分の2.5cmに、ポッチが打たれています。
これも非常に使い勝手がよくて、きりの良い、22.5cmとか7.5cmなどで設定をして、鉛筆や定規を使わなくても良い型紙製作が可能です。
時に、多角形のデザインには、斜めにハサミを一度で印を目安にカットすれば、斜めの線であっても定規や鉛筆は不要です。
そして、カーブの時の円も、コンパスをこの用紙自体の目盛りに半径を合わせます。
サイズ変更などは、2.5cm単位で修正する方向にして、跡が残りやすく、記憶にも残りやすい修正をすることにしています。
よほどでなければ、ミリ単位などの調整はバッグにはそれほど無いです。
とはいえ、例外はあります。
細い紐用の共布パーツなどでは、ミリ単位で幅が違うと出来上りにも違和感が感じられ、1cm単位で区切ることをすることがありました。
用紙の幅に対する不満、以前あった細幅が廃版か!?、バッグの為の型紙用紙ではないと実感する場面
以前、この目盛りが入った型紙用紙の通常95cm巾の半分くらいの45cmというものをネットのお店で購入いたしました。
あれが、ハンドメイドバッグには非常に使いやすく、コンパクトサイズで良かったのですが、現在は見つけることが全くできていません。
こういった型紙は良くなかったという例としましては、厚みがある下のようなものです↓。
ところで、左のアパレル専用の紙質が中間的な柔らかさであることに理由があるよう。
布を裁断する際に融通が利くのがある程度柔らかさも求められるとのことからのものです。
あとがき
このタイプの型紙にしてから型紙製作にかかる時間が随分スピーディーになりましたし、綺麗に作れるようになったのが不思議。
型紙1つのことで、出来上がりにも影響していくことに驚きました。
それぐらい型紙が重要なアイテムであるということになります。
型紙に対して思うこと。
これ無しでは決して製品が出来上がることはないと考えると、目には映らないが、製品に溶け込むように存在している「デザイン」にイコールだという見方もできます(^-^)。