「やわらかデニム」にかけた5cmダイヤキルトの効果で分かったキルトをかける場合のデニムの種類の選択のコツ【1314】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

長い間お洋服においては、定番人気のデニムだったのですが、ここ近年ジーンズをアメカジさながらにはく文化が大きな流行の波の中では下火に。。

そして、デニムをドレスライクにはくようなワイドなスラックス寄りなデザインであったり、そもそもデニム自体の素材をお洋服のラインナップに取り込まないなどの変化が見られます。

とはいえ、デニムという素材自体は定番。

丈夫で親しみやすく何かの形で取り入れたいものです。

ワードローブに4点のデニムが現在有ります。

このたび素敵なデニム類の生地に出会いまして、キルト加工をして、より素材の表面の長持ちを実現していこうということをしてみました。

現在進行中のナップサック系のデザインにあてはめる5cmダイヤキルトのシート作りの場面です。

やわらかデニムという素敵なギャップを感じる素材の魅力

早速ながら、キルトをかける作業の一場面になります↓。

ダブルナップサック用の本体のパーツを裁断、接着芯貼り後、ハード薄芯を当てて、5cmのダイヤキルトを作図。

そうして、こんな風に待ち針を均等に内陸部にもちゃんと打ちます。

待ち針が均等に打たれている様子を裏側(実際の表面)から見るとこんな感じ。
左:ダイヤキルトをかけた状態。右:ダイヤキルトをかける前の状態。
<生地名:インディゴ>やわらかデニム、綿/100%、日本製。

そもそも、この「やわらかデニム」というネーミングがユニークで、本来のデニムのイメージを覆すギャップがあります。

デニムは硬くてごわついたものであるというイメージなところへ、これを見てそのイメージとは裏腹な柔らかさに驚かされるのです。

キルトをかけることで特に膨らむというところまでは行きませんが、ハード薄芯を当ててさらにステッチを均等にした効果は絶大。

パーツが一体化することで厚手のデニムに良い勝負を挑みます。

もとはやわらかいデニムなのでソフトなまま厚みが増すということになりますが、ハード薄芯の効果もあり、ハリコシも出るのです。

このデニムすごく魅力的で、まるでジーンズをはき続けたヴィンテージ感漂う表面の具合です。

デニムも新品の生地購入では、インディゴカラーと言えども濃紺であることが大半です。

今までセルヴィッチデニムでもウォッシュした状態の色落ちのある生地は見たことがありません。

そうするとこのはき古したような雰囲気はとても貴重です。

ただ、本格的なデニムではないことは仕方がないことです。

せっかくのデニムの綾の雰囲気を主役にするために工夫したのが、キルトの糸をなじむ糸で控え目カラーにしたこと。

うっすら影のようにしかキルトステッチの糸が映らないのは、デニム生地の綾織部分の方が勝っているからです。

キルトをかけることの効果:安定し丈夫になります。
損傷などもたやすくは受けにくいのがキルトの良い所です。

あとがき

セルヴィッチデニムなどの厚みもあり硬さもあるものにキルトをかけるのはあまり好みません。

いろんなバランスを考えると、セルヴィッチデニムはその生地1枚で十分な迫力が表現できますので、わざわざキルトをかけていかない方が良いと思うのです。

今回のような「デニムライク」の場合であると、その柔らかさからくる弱さをカバーするキルトの役割があるということになります。

そうして、ただ飾るだけではない、「機能」や「意味」を重視すると良いと思います。

そうすることによって生まれる効果が絶大であるなら、その作業は無駄ではない「どうしてもそうしなければならなかった理由」になって行き、「哲学が入ったお品」になってゆくのです(^-^)。

今までは床カーペット、お気に入りなら使用場所を変えて使い続ける、二つ折りで丈夫さを高めた十分な長さの薔薇柄キッチンマット【1196】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近特に、物を末永く使いたいという志向に自然に変わっていきました。

世の中で「SDGs」「サスティナブル」「エシカル」というワードが行き交い、言葉の一人歩きも多いです。

では、実際にはどんなことをしていけるのかを行動しながら照らし合わせ考えてみるということを意識。

日常で毎日使うような家電製品、インテリア小物などは、末永く使っていくことは、考えてみれば自然にずっと前からしてきたこと。

動かすものではなく、ずっとそこにあるものであることがそうなりやすかったのかもしれませんが。

かれこれ15年くらい使っている自作のピンクの薔薇柄のキルティングマットがありました(縦90cmx横170cmくらいの1枚)。

元は、以前の居住先でのキッチン部分の角のクセにも忠実に凸凹した端っこを再現しながらの1枚の自作マットでした。

そのマットを2022年2月頭の引っ越し時に継続して使用するために、凸凹をすべてそぎ落とし、細長く二つ折りにしてキッチンマットとして使用することに使い方を変えるというアレンジをしていたのです。

ただ、その後使用する内にずれて、内側が見えていることが気になってきました。

今までの状態:もともと15年間くらい、以前居住の1Kのキッチンにフローリングに敷いていた自作です。薔薇柄。

そして、このたび、二つ折りを完全な1点のキッチン専用へと特化する縫い留めをしました。

ただそれだけの単純なリフォームではあるのですが、キッチンマットもお台所の構造により長さが様々。

あれこれ見合うサイズを探すことに時間をかけるならば、自作という手がありまして、キルティング素材で申し分ない役割を果たしてくれるのだということも同時にお伝えできればと思います。

リフォーム方法はいたって単純、二つ折りにし、ステッチをなじむ糸の色でスタイリッシュな縫い目の見え方を意識しながら固定した

この二つ折りの端っこを縫い閉じてしまおうというのがこの度のリフォームになります。

「わ」の端のラインのコの字を縫うだけなので短い単純な作業です。

「わ」の端からスタート、元の三つ折りのステッチ線と先端のちょうど真ん中を目で見ながら縫い閉じ。

最初の案は、元あるステッチの上をなぞるように2つ目のステッチを入れるというやり方でしたが、やり始めて、途中で裏側を見てみるとステッチが汚くずれていたのです。

よって、それなら、新たなステッチ線を1本横に並べて追加していく方が綺麗にまとまると判断。

今一度やり直しをしまして、ステッチの位置をあえてずらす方法を採用。

こうして、2本線が入っている状態で仕上がります。このジャッジは成功だったと言えます。
玉結び・玉止めは、二つ折りの溝の中に綺麗に隠し込みます。キッチンマットはよく擦れる物品なのでマストで。
溝というのはここです。せっかくなので、糸をブチッと切らないこともすっきりしたインテリアへの工夫。
完成:インテリア環境の中でのこのたびのリフォーム後のキッチンマットの配置。長さが少し不足ですが。。

もう、最初の写真のような裏面が見えてくることがありません。

そのストレスの無さというのが1つ生まれた価値です。

そして、最初の元の三つ折りの上をなぞるステッチ位置ではなく、もっと端っこに寄った位置の、先端との真ん中をステッチしたことでしっかりと端が固定されました。

これが、やってみて分かった2つ目の価値で、やってみなければ分からなかったこと。

何か物を作る時に、しっかりさせたい場合に、「ステッチを1本増やす」というだけで、特に中身に硬い物を入れたりせずも、結果が見込めるということです。

上述のように、少し長さが不足の件は仕方がありません。

もともとこれだけの長さしかなかったのですから。。

ただ、もし1から自作で新調するならば、是非お勧めしたいのがたっぷりとした横幅を見積もることです。

端っこが足りないとお水が飛んだりしてストレスを感じますので、せっかくの自由な自作であれば十分なゆとりを見ることがメリットです。

あとがき

毎日のストレスはもわずかながら不健康、少しのことでも見直すことをお勧めしたいです。

自らの「心地」を大切にした一場面をお届けしましたわけですが、身近なことこそ大切に望ましい姿に配置できると良いと思います。

おうち生活が好きになるように、是非心地良いライフスタイルを貫いていってくださいませ(^-^)。

確かに美しい正ダイヤキルトなのだが、実は装飾目的じゃない、凹凸感のへこみの部分が接触を避け傷みから逃れる重要な役割【869】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在リュックを製作中でございまして、このたびは、全体の製作の中では最後の章のような「表地」の製作です。

表地は最初にキルトをかけ、キルトシートを製作するところから始めていくのです。

製作の順番が意外にも、内蔵巾着袋からスタート、裏地、表地というように表地が一番最後になるのです。

先に作っても保管になってしまうので、望ましい過程を工夫したところこんな順番になりました(^_^;)。

このたびは、表地にかける3cmの正ダイヤキルトについて深堀りしてお伝えしたいと思います。

キルトが「装飾」なのか「機能なのか」という以前のイメージがもしかして覆されるかもしれません。

装飾性に目が向きがちなキルトは丹念に仕立てた結果の美しさに過ぎない、外部とのまともな接触の回避の機能こそが真実の姿

まずは、キルトの中に挟み込む中綿とハード薄芯の様子をご紹介します。

中綿は、意外に薄め。5mmくらいはありますが、透けて向こう側が見えるほどの薄さ。これで良いのです。
前面から順番に、接着芯が貼ってある表地、中綿、ハード薄芯の順にサンドイッチします。3cmのダイヤキルト。
ダイヤキルトは、玉結び、玉止めを1ステッチずつ行います。ほつれ防止と丁寧なお仕立てを追求したものです。
キルトの構造:断面から見ると分かりやすいです。ステッチされたところはへこむこの構造こそが重要ポイント。
ダイヤキルト有り/無しの違い:かけた方が安定しますし、いかにも傷みにくい丈夫さも感じます。

まず、この左と右の見た感じの違いですが、全体に均一に散らばるような柄は、柄がつぶれるなどの悩みはないです。

ぱっと見は、華やかになった思われるかと思います。

ただ、その見栄えの装飾性の変化だけではないのです。

キルトをかけたことで、凹凸感が生まれ、この構造がリュックになって使用する中で、接触する面を少なくしているのです。

へこんだ部分は、触れにくくなっていますので、それが全体の構造であるとなおさら効果は大きいのです。

まとめますと、2つの影響で良質さが追求されまして、①ステッチの縫い付けによるしっかりさ、②出来上がった凹凸の構造は外傷から回避する働きです。

あとがき

このキルトは多くの方の記憶にあるハイブランド様のバッグが浮かんだと思います。

おそらくなのですが、某ハイブランド様もこの機能性を重視して、定番素材として長年バッグに引用されているのではないかと思うのです(想像に過ぎませんが)。

長く使う中での丈夫さをその時になってもいない今想像することの難しさ、そして同時に大切さが重要な学びです。

そういった製作は、ファスト的なその時だけ難なく通り過ぎ売れていけば良いという短期的な考え方と対極にあるものです。

この起こってもいないことを想像する製作は、この先もっと高めていきたい姿勢です(^-^)。

黒のパイルボア生地に馴染む黒糸でしっとりとかける3cm正ダイヤキルト、この手間が後に大きな価値となる地道な「今」の苦労【855】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

寒い季節には有難い「ボア」生地でリュックの製作をし始めました。

素材が「温かい」という機能を活かし、背中に温か味を感じるリュックになると想像しながら、しかもうっとりするような素敵さも表現できればと思っております。

モデルは、「餅巾着」という名前のリュック。

これは1日では到底完成できるようなものではなく日にちがかかります。

よってその段階ごとに見どころやポイントをご紹介しながら記事に綴ってまいりたいと思います。

このたびは、「表地へのキルトがけ」の過程であり、黒ボア生地に正ダイヤキルトを3cmでかけていく場面です。

やり方もご紹介しますので、当事業の「共有型のハンドメイドバッグ」の名の通り、共有していただき、「著作権フリー」のスタイルを大いにご利用いただければと思います。

3cm正ダイヤキルトの加工例、表地+接着芯+ソフト厚芯+ハード薄芯を同色ステッチで固定する構造の出来上がりの美しさ

では、まずは、キルトがけの準備段階からご覧いただくとしましょう。

4層構造のキルト地:①表地のボア②接着芯③ソフト厚芯④ハード薄芯の4シートがミルフィーユ状の構造です。

薄手の生地の場合は③ではなく比較的薄手の「中綿」がバランスが良くなると思います。

キルトの作図:丁寧に3cmダイヤキルトを作図。上部の端に直角2等辺三角形の底辺を引くことからのスタート。

最初の底辺の線は特に寸法の指定は無し、適度に縁に寄っていた方が固定されます。

そして、45度(バイヤス向き)に3cmずつ並行に横ずれしながら線を引いていくのです。

入り口フラップのキルトの下準備:ボンドは使わず、表地・接着芯・ソフト厚芯・ハード薄芯を待ち針。

細かいパーツなので、粗裁ちをして後でカットという方法が綺麗にできます。

入口フラップパーツのキルトの下準備:この待ち針はステッチの直前で外すので、このまま固定。

内陸部にも待ち針を打つことが「しわ」「ずれ」防止です。

入口フラップのキルト作図場面:スタート時点が肝心。キルトをできるだけ隅の方からかけてあげます。
待ち針する前に、ハード薄芯単独で作図のが正確にできるかもしれません。この時以降そうしています。
ミシンステッチの場面:端っこから順にミシンでステッチ。待ち針ステッチをかけた後で徐々に外します。

ずれ防止のために待ち針は「ステッチ前に外すことをしない」ということになります。

縫い代1.5cm内で最初と最後の端っこの返し縫いも1本ずつしています。

キルト完成(裏面):端っこはすべて玉結び・玉止めしてキルトがほつれないように留めています。

本体の方だけですが、ダイヤキルトを柄とみなして、2枚の本体パーツが作図の時点で出来上がりに対象に柄が出ることを想定してみました。

。。ということは、全く同じ向きで同じ位置に作図ということではないということになります。

ただ、これも「だいたい」のアバウトなことであり、縫い合わせた結果柄が繋がるところまではやっていません。

そのためには、ものすごく余分な生地が必要だからです。

そう考えますと、いずれ、この「ハギ合わせ」デザインを、ハギ目の柄に影響がない、「丸底タイプ」にモデルチェンジした方が良いのではないかと気づき始めます。

キルト完成(表面):非常に美しい3cm正ダイヤキルトの完成です。うっとりと眺めてしまうほど美しいです。

キルトの効果としては、1)丈夫にする(機能の面)・2)華やかにする(デザインの面) と2点が特に感じるところでした。

あとがき

時間や手間が多くかかりますが、「内陸部にも待ち針をきちんと打つ」というポイントをちゃんと実行すれば、困難や難関は特にありません。

出来上がりの驚くほどの美しさにおそらく感動されると思います。

この「キルト仕様」はその他の製作にも落とし込める部分がありまして、ハンドメイドバッグの「価値」を高める1つの仕様になると思います。

じっくりと丁寧に作られていないものは安いお値段しかつかないし、その手抜きがユーザー様に見抜かれるとこの時に思ったのです。