イタリア製には付いていないことが多いワンピースの背の「スプリングホック」、髪の毛に引っかかるデメリットがあるのに本当に必要なのか【181】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ヴィンテージワンピースがとても好きなのですが、ワンピースには決まって付いているものがあります。

それは、スプリングホック。首の後ろにちょこんと1セット付いています。

スカートにも付いています。フレアースカートなどの脇ですね。

しかしながら、私は、購入後手元に届いた瞬間、最初にすること、それはスプリングホックを外す作業なのです。

それには理由があります。

今回は、ワンピースやスカートに付いているスプリングホックの必要性について考えてみたいと思います。

ワンピースやスカートのスプリングホックを着用前に外してしまう理由

ワンピースから着用前に取り外したスプリングホック・・・これまで幾度もこのことを繰り返してきました。

さて、なぜ早々と着用もせずしてスプリングホックを外すのかをお伝えしたいと思います。

スプリングホックは、ワンピースでいうと、ちょうど首の付け根周辺に位置し、その位置が髪の毛に触れると髪の毛が引っ掛かるのです。

その不快感といったらこの上ないものです。

そういった不快な感触が忘れられずに嫌な記憶として残ります。

スカートのスプリングホックも同じようなことが起きました。

スプリングホックがインナーレースに絡む時があったのです。

そもそもスプリングホックの役割というものは、付けることによってメリットをもたらすから付けられているはずなのですが。。

このメリットが本当にあるのかをしっかり考えてみたいと思います。

スプリングホックは本来「留め具」としての役割であるはずです。

しかしながら、なかなかスプリングホック=留め具の名目上の役割ばかりが謳ってあるわけで、実際のところはどうなのでしょうか。

スプリングホックはコンシールファスナーとセットで取り付けられることが多いです。

体のさまざまな動きによりファスナーが開いたり、引っ張られたりした圧力がかからないように固定してくれているのがスプリングホック。

ただ、私の場合こういったことがあまり起こっていないためか、必要性を感じていないということが今まででした。

しかし、細かい洋服のラインを見てみますと、スプリングホックを取り付けてあると、安定してスカートやワンピースがファスナー部分でVの字に開かずにクローズされたラインになり、体に密着できるような美しい線を作ってくれる役割も果たしてくれているようだと気づきました。

ヨーロッパの商品には、スプリングホックはほとんど使われていない

私は、よく「エンポリオアルマーニ(イタリア製)」とか、最近では、「ESCADA:エスカーダ(ドイツ製)」の古着をよく見つけます。

2ブランドともヨーロッパ製ですが、スカートやワンピースにスプリングホックが使われていないです。

ワンピースやスカートのスプリングホックは本当に必要なのか
エスカーダのウール混マーメイドタイトスカート(黒)。

このエスカーダのスカートの場合は、代わりにボタンとタブでホックのような機能の附属が付けてありましたが、これは外すことはないにしても、やはり使っていません。

何かヨーロッパの文化なのでしょうか。。

読んだ本の中にファッション史的な部分があって、かなり昔にブローチみたいに衣服を留める役割の装飾性のあるアクセサリーが紹介されていたことを記憶しています。

古代は布を纏うだけの簡易な洋服ですので、余計な布の余り部分を留め具によって留める必要があったのですね。

よってファスナーが無い時代には間違いなくその留め具的な機能のニーズに対応する留め具が活躍したということです。

スプリングホックが必須アイテムであるブラジャーにたくさん付いていた!

スプリングホックが必要のないものであるとの断定はまだできかねる中、あることに気づきました。

スプリングホックが絶対に必要なアイテムを持っていたのです。ブラジャーです。

ワンピースやスカートのスプリングホックは本当に必要なのか
黒色のブラジャーのホック部分:「DHC」様。こんなに多くのスプリングホックが配置されていました。

あった、あったんです。ブラジャーには必ず必要ですよね。

ということは、スカートやワンピースのスプリングホックもこんな気持ちで必要とされることを想定したものであるのです。

本来の留め具というあっさりとした一言の名目ではなく、もっと裏事情を探ってみました。

ネットの悩みのコーナーのようなサイトの一部を拝見しました。

ウエストがきついけどどうしてもはきたいスカートがあったようです。

ホックの位置をずらして、ゆとりあるウエストにしてはけるウエストにするところに、縁の下の力持ちほホックに働いてもらうという裏ワザがあるようなお話でした。

なるほど。必要である人にとっては、この小さな針金みたいなパーツこそが大切な留め具なのです。

あとがき

今回は、スプリングホックの必要性について、不必要派の私が、一度フラットになって考えてみました。

スプリングホック自体は必要な場合があり、ブラジャーやコルセット(たまに医療用でしている人がいらっしゃるようです)などには複数の設置によって強度を高めるなどマストアイテムだと言えます。

あの小さなスプリングホックが体を支えたり、縁の下の力持ちともいうべき機能を果たしているアイテムであることは間違いないようです。

ですから、スカートやワンピースにも必要な人がいらっしゃることを認識していたいと思います。

では、最後に、スカートやワンピースのスプリングホックを使用しない私が得た、スプリングホックの必要性のまとめです。

<スプリングホックの必要性>・・・必要ない派であった者の新たな見つめ直し

・コンビで設置のコンシールファスナーがずり落ちないための心理面の安心を得るため。

・ファスナーの空き部分をVの字にならないようスプリングホックで固定して美しいラインを作ってくれる。

・医療用コルセットやブラジャーには欠かせないほどの機能である。

・サイズの合わないウエストのスカートをはく時などに工夫次第ではけるようになる裏技に使われる道具のとしての機能。

とこんな感じの新たな認識を持ちました。

スプリングホックは「必要である場合も大いにある」と締めくくりたいと思います。

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