ミリタリーテイストの生地をエレガントに演出、マルチチェック柄を左右対称に映るように配したエコバッグがメインバッグに近づいた【1407】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「切餅」と言う名のエコバッグが完成しました。

以前の【1404】では、こんな風に支柱全体を表地の配色生地としてコントラストを利かせいきました↓。

左右が比較的対象に実現できた方を前面、1つ仲間外れの柄が合わないパーツ含む後ろ面でも極力合わせました。

こちらが、このたび一重仕立てのエコバッグになって完成したのです。

改めて、美しいマルチカラーのビッグチェックがちゃんと配されたのかどうかをチェックしながら、今後への見直しの点と共にこの製作を終えました。

ミリタリーなイメージの破壊、リップクロスをエレガントに仕立てた優しいマルチカラーチェック生地を配したエコバッグ

「切餅」:紙袋型のエコバッグ。<サイズ>縦36cmx横36cmxマチ17cm。

そもそもこのサイズ感どうでしょうか。

正方形になってしまっているところに少し引っ掛かりがあります。

今後、目に見えて劇的な変化ではないにしろ、5cm縦を長くすることをしたいと思ったのが最初の印象です。

これまでは、少し縦の方が長かったのにこのたび同じになった理由は、サイドに1cmずつ寸法を増やした型紙に変更したからです。

そのことによって、本来望ましいマチのピッタリ具合になったので、これで縫い代とマチの関係は正解ではあるのですが、今度はその分の横の広がりによって縦長から正方形に近づいてしまったのです。

もっと美しくなるべきだった底ベルト、すべて配色生地であるべき。今後は上下の2本の底ベルトも配色布に徹底。

このたび、調達していました配色生地の大格子が110cm巾で30cmがぎりぎりであり、底ベルトの分がとれなかったので、表地でやりましたが結果は平凡でした。

底ベルトと支柱が十文字に交わる美しさが見られないことがこれほどにも残念であるということをこの選択で知ったのです。

これも貴重な感覚、今後は是非配色で設置するようにと固い決意が生まれました。

内部のマチのラッピングの左右が対称:内側だったのですが、生地がうまく取れまして左右対称にできました◎。

内部でも美しく仕上げることができるならその機会を逃したくないという気持ちが功を奏します。

大変美しいラッピングに出来上がりました。

取っ手の前後の柄のそろい:一繋ぎがマストである取っ手は左右は揃いませんが前後をそろえました◎。
もう片方も違う柄が出ていますが、前後は揃って目に映るように配置できました◎。
タブの左右対称の前面だけの実現:後ろ面はあまり揃いませんでしたが、こちらはそこそこそろいました。

タブの部分も実は視線が行く場所でありますので、残ったわずかな残布の中でも柄が出来るだけ対称になるように意識。

それでも反対側は揃いませんでしたので、可能な限りを尽くしたに過ぎませんが。。

柄のそろえ方はこの辺りで以上ですが、全体的には柄合わせは大枠できたかと。

底ベルトの件も含めますと、110cm巾で30cm調達は不足であり、40cm-50cmであれば、柄合わせももっと合わせることができて、整然としたバッグへと高めることが見込めます。

次回にまたご期待くださいませ、このベースのリップクロスはまだ在庫があります。

ここまでたためますが、お勧めとしては、1つ前の段階でゆったりと畳んだ方が無理がないかと。。

あとがき

たくさん製作するたびに高まるノウハウ、picturesque(ピクチャレスク)が作るバッグの特徴がだんだん色濃く表れてきました。

それは、別事業の「レンタルジュエリー」と共通する点、「コーデされたバッグ」ということです。

ここに行き着くまでに随分長い年月を要しましたが、これが心から納得する姿です。

「ハンドメイドバッグ道」の最初の頃の2007年では全く見えなかったことでした。

まずこれが分かったことが大変な幸運であると思います。

今後まっすぐに胸を張って活動して行けるとそう思った頃から、アイデアが以前よりも湧き出てくるような気がしています(^-^)。

四つ角が余分であることを四角カバーの折れが実証、無駄のない八角形へ変更したバッグの底板カバー【1383】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2018年頃ですが、今からおよそ5年前に底板にカバーを作って、「くるみ底板」と称した底板製作をしておりました。

その時にハイブランドバッグのサブバッグの沈むような底部分の解消に、メインバッグとしても十分持てるような丈夫な底板を追加するということを自前の持ち物でもやっていました。

それがこの2点の底板になります↓。

2点の底板。内蔵の「ベルポーレン」という折れないプラスチックが角丸にカットして入っています。

長方形の四角いバッグの底なのだからと長方形で作ったわけですが、よく見ていただきたい。

左下のカーキグリーンの方の角が折れていますね。

こちらの写真だとカーキグリーンの右上、左下が折れています。

もう一方の黒のボーダー生地に関しては、折り目が付きにくい生地ですから一度折れても戻っている様子です。

このことから何が言えるのか、この実態が何を教えてくれるのかを感じ取りました。

その後、余計な縁の四つ角は最初から無しにする案が浮かびます。

そうして、現在5年後においては、四角い底用の底板カバーを作る際には決まって8角形モデルで作ることにしております。

こうした細かな内部の事を忘れていたこの頃だったのですが、年末のバッグの整理整頓でこのことを思い出します。

そして、このたび8角形になったデザインへ2点の底板カバーを作り直す作業を致しました。

元の生地を残すから短い時間でコスパ良く完了する「仕立て直し」

作り直しですのでいったんすべて解体しますが、一から作る時との違いは生地がそのまま再利用できること、手間が最低限で出来ることがコスパでありメリットです。

解体場面:一度解体。接着芯を貼ってきちんと作ろうとはしていたようです。

しかし、どことなく当時の作りの粗さが目立ちます。

5年も経過すると随分と作り方にも発展があることを改めて感じ己をねぎらいます。

そして、糸くずを取り払い、まずはまっすぐにアイロンをかけ直し。

そして、角をカットする作業をします。

ここでお伝えしたいのが、一から丸ごと8角形の型紙を作る必要がないということ。

角の部分だけの型紙を当ててカットする方法があるのです。

角部分だけの型紙の考案

このことはいろんなケースに応用・引用できますので是非。

5cm四方の型紙用紙の中心に向かって1か所だけ折ります。そして、三角部分をカットした小さなパーツを用意。
出来上がりの角:裁断の時に三角のパーツを角に当てカットして再び作り直したもの。

2枚仕立てのひっくり返しをせず、角を綺麗に出すために外表のまま1cmの縫い代で折り込み互いに縫い合わせる方法です。

待ち針をし、角をピッタリ重ね合わせながら、最後に端から2-3mm程度をステッチして完了です。

底板を入れるタイミングは、最後の長い直線を縫う際に入れれば十分です。

最初から入れても縫いにくくずれやすいので労力が無駄になってしまいます。

最後のラインのところの始め辺りのタイミングで少し折り曲げながら入れるとやりやすいです。

折り曲がって跡が付くことはございませんので大丈夫、そこがベルポーレンの良さです。

この削られた角が実際にバッグの底にフィットしやすいのです。

あとがき

ハイブランドのヴィンテージバッグの中でサブバッグ的なものを気軽に日常使いのメインバッグに出来ることがあります。

その際に、足りない部分がどうしても底の強度です。

これさえカバーできれば、ヴィンテージ小物が1つ増えてワードローブが潤います。

そのためには使いやすく現実的なバッグであってほしいです。

元はぜいたく品のお買い物の時だけに登場するというイメージだったから底板など入っていないのだと思われます。

実際には、素材の良さや素敵なデザインはサブバッグの領域をやすやすと越えています。

上手く活かせると古い品物の出番も多くなり、新しいものがそれほど必要なくなります。

新しいものを作る技術があるのならば、おのずと古い物を仕立て直す技術も生まれます。

こんな文化が是非とも広がれば良いと思っております(^-^)。

カーテン地のはぎれ売りで購入のお得なペールピンク生地におしゃれな花柄生地を配して製作のエコバッグのエコノミーな原価【1047】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

幅が広くてお得なカーテン地。

インテリア性も高く素敵なジャガード柄が豊富です。

ただ、欠点もありその織り糸がほつれやすいという点です。

まさにそんな欠点を持ち備えたカーテン地で作ったこの度のエコバッグ「切餅」。

せっかくのお得にゲットできたピンクのカーテン地です、欠点を吹き飛ばし、うんとおしゃれに作ってやろうと意気込みます。

この記事では、主に原価の部分にスポットを当てます。

最後の方に貼りますYouTube内では後半に当たる部分が原価のお話です。

前半の三つ折り対策や配色生地の選択のエピソードなどと一緒に1つの動画になっています。

では、このような作りにくかったカーテン地でしたが、思いのほか素敵に出来上がりましたので是非ご一読どうぞ。

ペールカラーのくすみピンクに配した小豆カラーベースの花柄の支柱ベルトが素敵なコントラストとして映えた

「切餅」:<サイズ>縦36cmx横34cmxマチ18cm。配色生地が程良きコントラストに。。

支柱などのパーツを別生地にしています。

このペールカラーと呼ばれるくすみピンクが非常に難しかった。

なかなかこの茶色寄りのような暗い色のピンクに合う配色生地が見つからなかったのです。

まだ無地よりも花柄の方が見つけやすいかとベースのピンク色がマッチする柄物で探しました。

そうして、「もうこれしかない」とやっと見つけたのが、あずき色ベースの花柄。

<表地>カーテン地、ポリエステル/100%、日本製。<配色>80ローンプリント、綿/100%、日本製。
このデザインの仕様としては接着芯は使わないのですが、配色の花柄生地が薄手なのでバランスを取ります。

ローンは随分薄手だと感じます、この配色花柄生地にのみ接着芯を貼って製作したのでした。

途中の三つ折りは何しろ肉厚の生地なので困難を極めました。

しかし、ほつれやすいカーテン地の場合は、三つ折りで完全に密閉した方が良いと思うのです。

よって、今後は内部の一部をハサミでカットして薄くする工夫と縫い代を1.25cmずつの三つ折りに無理のない分量取るということで解決していこうかと。。

150cm幅1.6mで¥260で購入のお得なカーテン地はぎれをメインに制作のエコバッグの原価に驚き

原価は¥344と出ました、かなりお得に作れたと思います。

①の「表地」については、1.6mで¥260だったので、0.5m使用ではいくら?という割合の考え方で式を作り¥82と出ました。

②の「別布」については、1m辺り¥398(税込)生地で、購入して使って何も残らなかったので、購入の時のレシートに等しい¥398x0.35m=¥140で良いです。

この¥140という値は0.35m分であり、①のカーテン地が0.5m分で¥82なのだから、いかに①のカーテン地がお得であったかが分かります。

③の「接着芯」については、今回はこのデザインでは特別に使用したので、通常よりこの部分がUPします。

もともと1反まるっと50m巻の新品で購入していた接着芯のニット。

その時の送料の¥1,000以上ものコストも取得原価に含めた上での¥3,025というのが50m巻の価格。

よって¥3,025÷50m=¥61というのが1m辺りの接着芯のお値段。

かなりお得に仕入れております。

そして、そこへ接着芯の横幅は無視して、貼る生地に合わせた用尺のままでざっくりと算出。

別布の0.35mにだけ貼りましたので、¥61x0.35m=¥22と出ました。

④の「糸」に関しては、常に一律¥100で加算。

よほどたくさんキルトに糸を使用したという時でも¥100周辺なので、平均で¥100と入れています。

ただ、ちゃんと細かくご説明しますと、だいたい1製品に200m使用を平均としました。

そして、購入の糸のコーンで最初割り出します。

糸は簡単に1コーン使い切らないので、前期からの継続の在庫がある中で、今期新しく仕入れた糸が加わり、その変遷がやや複雑。

よって、棚卸資産表の値を使います。

前期末の在庫と今期に仕入れた分を足した合計から引用の、¥46,409÷130本=¥357と出ます。

1本の糸はだいたい2,000m巻であることが多く、それ以上の巻きもそれ以下の途中の使用品を購入した分もあり平均的に2,000mを購入したとしています。

そうすると、1本(2,000m)で¥357だということなので、¥357÷2,000m=¥0.18と出ます。

このわずかな¥0.18というのは1m当たりのお値段です。想像しにくいです。

そこへ、使用した200mを掛け、¥0.18x200m=¥36と出ました。

このバッグに糸を¥36分使用したのです。

しかし、これもだいたいであり、結局はどのバッグも¥100以内の範囲内なのでざっくり¥100として固定してしまっているのです。

原価¥344のエコバッグをどんな価格で販売したらよいのか

付加価値の付け方は自由です。

ただ、今まで私も多くのバッグを販売してきまして、この「エコバッグ」という種類の袋物が果たして¥10,000以上の価値を理解してもらえるのか。。ということ。

答えは、「NO」、エコバッグはお得感のあるお値段でこそ購入の価値があると言えるので、¥10,000以上もすれば、まずは購入には踏み切ってもらえないでしょう。

どんなハイブランドのエコバッグであっても、メインバッグのお値段を超えることはなく安くなっています。

こういったものは、あまり儲けを気にしても、たくさん売ったところで大きな儲けとはならないのです。

よって「作らない」という選択をする製造者様もいらっしゃると思いますが、反対に「作りの良いエコバッグ」という切り口から、「良質な物を作るご提案」をしたいのです。

そこに儲けはもはや関係がないとも言えます。

ネット販売だと通常¥2,200にしていますが、生地によっては、メインバッグみたいに使えるので、そうした理解が得られると通用します。

まずは、高額にも匹敵するような優れたお品を作ること、これに尽きます。

あとがき

安く売るから悪いお品物で良いという考え方は一番してはいけないこと、その場限りの考え方しかしていないからです。

今思うことは、ハンドメイドバッグも一人の活動では限界があるので、多くの同じミシン作業をする者が情報を共有し合い、自国の良き文化になるような活動としていく方が意味があるということです。

その中に製造と販売活動があるというようなことで、大きな目的がないと、儲け主義の悪い品物を量産することになってしまうことが一番良くないと思っております。

その辺りは、本当の意味でプライドを持って活動しているのかどうかを今一度徹底することが大切だと思います。

次の作業段階に影響のないように薄くしておく工夫、ステッチ巾2.5cmの片面1枚を縦半分を切り落として行う三つ折りステッチの目を見張るような効果【845】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作においての限界は「厚み」だと思っております。

かなり厚手の生地にもすんなり対応できる「職業用ミシン」に慣れて約15年。

では職業用ミシンが最強かというと、厚みに関しては限界があります。

なぜなら、バッグは決まって三つ折りが登場し、さらに三つ折り同士が重なって厚みが増すことになりやすいからです。

これまでは、8号帆布、ゴブラン、セルヴィッチ25オンスデニムにわたって厚みの生地を職業ミシンで縫ってきた経験があります。

これらの生地は、裏地とのコンビでもある限られたデザインでなければ、針の16番や糸の30番でも追いつかないことがあります。

そんな際には、一重仕立てのデザインということも厚手生地をうまく活用するコツになります。

ただ、そうはいっても、一重仕立てにしても更に別の悩みが出てくるのです。

それは縫い代の始末です。

トートバッグを裏地付きで作ることは一見手間がかかるようですが、厚みの生地としては、縫い代が裏地との重なりで隠れるので両割りするだけで隠れてくれるので解決です。

今回製作しているのは、一重仕立てのエコバッグ。

エコバッグも必要な時にだけ取り出したいために重さの軽減やたためる薄さも追求しています。

そうしますと、そこそこ肉厚な「カーテン地」などは縫い代始末の際の三つ折りが困難を極めます。

その対策をしたのがこの度です。

厚み生地のお取り扱いの際には、是非お役立て下さいませ。

縫い代を二重のまま三つ折りが困難、片方を半分ハサミでカットして三つ折りする劇的な効果

サイドの縫い代は2.5cmで地縫いステッチ二重。三つ折りの上(内側)の1枚を7mm程度残してカット。
次に、アイロンで三つ折りするとカットしないよりもはるかに三つ折りがしやすくなりました。

当然ながら、三つ折りの厚みも一部そぎ落とされ薄くなりました。

三つ折りしてステッチしたものが下側の1本のステッチ。上に出ている二重線は地縫いの時のもの。

この、地縫い線が見えてしまうことの解消は、また別の機会に工夫していまして、ここでは見えるやり方をしています。

こうした時にど真ん中にに地縫いのステッチが位置すると三つ折りが正確な分量でできた証となります。
この三つ折りの時にカットした効果は、次の入り口1周の三つ折りが綺麗にできることで表れます。

厚みがあり過ぎると三つ折りステッチもぐちゃぐちゃになります。

よくジーンズの裾上げで折り伏せ縫いしてある硬い部分を三つ折りせねばならないのですが、あれを綺麗にできることが裾上げ担当者の技術です。

ジーンズは何とも仕方がないのですが、その時に金づちでたたくことをしてペタンコにしているので、考え方としては似ています。

つまり、「厚みを解消している」ところが共通です。

厚みある生地にとって、三つ折りは非常にやっかいな障害物なのです。

ということで、一重仕立てこそ裏地付きよりも工夫せねばならないことも出てくるのです。

内側といっても表なのだという厳しい見方になるからです。

あとがき

二重仕立てではなかなかミシンが追い付かないゴブラン生地、ヘビーデニムなどは、その縫い代始末に悩みます。

せっかくのレア生地であるならきちんと美しく作りたいもの。

この度のカーテン地はほつれやすいところも欠点で、いろんなデメリットが集まった生地であったことで、カットした効果が出やすかったと言えます。

視界からは遠い内側も美しく仕立てるという「姿勢」は、きっと誰かがどこかで見ている、そんな気がしてならないのです。

自分でアウトプットしておきながら3箇所仕様を間違えた久しぶりに製作のハンドメイドバッグデザイン【1325】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近ずっとナップサック型を製作してまいりましたが、数か月ぶりに「切餅:きりもち」というエコバッグ型にいってみました。

というのも、このデザインは1枚仕立てで表地1種のみで作るので、1種の生地で生地幅が幅なり1m必要です。

そこそこパーツの数が多いのです。

どこの場所にというのは、なんといっても支柱や取っ手、そして底ベルトです。

隠れた内側部分では底のラッピング布と左右のマチのラッピング布です。

一重仕立ては縫い代を美しく隠す工夫が必要で、高級な作りとなるとロック始末よりもラッピングになります。

なかなか良い仕立てのジャケットやコートのハギ目に両端ラッピングで縫い代を始末してあるタイプをご覧になったことがあるかもしれません。

ああいった作業は高級感の証(あかし)と言えます。

さて、この用尺1mかかるデザインを生地ストックの中、「ちりめん」が使えそうだと取り出してみました。

黄色がかったクリームベージュ色の無地のちりめんは凹凸感があって高級感が高まります。

久しぶりに製作したためか、作り方を間違えてしまった3箇所、その間違いが一応出来上がったにもかかわらずダメな理由

久しぶりだったのもあり、結構ポイントを自分が忘れていました(^_^;)。

そして、3箇所も仕様を間違えて作ってしまったのでした。

一見問題ないようですが、その作り方に込めた意味があるのでやはりミスになります。

では、その理由を解説してまいります。

切餅(エコバッグ):<表地:ベージュ>ちりめん、ポリエステル/100%、日本製。
<サイズ>縦37cmx横36cmx18cm。

大きめの箱も入る程のたっぷりとした容量が誇れる点です。

取っ手もたっぷりとした長さがあるので、少し箱がはみ出しても大丈夫。

現実的な買い物シーンではこうしてはみ出すことも多いです。

<間違い①>底ベルトの順番を支柱よりも後にしてしまったこと。本来は先です。

早速なのですが、この肝心な底ベルトの順番を間違えました。

先に底ベルトを縫い付け、後から支柱が縦に縫い付けられるのが正解です。

それには理由があり、まずは中に入ったものを底ベルトで底板のような役割で支えるのが第一。

そして、さらならるパワーとして縦の支柱を両サイドから全体を持ち上げるという意味です。

その意味を考えると製作してしまった順番は矛盾が起こっているのです。

ただ、このお話をしなければ気づかないことかもしれないですが、私としては、意味をこめていますので、非常に違和感があり「間違えた」と思えます。

自分で考えながらも自分が間違えるというこの何とも言えないミスです(^_^;)。

<間違い②>両サイドの2.5cmの縫い代の三つ折りの一番上の方。
三つ折りする手前で生地を薄くする為に内側に隠れる1枚を斜めにカットするのを忘れた。

この時は忘れても何ら問題がないように感じますが、その後のトップの三つ折りの時にごわついてしまうので、先に作業のサイドの三つ折り時点で薄くすいておかねばならなかったのです。

それを忘れ、あとで応急処置的にトップの三つ折りの直前に三つ折り部分のサイドごと隠れる部分を斜めにカットしたことは、結局効果が薄くごわついたままだったのです。

そうした結果、トップの三つ折りのステッチはこのごわついた箇所でゆがんでいました。

この歪みが起こらないようにと工夫した少し手前の段階のサイドの斜めカットだったのに、すっかり忘れていたのです。

<間違い③>そもそもトップの三つ折りは、1.5cmの巾の三つ折りが正解。
にもかかわらず、サイドと同じ1.25cmずつでやってしまった。

1.5cmを1.25cmで三つ折りしてしまったその差0.25cmの差が意外と大きいのです。

その影響は取っ手の付け位置との距離が増えトップのラインがややたれ気味に。。

今回仕様のちりめん生地の重くタランとなるという性質には打撃のミスです。

もう1つはバッグの入り口らしく幅をもっととったそれでいてすっきりとした1.5cmの三つ折りは私の判断ではベストな入口の様子なのです。

まるで、建築でいうところの「門:もん」のようなイメージですかね。

ということで、3箇所も自分で考えた仕様を間違えるというハプニングを伴った出来上がりだったのでした(^_^;)。

Q:たためるエコバッグがメインバッグになりうるのか、A:生地によってはなりうる

たためるとはいってもそんなに小さくはなりません。これで縦21cmx横12cmx厚み5cmです。

それだけ頑丈な作りを追求していると思っていただいたら良いです。

じゃあメインバッグになるのかということなのですが、とてもならないと感じています。

何も入れていない時にもちゃんと形がキープされていなければいけないと思いますので、それを考えると今回のちりめんで作ったこちらはあくまでサブ的な役割です。

ただ、この発展バージョンとして、ゴブラン織でやってみたり、デニムや帆布など硬いしっかりとした厚手生地はメインバッグになる可能性があります。

その代わりこのちりめんよりももっとたたんだ状態がごわつきます。

もう少し切り口を変えて考えてみましょう。

先程例に挙げましたゴブラン織などは、裏地と組み合わせたような重なりの多いバッグは職業用ミシンでも困難な箇所が出てきます。

そうすると、一重仕立てで作ることの意味が出てきます。

重なりを避けたいから一重仕立てで作るという理由です。

それでも1枚だけでもごわついたしっかりした生地なのですからメインバッグの役割も果たしてくれそうです。

こんな風に、重なる作業ではお手上げの生地を是非一重仕立てのバッグに当てはめて採用してみて下さいませ。

敬遠されがちな厚手生地も出番があるのは一重仕立てにおいてこその舞台なのかもしれません。

あとがき

何ともお恥ずかしながら、自ら考案した仕様にもかかわらず、久しぶりに作ると忘れてしまって3箇所も間違えてしまったというこの度の製作でした(^_^;)。

そこで思ったのは、やはり私はたまたま考案した役割を担っただけであって、自らもその仕様の記録をしっかり見直してその通りに作る何ら第3者なのだという感覚です。

デザインは私のものではない、みんなにアウトプットし、広める、「共有型」のものなのだと改めてそう思ったこのたびの製作でした(^-^)。

カーキグリーン色のバッグを見て「ミリタリー系だ」という固定観念を覆したい、この色のもう1つのエレガントな側面の発見【1211】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

早速ながら、2023年の目標の1つ、メンズテイストでのハンドメイドバッグの製作を始めました。

まずは、同時に制作していきたい、「デジタルコンテンツ」の該当デザインでもある「切餅:きりもち」をメンズライクな生地で作ってみました。

今までの切餅は、たためることを重視して、柔らかめの生地が多かった、それがエコバッグらしさでした。

この度の生地は、たたむことも一応できますが、メインバッグにもなる可能性へと一歩を踏み出すような生地となります。

中に何も入れていなくても空間がキープされるような密に織られた硬い生地。

こうして、ユーザー様・製作者様共に引用し易い優れたデザインを目指していく活動に今後なっていきます。

では、この度のオリーブグリーンで出来上がったエコバッグをどうぞご覧下さいませ。

製作者側「どんな生地でも自由に選べる製作」・ユーザー側「好みの素材で作ってもらえる」という両方の立場の価値の追求の同時実現

1つ前の記事番号の【1210】では、生地幅がシングルのような狭い種類にもオールマイティーに対応できるような、ハギ目の入った長い支柱ベルトの仕様に変更しています。

その変更を取り入れた新たな製作で完成したこのたびの出来上がりは非常に重要な分岐点。

後に、デジタルコンテンツにまとめる時もこの新しい方の仕様でコンテンツを作ることができます。

急いでコンテンツ作りをしていたらこの変更を提示できなかったかと思いますと、まだまだ完成型ではなかったのです。

無下に急ぐもんじゃない、中途半端な状態で販売しなくて本当に良かったと胸を撫で下ろしております。

<サイズ>縦38cmx横36cmxマチ18cm。ハギ目を隠すカバーがワンポイントのようなデザイン性へ。
<使用生地:カーキグリーン>リップクロス、綿/100%、日本製。

中に何も入れていないけど浮いていますことは、生地のハリコシが現れていると言えます。

仕様変更の箇所:タブがアクセントになってデザイン性が生まれました。ハギ目はタブの下に綺麗に隠れます。
底面:底面は今まで通り、「底ベルト」が丈夫く取り付けてあります。おそらくこのような底のバッグはレア。

折りたためるサブバッグ使いや、引き出しの中にも収納可能なタイプであることも重視。

よって、底板は入れていません。

その代わり、持ち上げる役割の支柱を縦に、そして、底ベルトの横向きは不足の底面の強度を高めるために、と底板のような役割りをこの面の中に均等に実現しようとしたのです。

こうして見たときに、横向きのベルト2本がもう少し離れて、マチのど真ん中を貫くようにした方がバランスが良いと見ました。

そのことを考えずに、うっかり縫い代込みの状態の真ん中でやってしまっていたのです。

この改良点は美しく映るための重要な空間部分ですので、必ず修正していきたいと思います。

あとがき

このデザインは、どんな生地幅にも対応できること、そして支柱ベルト・底ベルトを別布にすることで、どんな厚みの生地にも対応というポテンシャルが生まれたのです。

ゴブラン織りなどの分厚い生地は、裏地を付けたタイプだと重なって縫えない事態があるので、そんな時の出番として一重仕立てが有効なのかもしれません。

ただ、ゴブランそのものでベルトは難しい、コントラストを利かせたおしゃれ度を高めながら別布で対応するバイカラーの組み合わせがイメージできます。

その結果、エコバッグがサブバッグの領域を超え、メインになるかもしれないのです(^-^)。

一重仕立てのバッグに重いボトルの洗剤も入れられるフィードバックあり、補強サポート役の底ベルトの大きな働きを見た【814】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「切餅:きりもち」という四角いエコバッグを考案し、様々な生地で製作しています。

このたびは、比較的薄手の生地でありながら、底ベルトの機能の徹底によりどこまでの丈夫なバッグに仕上がっているのかのフィードバックをいただきましたので、底の部分を眺めながらその重要な役割をご紹介したいと思います。

底ベルトの位置を出来上がりで等間隔にした結果は上々、重いものが平気だったフィードバックが物語る底の機能の充実

実は、底ベルトの上下に並ぶ位置を少し変えました。

以前は、製造側都合の縫い代を含むど真ん中が印としては分かりやすく、結果としては内側に寄ったものでした。

その取り付け位置を改良、使う側目線の均等など真ん中へ見直します。

底ベルト(旧位置):横線2本が底ベルト。内部に寄る理由は縫い代を含めたど真ん中だったからです。

さらに、これは物理的な現象なのですが、こういった縫い付けた部分は硬めなので、このせいで、マチにクセが自然と現れ、縮こまった感じに映ります。

一方、このたびの改良で底ベルト同士の間隔が広がることで、その見た目がゆったりとしたものに映るのではないかという仮説を立てました。

マチのサイズは決まってはいますが、その箇所でない縫っていない部分がいかようにも大小膨らんだり縮んだりするのが物理的な現象です。

よって、この底ベルトの位置変更がマチがそのままのサイズでありながら広がるカギになったようなのです↓。

底ベルト(新位置):すっきりと等間隔に仕上がりました。これが正解だと思います。

随分スッキリと美しくなったものです。

完成:<使用生地>先染ストライプ(黒x白)、綿/100%、日本製。たためるエコバッグです。

どちらかと言うと薄手の生地だったのですが、支柱や取っ手やベルトは多重に重なりステッチと共に強化。

畳めるものでありながら強度も十分にあるバッグになり、実際に洗濯洗剤のボトルごと複数入れても平気であったとのことです。

大変実用的になれたと光栄でありましたし、生地によっては、メインバッグも夢じゃないと思えました。

あとがき

これまでは、幅が150cm程あるような生地限定の製作でした。

それも支柱が一続きでありたいと長い支柱をコスパ良く横幅めいっぱい使った製作だったからです。

その後、このモデルは、使用生地の幅の限度を選ばずに作れるようにと、シングルの112cmなどでも可能な、継ぎ目を作るモデルへ変更しています↓。

取っ手の途中にタブがスタイリッシュに付きますが、この下に継ぎ目が隠れます。

なぜこうしてモデルチェンジしたのかというのが、多くの方にこのモデルでの製作を自由にできる「コンテンツ制作」を考え始めたからでした。

このことで随分視野が広がりましたので、「製作する人目線」ということも「ユーザー目線」に加えてもう1つ加算されたのです。

この活動は間違いなく発展です。

製造者様が素敵に作って行けるようにということは、一人だけの製作よりもはるかに可能性があると思い始めました。

一重仕立てのシンプルなデザインであっても随分奥が深いものなので、そんなこともハンドメイドでバッグを作る方へお伝えしていく役割としてしっかりアウトプットしてまいりたいと思っております。

おそらく、作るとなったら他の方の方が間違いなく素敵な世界観で作られると思われ、そこに希望を託しています(^-^)。

黒ベースのハンドメイドバッグ製作でやりたいこと、飾り過ぎている余分をそぎ落とすミニマムさの追求【686】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2021年のハンドメイドバッグ製作は、黒ベース製作です。

2020年から集めてまいりました黒無地・ジャガード・プリントを材料としながら組み合わせたパンチの効いた強いカラーとなります。

このたびは、黒ベースで製作の最中にあたって、どんなことを得ていきたいかということを綴りたいと思います。

流行のお洋服などに対して思ってきたこと、「余計な飾りを入れ過ぎている」ことを徹底的にそぎ落としたい

黒生地:黒にも様々な表面の様子の違いがありますので、カラーを究極に統一することで見えるものがあります。

この先何年もこのお洋服を着ていけるのか。。を考えた時に飽きてしまったり、数年先には手を付けられない古さが表れてしまうことがほとんどです。

そもそも、「流行」というものがベースにあることにこそ疑問を持っています。

ファッション業が「流行」ありきというベースで成り立つものという傾向。

「流行」なくしては、ファッションではないとも言え、反対にずっと同じでは人間の心地の中の「飽き」が次のステップへの気持ちを後押しするのです。

ただ、そのような世界に入る必要があるのかどうかさえ、自分でジャッジしたいものであり、ここ10年以上古着ライフを選択しています。

ハンドメイドバッグもお洋服に附随する小物としてのバッグと同じように流行みたいなものを感じることがあります。

一方で、マイペースなスタイルで製作されている製造者もいらっしゃる様子も。。

超定番とも言えます黒ベースの製作の理由は、まず材料である生地から始めてみるという意味もあり、バッグでは一番多く購入されているであろう黒を選択したということです。

黒コーデが好みであることももちろんありました。

その代わり、裏地には、黒に馴染みながらもコントラストもあるような柄をマッチさせるなどして、まるでお洋服の上下の組み合わせのように考案していきます。

あとがき

「黒特化」のお店というのも訪れたことがありまして、すごく世界観がはっきりしていますが全体的に雰囲気は神秘的。

余計な飾りはそぎ落とすわけですので、ある意味誤魔化しは利きません。

そんな環境の中でじっくりと素直な品物を作ろうとしています。

これも流行なのかクシュクシュとしたタックが寄せてあるバッグのあのタックの意味は何なんだろうと考えることがありました。

あそこにもほこりがたまっていったり、表面の色の差の原因になることがレザーの場合あったりします。

何か特別な秘密が隠されているということであればそれは深みのある品物になるかと。

ただ何となくかわいいのでクシュクシュさせてみただけなら浅い品物だと言えます。

おそらくわざわざ形状を出すということは、何か意味がきっとあるのだと気づく人がいて、実際にその通りであるということが「通じ合う」というものです。

結局は、理由があってそういう作りになっていったのだということのすべての集まりであるバッグを作りたいということになります(^-^)。

エコバッグの意味ある2つのデザインの誕生、トートタイプはドレスライクな装いと、袋タイプはカジュアルな装いとマッチ【112】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよ、レジ袋の有料化が迫ります。

そこで、ハンドメイドバッグを作っている者としては、その流れに作り手として参加してみようとこのたびエコバッグの企画をしました。

企画に彩(いろどり)を添えようと、バッグをどんな装いに持つかのお洋服とのコラボのテイストの違いを分かりやすく、「ドレス」と「カジュアル」に分けてみました。

サンプル作りで分かったサイズ感と難関箇所

違いが分かりやすい2種というのは、①ビニール袋型と②紙袋型です。

セルヴィッチデニムの14ozで丈夫く作りました。

14ozともなるとジーンズなみのごわつき感があります。

難関と呼ばれるのは、生地の折り目が重なったところ。

よって、いかに無駄な重なりなく作っていけるかなど工夫すべき点になります。

重なったところを無理矢理縫うとがたつき、ステッチがくずれます。

美しく作るためには安定した縫いやすさも重要なのです。

レジ袋のサンプル2種(「ミニ―ル袋型」と「紙袋型」):両方共縦の長さが短すぎます。
やや長方形寄りがデザインとしてはバランスが良く美しいと思いますので修正の必要を感じました。
容量が大きいと感じるためのぱっと見は、縦が十分あると物があふれる心配を解消してくれます。

2種のデザイン違いのバッグに合うそれぞれのお洋服の装い

この2点は、同じ買い物シーンで使うことをイメージしていますが、細かくは、その場所が違います。

左側の「ビニール袋型」は、スーパーでのシーンをイメージ。スーパーのレジ袋と同じ構造のデザインを再現しています。

右側の「紙袋型」は、デパ地下のイメージ。

デパ地下では紙袋をご用意していただけます。

お出かけのおめかししたファッションや会社帰りのスーツ姿にこのきちんとした紙袋型のデザインがマッチすると私は考えました。

ということで、シーン別、もしくは、お客様の趣味嗜好別で絞った2デザインということになります。

ただ、想定はしたものの、何もこれを食料品入れにという強制はございません。

さらには、ビニール袋型をスーツに持ってはいけないこともありません。

ある人は、これを遊び心でカジュアルな服装にメインバッグとしても使おうとしてくれるかもしれません。

だからこそのデニム素材、丈夫な長持ち度、色落ちの楽しみが付加価値として詰まったこの素材やデザインのコンビネーションが活きます。

あとがき

一重仕立てで製作した2つの袋ですが、一重仕立てはある意味、裏地付きの二重仕立てよりも難しいと言えます。

その理由は、縫い代を隠す場所が無いからです。

裏地付きは、縫い代そのままでの合体で十分です。

しかし、縫い代そのままで一重仕立てを作っていては良質さとは程遠いものになります。

やはり、「美しく隠すこと」というのがテーマになってゆきます。

この一重仕立ては単純で高価なものではないイメージがあるかもしれませんが、実は、工夫せねばならない点も数多いと言えます。

隠す場所が無いという追い込まれた一重仕立ての構造から生まれる工夫というのは、かなり優れた作りになっていくのです(^-^)。