ピンタックをあしらう仕立て直しの結果、整然たるインテリア容器への生まれ変わりを遂げた過去の製作品のトートバッグ【1380】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ3回にわたり、過去の製作品のハンドメイド品(ミシンを使って縫う作業)を仕立て直ししています。

前回の【1379】では、5年前に製作の2018年製のスツール用の低反発クッションカバーを角型から座面の楕円に上手く沿った楕円カバーへと変えました。

全部糸を解きほどいての仕立て直しなのでほぼ最初から作るのと同等です。

それでもその生地をそのまま活かして仕立て直すことの本当の意味をこのシリーズでお伝えできればと思いました。

当【1380】では主にピンタックをトートバッグに追加していきます。

3点中2点はすでに出来上がったところへ追加だけをするやり方、最後の1点は元々裏地無しであったことから、この機会を兼ね、全解体の裏地付けを含めたピンタックバッグへの変更となります。

なかなかの作業ではありましたが、とても有意義でした。

では、その変化をどうぞ。

ピンタックを施すことの劇的効果、ルーズからスタイリッシュな整然としたテイストへ。。

仕立て直し前の3点のトートバッグ:左2点は接着芯を貼った裏地付き、右は一重仕立ての無接着芯。

どれもだらんとしたルーズさがあります。

今この時点では、きちんと整ったラインがはっきりしたボックス型の方が良いと感じています。

「あいまい」から「はっきり」への変化が、その見かけの物理的なことだけでは言い表しきれないところに深みがあると思っています。

作業過程は映しておりませんので、次の写真からはピンタック後になります。

随分変わりました。

もともと縦長のサイズだったのですが、角がはっきりして前よりこちらの方がグッドです。
こちらは横長。前は縦が短くて物がこぼれそうだったのがピンタックだけでこうも変化しました。
縦横50cm四方のビッグバッグ:もう迫力満点。このようなサイズのビッグバッグはなかなかレアです。

ここへプチプチを入れている事業用の資材品入れとして使っておりますので、出番も多く毎日見かけるバッグでした。

毎日見るからこそ見た時の心地よさが感じられるものに全解体の仕立て直しを致しました。

これは最初一重で作ったのがかなり前なので、そこからこんなにも作り方が変わったことに驚いています。
裏地も持ち合わせの生地があり、これを利用。接着芯は表地だけに貼りました。

ピンタックは、最初の2点は表地と裏地が重なったままアイロンで線を付けてまとめてつまみましたので早く仕上がりました。

ただ、この3点目に関しては、本来最初から作る裏地付きのピンタックタイプは表地、裏地それぞれでピンタックをつまんだ方がラインが綺麗で寸法も正確なのでそのように製作しました。

注意点は、裏地は内側へ隠れる方へ突き出すつまみ方で裏面で山を作りますので、出来上がりはピンタックが奥へ隠されることです。

表地は表側へ突き出す方が断然美しいですので、そのようにつまみます。

ピンタックのつまむ面が表地と裏地で違うということですね。

そして、最後口の縫いとじの時にピンタックが凹凸で重なりうまく合体できるという仕組みです。

おまけ:ジャガードの裏面使いの良さを意外なカラーの裏面でアイロン台クロスとして仕立て直し

実は3点目の生地の裏面が結構素敵だったので、これを表面としてインテリアカバーで使います。

もともと、アイロン作業の箪笥(たんす)のてっぺんにクロスとして敷いていた本来の表面でしたが、3点目のバッグと同じ柄だということに差別化を付けたくて、裏面仕様で違った雰囲気にしてみたのです。

実際にこのようにインテリアクロスとして使用しています。

今思えば、何年か前に購入のこの生地、気に入って多めに調達していたようです。

バッグに余ったからインテリアクロスにしたというのがこのアイロン台クロスにしたきっかけ。

当時しっかりこの生地をしっかり見ておらず、裏面がこうなっていることをこの仕立て直しの機会に知ったほどです(^_^;)。

あとがき

ここで仕立て直しシリーズの第二弾が終了したのですが、最後の第三弾というのは、同じビッグバッグのもっと一回り大きな一重仕立てをこれも全解体の裏地付きで仕立て直します。

こちらにも裏地を付けていきますが、この度のビッグバッグよりも生地が伸びるタイプでやや難易度があるかもしれません。

そちらの生地もこの度の生地と同様もう今は売っていない生地で、その当時限りの素材なのです。

そう考えるとこの仕立て直しの意味がまずそこにあります。

二度と入手できない生地を貴重にとらえて、今後も継続して持ち続けていくための仕立て直しです。

何もこのハンドメイド品だけにとどまりません。

すべての物品に対して、所有することの「責任」があると思っています。

だからこそ「購買」という一瞬が大切なのだと考えます。

じっくりとよく先を見越して物を選ぶことは無駄をして後で困る悩み事や廃棄の問題を起こさないための重要なステップであると思います。

ショッピングというのは気軽な言葉であるかのように見えますが、実は今後の人生をも左右するほどの重要な行動であるということです。

クラシックさも残しながらカジュアルに寄せた金属チェーンの「蝶ネクタイペンダント」、白ブラウスの差し色になった【1006】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この<はぎれ>カテゴリーでは、ハンドメイドバッグ作りに余った生地を活かす製作をご紹介しています。

このたびは、ポーチのような「入れ物」ではなく、お洋服に装う小物の1つ「蝶ネクタイ」をはぎれを材料に製作しました。

「蝶ネクタイ」を限られた範囲ではなく、もっとお気軽に引用できるために、あえて、基本的なサイズと同じで、チェーンとの組み合わせでペンダントトップにアレンジしていきます。

フォーマル色の強いイメージの蝶ネクタイをもっと身近に、ユーザー様が広がるようなカジュアルに寄せた引用の仕方となります。

とはいえ、元の蝶ネクタイならではのクラシックさはを残すことが、引用させていただいたことへの敬意などと考えました。

そして、ペンダントという利用だけではなく、お洋服の一部の「装飾」など更なるポテンシャルを想起できるきっかけになれば大変光栄でございます。

では、このたびは、型紙からスタートの製作手法をお伝えしてまいりたいと思います。

両サイドが尖ったポインテッドタイプの蝶ネクタイを本来のサイズ感そのままで作ったペンダント

本体:縦7.5cmx横17.5cm。尖り部分の両サイドは、高さ2.5cmの二等辺三角形。ノット:6.5cm四方。

ポインテッド(pointed)タイプデザインを選択しました。 

ノット:6.5cm四方の型紙が綺麗に本体が通る手ごたえでした(5cm四方ではきつかったです)。

接着芯はフルに貼ってありますが、更にソフト厚芯を邪魔にならないような控えた面積にカットしてボンドで貼ります。
そして、中表で返し口5cm程を残し、縫い代1cmをぐるり1周縫います。
ひっくり返して、返し口は手まつり(はしごまつり)。とんがりを目打ちで綺麗に出してアイロンがけします。
こうして本体は完成。次は、ノットパーツです↓。
6.5cm四方を縦に半分、両サイドから真ん中へ向かって三つ折り。

そして、短い辺の両サイドを二度縫い。

真ん中ははしごまつりで縫い閉じ。

そして、中表で輪にして、端の方3mm程度を二重縫い。

そうしますと、表面には何も縫い目が出なくて自然なラインであり、上品にすっきりと出来上がります。
輪をひっくり返して、ノットへ本体を通します。これは裏側ですが、ノットが動かぬように裏面で手縫い。

この時に、糸は本体に表に糸目が出ないように救って縫い付けをすることが固定になります。

二重仕立てを一重だけすくうようなイメージです。

完成:ノットと本体のバランスが良いです。ノットがタイトだと本体が無理な収縮になるのでこの状態が◎。

実際に金属チェーンに通して、ブラウスに装った姿に感服、蝶ネクタイのクラシックさの再認識

完成した蝶ネクタイトップにステンレスチェーンを通し、ペンダントにしていくわけです。

イメージはこんな風。とても素敵です。カジュアルですがクラシックさもちゃんと保持。

あえて、ここにブルージーンズを持ってくると、お出かけ用のデニムコーデの完成ではないでしょうか。

ここにきて、すごくイメージが膨らんでまいります。

チェーンの長さはお好みで。このチェーンで70cm程、少し長すぎます。60cm強くらいがこのブラウスには◎。

ブラウスのデザインに依るところなのですが、この場合は、60cmがちょうど襟の空きの先端に当たり元の蝶ネクタイの設置位置と同じこと。

また、首にフィットしても良いなら、思い切った40cm以下のチョーカータイプのチェーンを選ぶのもかえって「粋」だと思います(^-^)。

あとがき

このたびは、「蝶ネクタイ」そのものをそのままのサイズで引用したケースですが、もっとアクセサリーっぽくということであれば、型紙を小さくして、全体を小ぶりにすると、ペンダント特化の手作り品がまた違った形で実現できると思います。

このアイデアというのは、実は、ジュエリーからのヒントでありまして、チェーンが見つからなかった時に、布で作るというひらめきの過去の製作を一度しています。

その時は、チョーカーのような透かしのネックレスが見つからず、透かしのレースのテープを使って、ペンダントトップの金属を糸で着けたところがこのたびとは反対です。

こうして、「布+金属」というコンビも、特に高級感を重視した宝石なるものではないにしても、お洒落なコーデの1つとしては、とても気軽なご利用の仕方ができるアイデアだと思います(^-^)。

手作りの淡水真珠のスクエア編み込みトップが素敵、同じ淡水真珠チェーンに通したペンダントから展開するあこやへの挑戦状【583】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年の淡水真珠はヴィンテージ物の淡水真珠と違い形が整ってきています。

技術の改良の成果だと見られます。

淡水真珠の連物をつなげてネックレスやブレスを作って収集していた2010年代前半のこと。

淡水真珠の親しみやすさにとても好感を持つようになっていきました。

確かにあこや真珠は真ん丸で形が整っていますが、あちらも人工的な手を加えた結果のラウンドフォルムなのです。

その技術の中身の労力やレベルに対する評価に依るところがあこやの価値を高めていることも大きいのではないかと思えます。

ということで、このたびは、かつては「あこや」にこだわって多くのあこや真珠コーデを楽しんできたこともあるにもかかわらず、淡水真珠がここまで素敵になるのだというすごさをご紹介したいと思います。

きっかけは、ある天然石売り場でした。

店員さんが編み込んで作っておられたスクエアモチーフをペンダントトップへアレンジ

とてもうらやましいような技術の「編み込み」。

1連に繋げることしか技術を持っていませんが、立体的に造形できる技術がある方は製作の幅も広がります。

天然石売り場で店員さんがスクエアの編み込みの淡水真珠モチーフを作っておられました↓。

〇ネックれレス:淡水真珠のトップは20mmx20mm。50cm。シルバークラスプ。バチカンはステンレス製。

隙間へステンレス製の丸カン(正式には、二重リングをカットして一重にしたもの)を通します。

ステンレス製のメリットは、シルバー925よりもうんと線径が細くても丈夫な点。

よって、狭いすき間にも無理なく入り込めるのです。

せっかく店員さんが作ったトップをこうしてアレンジできました。

淡水真珠は淡水真珠同士組み合わせていきました。

そして、ペンダント、編み込みブレス、リング(これだけはあこや)と組み合わせたセットが出来上がりました。

3点セット:ブレスも淡水の編み込みです。リングはシルバー925のあこや。イギリス製のセミオーダーメイド品。

希少価値があこやよりはるかに劣ると見られている淡水真珠ならではの贅沢な密集具合。

編み込みしてたくさん集まる「白の世界」は大変エレガントです。

〇ブレスレット:淡水パール6mm程度のラウンド型。巾20mm程。デイジーのシルバークラスプ。

ブレスレットもただ一連でつなげたよりもはるかに豪華です。

こちらも編み込みの技術によって素敵に作られた幅広ブレスです。

クラスプの素材がメッキのちゃんとしたものではなかった当初、1点の品物の細部にわたるレベルアップをするために、リフォーム屋様へ正式なシルバークラスプへ付け替えを依頼。

とても良い品物になりました。

〇リング:シルバー925台の3粒の4mm程度のあこや真珠が深めに埋め込まれたイギリスの老舗メーカ製。16号。

私は、このデザインを見て非常に感動致しました。

まるで大切な巣の中で卵を包み込むように守るようなイメージで大切に3個のあこやが埋め込まれているデザインに対してです。

突出していない分、破損やキズも付きにくくなっているのです。

あとがき

真珠は、一番好きな天然石というほどのアイテムでした。

天然石という呼び方は正確ではなく、真珠はストーンではない海の生物の「貝」なので特別な存在です。

それでも数々の宝石と肩を並べてきた過去があったのですが、実際のレンタルジュエリー事業では全く手ごたえがありませんでした。

そうして、2023年をもって真珠を完全廃止と決めました。

あの希少で高価な「南洋真珠」も廃止です。

そうして、「宝石+地金」だけのレンタルジュエリーへと大きく変わりました。

これで良いと思っております。

すべてがユーザー様のフィードバックから感じ取ったことですので、間違いないと思います。

ただ、そうして多くの人が見放していく「真珠」に対して、反対に高まる希少価値がまた新たに生まれると思います。

高価だとか採取しにくいといった希少価値ではなく「ニッチ」な価値としてです。

ここから私がお伝えしていけることは、ただ1つの手持ちの真珠ジュエリーの装い方の新しい発見をこうして投稿でお伝えしていくことですね(^-^)。

ハンガーからずり落ちるストレス解消の目的で設置したヴィンテージワンピースの背のVラインのクロス状の支え布の有難い効果【217】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

洋服は、着るということはもちろんなのですが収納の場面も重要です。

着られない間のじっとハンガーにかかっているその時間というものは、よく考えたら結構なものです。

今回は、ハンガーにワンピースをかけて収納にあたっての悩み事を解決するべく、あるリフォームを致しましたのでご紹介したいと思います。

クローゼット内の悩みの1つ、ハンガーからずり落ちるストレス

ヴィンテージロングワンピース:「WING」問うブランド。黒のサテン地に水玉のジャカード、襟が広いV字。

ひだのようにアクセントある作りが布を存分に使った贅沢な仕様。

「WING」というブランドネームが付いています。

入手したヴィンテージワンピースが前も後ろも深めのV字開きです。

シャープなラインでかっこよい反面、収納時には少々悩みが出ています。

ハンガーからするりと簡単に落っこちてしまうのです。

他の洋服を触っていたのに、ハンガーが揺れたはずみでこのワンピースが落ちていたりも。。

何と嫌な場面であることでしょう、間違いなくこれも1つのストレスです。

落ちないように注意して動かさねばならないところが辛いです。

前面:V字開きがカシュクールのようになっています。
後ろ面:後ろもV字。首の下に空き部分があってエレガントですが、この気取らない着やすさが◎。

このワンピースのハンガーの部分に注目していただいたら分かるかと思います。

V字が前後両方なので、ハンガーからずり落ちやすいデザインなのです。

このせいでクローゼット収納時の悩みができてしまいました。

そこで、やや空きの多いネックラインの後ろ面を一部覆うというデザインのリフォームも兼ねて、布テープを左右に渡らせて、クロスデザインの支え布を設置しようではないかと思うに至りました。

ワンピースでたまに見られる後ろ面のネック下のあの編み込みみたいな仕様です。

1990年代初頭のヴィンテージワンピースに多く見るデザインです。

「クロス支え布」設置のリフォームの手順

ものすごく単純と言えば単純です。

まず、別生地を用意。質感がワンピースになじむよう同じくサテン地を、シャンタンという生地の裏面で利用。

ここに、縦7.5cmx横17.5cmの長方形の面を2枚裁ちまして、接着芯を貼りました。

そして、ここからは、普段のハンドメイドバッグ作りの手法を活かし、四つ折り観音開き仕立てをします。
ぐるり1周ステッチを入れます。
ここからが、今回初の試み。3箇所程均等に印を付けます。

肩線とVの先端地点の長さ20cmの半分、さらに半分という風に印を付けて、印が3つになりました。

そして、左側の一番上の印から右の一番下の印に布が渡るような位置に待ち針。

今回の場合、幸運なことに、縫い目が隠す場所がありました。ひだです。

このひだをぺらっとめくったその隠れる範囲内の位置にステッチしました。

折れ線と同じ位置は上手くひだが戻らずに浮いてしまったので、やり直して、折れ線より少し外側(この写真の場合左側)にずれた位置にステッチ。

当然反対側の中側は、分かってしまいますが、布テープの縫い代は始末してあるので良いでしょう。

そして、反対側も対象になるような位置に同じようにテープを取り付けます。これで完成。

どうでしょう、覆う部分が増えたのも落ち着いた印象になりましたし、何しろハンガーにかけても安定しています。

こんなに嬉しいことはありません。

もう、これでクローゼット内のスルリと下に落ちてしまう悩みや不安は無し。とても心地よい気持ちをゲット♪。

あとがき

今回のリフォームでは、整頓の結果の「心地良さ」を存分に味わいました。

この「心地良さ」の体験は非常に貴重であると思います。

この目では見えない感覚、「心地良さ」これこそが、事業をする上でお客様にご提供していくことの内側に存在するものだと思いました。

それを自身がこのたびのリフォームで感じられたこの体験を大切にし、今度は自身が作る製作物とか事業のサービスの内容にこの大切なものを内蔵できると良いです。

ストレスは無ければ無いほど良いです。

ストレスを無くすためにはどうすればよいのかを考えていくことは、難しそうな心地良さをどう作るかなどと考えるよりも分かりやすそうです。

そうした結果心地良いのだと自身が感じたり他の人に感じてもらえることに自然となってゆくと思います。

変なモヤモヤ感、腑に落ちない感、不満などはその感じた気持ちを素直にまずはすくいとるところから始める。

決して耐えすぎたり、目を背けたりせず、まっすぐに見つめ、早期に解決したいことです(^-^)。