フィードバックでさえも得られない本当の使い勝手の発見、失敗作のリュックを試用する中で得た7つの掘り出し【202】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

お客様からのフィードバックは、事業活動の変化や発展に大きく影響すると思います。

ただ、どこまでご意見を頂戴することにお付き合いしていただけるのかというのは、購入直後までというのが現実、その後の数年後に感じる使い勝手などを聞くことが難しいのです。

マーケティング活動においては、購入して受け取るまでのフィードバックの記録が多数、その後の長年かけての使い勝手は埋もれたままなのではないかと。

そんな点にこのたび着目、まずは失敗作を自分使いで試用をさせていただき、より現実的な使い勝手を調べてみました。

失敗作のミニリュック:大失敗という程でもないのですが、右下のように合体の際に歪みが生じていてボツに。

製造者が思うよりもはるかに現実は粗い使い方をされているのではないかというのが一番のポイント。

そのような貴重な記録は、失敗作の損失との引き換えで得られる新しいノウハウや学びに替わるのです。

必ずしも上品に使われるわけではない現実的な粗さ、試用から得た7点の発見を今後のリュック製作に活かす

では、実際に日常的に試用させていただく中で発見した7つのことをお伝えしていきます。

①ファスナーで持ち上げてしまう:非常に荒々しい使い方とは言え、おそらくファスナー付きではよくあること。

この現実も、あり得ることだとまずは受け止めます。

これまでも徹底していましたが、やはりファスナーの縫い付けは二重縫いは正解。

ファスナーは開け閉めの機能にとどまらず、現実的には持ち上げられ圧力もかかってしまう場所だったのです。

②ポケットのフラップを持ち上げてしまう:①と類似です。ポケットも物を入れる機能の範囲を越えます。
③ショルダータブこそが全体を支えている:こんな小さなパーツこそが重要であることが本当の現実。

以前に某ハイブランドバッグでショルダータブが外れ困りました。

本革レザーの野暮ったさを革を漉くことでスタイリッシュに見せたことや、縫い付けやすさの限界などがあったことが予想されます。

では、仕方がないことなのでしょうか、いいえ、ショルダータブは要のパーツ、丈夫に縫い付けることを一番に優先するべきです。

④片方のショルダーだけで肩に背負ってしまう:これをリュックを背負う際にやらない人はいません。

このことは、次の⑤にもつながっていきます↓。

⑤角カンは傾きがち、Dカンや丸カンの方が良い:四角いフォルムに角カンが合うなどという表面的な見方を反省。

ショルダーならまだしも、動きが多方向という複雑さを伴うリュックはショルダーとは違うのです。

⑥糸の始末がほつれてくる:当初から「玉止め」はしていたもののテトロン糸は結局はほどけてしまうことが。

この対策としては、玉止めを隠れた溝の部分で頑丈に行い内部へ隠すということです。

⑦鋭利なマチよりカーブのマチは擦れにくい:トートバッグは角が尖りますが、あれこそ傷みのスタートライン。

確かに角は擦れやすい場所ですが、せめて製造の時点でそう思わせないカーブラインは望ましいデザインであると考えます。

また、そもそもこの時の「スポーツメッシュ」という傷みにくいビクともしない生地を選択したことも長持ちにつながると思います。

綿や毛や麻ではない、ポリエステル素材のメリットです。

あとがき

お客様からのフィードバックではなかなか聞けない本音、自分使いでは痛いほどリアルに本当のことが分かりました。

特にハンドメイドでは、「せっかく作ってくださった」と考えていただける良い方も多いと思いますので、悪い評価が付きにくいということもあります。

そこに甘んじて天狗になるのは、本当の現実を見ていないということ、「試用」という行為を厳しく実体験した者はおのずと厳しい目線を持つことになりました。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク