今後「ファッション」に関わるお仕事をしたいならまずは過去の軌跡を知る、かの有名な老舗やデザイナーが語る貴重な裏舞台は歴史の破片【1263】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

アパレルが今後変わる時に来た、変わっていかなければならないという過去で一番の危機・変化の時です。

そんな重要な時期だからこそ、今、この本を読んでおきたいと手にした本。

「20世紀日本のファッション トップ68人の証言でつづる:大内順子(インタビュアー)/田島由利子(ライター)」を拝読。

4cm程の厚みの本ですが、もう面白くて面白くて次々に読み進めてしまうほど。

年代別の日本のファッションの草創期1950年代の芽吹きからどんどん読み進め、1980年代後半の低迷期でページの最終を迎えます。

ファッション史なるものは、世界的に見ればフランスがその聖地と言えます。

1900年のパリ万博の大きなウェーブはかなりそのきっかけになったかと。。

その頃の日本というのは、まだ着物を着ていた人も大半の時代、パリ万博にも文化として着物が紹介されました。

着物からお洋服に変わっていき、戦前と戦後でも大きく生活が変わる中で、あまり表立っては語られていないような、戦前の老舗アパレル会社が生まれる様子などもこの本では興味深く知ることができました。

「この会社はもとは、こんな前身であったのだ」という点などあまり知られていないことが分かるのも、構成が該当会社様やデザイナー様本人が語られたインタビュー記事の集まりである所も大きいです。

他人が語ることよりも、本人が語ることのリアルも貴重です。

戦前にも繊維メーカーやアパレルの老舗は芽吹き始めていた

その昔江戸時代、「奢侈禁止令」というものが発令され、贅沢を禁止されるという命令が下されることがありました。

その奢侈(しゃし)の対象になった素材は「絹」。

ここから、「絹:シルク」がいかに高級な素材であるかが計られます。

戦前に「これからは洋服の時代だ」ということがテーマになり始めていたようで、この戦前に平たかった土の中からアパレルが芽吹き始めていたと言えます。

「百貨店」の出現がデザイナー様とのタイアップで洋服の広がりに大きく貢献したのが大枠の見方ですが、戦前は呉服店の形であったなどその前身はすでにあったのでした。

大衆に広まるには、百貨店などの「集客型施設」の存在あっての恩恵もあったということになります。

1960年代は、アパレルは伸びていく一方で、少しアイデアを出しただけの企画が飛ぶように売れたという、この「飛ぶように売れる」というフレーズが1960年代の1つのキーワード、現在では使いたくても使えないフレーズになってしまいました。

聖地パリと日本人デザイナー様との結びつきのきっかけ

現在でも有名デザイナー様達は、「文化服装学院」出身であることが多いです。

ここがいわゆるプロのデザイナー様の登竜門とも言えるのかもしれません。

ここ近年有名デザイナー様達が続々とお亡くなりになってしまいした。

パリの「メゾン:洋服会社」で従業員として働くことがきっかけであるという道をたどられている地道さも本当はあったのです。

いきなり電光石火のごとく現れて、スターになるというデビューの仕方ではなかったのです。

そうして、多くの日本人デザイナー様がパリのメゾンで働くことをきっかけにその後、そのファッション文化を日本に持ち込んだり、世界的に活躍されたパリ生まれのデザイナーとして引き続き活躍されたりしました。

遠く離れたヨーロッパと日本の老舗ブランドとの結びつきのきっかけになった素晴らしい橋渡し的役割を担われ優れた伝達者であったかと。

ライセンス事業の名残は、古い時代の未開封品のブランドロゴマットなどに感じられる

その他、「ライセンス事業」に携わったという軌跡がより大衆にブランドが広まったきっかけだと思います。

有名な海外の老舗ブランドのロゴのお洋服が百貨店で購入できるのは、ライセンス事業が背景にあったのでは。

贈答品のブランドロゴのタオルやマットの風景にその歴史を垣間見ることがありました。

昭和時代がこういったライセンス事業の全盛期であり、現在はもうその面影はほとんど残っていません。

こうして、アパレル全体としての大まかに見た盛り上がりいうのは1960年代をもって下降線をたどっていったと感じます。

あとがき

されど、決して完全になくなることはない「衣」の分野。

こうした悲しい流れは、ファッション好きにとっては残念な姿ではあるのですが、こうした流れこそ変化であり一部成長であるとも言えるのでは。

これまでの生産構造そのものの見直しが、劣悪な環境の労働の例で露わになり、隠された膿のようなものがめくられ暴かれたと考えます。

そんな今後でもこの道で事業活動をやっていきたいのかどうかさえ事業者本人が問うために、過去の歴史と軌跡を「移り変わりや流れ」として知っていることが必要だと考えます。

書き手:ピクチャレスク

多忙な日々をお過ごしの中アイロン要らずの美しい和風コーデを実現、こだわりあるちりめん三昧なワードローブ【223】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグでちりめん素材を扱ったことをきっかけに、ちりめんがいかに独特で美しい織物であるのかとことに感動致しました。

やわらかなようで、実はきゅっと収縮した部分が丈夫。

うねりが非常に美しい芸術品のような素材であると思っております。

このたび、秋口用にとお洋服を探していたことがきっかけで、ちりめん素材に的をしぼったお洋服のラインナップを目指しました。

そうして、3セットのちりめんのセットアップコーデが完成致しました。

いろいろ探した中で、ちりめん専門に特化したブランド様なども発見。

楽しいプチコレクションが出来上がりましたのでご紹介致します。

ちりめん以外であっても、何かの素材とかデザインに特化したようなこだわりのあるラインナップということの面白味がお伝えできればと思います。

ちりめんのお洋服を作られているブランドの発見と3セットのコーデ

今までちりめんのお洋服に目を向けたことが無かったので、ちりめん素材に特化したブランドがあることをこの度初めて知りました。

某百貨店で、そういえば、足を止めて見ていたら店員さんが声をかけていただいた時のあの店、ちりめんばかりがあったような。。

そのブランドが今回登場のブランドではないようなので、複数のちりめん特化ブランドがあるようです。

1社目は「三年坂:さんねんざか」様。

今回無地のちりめんのスカートに登場します。

そして2社目は「詩仙堂:しせんどう」様。

今回、多くの柄のちりめんがこの「詩仙堂」様のお品です。

上:ピンク地の大花柄のノースリーブ/下:黒の無地の台形気味なラインのスカート。ミモレ丈。
上:黒のサマーセーター。大花柄がジャカード/下:スカートはミモレ丈のワインやグレーを使った渋めの色。
レース素材に裏地が付いたフレンチ袖プルオーバーの黒。とライムカラーのマルチカラーの花柄スカート。

3セット共、上下の片方が無地ライクの黒です。

綺麗なカラーの中にも黒っぽい色の柄が入っていることで、合わせる相手を考え上下をセットアップした「関連付き:リンク」が出るよう工夫しました。

上下コーデにアクセサリーを加えていく

では上の3セットをそれぞれに、マッチしたネックレスやペンダントを合わせていきますね。

黒色のネックレス:天然石のオニキスの64面カット。強いカラーの黒を首元にも入れていき全体の黒配分を調整。
エンジと黒のミックスのネックレス:十勝石(とかちいし)という北海道の名産品のネックレス、溶岩みたい。
ゴールド寄りなマルチカラーのペンダント:ベネチアングラスというイタリアの名産品。

嬉しい偶然もあり、それぞれに無理なく溶け込むアクセサリーが配置。

アクセサリーもそれ1つだけを見ているとややクセがありそうなアイテムでも、お洋服と合わせると貴重な存在感であることも。。

特に高価なジュエリーである必要はありません。

むしろ美しく調和した組み合わせにちゃんとなっていくのかがワクワク感ある作業です。

実は、この「組み合わせ」の作業こそが、最も「生きがい」としている場面です。

あら、言っちゃった(^_^;)。

あとがき

ちりめんコーデプチコレクション3点(登場ブランド:「三年坂」様・「詩仙堂」様)。・・・すべて古着です。

ここ近年のまだまだ暑い秋口、ノースリーブも十分活躍してくれます。

ちりめんは、アイロンはほぼ不要なのではないかと思います。

特にこの今回のアイテムは、すべてポリエステル/100%のちりめんです。

お洋服には丸洗いしても姿が変わらないポリエステルちりめんが一番実用的です。

きちんと大切に着ていけば、新品とほぼ変わらない状態が続きます。

一度ちりめんのお洋服というところにも目を向けてみてくださいね。

古着好きは、元の売り場がどの年代層のためのものであったかなどの固定概念を無視して、すべてのお洋服から選りすぐります。

かつては「お婆さん」が着るものだと思われていたちりめんの洋服かもしれませんが、むしろ全世代に受け入れられてほしい程の素敵な素材だと考えます。

お洋服コーデは自分表現ですから、受動的よりも能動的に自ら求めていく体勢が望ましいです。

本来セットアップでもないのにセットアップを組むなどもアレンジ。

元々お洋服もデザイナー様からの「提案」であるわけで、それを受け取り、自分のフィルターにかけて出来上がったそのお味というのが「コーデ」なのだと思います。

コーデは自分探しの「旅」の行き着いた場所の1つ、「ただ着るだけで良い」という考え方、本当にそれで良いのでしょうか。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク