夜景のようなシーンのジャガード生地で作ったボストンリュックのフォルムがまるで「かまぼこ」のようだった【300】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020年は年間を通して、マルチカラーを含む色使いが豊富な素材に挑んでまいりました。

色使いが豊富ということは同時に糸が豊富でることが織り糸で紡がれるジャガードの事情、当然高級なものになっています。

この度の生地もイタリア製の華やかな色合いのもので高級生地の部類に入ると思います。

もっと腕が上がってから高級生地に行こうとぼんやり思っていたのですが、早めに一歩を踏み出してしまったためにもう予定よりかなり前倒しで技術アップとの同時進行を始めてしまいました。

良かったのか悪かったのか、それでも思い描いたことがあるなら早く着手するに越したことはないかと。

良い悪い関係なく手ごたえや結果は早く分かった方が、その後のスピーディーな前進や発展につながると思っております。

生地のおかげもあり合格ラインで完成できたミニボストンリュック

<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ9cm・・・表地:ジャカード、ポリエステル/100%、イタリア製。

このフォルム通り、「かまぼこ」という名前を付けています。

カーブのラインも結構満足なものにできました。

心配した底の重なる部分もOK、無事縫えました。

本格的なゴブラン織は非常に厳しく、以前縫えなかったという結果があったのですが、今回の場合ゴブラン程の厚みではない厚み具合が程良く、丈夫さも感じられるようなジャカード生地だったのがとてもラッキーだったのです。

裏地:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。
ショルダーにもハード薄芯が入りハリコシのあるものになりました。このショルダーは裏地を使いました。

色の偏ったマルチカラーについて

今回の生地もそうなのですが、一応マルチカラーとなっています。

主に4色の色が入っていて、ロイヤルブルー、レモン色、薄ピンク、グリーン。

裏地やショルダーのグリーンは実は表地の中にわずかな面積で入っている部分。

こういった色というのはマルチカラーでも色が偏っているので、「青色系」ととらえられます。

なかなか色とりどりのマルチカラーというものを見つけることは困難で、〇〇系という色の偏りがあるものです。

マルチカラーの定義は3色以上ですので。。

あとがき

おそらく、この度の生地は、巾着などの形だと絞り切れない悩みもあると思います。

ボストンバッグのような硬めが向くデザインと巾着のような絞って融通の利く柔らかめが向くデザインとは対極にあり、それに伴いマッチする生地も対極にあるような生地同士ということになりそうです。

とはいえ、そんな条件など付かなくてもどんな素材でも当てはまるように作れるデザインこそが工夫のしどころなので、目指すゴールは、「生地を選ばない万能なデザインの考案」です。

製造もしやすく、完成品も満足のいくもの、この両方を考えながら工夫していく意味というのは、製造しやすいことが綺麗にできることにつながるからという理由以外ありません(^-^)。

出来上がりバッグでは決して目に映ることのない隠れたポケット裏の丁寧な作業が良質さにつながることの証明【298】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、どちらかというとコンパクトなサイズのハンドメイドバッグを作っております。

かつては、トート型の1泊できるようなもの、旅行用など大きなバッグも作ってきました。

そういう大きなバッグと比べ、コンパクトながら、ポケットつについては、めいいっぱいの容量を確保する所が特徴。

キーとか小さなものを入れるもよし、メモや手帳などのやや面積のある物も入ることもあるような器(うつわ)の広いポケットを設置していきます。

内側のフラップポケット:フラップが深く、セキュリティー性を高めています。スマホが横向きに入ります。

隠しポケットは、最初の当て芯が肝心、スーツの片玉縁の作り方を引用

今更ながら、隠しポケットに関して見直したことがあります。

それは一番最初の当て芯。

そもそもこの当て芯を適当なサイズに粗裁ちのまま行っていたのが今まででした。

これを、型紙にちゃんとあてはめた定形サイズに変更。

つまり、周りの余分も寸法通りのきちんとした余白にするということです。

その後作業がとてもしやすく傾きをチェックしたり、左右均等のサイズ感の確認も分かりやすくなりました。

作図自体もまっすぐ、待ち針の位置も正確に打ちやすいような定形サイズの型紙で裁断した当て芯。
そうすると、反対側に当てるラッピング布の位置も把握しやすくなりました。

当て芯1つで、その後の作業が劇的に行いやすくなりました。

このことは、とても重要で正確さが高まり、綺麗に仕上がるということにたどり着きます。

隠しポケット完成:まっすぐに真ん中に良い位置に取り付けることができました。当て芯の効果がここに。。

今更ながら、このことが分かり本当に良かったです。

今後もずっと「定番」として「フラップポケット」と共に作っていきたいもう1つのポケット、「隠しポケット」です。

あとがき

最後に組み立てがされていく時のもとの土台である左右が対称になっているということこそが、バッグに出来上がった時の整いを作り上げるのです。

それには、型紙を裁断する時点から左右対称にしやすいようなやり方があるということを学んでいます。

一番最初の場面は、サクサクッと通り過ぎてしまいそうですが、実は一番重要なのだと考えるようになりました。

こうした学びは、何度も自身の製作に落とし込み、その後は自身から語り伝えることができるノウハウとして多くのハンドメイドバッグを作る方達へお届けしていきたいと思っています(^-^)。

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作ってはみたけれど改めて考えた、そもそもこの繊細な素材でボストンデバッグを作るべきではなかったのではないかという回顧【296】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回1点のミニボストンバッグが完成。

リュック仕様の付いたハンドバッグで名前は「かまぼこ」。

かまぼこと呼ぶ以上、カーブの美しさと対比した底のまっすぐさを綺麗に出したいです。

初期の「かまぼこ」縦13cmx横24cmxマチ7cm:2019年製作。

初期型は、ミニサイズでしたが、あまりに容量が足りずに改良。

そして、このたび、マルチカラーで作ったサイズへと大きくアップしたものになります。

それでも大きなボストンバッグに比べたらハンドバッグの領域を超えることはありませんので、ミニということに致しました。

さらに、リュック仕様にもなるという頼もしい機能を入れてみたのです。

作って完成品を見た上で思うこと、「巾着型の方が断然美しかったであろう」という思い

「かまぼこ」2020年版:<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ9cm。

サイズのみ見てみると、2019年版が、縦13cmx横24cmxマチ7cm、2020年版が、縦19cmx横29cmxマチ9cmです。

縦も横もおよそ、5cmは広げているので、5cmという数字は、目に見えてサイズの変化が分かるくらいのものです。

サイズ感の点では大いに良き効果が感じられました。

しかしながら、2019年版の時にはあった良い雰囲気の整ったかまぼこ感が今回のものにはあまり感じられなかったのが残念。

選定の生地がはるかにこのたびがやわらかかったからです。

2019年のものは、強固な縦の織り方がとくにしっかりしたジャガードなのでびしっと仕上がっていました。

マルチカラーのこのたびの生地は、凹凸感があって美しいものの、緩い雰囲気になってしまったのです。

よって、そもそもこのデザインにはまる素材の選定を間違えたと思っております。

確かに、この素材は最初柔らかいからクシュッとなるような巾着タイプのデザインに当てはめようとしていたのですが、実は急にボストンバッグに変更していたのです。

率直な最初の考え方で行くべきでした。

リュックのショルダーの部分。
ファスナーの口布の部分。
スズランモチーフのファスナー飾り。
少しわかりにくいですが、底板は、どうしても内蔵できない作りなので、リムーバブル式で取り付け。

高級な生地でしたので、巾着型で成功していればそれはそれはエレガントに出来上がっていたと思います。

ボストンバッグ型だとややカジュアルテイストがありますね。

とにかく、繊細で柔らかい生地というのは、その柔軟性を活かして、しぼる動きがある「巾着型」に当てはめた方が特性が活きるようです。

あとがき

このたびも、ストレッチフクレジャガードはオレンジで色違いがあったと思います。

ただどちらかに良し悪しの比重が寄らないよう、色違いはよほどでなければ作らないです。

この記事も背景がカーキグリーンだからこそマルチカラーが美しく映えたという良いバランスが感じられる方のカラーでしたので、こちらが一番やはり今思い返しても一番です。

ただ、もう一度この生地があるならば巾着型でトライしてみたいと思う気持ちが残ります。

そもそも生地選定の時に、デザインをしっかりイメージして変な変更をしない、正直なイメージに従ったものが正解のようです。

グレーの良さをジャガードで知る、ヘリンボン柄がスーツにぴったりな160cm幅の生地を利用したエコバッグ【222】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ内では、グレーの色について書いた記事が複数ございます。

グレーというのは、シャープで強い黒よりもマイルドでやわらかい印象である点が魅力です。

その良さを堪能していただけるような、トーンが甘くなったグレーのジャカード、柄はヘリンボンでエコバッグを製作致しました。

前回の黒xシルバーグレーのバイカラー仕立ての時からの学びと改善を今回で改善しています。

大枠今回の出来上がりが完成形になったかな。。という印象です。

どうぞ、改善された底の部分の作りにもご注目くださいましてご覧くださいませ。

底ベルトを支柱よりも先に設置した出来上がりの様子で分かったこと

まずは、要(かなめ)である底部分の縫い付け場面です。

先に底ベルトを縫い付けて、その後支柱を縫い付けるという順番に決定。

その結果、とてもすっきりした印象になりました。

底ベルトを先に設置:縦向きの支柱は後で重ねます。出来上がりのすっきりさ、持ちあげる機能との相性です。
出来上がりの底面の様子:支柱が前後でぴたりと位置が重なり気持ちが良いです。
両サイドの三つ折り始末:本体の縫い代を使います。2.5cm(1.25cmずつ三つ折り)に変更しています。

この縫い代は、パイピングの幅が1cm強。前の1.5cmの縫い代ではパイピングを0.75cmに補足仕上げることになり、厚い生地やほつれやすい生地が大変難しいものでした。

よって、この改善も綺麗にできるコツにもなるかと思います。

ただ、これもミリ単位の正確さを追及することになりそう。。

というのも、こちらをご覧くださるとご理解いただけるかと思います↓。

2本のステッチのばらつきの課題:地縫いの線三つ折り線の2種。この巾を均一化するのか地縫いをやめるのか。。

もう少し詳しく解説しますと、2本の線の内左側は三つ折りのステッチ、右側は地縫いのステッチの線です。

そうしますと、地縫い→三つ折りで行く順番からは、地縫いした右側のステッチの意味が結局ありません。

そうすると、この部分は、同じカ所を地縫い/三つ折りステッチ兼用で良いのではないか。

つまり、左側のステッチ1つで良いのではないかということになります。

その分、これまで離れてはいたものの、二度縫われていた強度が半分にならぬよう、同じ個所を二重縫いに重ねるということをしてはどうなのか。。

もしくは、2枚の生地を重ねて縁から2-3mmを地縫いしてから三つ折りステッチ。

これであれば1度目の地縫いステッチが完全に三つ折りの中に隠されすっきりと見えます。

後者のアイデアがこれまでのやり方も活かせるやり方かもしれません。

グレーのジャガードのエコバッグはスーツ姿にマッチする

スーツに合うエコバッグ:グレーヘリンボンVER・・・<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ16cm。

完成です。なかなかシックです。ヘリンボンジャカードがかっこいい♪。

グレーはおしゃれです。やはり黒よりマイルドになりますね。

生地巾が160cmもあったのでそのまま160cmを支柱にしました。

そうすると、理想の取っ手65cmが実現しました。取っ手65cmは通常長めですが、物をたくさん入れて口がぱっかり開いたところに持つその取っ手は、これぐらいある方が実は背負いやすいのです。

このたびのヘリンボンジャガードのエコバッグは、「スーツに合うエコバッグ」としては、かなり相応しい出来上りだったと思います。

シンプルなデザインは、素材の影響も大きいです。

あとがき

グレーをたまたまインテリア地で見つかりましが、ほとんどはパンツ生地などのストレッチがかかったポリウレタン込みのポリエステル生地を120-130cm幅程度で見かける程度です。

グレーカラーは生地の中ではレアな方だと思います。

ヘリンボンとかグレンチェックは不動の人気がありますね。

とても良い素材に出会えたこの度でした。

有難くこのヘリンボンジャガードエコバッグはご購入いただきました(^-^)。

おしゃれな生地は品質表示に表れる、複雑な記載の品質表示から読み解く素材の織り込みのリアルな構造【197】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

自身が好むマルチカラージャガード。

洋服でも、ハンドメイドバッグ製作の材料である生地チョイスにもたくさん取り入れています。

じっと眺めてしまうようなうっとりする美しさは、その織り込まれた複雑な糸のミックスです。

今回は、このような美しく生地が出来上がるためのその「混率」に焦点を当てました。

混率というのは、「織り込まれたその生地に登場してくる糸の種類と材質の分量配分」ということになります。

このたびは、ジャガードについて、比較的単純な構造の生地例から順にご紹介してまいります。

最後の方になると高級で美しい素材であるがゆえに、複雑な構造に至ります。

じーっと生地をアップで見つめるような視点でお送りしたいと思います。

そして、複雑であっても品質表示と照らし合わせながらその表示の理解の仕方などを今後のお洋服の品質表示などを見る際にも是非お役立ていただければと思っております。

単純な混率

ジャカード織であっても一番シンプルなのは2色程の糸で折り込まれて柄を作っているもの。

単純な綿糸だけで折り込まれた市松ジャガード。おそらく同じ種類の2色の糸かと思われます。

たまたま均等配分の市松柄であることで、表示も単純。

2色に分かれた同じ綿/100%の糸を使って柄を出したこの生地を綿/100%とだけ表現したということになります。

法廷表示としてこの表示の仕方が通過するということになります。

表現はポリエステル/100%とだけシンプルなものですが、基布の糸と柄の糸の種類が全く違います。

2種がたまたま同じポリエステル/100%なのだと判断できます。

この表示は少し親切味に欠けるかなと私は思いました。

「基布:ポリエステル/100%、柄:ポリエステル/100%」と書いてあったら、「うん、うん」と納得できませんか。

ということで、次のような分かりやすい表示がされていることが生地購入者にとってはありがたいということがあります↓。

分かりやすい混率(分離表示)

「消費者庁」様のHPで説明がありますが、各部位別に混率を表す方法です。

このような表示の仕方は、見かけのイメージにぴったり合致して分かりやすいです。

「生地:ポリエステル/100%、柄:ナイロン/100%」の文字を見て、この柄の薄グレーの部分がポリエステル/100%の糸1色でできている、柄の薔薇の花の黒色のつるりとした素材は、ナイロン/100%の糸で柄織りされたものだと理解できます。

ただ、この生地は2種類しか糸が使われていないからこそぱっと見と等しい表現の仕方が可能であったとも言えるのかもしれません。

次からの表示の仕方は、織りこみ、編み込みがより複雑になり、小さな品質表示の枠に収まらなくなるようなミックスタイプの生地の場合になります↓。

複雑な混率(全体表示)

こちらも、「消費者庁」様のHPを参考にさせていただきましたが、「全体表示」は、品質表示に最も多く見かける表現の仕方であると思います。

「いくつかの複数の混率から成り立つ表現を、<質量>の割合で表す方法」とのことです。

全体表示の方法:やや見かけとイメージがつかみにくいです。どうしても面積で考えがちですから。。

ぱっと見、1種の糸だけでできているようにも見えますが、濃淡がありますので、「糸の種類の違いからそのもやもやな美しい感じが出来上がった構造である」という見方をしてみました。

引き続き、こちらも全体表示。

ポリエステルは今まで見てきた生地の特徴から、ツヤがあるかと思います。

テンセルは、色がくすんだようになっていて、さらさらした手触り。

こんなところから柄のどの部分の糸がテンセルやポリエステルなのかということが比較的分かりやすい濃淡ある大花柄です。

分かりにくい全体表示例:幾何柄のブルー系のジャカード織の生地です。

どの辺りがビスコース、どの辺りがポリエステルってなかなかわからないでしょう(^_^;)。

ビスコースとポリエステルのコンビは両方共ツヤのある糸なので、とてもゴージャスになるのですが、ビスコースとポリエステルの違いなど見た目でちっとも分かりません。

そして、これを「分離表示」しようとするとこのような幾何柄の複雑な柄の配置のどこの事を差しているのかさえ表現しにくいものです。

そうすると、おのずと、「全体表示」となるのだと解釈します。

ところで、こんな、全体表示の生地がありました↓。

あくまで予想なのですが、おそらく背景部分の白が綿/100%で、柄の黒の部分が絹/100%。

そうするとこの全体表示の仕方はイメージがわきにくいですね。

前述の薔薇のフロッキーと全く同じ構造の2種の糸が2パーツの柄になっているというもの。

お国柄とも言うのでしょうか、イタリア製と日本製とで表示の仕方が違うという点も興味深いですね。

「パッと見の分かりやすさに重点を置く」のか、「元の原材料である糸に重点を置く」のかで「全体表示」or「分離表示」が決まるのが1つ。

そして、表現し切れる範囲を超えた複雑すぎる多種の糸がミックスされた生地は「全体表示」にせざるを得ないと言えます。

結局はユーザーが分かりやすいかどうかであることを考えると、私としては、「分離表示」で示された日本製のフロッキーの生地に示されたような表示の仕方が結果的に「親切な表示の仕方」だと解釈します。

が、そう単純な生地ばかり出ないのも現実なのです。

イタリア製に多く見られる混率は、美しいがゆえに表現し切れない複雑さを秘めていると理解できます。

品質表示が複雑な生地=こったお品と言って良いでしょう。

これも品質表示の奥深さです。

あとがき

今回は、生地の混率にスポットを当ててみました。

生地の混率をじっくりと見るのは、事業をしている人が大半、もしくはアレルギーを気にする方だと思います。

品質表示をじっくり見るということは、その素材を選ぶかどうかの厳しいジャッジのためにはの重要です。

素材を大切にしている自身がこの後できることとして、いただいた生地の混率情報をきちんと記録し、必ず製造品が完成した暁には購入していただくお客様に伝えていくことです。

作り手の役割として、細かな知る限りの情報を先端のユーザーとなる人へお届けしつくしていくことです。

そうした中で、お客様が混率に興味を持ち、自分で調べたり素材に興味を持っていくきっかけになったりして行き渡る明るいその先が見込まれます。

時には、このような情報をクリアに伝達してくれる製造者に対しても「信用/信頼」が生まれるということも。。

ジャガード生地特有の表裏両面使いは効果的なのか何かデメリットはあったのか【26】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

薔薇の花柄がもともと私自身が好みであることの延長で薔薇柄ジャガード生地を多く採用してまいりました。

最近は、デイジーの花柄にも目を向け始めました。

薔薇の花柄のエレガントさ比べ、デイジーはかわいらしさや親しみやすさがあるみたい。

今回は、この新しく目を向けたデイジー柄でバニティーショルダーバッグを製作しました。

ジャガード生地の表面と裏面を1つのバッグで使い分ける材料のフル使い

ジャガードと呼ばれる生地は、基本表面と裏面が同じ柄となります。

ただ、面白いのが、全く同じではない点です。色違いで表面と裏面の2種が使えるという2倍の喜びを得ることがあります。

今回が、まさにこれ。表面と裏面が結構違う色で出ている点がユニークです。

じっくり見ても不思議なもので、表側の色のそのまま反対側がこの色?という意外性があります。

例えば、表面では一番濃いモカみたいな色の裏は、薄グレー色です。

この場合薄い、と濃いが表裏で真逆になっているようです。面白いですね。

<表地/裏地共通>:ジャガード、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、イタリア製。

ぎっしりと咲き誇ったデイジーの花。

表面の赤xブロンズx薄グレーが本来の表面、下のサーモンピンク中心にモカなどの色が混じった色目の方が本来の裏面になります。

裏面は何となくセピア色の風景と言った感じですね。

極端な話、どちらが表として使っても様(さま)になるというのがジャガードのメリットです。

生地の厚みは中肉でやわらかめです。

生地の選定においての注意点

私自身が気を付けていることとして、バニティー型は、素材を中肉以下にしなければならないという必須事項です。

なぜなら、重なる部分が分厚くなる部分がミシンが通らなければならないからです。

バニティー型で生地が一番重なる箇所:この指の右側の縦のラインが一上から下まで、かなり分厚くなります

ここは、さらにファスナーの縫い代隠しを兼ねて正方形のネックというパーツをここに縫い付けることになります。

ネックパーツを縫い付けている場面:このネックもいろいろなパーツが重なり厚みがさらに増します。
ずっと右に移動した裾の先端は、さらに各々のパーツの縫い代分も重なりますので、余計に分厚いです。

そうしますと、最初からの生地の選定をこのような場面になった時に、ミシンの針が通ることが可能かどうかということを想定できていなければならないのです。

ましてや、同じ生地を表地にも裏地にも使用していく今回はさらに特別で、中肉ながらぎりぎりの厚みです。

バニティ型は薄すぎると、へにゃっとして弱々しくなるとあまり高級な感じになりませんから、生地のある程度の厚みはポイントですので、薄すぎてもいけないのです。

ジャガード生地の裏面を裏地で使用という案のメリットとデメリット

さて、裏地に表生地を使ってしまうというジャガードの場合に有効な案だと思った今回の製作ですが、実はデメリットがあったことを知りました。

ポケットの付け場所は、バニティーは少ないです。

とにかく後側は重なる部分なので、ポケットを最初に付けておくことは物理的に不可能です。

そうするとおのずと、正面の外か中に取り付けることになるのですが、正面の外というのは、柄が一番素敵に見える場所なので、そのままさら地にしておきたいものです。

そうすると外にポケットは付けられない、ということになって、必然的に、中側の前だけになります。

サイドの部分はバッグの形が楕円型となるから、面積が狭い部分にあたります。ですから、物がたっぷり入るような機能的なポケットにはなりません。

ということで、二重ポケットを前面に取り付け、とりあえずポケットの充実ということに至った案だったのですが、この結果このように少し表にひびいています。

ファスナーの下の辺りに裏に付いているポケットの姿がぽっこりと浮いているのが分かります。

この原因は、重なった部分が厚みがありすぎるということです。

表生地と同生地の厚みで裏地も使用する場合、こういうことになる部分があるかもしれないので注意せねばなりません。

ポケットを複数付けたいということに注視し過ぎた結果でもありますね。

ポケットの袋も表生地で行いましたので、せめて袋だけでもを薄めの違う素材を使用するべきだったかもしれません。

一般的には、裏地は表地よりもかなり薄手になっている理由の1つがこういったことになって実感した次第です。

ということで、ジャガードの両面を使用することのデメリットとして、裏地ならではの薄さが効果的である部分が分厚くなってしまうというものでした。

完成品の閲覧会

では、10枚の写真をどうぞ。

<サイズ>:縦17cmx横27cmxマチ12cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ67/120cm。・・・一番短くて67cmなので、
ハンドバッグのようにご利用いただくこともできるかと思います。

あとがき

もう一度この写真をご覧いただきたいと思います。

このお品、そこそこ綺麗にはできたのですが、最終的にはボツになりました。

上述のポケットのアタリもそうですが、取っ手の部分を見ていただきたいのです。

取っ手の取り付けがしっかりしたものではないと感じますね。

ふんわりとてっぺんが浮いてしまいました。

ここを後に工夫していきます。いまのままでは、てっぺんが使っていくうちに変形しやすいものになってしまいます。