後付けリムーバブルなくるみ底板の最もミニマムな姿、長方形4角をそぎ落とし現実的なフィット感の変8角形へ【140】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1つ前の番号の【139】の記事では、バッグの底板「ベルポーレン」を製作の途中でそのまま内蔵するタイミングと固定枠の「部分ステッチ」のご紹介をしました。

このたびの【140】では、ボストンバッグなどあらかじめ内蔵が不可能なデザインを含むタイプのバッグ用に、別で作る「くるみ底板」の最も望ましいデザインを検討していきます。

必ずしも長方形がミニマムとは限らない、バッグの底に見事にフィットする感触が正解の変八角形くるみ底板カバー

検証のために製作した3デザインのくるみ底板:断然真ん中の変八角形がすっきりとスタイリッシュでした。
共通に入れ込む底板の元素材:「ベルポーレン:2mm厚」です。割れない底板です。角はカーブにカットが共通。

それぞれのデザインのカバーに内蔵することで角のフォルムが中身とぴったりではないという実態。

長方形は明らかに、設置の際に四つ角が余りしわが寄っていて余分であることがはっきり分かりました。

右の楕円型は、製作に困難を伴い成功率が低いデザインであると感じました。

変八角形の底板カバーの作り方:縫い代はすべて1.5cm。ひっくり返しをせずに鋭利な角をはっきり出すやり方。
折る順番:感触としては、短い辺を先に折っておくと作業がしやすいと感じました。
ミシンステッチ:最後の辺のステッチの途中で底板を入れ込むというタイミングで良いです。
変八角形くるみ底板の完成:「外表」のまま続行しましたが、「中表」でも90度を超えた角は可能かもしれません。

あとがき

沈んでいかにも重そうに見えるバッグの底が心地良いなどとは決して思いません。

しかし、融通性も鑑みた畳めるサブバッグの場合は、底板がかえって邪魔になることがあります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.03からおよそ5年後の2025.05.22にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年現在では、メインバッグの製作スタイルからは撤退しておりまして、サブバッグ的存在のバッグというポジショニングを決めました。

なぜなら、メインバッグは「ハイブランド」様が王者だからです(到底敵わない)。

ただ、先にメインバッグ製作をしてきてからのその後のサブバッグへの切り替えという変遷は、かえって良かったと思っております。

そして、そのノウハウも同時に共有して広める活動も並行しながら、本当の「サブバッグ」の存在感を考えていきたいと思います。

「ブランディング」だけでメインバッグになっていくものなのか。。それともサブバッグとしてご提案しても、実際はメインバッグに使ってもらえるのではないかなど。

ご提案に納得していただけるよう説得型のスタイルよりも、ユーザー様の「意志」こそ最も強力な動きを生み出すのかもしれないという可能性に賭けています。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

マチ底の縫い代同士の固定ステッチで作られる枠組み、トートバッグの底板はここに安定的に内蔵される【139】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

個人事業主になった2018年2月頭、開始当初バッグ自体がなかなか認知されず、ミシン技術を活かした何か別の商業ができないかと随分考えました。

枯渇した策の中から絞り出したアイデアとして、「底板作り」を思い付きます。

きっかけとなるエピソードとして、すでに持っているバッグの底が沈み不格好であることのフォルムのキープからでした。

そして、ただ底板を設置するのみならず、バッグ内の裏地に馴染むような色合わせをした「くるみ底板」をご提案。

大変有難くご利用いただいたことがありました。

その時のお客様のニーズから、オーダーメイドスタイルで、ダイヤキルトを伴った底板作りを賜りました↓。

2018年前半の頃の「くるみ底板」:@¥1,700/点という価格でのご提供でした。サテンのワイン色の生地です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.02からおよそ5年後の2025.05.21にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

難しいもので、底板が必要なケースもこのようにあったわけですが、その後2025年現在では底板はかえって畳めないデメリットがあり廃止しています。

畳めるサブバッグ的存在のバッグに特化することを決めた2025年現在。

メインバッグにしていただけるということは結果的なもので、当製造側としてはハイブランド様には到底かなわないと、メインバッグ製作を降りているのです。

業者が底板を製作することは確かにお役には立てると思うのですが、それだけを発送することの無駄が大きく、かといって高額では成り立たない縛りに限界を感じました。

さて、では必要な時どうすればよいのか。。の1つの策として「自作」をお勧めしたいと思います。

もし、良き背景があった際には商業利用もご検討いただければ、お客様は大いに喜ばれるとは思います。

このたびは、トートバッグへの安定した底板の設置の仕方を「内蔵するタイプ」の方で解説してまいりたいと思います。

ただ設置するのみならず、周りの環境も工夫することで動きにくく、ずれにくくするノウハウを含みます。

トートバッグに底板を内蔵する際の安定感の高め方、表地と裏地のマチの縫い代同士の部分ステッチ

「ベルポーレン」の2mm厚の底板:決して割れない素材。ハンドメイド界隈では定番材料なのでは。
底板専用型紙:バッグ底の型紙がある丸底バッグでも、一回り二回り小さく底板専用に別に型紙を作るべきです。
カット専用にお勧めのハサミ:割れないプラスチック底板2mm厚はかなり硬いです。このハサミお勧めです。

「amzon」様で購入可能のハサミです。

ハンドメイドバッグ活動を長年やってきまして、こうした工業的なハサミは、日本製は安全性が重視され、先の尖りが不足したものが多いです。

一方、中国製の上の写真のようなハサミは、先が鋭利で、しっかりカットできるのです。

生地の裁断も同じで、日本製の良質と言われるステンレス裁ちばさみは、ハサミ自体は良質でも刃先が緩やかで、細かいパーツのカットにエッジが効きません。

一方中国製の裁ちばさみの方もまた、上の写真に似て先が鋭利で細かいパーツを正確にカットできます。

とはいえ、作りの緻密さの不足は日本製には及ばないかと。

価値観に依るところではあるのですが、研いで永続的に使わず切れなくなったら買い替えるスタイルならば、断然この中国製の商標品の方がコスパが良く、使い勝手は優れているという意外があるのです。

底板の内蔵場面:左上の表地と裏地の底同士の合体後、両端の縫い代の部分的ステッチで覆いを作っておきます。
底板内蔵のリュックやトートバッグの底のライン:しっかりとした底を作ってくれました。

あとがき

こうして、そのまま内蔵するようなリュックやトートバッグにはこのたびのようなやり方でやってみてくださいませ。

おそらく、ボストンバッグは底板は内蔵しにくい作り、冒頭の後付けタイプの「リムーバブル」式で生地でくるみ込んで設置となると思います。

冒頭では四角い形でしたが、後に底への沿いの良さを研究し、端っこの尖りをそぎ落とし変八角形へ改良。

その作り方は、次の投稿の【140】ともっと後の【1383】の「変八角形」の形でご紹介しています(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

丈夫な厚芯内蔵に伴うもう1つの大切なこと、ミシンステッチ4本が合わさってこそのバッグの取っ手のハリコシ【135】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ道を歩み始めたのは2007年。

最初は、接着芯すらも貼らないまま、生地のみで製作する究極の一重仕立てスタイルからのスタート。

有難くご購入いただきましたお客様からのフィードバックによると、気に入って使い続けたその取っ手が擦れたとのことです。

そして、その後、作るバッグ自体に「ハリコシ」が必要であることを重視していきます。

すべての生地には基本的に接着芯を全面貼り、更に丈夫にするべきパーツには第2の芯地として「ハード薄芯」「ソフト厚芯」を貼っていくことに製作スタイルが発展していきました。

このたびは、その改良の比較的初期の頃に取り入れ始め、かなり効果的であると感じた「取っ手」の製作スタイルをご紹介したいと思います。

ソフト厚芯内蔵の4本ステッチの取っ手です。

接着芯とソフト厚芯に加わる4本のストライプステッチ、バッグの取っ手の強靭さと持ち心地のふんわり感を形成

接着芯のみの取っ手:インテリア収納バッグのような入れ物的機能重視ではかえってこの方が良いことも。

このたびは、使い倒す程のバッグにも有効な、「強靭な取っ手」になるために、接着芯を貼った後に更に「ソフト厚芯」を内蔵するのです。

「ソフト厚芯」の内蔵(左上から右下へ):取っ手生地・ソフト厚芯それぞれ単独で観音開き折り後重ね包み。

ボンドなどは不必要、それぞれを単独で観音開き折りする点こそが上手く重なるコツ。

ダメ押しに最後に真ん中で再び折ることも美しいラインに仕上げるもう1つのコツです。

洗濯ばさみの利用:クリップがよく使われますが、縫いながらどんどん外していきますのでこちらも有効。
外枠ボックスステッチ:先に外枠ステッチから。一番最初はハギ目の先端から時計回りに進行、「わ」は後です。
真ん中2本のステッチ:外枠から途切らずに引き続いても可能、均等に内部に2本のステッチを入れていきます。
4本ステッチの完成:ステッチ間の横幅が均等にできるまでには、技術訓練が結構必要です。

均等にできるまでの途中段階であれば、均等にはなっていなくても。偏らずに真ん中の幅のみが少し広いという左右対称のステッチであるという段階があっても良いかと思います。

完成の取っ手2本のハリコシ:非常に高まったハリコシ。最初の接着芯のみの取っ手と比較すると一目瞭然です。

確かにデニムライクな素材であることがハリコシには多少繋がりますが、一番の影響力はやはり、内蔵の「ソフト厚芯」に加えた「4本ステッチ」の2つのハイブリッド力であると考えます。

あとがき

このたびは、こうして丈夫なバッグの取っ手を作ることで、バッグの長持ちや傷みへの対策になるということをお伝えで来たかと思います。

ただ、バランスも忘れてはなりません。

生地が一重仕立てなのに、ここまでの内蔵物を入れるのは、取っ手のみが勝りバランスが悪いのです。

都度全体の使用イメージを伴う強度のバランスが取れた選択をして、最初の接着芯のみで良いのか、このたびのような最強の取っ手にしていくのかを選び分けると良いです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

時にバッグを丸ごと支える役割を担うショルダータブ、丈夫さを実現するために伴う縫い付けやすさの追求【126】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

こんな苦いエピソードがあります。

ショルダー付きのドーム型バッグ(ハイブランド)のショルダータブが本革1枚仕立てでした。

おそらく、今思えば、縫い込み易いように革を漉いて薄くしてある作りだと思われます。

中身を入れて持ち歩く経年の末、レザーが裂けてある日ポンと外れました。

こうして「Xデー」は突然やってきたのでした。

同じブランドの店舗で何とかお直してもらえましたが、おそらく取り付け方は同じ手法でしょう。

ブランドバッグは、見た目の綺麗さも重視でしょうから、スマートな形に見えるように弱くなっている部分もあると見ました。

そして、気休め程度のショルダー機能をメインに使用していた使い方の限界もあったと振り返ります。

その後、自らもバッグを製作するポジションに立った今できること、それは過去の苦い体験を良き方向へ活かすことです。

このたびは、永続的なバッグ全体を支える「ショルダータブ」の作り方です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.05.14からおよそ5年後の2025.05.08にブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直し綴り直しをしています。

2025年では、2020年に動画におさめた作りよりも更に発展、当ブログ記事の最後に改良後の最強のショルダータブの姿をご覧いただけます。

こんな小さなパーツがバッグ全体を支えている、本体と共に歩み何十年も永続的な姿を実現するためのショルダータブ

丈夫に作るためには、作りやすいノウハウも重要。

厚みある生地の場合、間に挟み込む柔らかさも必要であることが、冒頭のブランドバッグの「革をなぜ薄く漉いたのか」の理由を解くカギとなるでしょう。

わざわざ一手間入れたその意味が必ずあるはずなのです。

型紙と裁断:ミニバッグ用で考えていた2020年では5cm四方の型紙で十分でした。生地には接着芯を貼ります。
三つ折り観音開き折り:縦に二つ折り後、両サイドから三つ折りして内部に寄せていきます。縫うのは内部です。
ショルダータブの縫い始め:三つ折りの内部の左右ともステッチします。2020年は、1本ずつ区切っていました。
ショルダータブの左右のステッチがけ:その後の見直しで、内枠をボックス状に一繋ぎに縫っていく方法へ改良。
内部ステッチ完了:その後のボックス状式で横線も入ることになりまして、玉止めが1か所にまとまる姿へ。
Dカンに通して根元をステッチで固定:この作業も大切で、バッグ本体への挟み込みの際に安定的に作業が可能。
根元の二重ステッチの完成:二重ステッチの方がかえって玉止めがスムーズ、更にしっかり固定されます。
ショルダータブの完成:Dカン内径は15mm。出来上がり幅に合わせて適切に選択。ここから2025年へワープ↓。
2025年の完成型ショルダータブ:Dカンに使用する時と同じ作りで巾着ホールに引用。ステッチが外枠にも出現。

この4本ステッチが走る2025年バージョンの方もステッチは一繋ぎで最後同じ場所に戻るので、作り方としては非常にスムーズです。

巾着ホールに使用するというアイデアが生まれたと同時に、頻繁に動きがあることで丈夫さをより考慮するように。

グラグラと動く「わ」の部分をステッチで固定して最も固定された究極な状態を実現したというわけです。

通常、「わ」にステッチなどしないという考え方から、多くの市販品では省略されている過程であると思います。

この4本ステッチの姿は、ショルダー・取っ手・支柱ベルトに引用の4本ステッチに重なるところがありますが、折り方は違います。

このたびの「シンメトリー」な三つ折り観音開きの折り方は、硬い生地でも融通性を持って作ることができる平らな折り方なのです。

あとがき

もっと大きな見方をしますと、「ジーンズ」の例があります。

ポケットのスレキは、メイン生地のデニムよりもはるかに弱々しく、ジーンズをこの先何十年もはいていきたいのに、ある時点でポケットが終焉を迎えてしまうのです。

その他バッグの例では、ナイロン生地に対して本革レザーの取っ手を付けた高級感を感じる組み合わせ。

しかし実際は、ナイロン部分の角などの破れがあるにもかかわらず取っ手がもったいなく変わらぬ姿で健在というもどかしさです。

このように、自らのがっかり体験を、ユーザー様目線として活かしたいと思ったのでした(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

接着芯必須の観音開き折り後の外枠ボックスステッチで完成、しなやかさを持ち備えた丈夫な巾着共布ひも【125】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作のあるパートごとのポイントをじっくり解説するスタイルとしまして、<HMB教室:ハンドメイドバッグ教室>というカテゴリーを設けています。

他の作業も同時に進めたい・時間を有効に使いたいことからリアル教室というスタイルをとっておりません。

当教室は、ハンドメイドバッグ活動の「共有型のハンドメイドバッグ」というコンセプトに相応しいものでありたいと思っております。

教室とは言え私は先生的存在では決してありませんでして、ノウハウの共有の場を作った者であるに過ぎません。

さて、このたびは、「巾着バッグ」などに利用が見込めます、「共布巾着ひも」の製作。

巾着ひもを含む「支柱」「Dカンタブ」「取っ手」などはすべて「ベルトパーツ」と考えております。

丈夫には作りたいものの、巾着ひもには「しなやかさ」も重要、その他のベルトパーツとは少し違った質感で出来上がります。

その違いとしまして、外枠ボックスのみで終わるということをあえてしておりまして、「支柱」「Dカンタブ」「取っ手」などはすべて内部にもステッチが走る4本ステッチ構造という違い。

それらはまた別の機会にお伝えしていきますので、このたびは、その手前のステップとしても良い順番である外枠ステッチのみのタイプであるひもをご紹介します。

「しなやかさ」が弱さや薄さを解決した「丈夫さ」を伴うものでありたい、巾着バッグに使える幅8mm強の共布ひも

あらかじめ接着芯を貼った幅35mmの生地をご用意。

共布ひもの観音開き折り(左上から右下へ):縦に真ん中で折り、そこへ向かって両サイドから折り込み。

よくお伝えしているのですが、ダメ押しアイロンを再び真ん中で最後に折るというひと手間がかなり出来上りのラインに好影響。

ボックス枠のステッチ:アシンメトリーな両サイドの「重なり」の方からのスタート。「わ」の方は後半です。
完成後のアイロン:端の玉止めは溝の中に隠してあります。最後にアイロンで全体を整えます。
共布巾着ひもの完成:型紙の幅が3.5cmでは出来上がりは8mm強です。巾着バッグのハトメホールなどに有効。
完成の共布ひものズーム:内側にステッチを入れていないことがしなやかさも保つようでした。
出来上がった共布巾着ひもの質感の検証:試しに結んでみました。ハリコシも確かにリボンの形で感じられます。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.05.13からおよそ5年後の2025.05.07にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年現在では、片面ハトメを設置する製作スタイルを廃止、蝶々結びで入り口を閉じるモデルも廃止しました。

よって、このボックス枠のみの共布ひもは現在では引用しておりません。

「中間的なバランス」という曖昧さは、当ハンドメイドバッグ製作にはあまり合わなくなっていきまして、そらだけはっきりとしたスタイルへ変わっていった証拠です。

とはいえ、巷のバッグの完成品をどうぞじっくり見てくださいませ、多くは、「わ」の方のステッチが省略されたコの字で完結しているのです。

その点では、惜しみなく手間をかけたスタイルとしては記録に残しておこうと思います。

ハンドメイドバッグ教室の主催者も日々変化しているので、その後の変遷があります。

後の製作の中の「見直し」につきましても、こうしてブログ記事の「手直し」で追記し、長期間にわたる目線で見た奥行きある内容としてまいりたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

バッグのDカンタブを美しくすっきりと仕上げるために。。縫い始めと縫い終わりを裏面へ玉止めで隠す始末【124】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

<HMB教室>カテゴリーであるこのお部屋では、ハンドメイドバッグのノウハウを各パーツにスポットを当ててじっくり型で解説。

<製作>のカテゴリーの投稿ではどうしてもYouTube動画も4倍速にせざるを得ない編集作業事情がありまして、「ハンドメイドバッグ教室」というネット上の教室を2020年から設けています。

バッグ全体の作り方ノウハウに関しては、到底YouTube動画のみでは難しい過去の体験から、「有料コンテンツ」として価値をしっかりと入れ込んだ「ダウンロード型コンテンツ」も制作中なのです。

ある部分のみのパート別のノウハウに関しては、是非当<HMB教室>をご覧いただければと思います。

このたびは、バッグの外への縫い付けのDカンタブなどに引用の、両サイドから三つ折り観音開きで作るベルトパーツの糸の始末をお伝えしたいと思います。

表にむき出しのパーツ取り付けなどに有効、ミシンステッチのぐるり1周後玉止めを裏側に隠し込む糸始末の方法

ぐるり1周ステッチを伴うDカンタブ:挟み込みの場合は縫い代はそのままですので無関係、外付けの場合に該当。
三つ折り観音開き後のステッチ:内側にボックス状に1周ステッチします。この時の糸始末がこのたびのノウハウ。
裏面の玉止め:表に出ている2本の糸を共に裏面へ通しまして、左右2本ずつで玉止め。
玉止めした後の様子:元々内枠のボックスステッチであることから、内側にそこそこ隠れて玉止めができました。

ここでお伝えしておきたいのが、当ブログ記事は、最初の投稿の2020.05.11からおよそ5年後の02025.05.06にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年から見ますと、2020年のこのノウハウは不足していると振り返ります。

現在では、ここから続きがあり、糸を裏面へ通した後に、更にその場所から内部へ少し進みながら溝へ玉止めを完全に隠すという方法をとるようになっています。

教室でお伝えしながらも、その後改良しているのです。

そうすれば、ひょんなことで表に少し見えてしまう玉止めの糸の先端は、2025年バージョンでは完全にしまい込まれ出てくることが無いのです。

あとがき

こうして、教室をやっている当人が学んでいるわけで、間違っても「先生」とは名乗らないということを決断。

ここに、「共有型のハンドメイドバッグ」というコンセプトらしさがあります。

誰も皆決して完璧な人間などではない、教室の主催者さえも。。

「ハンドメイドバッグ道」はその道を歩むすべての者が対等。

技術をある程度身につけた者であっても伝達しアウトプットしながらも、常に学びを伴う未熟者達の集まりの姿なのだと。

「修業の場である」と言われるこの3次元において、最も相応しい姿なのではないかと考えます(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

あくまでピンチの時だけ、ミシンステッチの途中で糸が途切れてしまった際に縫い目を自然に継続する方法【123】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシン縫い作業は上糸と下糸のコンビネーション。

下糸はミシンの構造に沿い、「ボビン」という小さな巻きパーツに巻いて設置します。

このボビンがなかなかのミニサイズ、一度に巻くことができる糸のm数がハンドメイドバッグ製作では20m周辺だったのです。

実際にボビンに巻いたm数を採寸する実験をしておりまして、30番のスパン糸では17.5mという結果が出ています。

テトロン糸の場合もう少し余分に巻けますので、25-30m行けることもあります。

糸の種類によっての多少の違いは有れど平均的な巻き数の目安にご利用いただけるデータ「30番:ボビン:20-30m程度」という記録です。

1点のバッグを作るにあたり、必ず途中で下糸の交換が3度ほど起きます。

しかも、その交換時期は突然訪れ、たとえ縫い途中の場所であってもやってくるのです。

さて、その途中の縫い目はどうするのかということを、緊急事態のノウハウとしてこのたびご紹介したいと思います。

題して、「ミシンステッチを自然に繋げる方法」です。

決して頻繁に行うことであってはならないと考えますので、前もってのボビンの準備の方が大切であることはよろしくどうぞ。

ミシンステッチの途中で糸が途切れた場合の継続方法、結べるまでリッパーで遡り返し縫いせずすぐ隣から再スタート

ここ数年は、良いお品を作るという前提のもと、糸の縫い目は表には出ないことを徹底しています。

が、そのようにな意識をしていても、糸が途中で途切れるというハプニングがどうしても起こってしまうことがあります。

<糸が途中で途切れてしまうケースの例>

・下糸がなくなった時

・厚手の生地を縫っていて不意に脱線してしまった時

・間違えて押さえを上げてしまった時、

・糸がどこかしらに絡まり、やむなく途中で切って対処した時

そんな時に、縫い目の続きから再開できて、糸の縫い目が表から見て何の問題もなく自然に繋がる方法があります。

最初からほどいて縫い直すことも、実はリスクを伴うことがあり、薄手の生地や極端にハリコシのある生地はステッチは一発勝負が望ましいのです。

三つ折りステッチの準備:このたびの見本例の為に細長い生地を準備して、三つ折りアイロンをしました。
三つ折りステッチ:スタートは返し縫いで、途中でストップして押さえを上げ、糸を切ります。
糸が途切れた場所の終了の固定:切れた部分の糸を結べる範囲までリッパーで遡り、内側に下糸を持ってきます。
裏側で玉止め:裏側へ持ってきた下糸と上糸を玉止めしていったん完了しておきます。表はステッチが自然に表出。

ここでお伝えしておきたいのですが、当ブログ記事は最初の投稿の2020.05.11からおよそ5年後の2025.05.05にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

実は2020年当時ではここに不足の部分がありまして、2025年版のノウハウとして付け加えさせていただきたいのです↓。

写真の左側の糸の上糸も下糸も三つ折りの内側に来ているこの続きとして、更に三つ折りの内部に糸を通して隠していくという追加ノウハウです。

そうするとここの三つ折りの内側にさえ途切れ目が視界に入ることがありません。

糸が途切れた場所の再開の作業:終了のすぐ隣からステッチを再開。スタートの返し縫い無しで通常通り進行。
途切れた箇所の二度目の結び:先程と同じように裏面に下糸を持ってきます。

ここでも2025年バージョンのノウハウにより、糸を2本共三つ折りの内部へ隠し結んで固定します。

糸の自然な繋がりの完成:どこが途切れた場所かなどもう分かりません。2025年バージョンは裏面もすっきり。

あとがき

さらに究極な状況としまして、糸の長さが不足して結べないという事態があります。

この場合にも、もう片方の糸が長ければ結び方のコツで解決できることがあり、別の投稿【1024】でお伝えしました。

冒頭でもお伝えしましたが、やむを得ない場合に限る対策として心得ていただければと思います。

一番良いのは、一繋ぎで最初から最後までステッチできることなのですから。

長い期間に渡る製作の中では決してすべてが順風満帆とは行かないのが現実。

そのリアルをアウトプットした方が実直なのではないかという考えに基づいて、このたびのような「小技:こわざ」的なこともお伝えしてみました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト

内部に隠れた構造のポケットの門であり顔でありたい、スタイリッシュで瀟洒な変六角形のポケットフラップ作り【121】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグにおいて、ユーザー様が自らポケットの場所を探る時、1つの目印のようなものとして「フラップ」の存在をそのようにとらえています。

内部に隠れたタイプのセキュリティー性が高く容量がより確保できるポケット、そこには、その入り口を深く覆うフラップが望ましいと考えます。

このたびは、「中表」でひっくり返してカーブラインを出すタイプのフラップとは別の、「外表」のまま縫い代を内側に折り込み2枚を貼り合わせるタイプのポケットをご紹介。

ひっくり返すことで角のシャープなラインを失うことが予想される場合、「外表」は大変有効だと考えます。

たった1パーツの丁寧さの集まりで1つのバッグが成り立っているのだという見方を、このたびの「変六角形」のフラップを通してお伝えできればと思います。

壮大な大地のようなバッグ内部の裏地の中にある1つの門、スタイリッシュで美しい変六角形のポケットフラップ作り

家の鍵などをバッグに入れて持ち歩く際に、内側に設置のポケットは非常に有難い機能。

これは、実体験からなのですが、マジックテープ付のフラップの付いたポケットを開け閉めすることが時にストレスを感じることがありました。

マジックテープもなかなかしっかりしたものなので、片手が難しいのです。

しかも内側なので実際は手探り、まじまじと見ながらポケットを開け閉めすることなど少ない、実際の現場というのはこういうものです。

そうした時に、マジックテープがしっかりくっつきすぎていて、一度で開けられず何か煩わしさを感じたのです。

その後、マジックテープを付けなくても、フラップ自体の護衛機能の働きとメインファスナーがあれば、問題ないと思うようになりました。

とにかく、マジックテープを付ける・付けない両方にも対応できるフラップです。

型紙作りと裁断:縦10cmx横15cmの長方形の底部分を2.5cmの型紙の目盛り同士を結ぶバイヤスにカット。
接着芯貼りと内側への折り込み:接着芯は茶色。縫い代1.5cmですべての辺を内側へアイロンで織り込みます。
「外表」で貼り合わせ:ずれないようなピッタリ感が大切です。縁枠を3mm程度でステッチ、最後は隠し玉止め。
変六角形のフラップポケット完成:<サイズ>縦7cmx横12cm(一番長い辺を計りました)。
アップ写真:先染めロンドンストライプグリーンの変六角形ポケットフラップ。バッグ内の顔のような存在へ。

あとがき

当ブログ記事は、最初の2020.05.02の投稿からおよそ5年後の2025.05.03にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

その後の研究では、この「変六角形ポケットフラップ」は「中表」でも角がちゃんと出るように作ることができると判断。

なぜ鋭利な角がひっくり返してもちゃんと出たのかは、その角度にありました。

90度のような究極では鋭利には出ない角も、もっと大きな値の90度以上に開いたものであれば融通が利くようなのです。

「縫い代が広い角度に渡りゆったりと広がることで落ち着く」という外からは見えない現象が内部では起きているのでした。

これも製作者の成長、今までは目の前に見えることしかノウハウに盛り込めなかった当時の2020年でした。

その後2025年現在では、「実は奥では何が起こっているのか」を考えるようになったのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

YouTubeとブログでハンドメイドバッグ教室をオープン、自らも最初に学んだ一重仕立ての「ぶら下がり式ポケット」【116】

アイキャッチ画像116

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.04.03からおよそ5年後の2025.04.28にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

思えば2020.04.03は「コロナ禍」のど真ん中だったと思います。

人々が集まる場が遮断され、自宅生活が主流になった期間。

日々お出かけ好きなアクティブな方は、それはそれは辛かったことだとお察しします。

そのような中で参加予定であった対面販売ができるはずだったハンドメイドマーケットも完全中止(白紙になる)となったのでした。

そのような絶望の中であるアイデアが起こります。

ネット上の教室を開くことで、そのノウハウを伝達する場をあえて設けようと。

もともとYouTubeにしても当ブログにしてもノウハウの伝達の内容ではあったのですが、改めてカテゴリーに<HMB教室:ハンドメイドバッグ教室>を盛り込むことにしたのでした。

通常の400倍速などの早送りでなければとても完成までの過程をすべてお伝えできなかった動画投稿に毎回なってしまうデメリットもYouTubeにはあります。

当教室では、短い時間でじっくり型の部分的な解説をしていこうというスタンスです。

そうすることで、このカテゴリーの意味が生まれ、よりじっくりとその製作スタイルまでもが伝わると思ったのです。

このたびの初回は、ハンドメイドバッグ道を歩み始めた2007年頃に私も学んだ最初のポケットの作り方をお伝えします。

よくサブバッグに付いているあの一重仕立てのポケットです。

接着芯要らずで生地1枚で作ることができる点が踏み込みやすさであり、とはいえ物理的構造はなかなか奥深いポケットなのです。

むしろ貼っては見えてしまうから接着芯不要の、生地1枚のみで作れるスタイリッシュなぶら下がり式/吊り下げ式ポケット

このポケットは上部を挟み込んで縫い付ける時に利用できるタイプのポケットです。

単純明快でシンプルな初期的なバッグ製作においても必ず出てくる三つ折りに使うことができます。

使用生地:生地名不明(おそらくブロードで良いかと思います)、綿/100%、日本製。
縫い糸選び:白では味気ないことと、こういう時にこそ特殊なカラーの糸を馴染むように利用していきます。
用意する生地1枚の寸法:縦25cmx横20cm。適当でも縦長にして右下のようにポケットらしい縦横比率を確保。
上下の三つ折り:アイロンで上下を7.5mmずつ三つ折りします。折る向きは裏側に三つ折りが隠れる向き。
三つ折りステッチ:上下とも三つ折りステッチをします。
ずらしてポケット袋を確保:上から2.5cm程にずらしアイロン。この時ひっくり返した時の柄の向きを意識。

<柄の向きがある時の向きの把握の仕方>

「わ」で一繋ぎの生地で作る訳ですので、折った方の段差の低い方の正面がどうしても出来上りで柄が反対になってしまいます。

よって、折った段差の低い方の内側の柄の向きが正位置であるためには、縦長の状態で柄の向きが天地逆になっているところから始めるのです。

サイドの三つ折りステッチ:段差の大きい背面(ひっくり返しても背面です)の方に向かって三つ折りステッチ。
ひっくり返し後の作業:左上から右下へ、ひっくり返している場面とポケット入り口までのヒラヒラの固定。

この固定は無しで解説されていたと記憶していますのでどうしても必要ではありません。

ぶら下がり式ポケット完成:<サイズ>上から2.5cmが袋の入り口。ポケット袋は縦10cmx横17cm。

あとがき

初回は、「ぶら下がり式ポケット/吊り下げ式ポケット」の作り方でした。

挟み込むということが決まっているのなら上の三つ折りは無しでも良いと思います。

アレンジ方法としては、①ポーチにもなる②持ち合わせのバッグへのポケットの追加③壁かけポケットの使い方などが見込めます(^-^)。

書き手:ピクチャレスク