高級生地はむしろ共布ひも、既製品のひもよりも原価が下がる美しい形状記憶大花柄のコロンとした巾着袋【66】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年では高級生地を使わせたいただくハンドメイドバッグ製作に取り組みました。

高級生地のはぎれを隅々まで有効活用し、メイン製作後の残布で小さなサイズの袋物やポーチを作ってそちらも製品化。

2点が完成することで、原価を下げる一手になりはしないかと考えたのが2019年の考え方です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.10.06からおよそ5年半後の2025.03.07にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

この考え方は、いかにも「生地頼み」の考え方であったと後に見直すことになります。

とはいえ、「縫製」に伴い「裁断」が存在する製作では、必ず残布が出るのは致し方が無いことであり、運命のようなもの。

はぎれを有効活用する工夫は決して間違いではないのです。

ただ、もう1つ余分に作れたことで原価を下げることができるという考え方は、いささか浅い考えであったかと。

このたびはフランス製の形状記憶生地のぼかしプリント素材が結構多めに余っていましたので、これを材料にミニ巾着袋を作った記録を綴ります。

元のメインバッグ製作は、【24】の投稿の「メッセンジャーバッグ」でした。

薄手生地の一重仕立てに利用、地縫い後2枚をまとめて三つ折りする始末で作ったころんと丸い共布ひものミニ巾着袋

使用生地(ブルー大花柄):タフタプリント、ポリエステル/100%、フランス製。

はぎれの余り具合としては、なかなかの分量、巾着ひもも共布で作った点が特徴です。

はぎれにしては余った方、本体パーツ縦30cmx横25cmが2枚確実に確保できました。

型紙を使わない裁断:後で猛省することになりましたが、型紙を使った方が丁寧で緻密な製作になると思います。

この反省は後の製作に大きく影響したことであり、はぎれで作る製作品をバイヤスで見ていたのです、「どうせはぎれで作るものだから」と。

その考え方を大きく改め、すべての製作をフラットに見て、小さくも大きくも関係なくすべてに平等に熱を注ぎ込む製作スタイルへと変えていったのです。

このフラットな見方は、時間をかけた製造者本人の苦労の成果や可能性を自ら決めてしまうことを見直したものになると思うのです。

2025年であれば、これを裏地付きで迷わず製作すると思います。

サイドの地縫い:上から10cmの地点からのスタート。縫い代1.5cmで、その後7.5mmずつの三つ折り。

この後、巾着ホールを作る手前の、「コの字」ステッチをしました(画像省略)。

「コの字」ステッチの詳細については、ここにスポットを当てながら後のブログ記事でメインに取り上げた内容の記事がございます。

巾着ホールの三つ折り:最初の縫い代始末用の三つ折りステッチが内側に隠され表には出ていないという構造。
マチたっぷりのミニ巾着袋(共布ひも仕様):<サイズ>縦14cmx横14/25cmxマチ10cm。

このサイズ感でのマチは結構大きめ。

少し型破りなバランスのおかげでころんとした出来上がりになりました。

あとがき

冒頭でも少し触れました、残布への考え方のその後の発展をもう少し深堀りしたいと思います。

2019年当時は、こうして残布をできる限り使って最大限のサイズで作ることができるいろいろなデザインにトライしました。

その結果は惨敗であり、「何に使ったらよいのか分からない」というようなフィードバックをいただいてしまったのでした。

2025年では、「現実的に使う気持ちになるポーチとは。。」を熟考、「通帳サイズ」「スマホサイズ」。。などとはっきりとしたサイズ感を表示しながらサイズ違いで6種ほどのポーチを考案。

ただ、この時のこの巾着袋、現在も使わせていただいております↓。

シンク用ストッキングネット入れとして使用の2025年現在:ちょっとした容器があると便利な場所で活躍。

「巾着袋→入れ物へ」という使用例は、衣・食・住すべての分野に有効。

入れる中身がにある程度融通が利くのもプラスチック製ではない布製のメリットなのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

残布使い切りをもって該当生地の本当の価値が表れる、高級生地のわずかな面積を利用する小物製作【59】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

冒頭ながらお伝えしておきたいのでが、当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.28からおよそ5年半後の2025.02.28にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

内容においては、確かに当時の未熟さや至らない点もありますが、それも含めてその後の伸びのきっかけとなった時期だからです。

最初から素晴らしいお品を製作することができたかのように盛ることをせず、当時のままをリアルに残しています。

そして、その後の見方も含めた年月の経過の奥行きを盛り込んだブログ記事に深みを感じていただけるようにとこのスタイルにしているのです。

2025年現在でも大いに行っているはぎれの小物製作への利用は、この2019年がスタートでした。

2019年ではたくさん利用させていただいた高級生地のはぎれが多く存在していましたので小物作りも一際注目の作業だったと振り返ります。

にもかかわらず未熟なはぎれ品の姿であった。。という後からは反省する点もあります。

このたびは、1点のはぎれ製作品をご紹介しまして、本製作生地とはぎれに対するフラットな目線の重要さをお伝えできればと思います。

はぎれが生まれる前の本製作品のバッグは、過去のブログ記事【22】でご覧いただけまして、「ミニリュック」製作でした。

もったいない高級生地の残布をきっかけにスタートしたはぎれによるポーチ作り、本製作と変わらぬ仕立てが望ましい

冒頭でもお話しましたように、何しろ2019年が初めてのはぎれの利用を開始した年、最初ははぎれを斜め上から見るようなところがありました。

「どうせはぎれなのだからそこそこで良い。。」などというような。。

それが、当時完成の至らぬ点、写真や動画にも現れていまして、接着芯を貼らずに本製作のバッグと違う「近道」のような仕立てをしていたのでした。

左上はスカーフを使った風呂敷包み、はぎれをまとめて収納。この中からこのたび製作の生地を取り出し。

生地名は、ジャガードプリント、ビスコース/70%、ナイロン/20%、ポリエステル/10%、イタリア製。

製作手順(左上からジグザグに):先に三つ折りで縫い代を完全始末、その後組み立てて完成していくマチ無し。
ブックポーチの完成:単行本が入るようなサイズ感。縦15cmx横24cmxマチ無し。マジックテープで開閉。

2019年では裏無しの1枚仕立てで完成しています。

しかし、どれだけジャガードのしっかりしたごわついた生地であっても裏地が無いことで結局は柔らかさを感じることになり、価値が半減。

その後裏地付けを追加して2025年も健在↓。

その後裏地付けを追加した状態:劇的変化だと思います。フォルムがしっかりとしまして大変美しくなりました。

生地のみに依存するような製作では、最終的なじんわりとした納得感が得られないことを自ら感じました。

その後の端切れを使った製作では、ちゃんと長い目で見るようになりまして、この世に出す以上はいつまでも持ち続けたい「心地」を重視。

何ら本製作品と変わらぬ熱と丁寧さをはぎれ製作にも入れ込むようなスタイルを徹底していく方向になったのです。

あとがき

最後に、「心地」のお話をもう少し踏み込んで終わりたいと思います。

単行本入れとして製作した当初の2019年でしたが、本ケースとしての使い道の他にその他の細かい物を入れた変遷がありました。

ただ、一重仕立ての時代はいつ手放してもいいような愛着の無さも感じたことも事実。

しかし、ある時期(おそらく2023年頃だったかと)に裏地を後付けしてからはポーチが立派になったことで手放したくないという気持ちに変わっていきました。

2019年では未熟な作りも、その後は通用するようなものに発展していったと思います。

技術が未熟な時代から早々と高級生地に足を踏み入れたフライング、随分もったいなかった部分もありますが、別の部分ではこうして貴重な学びもあったのです。

はぎれであっても、生地の姿は本製作と変わらぬ上質さ。

それならば製作も変なバイヤス感を入れずにフラットに見て、すべてを差別なく丁寧に仕立てていくことがベストであると解きました(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

あらかじめ「中表」に完成のプレート2枚を「外表」で縫い合わせた分かりやすい構造の薔薇柄のペンケース【11】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

高級なお洋服などは、特に柄をきちんと縦横共合わせて縫製されています。

そういった製作スタイルこそが、贅沢品・高級品の証であったこれまで。

贅沢品は極端な姿ですが、そもそも「裁断」という作業が入る縫製では、どれも材料の生地の多くがもったいない余り方をしている現実があると思うのです。

このたびは、もったいなく余った面積のはぎれの活かし方例としまして、表地も裏地も同じ生地を使用しながらペンケースの製作風景をご紹介したいと思います。

量産品で作られる「中表袋」を作るやり方とは全く違う、板状のパーツの合体の手法が斬新だと感じていただけるのではないかと思います。

はぎれからも立派な小物が製作できる可能性、「中表」のパーツを引き続き「外表」で組み立てるペンケースで証明

このたび利用させていただきました薔薇柄の場合は、ある一定のまとまり(「ピッチ」と呼びます)でひたすら繰り返されています。

「一番大きな薔薇の花が2個隣り合わせの部分」が1枚のはぎれの中で2回登場していますので、まずは半分ずつに分けられると考えました。

ダークなカーキグリーンベースの薔薇柄:縦37cmx横22cm。【10】の投稿のクッションカバー作りの残布。

この柄はお花や葉っぱの向きはあえて方向性が無いようにプリントされていますので、向きは気にしなくて良いということになります。

カットする前の1繋ぎの状態で接着芯を粗裁ちします。
粗裁ちした接着芯の余分をカット、アイロンで貼り、4等分にカット。ものさしを使わず折り線で気軽に続行。
縦37cmx横22cmを4パーツに切り分け。表地2枚と裏地2枚。真ん中2枚が華やかなので表地へ。

さらに、表地の方のパーツ2枚のみにハード薄芯を貼ることにしました↓。

ボンドでハード薄芯を貼り、端から1.5cmに印を付けます。後の反省としては縫い代は1cmで十分であること。

上側の口を開けておいて、コの字型に縫い、アイロンで割って、ひっくり返します。

ファスナーの先端には別布の切れ端(ぼやけた花柄)を見つけ、上下左右を折り込みカバーを縫い付けました。
ファスナーに本体の左右を取り付けていきました。この姿は、正に「外表」の仕立て方です。
「外表」組み立て式の作り方ではファスナーはむき出し。内側にファスナーが丸見えですので綺麗に始末します。

最後に表側から本体2パーツの縁2mm程度をピッタリ縫い合わせまして、2度縫いで強固に仕上げます。

完成したペンケース。<サイズ>縦6cmx横19cmxマチ無し。
お気に入りの「パーカー」社のボールペン。お好みで側面の色が多色展開のすべては黒インクのモデル。
ボールペン4本の他シャープペン4本も投入。合計8本入れることができたのは、マチ無しでもなかなかの容量です。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.03.16からおよそ6年後の2025.01.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

6年前の当時の作りを見て思うことは、まだまだ美しく作る技術が未熟であったと感じます。

すべてが粗野であり、革ひも先が結んだだけの粗さ・二重線の重なりの曖昧さ・重なりのずれ・ファスナーがむき出しにもかかわらず縫い付けが1本のみであるなど、課題の多い出来上がり。

これらは、その後の「外表組み立て式」を作る中で美しく見える工夫をしていく試行錯誤に繋がりました。

それでもそれなりにすっきりと出来上がったことは、こうした作り方も1つのアイデアなのではないかという点です。

その後に製作した様々な作りのペンシルポーチ:一番上から時計回りに「中表袋型」「外表半月型」「外表水平型」。

こうして、その後にも大いに活躍したのが、このたびの作り方と同じ「外表」のスタイルです。

新しい可能性として、一度引用してみてくださいませ、大きいバッグでは、より立体的な「バニティ」や「ボストン」にも挑戦しやすい作り方だと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク