デニム界の大物、25オンス(ヘビーオンス)のセルヴィッチデニムに挑む、このごわつきでも重なりを極限に抑えながらバッグが作れます【775】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2021年に、これまで縫ったこともなかった25ozもあるヘビーオンスのデニムを取り扱う製作の機会をいただきました。

通常リーバイス501なども13.5oz程度。

12オンス辺りから上が厚手と呼ばれる領域のセルヴィッチデニム。

そこをはるかに超えた、ごわごわとしたデニムがあります。

何オンスあるのか分からずに、16オンス程と予想を立て、グラム数を計りながら計算した結果、「25oz」が導き出されたのでした。

他のセルヴィッチデニムと比較しても、「ド迫力」のヘビーオンスのデニム生地の製作の注意点をまとめてみました。

三つ折りまでにとどめる、重なりも極限に工夫した製作の結果できるものは余計な重なりの無いプレーンなアイテム

25ozデニム(日本製):重くて肉厚です。ある意味この重厚感が素敵なのです。

まず、三つ折りにつきまして。。出来るかどうかというと、可能です。

ただし、三つ折りをすると三つ折り同士が重なる次の場面が必ず出てきますので、そこが限界を超えるため、工夫が必要とされる部分になります。

例えば、エプロン製作時のポケットの入り口はどうしてもよく接触する場所なので、三つ折りして縫い代を隠したい。

三つ折り自体は意外と簡単にできるので、いったん喜びます。

しかしその後は、縫い代をどう隠すのか、ここが悩む場面になるわけです。

ポケットの場合、いろんな 14オンス程度のジーンズの作りを見ても、1つ折りのみ。

よく古着のジーンズのポケットの手を入れると縫い代の糸のほつれが出てきている経験があるかと思います。

あのほつれに触れる良くない触り心地を起こらなくする工夫と致しまして、ポケットの口の三つ折り以外にロックミシンをかけておき、1つ折りだけして、外側と内側に入った折った部分が隠れる程度の幅にもう1つステッチを入れるというものです。

種類が違う写真で恐縮です。25ozもこの仕様であれば可能。ステッチ同士の間にロックした縫い代が隠れます。

ということで、まとめるとすれば、三つ折りはできるが、ロックミシンとの組み合わせの製作が必要になるというものです。

これは、あくまでも、美しく仕上げるというゴールを前提にしていますので、何となく縫えちゃうこともあるかもしれません。

長い目で見てきちんとしたお品にするためという対策になります。

25ozともなると裏無しを作りがちだが、裏付きの方が実は悩みが少ない

次は、裏地についてです。

こういった分厚い生地は、裏無しをイメージしがち、重なると縫いにくいから裏無しがスムーズではないかと思うものです。

しかしです、美しく仕上げていくことも忘れてはなりません。

そうすると、いかに裏無しの方が難しいかを身をもって体験しています。

裏無しというのは考え方によっては、裏側も表のような綺麗さが求められます。

隠す場所がないという点でも裏付きでは可能だった隠しゾーンが無いので、技術の良し悪しが問われることになります。

トートバッグなどを作る場合であれば、かさばらない程度の厚さの裏地をうまくチョイスすれば、裏地付きの方が断然作りやすいです。

裏地付きは、一度折ってステッチで縫い合わせるだけの重なり、悩みが少なくスムーズに進めていけるものなのです。

中をのぞいた時に、縫い代が丸見えで、「厚手なのでどうしようもなかった(^_^;)」というのは、説得力がありません。

そこを、「厚手なのだけど綺麗に始末しました(^o^)丿」と言えることこそが付加価値です。

接着芯は無縁、貼らなくてよい

14オンス程度のバッグであれば、接着芯を貼った方が、ハリコシの効果が現れました。

25オンスともなると、貼っても変わりばえがしないようです。

もうすでに十分なハリコシが生地だけで備わっているからです。

そうしますと、接着芯+本体に貼るハード薄芯も通常あるのですが、いずれも貼らなくてよいという判断をこのたびしました。

デニムだけの長年の使用で起こるくったりしていく様子を「良き味わい」として楽しめると思います。

糸調子ダイヤルの位置が他の生地と遥かに違う

デニム全体に言えることですが、通常のブロードやローンなどの生地に比べてはるかに糸調子が違います。

かなり極端に違うので、そのままの糸調子で行くと、裏側(下糸側)がループ状にもじゃじゃする事態が起こりました。

糸調子ダイヤルは3周辺の絞まったものが有効。

さらに、スパン糸で職業用ミシンで縫う場合の設定でも、糸案内という穴が3つ空いた部品に通常スパン糸であれば通さない省略する真ん中の穴にも通してみると糸調子が引き締まり、合ってくることが分かっています。

これも是非ご参考にどうぞ。

糸調子に関しましては、深堀りした記事をタイトルの頭に<糸調子>と記載したもので何記事か投稿させていただきました。

結局、分厚いデニムはデニム専用のミシンが相応しいということなのでしょうが、職業用ミシンでも細かい工夫で可能だと思っています。

あとがき

動画内でもお伝えしましたが、固定観念で、このような分厚い生地は縫えないからやめておこうと思うことが、機会損失かもしれません。

やってみると、工夫次第で素敵にバッグが出来上がったりもできるわけです。

何もそれは技術ということではなくて、重ならないようにする作り方の工夫をチョイスしたり、糸調子を研究してよく知ることで、可能になるということを今回のこの記事でお伝えしたいと思ったわけです。

家庭用ミシンは、その点分厚いからダメだという判断は合っていることが多いです。

ある程度ミシンが好きになっていろんなものを製作したいのならば、家庭用ミシンとは別に職業用ミシンをご検討されると安定感と頑強さがあり、製作の幅も広がるかと思います。

見かけとかサイズは何ら変わりがないのに、パワーがすごく違いますし、ぶれが少ないので、縫い目も綺麗な「職業用ミシン」をお勧めします。

以上、25ozのヘビーデニムのバッグ製作が可能だった記録でした(^-^)。

冬に向けた季節感も入りながら定番の黒を貫くバッグの製作に選定した生地、スウェット・ループボア・リブ【773】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

冬になるとコートやマフラーが人間を覆ってくれますが、背負ったリュックがモフモフしたあったかい素材の場合、背中があったかいというイメージがあります。

実際には、完全に背中にフィットしたものではないなどのこともありますが、間違いなく、背中周辺の寒さを遮断してくれる役割はリュックにはあると思うのです。

さらにそのリュックをふんわりとした冬らしい優し気な素材で作るということを今回してみたく、リュックに選んだ素材を3選ご紹介したいと思います。

他の季節にも対応できるかもしれない「モフ生地」を冬をきっかけに見つけたタイミングからの引用

以前、夏にタオル地でリュックをお作りした「タオルシリーズ」という製作をしました。

2020年8月の事でした(【176】のブログ記事が該当します)。

今年の2021年の冬には、逆の季節で、あったかい生地でリュックを作っていくシリーズをしたいと思いました。

以前の「タオルシリーズ」も、きっかけは夏でしたが、その後もタオルの季節感をそれほど感じることのないオールシーズン行けるように、夏のイメージがあるタオル素材を他の季節にも使えるようにと考えた企画でした。

それと同じように、今回の場合冬きっかけではありますが、他の季節にも使えるような素材も入れ込んでいます。

ただ、冬らしさがmaxの素材も入れています。

ALL黒色の3種をご紹介。一番左から、スウェット素材、パイルボア素材、リブ素材です。

これらは、今後実際にリュックを製作していきますので、その際に詳しく混率などをご紹介しますので、ここではざっくりとご紹介にとどめます。

すべて日本製をチョイスしています。

まず、左から少し近づいてその素材の特徴などを見てみます。

スウェット:こちらは綿。季節感は本来あまりないですが、ふんわりした肉厚感がこの寒い季節に優しいのです。
スウェットの裏面:この誰もがなじみのあるパーカーやトレーナーなどでおなじみの様相。実際あったかいです。

気持ちよさそうなパイルになっています。

冬用に裏起毛の素材もありますが、あれだと季節が偏りますので、こちらの方がシーズンレスで行けると思います。

ループボア:こんな風に密にループになったボアの素材には毛が多く入ります。さすがに冬専用といった素材。

生地屋様の店舗では、こういった季節感たっぷりの素材こそ人気が高いのです。

素材自体だけではなく、こういったループが密になった構造というのも、あったかさをより高めているのではないでしょうか。

上の素材をもう少し見やすく写したショットです。モコモコして凹凸感があり、素材自体がユニークです。
リブ:一番右です。この編み方もなじみのある昔懐かしいクラッシックな素材。

きちんと整った硬めの編み込みが信頼でき、程好い太口の糸が親しみやすい。

無地とは言いながらも、柄のようにもなっていて楽しくもあります。

混率はアクリルです。

アクリルも冬がきっかけですが、それ以外の季節をもまたぐことができる素材であると考えます。

あとがき

これでリュックを作るとはとても意外だと思われることでしょう。

どれもお洋服向きの生地ですから。

バッグだからこそ、「流行」を感じない物が作れそうだと意気込んでおります。

縫いにくいのではないかなどとは、ここでは、考えない。

とにかく製作してみてその手ごたえでお伝えできることをめいっぱいアウトプットしてまいります(^-^)。

伸び縮みがそれほど影響のないコンパクトなリュックだからこその自由度、生地本来のボーダー向きをトライプで使用【768】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびから、また新しい製作に入りますが、シリーズとしては「メッシュシリーズ」の一番最終になります。

次からは素材のグループも変わっていきますので、今回がメッシュな雰囲気の素材としては在庫がラスト。

メッシュという素材のイメージは夏が浮かびがちですが、1シーズンだけのイメージではなく、オールシーズンのイメージを出していければ。。というご提案もあります。

素材の季節感のイメージを打ち破り、メッシュをもっと身近な素材にご提案したいと思います。

本来の地の目の向きを無視、柄を中心に考えた、ストライプ使いの2種の生地を含む計4種の全体の構成

リュック「餅巾着」を製作する4種の生地:左上から時計回りに、表地、裏地、巾着袋の外側、巾着袋の内側。

下の方に後ほど貼りますYouTube動画内では、巾着袋の外側と中側とをどちらにするか迷っているというところまでお話致しましたが、その後当ブログ記事を綴るにあたり1日経過しました。

そして、このブログを書きながら思ったのです。。

以前、消費者様のバッグに対するいろんなご意見を集めたサイトをネットで拝見したことがありました。

「発言小町」様だったと思います、とても参考になる「なるほど♪」なご意見の密集でした。

その中で、「内側をのぞいた時に、色が鮮やかだと中の物が見やすい」というご意見がありました。

その考え方を有難く受け止め、さらに中の物を探る時の質感の心地良さ・滑りの良さが加わる、左下のパープルのサテンの方を内側に決定。

右のシャンタンの黒は、裏面であればつるりとはしていますが、シャンタンの裏面の生地は引っ掛かりもあり、傷みやすいので、やはり同じつるりとした質感であれば、パープルの方がなめらかで丈夫でした。

では、1種ずつ生地をクローズアップです↓。

<表地>:メッシュ生地ストライプ、混率不明(おそらくナイロン/100%とのこと)、日本製。

少し前の製作で、同じ生地でボーダーの向きで、すでに「餅巾着」をお作りしています。

その生地がまだ余っていますので、今度は向きを変えてストライプ向きで作っていくということをします。

前回は、下のような向きのボーダーで完成しています↓。

少し前に完成した時の向き:ボーダーの向き。

向きを変えるだけでも随分違った感じになると思います。

その決めた向きに合わせて裏地もリンク。

<裏地>シャンブレージャガード、ポリエステル/87%、レーヨン/10%、ナイロン/3%、日本製。

マルチカラーがとっても美しく、ラメも素敵です。

衣装のような分類の生地になりますが、それを今回バッグの裏地にということです。

この柄も本来耳からいうと、地の目はボーダー向きです。

しかし、表地のストライプ柄にリンクして、ストライプ向きに使おうと決めたのでした。

次は巾着袋の生地に移ります↓。

<巾着袋の内側>:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。

この紫色は、裏地のマルチカラーの中に見られる1色に関連付けました。

巾着袋をパッと開けたときの内側にこの美しいパープル色が広がる空間を想像します。

黒よりも随分中身が見やすいというのが、上述のご意見の反映です。

<巾着袋の外側>:シャンタン、ポリエステル/100%、日本製。

こういった4種で「メッシュシリーズ」の最後の製作を進めてまいります。

今回は、ここまで。材料の生地のご紹介でした。

あとがき

1点物のようなものを作る時に、生地の余分があれば、向きを変えて違う雰囲気にすれば、全く同じではないものが出来上がるのだという検証も今回は兼ねています。

出来上がった時に、向きの違うボーダー向きとストライプ向きとを比べてみるのも楽しみです。

どうしても1点物を好むところがありまして、同じ物を複数というのがとても苦しくて苦手です。

いろんなデザインを作るバラエティーではなくても、1点のデザインを追求しながら色や柄などの素材を変えるバラエティーという意味もあるのです(^-^)。

ナイロン/100%、もしくは、ナイロン混の生地に貼る接着芯はニット芯がマストである理由をご説明致します【764】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、新たなメッシュ素材の「スポーツメッシュ」を材料にリュックの製作に取り掛かりました。

その中で早速ながら、これは是非お伝えしたいという件が出てまいりまして、ここで記事アップとなります。

それは、選ぶ接着芯についてです。

ナイロン/100%の裏地用の生地に接着芯を貼る場面、ニット芯がマストなのです。

なぜマストなのかということを過去の失敗エピソードを交えながら大切な事項として綴りたいと思います。

ナイロン素材に貼る接着芯を間違えた過去の失敗の経験からのナイロン=ニット芯を意識する注意喚起

過去に、ナイロン/100%のバッグの製作途中で織芯を貼ってしまったことがありました。

ナイロン/100%生地が織物生地だから接着芯も織芯を貼るといった判断でした。

実は、このことが大きな「タブー」なことであると後から気づくことになりました。

左はニット芯、右が織芯。確かに織芯はビシッとする良さがあります。

もっとアップの写真を見てみま↓。

右が織芯。左はニット芯です。右の織芯は、柔軟性の面では、伸び縮みがないのが特徴だったのです。

この融通のない織芯を弾力性のあるナイロン/100%に貼った結果かがこのような姿でした↓。

気泡がたくさんできました。ナイロン/100%自体の織り糸のナイロン糸が伸び縮みに富んだ弾力性が原因。

特にストレッチとかゴムとか伸びると分かっている素材と同様に、ナイロン/100%の織物の生地がイコールの性質を持っていたことを知ったのでした。

これがとても意外で、あまり知られていないことではないかと。

ということで、この後ニット芯に張り替えて、見違えるツルリとした滑らかな姿に変わり解決。

アイロンの熱とナイロンの弾力の伸び縮みの関係がとても大きいのです。

ナイロンの素材にアイロンを当てると、もちろんニット芯であってもきゅっと縮みます。そして、その後もまだ動きがありまして、熱が冷めると今度は戻るということで気泡が出来上がると見ています。

そうすると、伸びの方と縮みの方の両方において、ナイロンが忙しい動きをするということだと解釈しました。

茶色のニット芯にアイロン接着中:ナイロン生地が熱によって伸び縮みしていることにニット芯が追従します。

写真1枚のショットではなかなか分かりづらいですが、アイロンの先端周辺が縮んでいる様子です(後で貼りますYouTube動画がよく分かると思います)。

気を付けたい、ナイロン40%程度混入の生地でもニット芯がマスト

以前に、ナイロンが一部混率に入っている素材でも同じことが起きました。

ナイロン/100%よりはましですが、とても見栄えは美しいものではなく、気泡が起きる失敗の芯貼りの結果でした。

ということで、ナイロン/40%が入っているような割合でさえ同じことが起こるということも同時にお伝えしておきたいと思います。

こういったことが起こらぬように、わずかな混率であっても、ニット芯をお使いいただくと安全。

結局ニット芯というのは、そういったことも総合して、すべての素材に対応しやすいので、ニット芯だけを持っていればよいとも言えます。

ただ、織芯が好きで、あのびしっとしたパキパキ感は織芯ならではであり、ニット芯はしっとりと柔らかく仕上がってしまうのです。

よって2種類持ち備えて、使い分けをしているわけです。

あとがき

芯地1つでもなかなか奥が深いことがあり、実際に失敗が無いとなかなか分からないことでした。

この記事をご覧いただけた方は、同じような道をたどる必要は無く、この内容を注意喚起として活かしていただければよいのです。

この先、「ナイロン」と名の付く生地や混率に随分ナイロンが入っているような生地には是非お気を付け下さいませ。

そして、素敵なナイロンバッグなりポーチなりが出来がることを応援したいと思います(^-^)。

スポーツユニフォームのパンチング素材、対極のエレガントテイストなリュック製作に挑む入り口の生地の組み合わせ【763】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在いろんなメッシュ素材でリュックを製作をしております。

そんな<メッシュシリーズ>においてこのたび4点目の製作に入ります。

メッシュと一口に言ってもいろんな面白い素材があることを同じデザインのリュックに落とし込み分かりやすくお伝えし、新しい素材の性質などを学ばせていただいております。

このたびは、どこかで見たことがあるようなパンチングの素材を表地に利用して、全4種の生地を組み合わせた黒ベースの製作をしてまいります。

まだ、最初の段階ですのでリュックの形にはなっていませんが、なぜその4種を組み合わせたのかの理由や、表地であっても裏地であってもレベルの差を付けることなくフラットに考えて選ぶスタンスを見ていただければと思います。

ユニフォームやスニーカーで親しみがある素材のパンチング生地がリュックになる、その一方で裏地は花柄という意外

今回も4種の生地を使います。左上が表地。時計回りに、裏地・巾着袋の外側・巾着袋の内側です。

このシリーズでは、全体の面積が大きくなるため、生地が意外にたくさん必要です。

もともと調達が少しずつですので、足りない分を複数の種類の組み合わせでストックから選ぶので結果4種もの生地になっています。

分量では、だいたい生地ストックは過去に調達の0.5mずつが一番多く、コンパクトなリュックを作ることに対して、x4の2mを要するということになります。

この用尺の増加は、やはり内蔵巾着袋が二重仕立てであるというところも影響が大きいのです。

<表地:黒>ストレッチメッシュ、ポリエステル/100%、日本製。

パンチング素材、どこかで見かけた生地です。

ユニフォームとかスニーカーの一部に使われているメッシュに同じです。

スポーツのシーンでの使われ方がイメージとしては強いですが、意外な使い方で個性を演出、これをリュックにするということをしてまいります。

残る3種は裏地と巾着袋、内貼りの裏地は花柄ということに決めました。

<裏地:内貼り用>ナイロンタフタプリント撥水加工、ナイロン/100%、日本製。

実際にはメッシュではないのですが、メッシュ柄に描かれていてユニークなプリントは表地のメッシュにリンクします。

花柄のマルチカラーの色も中間的で綺麗、ベースが黒で、これまた表地を始め他の生地との良き橋渡しとなります。

リュックの中を開けたときに、この花柄が目に入るので、内張りも重要なポジションです。

左-<巾着袋:内側:黒>ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。
右-<巾着袋:外側:黒>スポーツメッシュ、ポリエステル/100%、日本製。

今回二重仕立ての巾着袋は織物(左)とニット(右)を組み合わせます。

内側は滑りが良い方が使いやすいと、つるりとしたサテン地を内蔵巾着袋の内側に、表地の黒メッシュとまるで兄弟のようなパンチングのニットを内蔵巾着袋の外側に配置することに決めました。

同じポリエステル/100%のパンチングでも、ここまで違いがあるのです。

もう少しズームアップして大きい方の表地メッシュと小さい方の巾着袋の内側のメッシュ生地を見比べます↓。

表地のメイン生地に比べて穴が小さく細やかな作りの右。手触りも少しざらざらしています。
全4種のコーデのイメージ。

余計な色を入れず、黒ベースでそろえました。

きっと使う回数の多いリュックになれるのではと見ています。

あとがき

複数の生地があるとどれがメインか一見分からないところが、どの生地もフラットに見ているということになります。

柄物を表地にしてきた製作をメインにしてきた過去では、テイストが偏り過ぎたということがありました。

といういことで内側に柄物があることはある程度の許容になると、内張りに充当したのでした。

この4種の生地で作ったリュック「餅巾着」の完成の投稿記事は、【767】です(^-^)。

黒ベースの4種もの生地を1つのリュックにお仕立て、残布少しずつでもおしゃれ度の高いリュックが製作できる【756】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、「餅巾着:もちきんちゃく」というリュックを製作中です。

「メッシュシリーズ」として、メッシュの素材ばかりを集めた連続製作。

一番最初にグレーイッシュなメッシュ、次に黒xゴールドラメのメッシュ、そして、このたび製作し始めたのが、別素材で4種を少しずつ組み合わせた黒ベースのメッシュ素材とカーテン地やニットも登場。

素材の分量が少なめなので、4種の生地をパーツごとに大まかに使い分けます。

このたびは、まだ最初の時点の生地の組み合わせの場面のみですが、どんな風に最終的に出来上がるのかを想像していただければと思います。

このことから、残布同士を工夫してうまく組み合わせることが出来れば、むしろおしゃれ度の高いバッグになるということへの引用として見ていただければと思います。

4種の生地の共通部分は黒ベース、素材の違いや柄と無地などをミックスした配分

では、今回4種の生地をどう使い分けるのかをお伝えしたいと思います。

まず大きくは、2種ずつで表地と裏地部分に分かれます。

<表地:メイン>ハイテンションパワーメッシュ、ナイロン/85%、ポリウレタン/15%、日本製。

本体用の黒無地メッシュ、幅は85cmのみ。

この無地生地だけでは不足、次の生地で不足パーツを補っていくイメージ↓。

<表地:配色>レース刺繍入りパワーネット、混率不明(おそらくナイロン+ポリウレタン)、日本製。

こちらは、本体にアクセントとして少しずつ使うメッシュの刺繍柄入りという凝った生地。

刺繍とのことで、重厚であり高級感があります。

<裏地:内貼り用>ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

内貼りに主に使用の黒のストライプ柄、ツヤがあります。

本来耳の向きからは、ボーダー柄なのですが、カーテン地は、横向きの方が地の目の縦のような感じの織り方なので、トライプ柄で使用します。

<裏地:巾着袋>エスパンディニットプリント、ポリエステル/100%、日本製。

こちらは、内側設置の巾着袋に二重仕立てで使用します。

初めてここでカラーが登場、しかもマルチカラーであったことで一気に華やかに。。

遠目の写真:小花柄がストライプ状に配置のデザイン、上の内貼りの生地のストライプ柄とのリンクです。

こうして、「なぜこれらを組み合わせたのか」の理由が入った4種が決まりました。

あとがき

現在は、裁断までの進みました。

無地に柄のような花柄がアクセントになるようなイメージです。

素敵に出来上がることにワクワクしながら作っていきたいと思います。

生地が少ないからとあきらめず、象徴的なパーツにはアクセントになるような生地をあてはめながら、馴染むように組み合わせることで出来上がる製作の準備の様子でした。

完成はその後の紆余曲折を経て、【807】の投稿で最終的な出来上がりをご覧いただけます(^-^)。

ボーダー柄(畝:うね)が入ったごわついた靴用のメッシュ素材、合わせた裏地は意外な大花柄ラメ入りだった【746】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

お洋服では抵抗ある、柄on柄。

バッグでは柄がペアになっても良いのではないかと思える無責任さ。。人間が直接纏わないからでしょうか。

柄同士も大丈夫なペアの一例として、このたびは、細いボーダーのような織柄が特徴のラメ素材を同じラメが入る大花柄とコンビニしてみた準備段階の記録です。

この場面で、内袋の巾着袋に黒無地を使っていきますので、複数素材の組み合わせをお楽しみくださいませ。

滅多に購入しない「原産国不明」の大花柄の生地が内部の世界を見る楽しみになった

これまで、「日本製」だの「イタリア製」だのにこだわってまいりましたが、だんだん、生地そのものの良さを原産国に関わらずフラットに見るようになってまいりました。

おそらく日本製ではないと思われる大花柄の生地を本体の方の裏地に選択しながら、このたびはパンプス用のごわついた素材の表地とのコンビでリュックに製作するということの第二弾。

番号が1つ前の投稿【745】では、ややネイビー寄りなメッシュ生地でリュックを完成致しました。

パンプス素材ということでは同じ仲間ですが、このたびは、ラメとボーダーが入り、前回の【745】とは随分違った雰囲気になると思います。

一番左がゴールド系のメッシュ生地。素材はおそらくナイロン/100%との情報をいただいております。日本製。

真ん中は輸入生地のプリント物、撥水加工がしてある綿/100%で原産国が不明、一番右は日本製のポリエステル/100%。生地名は不明、真っ黒でありながら、綾織りの斜めの織柄に高級感があります。

左がゴールドでキラキラしているので一番右は抑えた感じですが、ポリ無地はつるりと光るので、左2種のゴールド部分には相性が良いエレガントさがあります。

裏地を2種も必要なのは、元々ストック生地を使用するので、パーツ数の多い裏地に不足ができること、それを兼ね複数の生地で楽しい内部になればと思います。

あとがき

少し心配していますのは、表地のメッシュ素材の凸凹がミシンでちゃんと縫えるのかという点です。

結果はどうなるのか、必ず完成して後日の記事に綴りますので、お待ちくださいませ(^-^)。

嗜好は正直、どうしても自然に現れてしまうカジュアルorエレガントのテイストの違いの面白味【720】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いくつかの記事でお話させていただいておりました、2021年のハンドメイドバッグ製作を「黒ベース」にしていく件についてもう少し深堀りしてお伝えしたいことが当記事になります。

もともとお洋服の黒コーデ嗜好の者が実際に持つバッグで重宝している黒のバッグ。

しかも凹凸感のある立体的な素材がピンときていました。

それをアウトプットの1つとしてバッグに製作して販売して行こうと決めたのです。

「テリーヌ」というブリーフケース「切餅」というエコバッグ、「餅巾着」というリュック、「巻き寿司」というリュック、「卵焼き」というバニティなど美味しそうな名前のデザインに黒ベースを落とし込んでいくのです。

組み合わせる裏地によって顔が変わる、メッシュ生地がエレガントなのかカジュアルなのかを反対に裏地の薔薇生地に教えてもらった

後で貼りますYouTubeY動画の中でも一番最後にお話させていただいておりますが、黒いバッグという分野に絞ったその中でも、テイストが主に2つに分かれます。

「エレガント」と「カジュアル」です。

お洋服でも、よくこの2つのテイストを比較することがありますが、結局は他の人などのお洋服と比較すると、独自の最大限は、「カジュアル寄りのエレガント」なのです。

これは、どんな物を集めてもそうなってしまう自然なことであり、どうしてもそうなるのです。

そうしますと、自らが製作するのでは可能性が狭いままというところまで考えるようになりました。

またそのお話については別の記事にするとしまして、このたびは、上述のような「カジュアル寄りのエレガント」を最大限に「エレガント~カジュアル寄りのエレガント」という範囲の製作であるという目で見てもらうと良いです。

左-<表地>グラデーションストライプチュール、ナイロン/100%、日本製。
右-<裏地>生地名不明(オックスフォード織)、混率不明(綿混)、原産国不明。

左の生地はチャコールグレーです。まるで網戸のようにメッシュでごわごわしています。

とても洋服には使われるような素材ではなく、ポーチなどのアメニティー関連では見かけたことがあるかもしれません。

実はこの素材、メッシュパンプスなどとして使われる生地なのです。

その余り生地を購入させていただきました(「ヤフオク」にて)。

右側は、一見キャンパス地かとも思ったのですが、オックスフォードでしょうか、詳細が不明です。

こちらもデッドストックのようなものだとのことで、「ヤフオク」にて購入させていただきました。

詳細不明でも、とにかく素敵でしたので採用。

この2種の生地で製作するのは、「餅巾着」です。

このたびは、これらの生地(メッシュと薔薇柄)がリュックに出来上がっていきます。

あとがき

このたびとても微妙な「テイスト」の深堀りをしてみました。

どうしてもその製造者が考案する場合「嗜好」が自然と表れてしまうというのが不思議であり面白味だということです。

そもそも、このたびのメッシュと薔薇のオックスフォード生地は見る人によっては違ったテイストに感じるかもしれないのです。

そう考えますと、「考案者」が変わることによって随分いろんな可能性が広がります。

この、「ポテンシャル」に重きを置く場合、私だけが製作するのではなく多くの方が製作できるように、多くの「考案者」が生まれるようにと、こうした文化を広めたいと思うようになりました。

今後、そのようなところを目指す活動として「共有型のハンドメイドバッグ」事業を進めていきたいと思います(^-^)。

今までありがとう、2000m巻のテトロン30番ミシン糸、その最後の役目を終える瞬間を写しました【685】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「共有型のハンドメイドバッグ」という事業活動をしています。

ハンドメイドバッグを作ってきた15年来のノウハウをアウトプットし、ハンドメイド文化なるものが広まっていけるような夢を持っています。

ハンドメイドバッグに使う糸は30番。

テトロン糸とスパン糸を生地別に使い分けます。

白いミシン糸と言っても、真っ白なのか、少しグレーがかっているのか、生成なのか、ピンクがかっているのか、こんな感じで実はバラエティーに富んでいるものです。

反対に純白カラーを使うことの方が実際は少なく、中間的な白の方が使いやすくなじみやすいということが分かってきました。

このたび、最近よく使っていた生成がいよいよ使い切りの時が来まして、その最後の瞬間を動画に映しました。

何でもないことではありますが、1コーン2000m巻の役目を終えた糸に「感謝」の気持ちをこめ、記事を綴りたいと思います。

テトロン糸30番生成、最後の瞬間!コーンから糸が離れた瞬間からしばらくはまだ縫っていける

2000m巻というのは、大きな工業用のタイプの中ではそれほどボリュームあるものではないのかもしれません。

しかし、様々なカラーの中からのチョイスで少しずつ使っているとなかなか最終の使い切りの場面には遭遇しないものです。

このたびは、たくさんのステッチをほどこし、単色使いであったことから、1コーンを終える場面がやってきました。

糸がコーンから離れた瞬間:いよいよ最終場面です。ただ、糸が針穴に近くなるまでの距離はまだ縫えます。

何かとても爽快でした。

この糸は非常に質が良かったです。

主に、大きく3パーツ程に分かれて撚(よ)りがかけられていて、ぎゅっと引っ張っても丈夫です。

テトロン糸は、スパン糸に比べて細いですが丈夫さは勝ります。

切れにくいということで、強靭なのです。

シールで情報が掲載:いろんなメーカー様の30番糸をがありますが、多くが150Dとなっていました。

この「ビニモ」という「クラレ」様の商品、大変良質だと感じています。

メロングリーン色の縦長コーンが特徴です。

あとがき

バッグ1点を製作するには、糸はどのくらいのm数使用するのかということろですが、平均的には、200m程度くらいかなと。

そうしますと、このたびの2000m巻はバッグを10点作っての使い切りのような計算になります。

もともと糸もアパレル用工場のような在庫品を途中から使用させていただいております。

そうすることで豊富にカラー展開を持ち備えるということをしてまいりました。

よって元々フルに2000m巻あるとも限らないのでこうした最後の瞬間はほんのたまに遭遇することがあります。

ステッチによってバッグが縫われ、中に重い物を入れてもその「縫い」が底力となってくれているのです。

簡単に縫った糸がちぎれることはありません。

ましてやバッグでは30番を二重縫いで地縫いを固めておりますので非常に頑強です。

糸には常々感謝しております、糸メーカー様、ありがとうございます(^-^)。

大きなデニムリュックの裏地に決めた素材、大容量に相応しくデニムに相性が良いパサ付き感も歓迎【674】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、ビッグリュックを作ろうとしています。

近所の方からのオーダーが入り、ありがたくお作りするものです。

とはいえ、十分に打ちあわせが出来ず、セルヴィッチデニムの余り記事を有効に使い、そして裏地も勝手に選定。

大容量のお買いもの用のリュックなので、当然たくさんの物が入り、重さもかなりのものになることを想定しますと、影響するのが生地の傷みです。

使っていくのだから、ある程度すれたりなどはするにしても、簡単に破れたりはやはりコスパの悪い質の劣った商品になってしまいます。

表地は頑丈でも裏地もそれに伴って頑強に仕立てていきたいのです。

ジーンズに見られる「スレキ」が良い例で、何十年もはき続けた結果、生地がもともと負けている「スレキ」が先に破れるバランスの悪い現象が起きます。

何十年もはく想定などしていないから仕方がないとも言えるのですが、これがハイブランド様では何十年も先を見越した案を考えられる様子を感じることがありました。

そこには到底及ぶものではないにしても、この考え方はとても尊敬できるものです。

このたびは、表地の経年に伴いながらも裏地も良い持ちをするような仕立てを目指します。

どんな生地を選んだのかをどうぞご覧くださいませ。

ブロードやローンでは厳しそうな場合に選択する裏地生地にもう少し肉厚の「綾織り」の先染めチェックを選んだ

表地が綿なので、裏地も綿で行こうとしておりまして、少しお洒落に柄入りにしてみました。

生地名が不明ですが、黒x白xモカグレーで成り立つシックなタータンチェックの先染め生地です。

この彩にご注目、とても丈夫な織りであると見ることができます。

お洋服をたくさん見てきた方はよく分かっていただけるかと思いますが、先染めチェック=綾織りが大半です。

綾織りというのは、生地の織り方の中でも特に頑強なのです。

端の毛は、耳の部分です。糸の太さとか密集具合がこの部分を見るとある程度分析できます。

全体に肉厚ぎみな目の詰まった生地なのです。

ストライプの先染めとも迷いましたが、このチェックに入るモカグレーの素敵さでこちらを選択。

ストライプの方にはモカグレーは入っていませんでした。

こうして、重いものを入れ、かつ大容量入れる時に負荷が裏地にも当然かかってくるので、簡単に破れたりはしないしっかりとした裏地にするためのファーストステップとして、生地の選定が重要であるということでした。

あとがき

その後なのですが、、こんな風にビッグリュックを完成。

縦に長いタイプです。

表地と裏地をあらかじめ中表にプレート状のパーツを作り、外表で組み立てていく独自のやり方です。

今までブリーフケース型のA4横をナイロンで作ったり、ボストンバッグを作ったりしてまいりました時の同じ手法です。

ただ、サイズを変えるだけで全く同じやり方なのに随分雰囲気が変わるところに驚きがあります。

このやり方は縫いやすさがあるので、綺麗にできるというメリットがあります。

製作も難易度が高すぎるものは疲れ果ててしまいます。

それよりもいかに楽に作れるかという工夫もあるべきことだと思っております。

オーダーのお客様、本当にありがとうございました(^-^)。