附属品にも著作権や商標権が存在、販売用のハンドメイド材料選びはこのことを意識し、著作者達の権利を決して侵害してはならない【1108】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「共有型のハンドメイドバッグ」という事業名でバッグのノウハウをお伝えする活動をしています。

自ら考案した部分「デザイン・型紙・ノウハウ」に関しては、すべてを共有し自由に使える「著作権フリー」を謳ったものです。

「著作権を行使」することができる自作のデザインを自ら解放して「広める」ことだけを目的として行き着いた考え方です。

とはいえ、製作には「材料」なるものが必要なわけで、「生地」については、著作権の認識はある程度広まってきたのではないかと思います。

実は、「附属品」に関しても生地のプリント柄などと同じように「著作権」があり、場合によっては「商標登録」されている「商標権」を持ったアイテムもあるようです。

実際に、ロゴ入りテープの一部をバッグに縫い付けたくて、その「商業利用の可否」をテープメーカー様にお聞きしたその答えを1件いただいております。

ここで結論を先にお伝えしますと、ロゴ入りテープは「商業利用不可」というお答えでした。

そのテープを装飾的に縫い付け、縫い付けたバッグそのものを販売などする行為が「著作権の侵害」に当たる行為ということになるのです。

それでは、ロゴやアイコンなどのデザイン性を含む「附属品」の著作権侵害をしないための意識をこのたびは説いていきたいと思います。

モチーフたった1個でもそれは誰か「著作者」が考案したデザインであることの認識、「スカル」モチーフは著作権あるデザインであることが多い

こんな感じで巻き板に巻いてあるロゴ入りの布テープ。実際がスカルでしたが、カットしてワンポイント使用は✕。

かなり何年も前になりますが、ボタンなどをワンポイントとして飾っていたことがありますが、そこからメンズテイストへ行きたくてスカルに注目していました。

そうして、こういったテープ状のスカルの部分をカットしてネームみたいに飾る使い方をしたくて、その飾ったお品の商業利用が可能かをメーカー様に直接お問合せしたことがあります。

その附属品を販売のお店は商品をそのままの形で仕入れて販売しているので、間を通り抜けていくだけなので著作権とか商標権が存在していても、そのままの移動ということで、問題がないのです。

よって販売店様ではそういった著作権や商標権の事に関しては意外に関係がない立ち位置でもあることで、詳しい情報をお聞きすることができないことが多いと思います。

問題はそれを利用して製作していく私達なのであり、最終ユーザーの責任が大きいのです。

趣味で自分使いの範囲にとどまるならもちろんOKですが、後にそれを中古品としてメルカリで販売するなどの時、もしくは、事業として新規に新品販売をする場合、店舗でもネットでも同じことで、この附属品が商業利用可能かどうかを製造メーカー様に聞いた上で利用せねば、場合によっては「著作権侵害」になります。

とても面倒でややこしいですが、これが現実です。

販売店様でメーカー様のお名前を教えていただいた直後、実際にメーカー様へ自らお聞きしました。

お問い合わせの答えは、「商業利用不可」ということで回答いただいたのです。

やはりそうだったのです、誰かがデザインしたからこそ魅力的なそのモチーフは、たとえ1つの他愛もないようなアイテムでさえ「著作権行使」をしておられることがほとんどであるという現実。

このたびイラストで掲載しました「星柄」1つでもその特色ある形状によってはあり得ます。

あとがき

ハンドメイドバッグ1つ作る中には複数の著作権、時には商標権が含まれます。

「そんなこと言っていたら何も作れやしないじゃないか」と思われるかもしれません。

実は、それこそが答えなのではないでしょうか。

製作は自らのアウトプットで出来上がるものであるという根本的な所を問うことになるのです。

現在のカラフルな柄であふれたハンドメイドバッグは、みんなが作って販売しているから同じように販売できるという考えではやや表面的。

本来は、著作権侵害をしていないお品物だけが本来ネットにも並ぶべきなのです。

ハンドメイド分野の業界では「認識が甘すぎる」と言われていますが、「意識」と「知識」の問題です。

「疎い」ことは事実上世の中に遅れをとっているのだと恥じるべきであり、「知らなかった」が通用しないと言われています。

ただ、そういった違反行為をあれこれ指摘したいのではないのです。

発信や販売を正しくやっていかねば、「ハンドメイド文化を広めたい」という願望を持つ者としては、正しく広まらないで間違った道への悪いきっかけになってしまうかもしれないからなのです。

気軽に製作はしていない、本気でやっているからこそ今までの事が台無しにならないように気を付けたいということを共有していきたいわけです(^-^)。

生地製造業者様にお願いしたい3つの表示、判断が難しい「混率」「織り名」「原産国」を川下付近のハンドメイド製作者は待っている【1096】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで、バッグを製作するにあたり、メイン材料である生地をいろいろな生地屋様にお世話になってきました。

多くの生地屋様があるとはいえ、同じ生地でもお得であったり、素敵な生地があったりするメリットなどで、贔屓の生地様ができるものです。

このたびは、生地屋様の「生地情報」が非常に大切であるということを綴りたいと思います。

実際のところ、元の製造業者様から遠ざかるにつれて生地名が曖昧になっている様子をネットでよく拝見しています。

それぞれの生地は必ず他の生地との差別化が本来あるはずなのです。

最もベーシックに情報として求める3つをお伝えし、この思いが届くことを願っております。

末端まで届いてほしい!「混率」「織り名」「原産国」は製造業者様しか分からないことが多いからこそ最も重要な生地情報である

論外なのは、生地情報が何もない生地です。

商業利用が可能であるかさえ分からない、原産国も何も表示がない、ただ生地だけを販売してみえる生地屋様は、たとえどれだけ人気があろうとも購入しないと決めています。

もしかして、すべてをフラットな目線で見てほしいからこその意図的な表明なのかもしれませんが、その考え方はかなり偏っていると思います。

「知る情報を購入者に生地と共に並行して伝える」ということが行われていないと見るからです。

一番にお客様のことを思ったやり方こそ、実直にすべてをそのまま伝達することだと、何度考えてもそう思うのです。

生地の情報の中では、専門的には、「生地幅」「密度」「打ち込み本数」「ニットゲージ」などもデータとしてはあると思います。

しかし、これらは、視覚的に判断が可能な範囲なのでハンドメイド製作にはそこまで重視するところではありません。

生地幅は、確かに事前に裁断のイメージが浮かぶ点ではマストですが、ものさしや巻き尺を持ち歩いて実際の店舗で計らせていただけるのであれば究極視覚的に分かる範囲に入っていきます。

現実的には、必ず示されていることが多い生地幅は非常に有難いので続行で申し分のない現状だと思います、ありがとうございます<m(__)m>。

そして、「混率」「織り名」「原産国」の3項目こそ情報としては非常に大切なことになります。

生地を使ったハンドメイド製作者がより良き製作品に仕上げられることに伴うこれらの情報がより品物を高めてくれるのだと理解していただきたいのです。

あとがき

情報が親切な生地を購入したことで、情報が親切な商品を販売できるということに連鎖していくことをイメージしてみてくださいませ。

そうしますと、信頼できる生地屋様で継続して購入したいと思うわけで、情報表示のない生地屋様は、有名であってもどうしても難しいのです。

こういったことから、一人の力ではなくたくさんのお力添えのもと製作品が出来ているという現実を、まずはバッグ製造者として有難く受け止めることを忘れてはいけないと思っております。

そして、「お互い様」という言葉のように、製作品になっていくことで提供していただいた材料についても、惜しみないアウトプットを是非お願いできればと思うのです<m(__)m>。

表立ってはまだ見ていない倉庫の生地も教えてくれる、生地屋様の店舗生地はネットでは掲載し切れない多くの生地の宝庫【1089】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグのメイン材料である生地。

この生地のチョイスの時点というのは、一番最初でありほぼテイストを決める大切な段階だと思っています。

ほとんどが目で見て実際の店舗での購入ですが、2020年辺りにネット生地をたくさん拝見して、たくさん購入したことがありました。

皮肉にも「コロナ」がきっかけです。

これまでなかった生地屋様の店舗の休業のため、ネットで探すことがあったからでした。

ネットのメリットは、遠方で店舗には出向けないお店の生地を購入できる機会が得られること。

同じく生地屋様も、店舗の代替にネットに進出し始められたことがコロナきっかけだったこともあったでしょう。

「遠州」の素敵な伝統織りの生地は静岡県、撥水の生地にもこんなに素敵な生地もあるのだと知った「大阪」の生地屋様、そしてかの有名な東京の「日暮里」の生地問屋街のお店の数々。

現地に行かずとも、ネットでこんな素敵な生地を販売していらっしゃるのだと初めて知ったのでした。

このたびは、そんな生地購入活動の中で、生地屋様から教えていただいた情報などの中に生地の本当の豊富さを知ることがありましたので当ブログ記事に綴りたいと思います。

ネットはほんの一部しか掲載できない事情あり、まだまだ優れた生地がもしかして倉庫の中で原反として眠っているかもしれない

ネットも結構豊富にあるのだと感激していた頃、生地の到着と共に、同封の「日暮里」のある生地屋様に日暮里界隈の一覧の地図が入ったパンフレットをいただいたことがありました。

旅行気分になり、パンフレットの番号のすべてのお店をネットで検索して、HPをお持ちなのか、ネットで生地販売をしてみえるのかを見ていきました。

そうすると、ほとんどのお店が生地をネット販売していない、自社のHPなるものはお持ちでないような感じに見えました。

そうすると、やはり、日暮里界隈の文化として、実際に足を運んで目で見て購入するスタイルが今だに主流であると見て取れました。

中には、SNS発信などもされている新しい、私達がこれぞ「今」と思うようなこともされている生地屋様も確かにありましたが、全体ではほとんどなかったということになります。

これには非常に驚きました。

そして、次に私picturesqueも在住の愛知県。

よく「大塚屋(本店)」様へ足を運びますが、ほとんど店舗でしか購入したことがありません。

近隣なので実際に目で見て購入できるならその方が良いのですが、ネット通販バージョンだとそれほど豊富ではないことがコロナ禍の時に拝見してそう思いました。

「大塚屋」様も、お店の方のノウハウが素晴らしく、奥にまだ余分があったりなどの生地の豊富さが抜群です。

そして、最後大阪で「カワイ繊維」様。

撥水生地を探していた時に、撥水生地の素敵な生地が多かったので、お店のホームページで複数購入させていただきましたが、お店の方とお電話する機会があり、お話していたところ、ネットはほんの一部とのこと。

実際はセンターというようなところに個人も訪問出来て購入できる場所があり、そこにはものすごい量あるのだということなのです。

よって、実際に目で見たい人のニーズ(事業者様が多いかもしれません)も大きいようなのです。

あとがき

生地探しは夢中になる一時(ひととき)になります。

いろいろ想像をめぐらせて、表地と裏地の組み合わせも考え、バッグのご購入者様の感動をイメージします。

こうして、探している瞬間の時こそ大事にしています。

少し興味深いお話なのですが、生地も反ごとに巻かれていて、同じ品番の同じ色の生地でも、時折ロットが違うことがあるのです。

えっ?と思うほど違う様相なのに、同じ生地だということもあったのですからとても驚きます。

実際に目で見る、そしてそのロット違いに関してもお店の方とのコミュニケーションをとり、その理由や背景を伺うなどの探究も、後のノウハウに繋がると思います。

店舗ならではのメリットも大いにあり、実物を実際に手にする感覚は当然優れた製作品へとつながるものであることも実感します(^-^)。

「1点物スタイル」を貫くために。。残布を使用した2点目はデザイン・サイズを変えるということの他に最も効果的な「裏地」を変えること【1076】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

隙間時間のような時間を使うつもりが夢中になって、結果数時間もかけた生地の整理整頓と組み合わせの様子をこのたびお伝えしたいと思います。

時々、こうして生地のストックをすべて把握・確認しています。

主に、一度使用した後の残りが長く残ることがありますが、これも最初の1点が渾身の組み合わせだったと裏付けられるかもしれません。

2点目の製作では、今度は「切り口を変える」というような感覚で1休止後に改めてリフレッシュして企画すると良いです。

一度目に製作したお品も大いに参考にすることで関係してくるポイントもありますので、すべてが繋がった1つのストーリの「第二章」のようなものです。

同じ生地を二度目以降の製作で新鮮に使用する方法、「次は裏地に使う」「コンビを変える」が全くの別物のように仕上がる可能性の追求

2度目以降に製作する表地と裏地の生地のセット:一度目とは必ず違うコンビに、新たな気持ちで挑みます。

いくつか決めた組み合わせをご紹介したいと思います。

左側が表地として、右側が裏地として考えている配置で撮影しています。以下もすべて同じになります。

華やかな衣装生地コーナーの、がさっとしたラメ生地の表地に、抑え気味のブロンズゴールドの裏地がマッチ、明るいストライプ柄が安っぽくならないように裏地を重めにします。

ポリエステルちりめんの左は、カラフルな小花柄。こちらもこのたび初めての使用です。

王道な考え方ですが、マルチカラーの中の1色をとったプレーンな裏地です。

表地が華やかなら、裏地はシンプルにバランスをとりました。

上のちりめん小花柄を裏地に使おうというものです。ここでは黒っぽく映りましたが、左は濃グレー。

ジャガードのまだら柄はどんな柄にも馴染んでくれるので、思い切って小花柄とも柄同士ですが合わせてしましました。

大丈夫だと思います。

市松模様が分かりやすい織柄になった左に裏地をべージュで。モノトーンコーデです。
1件完成品では、上と似た感じになるかも。生地の細かい織柄の方。市松同士四角い柄の相性はあると思います。
以前左の花柄は裏地で使用済。今度は主役の表地として使用。右はユニークな灰みたいな様相のナイロン素材。
元はマスク製作用に仲間が手配してくれた生地。麻/100%の無地と柄です。この生地でバッグは初めて。
左はちりめんに更にお花柄がある凹凸感を感じられる生地。裏地の右はタオル地。いずれも黒同士です。
上の黒のタオル地と種類が違います。こちらは表地として使用。右は以前表地使い済み。互いに逆転です。
右はすでに巾着袋を表地で製作済み。今度は裏地になりまして、表地にパープル無地が来ます。
上の方で出てきたまだら柄のジャガードの色違い。ライムグリーンが爽やかで大変綺麗です。

一番最後のライムグリーンとゴールドの組み合わせは、某ブランドバッグのコンビを参考にさせていただきました。

ゴールドと黄緑の相性の良さを感じます。

ご紹介しましたこれらは、すでに巾着袋製作用に裁断済です。

今後、次々に製作してまいります。

あとがき

1つの生地をいくつか共有する場合でも、同じことの繰り返しを避け、新鮮な気持ちでまた一から作っていくイメージです。

生地も、確かになくなってしまうともう入手困難なので余分に手配しておくこともありますが、長い間ストックしている間に、不思議と気持ちの変化があり、時間の経過と共に最初に発見した時と気持ちが変化していることもあるのです。

裏地で使用済みを表地にしてみる2度目であったり、1度目の組み合わせのイメージと違った裏地との組み合わせで二度目の表地として再度製作したりすることで、同じ生地に対しての可能性を知る機会にもなるのです。

こういったことは均一に大量製造をすることとは対極にあることです。

そんな1点物志向の醍醐味を是非味わってみて下さいませ(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

縫い始めと縫い終わり25cmx4=1mあまりが消費、ステッチに縫われないミシン糸のかなりの割合に「ロス」の部分が占めている事実【1070】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、初めて20番という太番手の糸を手配する機会がありました。

20番は60番などと比べて糸の太さが格段の差、当然同じようなボリュームのコーンの巻きでもそのm数は小さくなります。

何コーン手配すればよいのかの見積もりに、これまであまり細かく計算したことがなかった糸の用尺による必要数を割り出してみたのです。

1点分の製造品に使う全部のステッチがかかった箇所の合計を「ネット用尺・・・裸の実寸のようなもの」として設定、x製造数というような見積もりをするわけです。

複数同じ糸を手配するにあたって用尺が必要になります。

実際に見積もったやり方です↓。

まずは、1点製作してみてステッチした糸の部分すべてを単純にメジャーで計ります。

上糸と下糸があることを忘れてはならないので単純に2倍します。

と、ここまでは出来上がった実寸でしかありません、いわゆる「ネット用尺」です。

しかし、よく考えると見落としてはならないことがあります。

それが、縫い始めと縫い終わりの余った糸のタランとした部分。

あれって20-25cmくらいあることもありますね。

1そうしますと縫いを途中で区切る数が増えれば、それだけ、その余った糸の縫い始めと縫い終わり、そして、上糸と下糸という風にざっくりですが、25cmx2x2=100cm(1m程)が一度の縫いのターンでロスが出るということになろうかと思います。

このたびは、このロスも用尺に入れることが結構な分量であり、糸がいかにロスの多い材料であるかということを共有させていただく回になります。

量産の糸手配は、不足よりも余った方が作業がスムーズ、多めに見積もる以前に忘れてはならない縫い始めと縫い終わりのロス

<ボビンにフルに巻いた下糸の長さ>30番スパン糸=17.5m/20番スパン糸=12.5m(実際に測量済)。

製品が出来上がってから算出する場合には、ボビンを何度交換したかをめやすに、上の「30番スパン糸=17.5m/20番スパン糸=12.5m」のデータをもとにだいたい分かるものです。

ただ、前もっての手配となると、少しお話が別になるのです。

できれば、ちょうどぴったりな分量を手配したいものですが、万が一不足の場合に、もう二度と手に入らないような特別な状況の中見つかった糸もあります。

よって、多めに手配して余るという形が結局慌てずに安定して作業ができるので、場合によっては1コーン程余らせることも複数製作ではあり得ます。

後になってもったいないなあと思うこともあるかもしれませんが、糸の場合仕方がないです。

また保管しておいて、別のお品に使う方が不足で悩むよりも良いのです。

結果は、5コーンの手配に対してまるっと1コーンと+α余りました(1コーンで600m巻でした)。

このたびの20番はわけがあってたまたま在庫にあったというメーカー様のお話。

通常なら入手できなかった糸だと思いますので非常に貴重でしたし、何よりも20番が体験できたことが「宝」です。

あとがき

当ブログ記事は最初の投稿の2022.08.28からおよそ2年後の2024.09.16に「手直し」の順番で、タイトルから考案し直してここまで綴り直してまいりました。

今この2024年で当時の2022年を振り返りますと、大変貴重な経験として、複数同時製作を何ターンかやらせていただいたことです。

その中で糸の用尺を出来るだけ現実的に見積もる体験が後にアウトプットしていけることになりました。

2024年現在では再び1点物ずつの製作・コンテンツ制作に集中しています。

量産と呼ばれるものが、いかに無駄を生むのかということもあらかじめ余分に手配する必要性から分かります。

非常にに矛盾することなのですが、お得に仕上げるための量産なのに材料を余らせているのですからお得には作られていないとも言える実態なのでした。

こうした構造は、もっと大きな規模ではこれまでのアパレルの姿につながることです。

同じことを繰り返すのではない、新しい形を各々携わる者が考えていくことが非常に大切であり、そのためにはこうした実態を自ら知るところは非常に大切だと思いました。

1点物が割高だというイメージかもしれませんが、工夫次第ではそうとも言えません。

一人一人が丁寧に1点のお品物を時間をかけて仕上げていく素敵さ、素晴らしさこそもっと重要なことではないかと(^-^)。

比較して並べると歴然、デニム向きなスパン糸の30番と20番のボリュームの違いが驚く程差がある事実【1068】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまでハンドメイドバッグ製作を通じまして、様々な厚手の生地を縫うことに挑戦してまいりました。

金華山織・ゴブラン織り・セルヴィッチデニム・帆布が難関を伴う悩みが伴う生地だったというのが感想です。

スパン糸の30番と20番というのはひとくくりに「デニム向き」などと称されますが、実際に両方を使用する機会に恵まれまして、その違いがあまりに歴然としていたことで是非この記事でお伝えしたいと思いました。

カラー展開が豊富で見つけやすいのは30番ではあるが、説得力あるアクセントになってくれるステッチは20番に軍配

30番糸に本格的に統一したのは2017年のこと。

以前は50番や60番だったのですが、どうしても弱々しく糸を横に引っ張るとプッツンとすぐ切れたことが不安の種でした。

二重縫いをして強度を高める工夫も取り入れた途中段階の年月を経て、30番へ完全に移行して久しくなりました。

地縫いに関しては、30番の現在でも二重縫いという徹底ぶりです。

スパン糸は短繊維なので切れやすいというのはデメリットです。

しかし、そのぱさついた様相がカジュアルで、コットン方面の気取らない生地には相性が大変良く向いているのです。

番号が少なくなるにつれて糸が太くなりお品もレアになっていきます。

通常60番などは一番多くの人が使用されていることでしょう。

60番より丈夫にと、ハンドメイドのスタートからしばらくの間2007年-2017年は50番も使用していました。

ミシンを家庭用から職業用に変えていった時期くらいからバッグを作るバランスは30番が向いていると感じ始めたのでした。

このたび、「帆布」に対して縫う糸を探す際にたまたま30番ではなく20番でピッタリの糸の色が見つかったことがきっかけで20番使用に挑戦してみたのでした。

そして、30番とのあまりの違いに驚かされるのでした↓。

上下とも1重ステッチ。一括りにデニム用と称される30番と20番も並べて比較すると縫い目がこんなに違います。

驚かれるかと思います。

この違いは非常に大きいです。20番はより存在感があり、力強いです。

ステッチのアクセントを強調するようなデザインに20番は向くと予想できます。

30番は考え方を変えれば、適度に上品ですので、カジュアルな素材を大人っぽく製作したい場合などには向いています。

入手しやすいのは30番の方です、比較的豊富ですから。

一方、20番は思うような色が見つけられないこともあるかと思います、つまり20番はレアなのです。

Q:20番糸でも職業用ミシンでの製作が可能なのか、A:工夫次第で可能であることを実体験した者が証明します

結論からは可能でした。

使用ミシンは「JUKI:シュプール:TL25」です。

末尾に何も追加番号のない昔の「TL25」、その後「TL25DX:デラックス」という商品が出たようです。

こういった太口の糸の場合には工夫が必要で、その工夫というのは糸調子の大胆な調整になります。

下に貼りますYouTube動画内でポイントの糸調子を整える箇所をご紹介致しますが、ここでまとめておきますと、2つの箇所を徹底します。

①糸案内にすべて通す・・・取説によるとスパン糸は2箇所通しでよいのですが、3穴にフルに通します。そうすることで、糸がピンと張り、硬いデニムにしっかり糸が埋まっていくのです。

②糸調子ダイヤルは強め・・・こう覚えたらよいです→。硬くて厚い生地にはダイヤルは番号が大きい方へ絞めるということ。ただ、あまりにかちんこちんに「4」などはお勧めしません。糸が切れやすかったり、他のパーツが引っ張られて傷みますので「3」くらいにとどめます。

ミシンを優しく扱うために①をやっておいて、上糸を引っ張る際にも、針の周辺を引っ張ると動きにくいので無理矢理引っ張らず、糸のコーンと糸案内の間をたるませることを手動で行います。

この手作業は、縫う途中では出てきませんので大丈夫。

最初の縫い始めと最後の縫い終わりに引っ張る時がありますが、あの時にそのまま引っ張る前にコーンと糸案内(三つ穴のパーツ)の間を手動でたるませることが、針やミシンを傷めない優しい作業だと実体験からお伝えしておきます。

あとがき

今後たくさんのハンドメイド作品作って行きたい方へのメッセージとしましては、ある時期に家庭用から職業用のミシンへの切り替えをお勧めします。

確かに家庭用ミシンはロックミシン機能なども付いていて便利なのですが、縫い目が歪んで綺麗に縫えません。

せっかく技術が上がろうとしているのに、ミシン自体の不変的なクセや性質がそれを妨げるのでよろしくありません。

ステッチの美しい目は「プロ風」であり「商業風」としてまかり通る様相なので非常に重要だからです。

いずれ「商業利用」を見据えたハンドメイド品を作りたいと誰もが思うことでしょう。

そうした時に、土台であるミシンを「職業用タイプ」にしておくことで、こうして、何とかデニムとか帆布なども上手く縫っていけるのです。

しかも驚くほど美しい縫い目が購入者様の心をぎゅっとつかむのです!!。

デニムや帆布は糸調子が普通地である服地に比べて上述のように難しくなりますが、それでもこうして工夫と対策を分かっていることで突破出来ています。

どうか、素敵なオリジナル作品をお作り下さいませ。

そして、途中でやめてしまわないこと、何年も何年もひたすら続けていくことです。

そうした中で何かの転機が生まれたり、考え方が良い意味で変わったりして発展が起こると思います(^-^)。

綿100%は特に注意、ふんわり収納しても重なれば折り跡が「焼け」になる、生地の長期保管を見込む収納方法は「棒に巻く」ことが一番【1054】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

よくブログ記事でもお話していますが、ハンドメイド製作において、生地選びは重要でありその年ならではの一度きりの生地も少なくありません。

よって、どうしても先を見越して保管しておくということが多くなります。

多くの生地が多品種小ロットで販売されているところを、さらにミシン活動をする一人一人が細かくカットしていただいた購入生地を長期保管するのです。

前もって調達して保管しておく際に、1年半ほどでたたみじわが付いてしまった例が実際にありました。

その素材はどんな混率のものであったか、またどのように保管するべきだったのかなどを実際のリアルな写真をご紹介しながら顧み、実際に対策した例と共に、今後同じような生地を調達される方への一助となればと思います。

引出しに入れているからといって焼けないことは決してない、ふんわりも重なれば線が付きやすくなり陽の光も入る

引出しの中に収納生地のたたみ線の跡:真ん中に焼けたような跡。原因は「日光」と「湿気」でしょうか。

2つの生地は左が綿/100%と右がナイロン/100%。

こういったいわゆる使いやすい生地=折りやすい、アイロンでも跡が付きやすいような製作がしやすい生地こそが「折り跡」や「焼け」が起こるリスクある生地というパラドックスがあります。

それは硬いからでもあり、この性質が折り跡の原因になっていくと思われます。

ここでご紹介できるとすれば、たたみ線の箇所に跡出来やすい素材は、

・デニム

・帆布

・綿/100%の生地全般

・ナイロン/100%のハードな生地

このような辺りの生地の種類です。

特にバッグ製作で多くの方が材料に選ばれる生地そのものです。

上の2枚の写真もちゃんと大きな引出しのようなところにふんわりとたたんで保管していたつもりでしたが、結果はこの状態となってしまいました。

畳んだ場合は半年以内に使用をする心がけも大切です。

折り線が付かないよう前持って対策する生地の保管の仕方は、棒に巻くこと

すべての生地ではなくても、折り線が付きやすい生地のみこうして棒に巻いて日光の当たらない場所に立てます。

棒は生地屋様に1本その都度いただくとか、資材屋様にも棒は売っていますので、巻いて保管ということが対策になります。

ただ、綿/100%は特に、棒に巻いても「焼け」や「色褪せ」が縁の方から起こってくることがありますので日光を遮る場所の徹底を。

量産の工場ではこうしたことの管理体制はかなり徹底されていると思います。

量産用の原反はこんな風に寝かせて奥行きの広い棚に保管がアパレル業の生地卸商の倉庫の実際の風景でした。

あとがき

基本的には必要な分のみを調達し長期保管をしないそもそもの「企画のスタイル」にこのことをちゃんと考慮して取り入れていくということです。

そうしますと、「量産」というのは非常にリスクある形態であり、短い時間でたくさんを作り上げる重労働も伴いますので、少しずつを丁寧に早めに完成させていく方がすべての体勢が整っていると言えます。

「そもそも経年変化のある生地を選ばないバッグ作り」というのも1つのスタンスです。

実際に、上の2点の写真以外は、ほとんどが何年もそのままの状態で保管出来ていましたので、もともと綿/100%を滅多に使っていなかったことも幸いしていた面もありました。

それでも、綿100%やナイロン100%にはバッグの材料としての可能性は大いにありますので、このたびのお話がお役に立てれば大変光栄でございます(^-^)。

ガサガサとツルツルだけの違いじゃなかった、スパン糸とテトロン糸を比べて決定的に違う互いの強味【1040】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作には欠かせない材料の1つ「糸」についてお話させていただきたいと思います。

圧倒的にテトロン糸を多く持ち合わせておりまして、理由が「エレガント」に感じるからです。

ただ、スパン糸ならではのメリットもあり、手持ちが多い少ないの量の差はあれど、両方共出番があり、それぞれを使い分けているのが現状です。

このたびは、スパン糸とややニッチなテトロン糸を比較してそれぞれの糸の持ち味をお伝えしたいと思います。

そして、上手に使い分けたことの良い結果が生まれますよう、その一助になればと思います。

スパン糸の決定的なメリット、がさっとした質感が玉止めをほつれにくくしてくれること

スパン糸30番:ブルーグレー色。パサついた質感。「テトロンスパン糸」もこちらに属する分類に設定します。

メリットデ/メリットは挙げれば複数ありますが、ここでは分かりやすく、決定的なメリットを1つずつ取り上げたいと思います。

後に貼りますYouTube内ではその他の部分にも触れていますので、後で是非ご視聴下さいませ。

実際にテトロン糸で悩むのが、玉止めの時にほつれやすいことです。

軽く結んでいてはスルスルっとほぐれてしまいますので、結んだ意味がなくなることが悩み。

その点、スパン糸はがさっとしていて滑りにくい為玉止めが頑丈です。

このことが決定的なスパン糸がテトロン糸に勝る点だと思っています。

見た感じのイメージだけではなく、こうした機能的な点にもメリットがあったことが喜ばしいことです。

テトロン糸の圧倒的なメリット、高級生地にも追随できるエレガントさを備えていること

テトロン糸30番:青紫色。ツヤが際立ちます。サテン地やラメ生地などには相性◎、原色カラーもより映えます。

好みから始まり、製作するバッグ自体がエレガントに寄せたものになっているところからテトロン糸が多くなっていったのでした。

圧倒的な高級感とエレガントさは、スパン糸と対極の一面です。

この変わらない性質が永久的なものだと、これまで思い切ってテトロン糸の方に片寄せて集めてきたのでした。

スパン糸にテトロンを混ぜた「テトロンスパン糸」はほぼ「スパン糸」と分類するスタンス

左:テトロンスパン糸30番/右:テトロン糸30番:同じ糸のカラーなので比べ安いです。

生粋のスパン糸だと短繊維の集まりなので簡単に手で切れやすいというデメリットがあります。

そのことを補うためにサポート役としてテトロンを少し混ぜた「テトロンスパン糸」というものが多く出回っているのが近年であり、多くが古い在庫糸を買い集めた手持ちのスパン糸の中から発見。

結構な量のスパン糸が現在は「テトロンスパン糸」となっています。

比較してみてどう感じるのかは、やはり左はスパン糸に変わりはないということ。

よって、テトロンスパン糸=スパン糸と考え、てテトロン糸とは別物であるという分類の仕方で収納しています。

「テトロンスパン糸」の実際の使い心地ですが、確かに生粋のスパン糸よりは切れやすさは解消されていると感じます。

見た目の整然さもありますし、ツヤも適度にあるのですが、テトロン糸と並べてしまうとテカリ具合が雲泥の差なのです。

あとがき

糸もこうして比較したその姿をはっきりと区別することで、生地との相性も自然に分かることになるのです。

糸は非常に大切な基本材料です。

バッグを安定的に持っていけるのも、「縫い」のおかげですから。

別の記事でも綴らせていただいたことがあるのですが、ハンドメイド製作の年数が高まるにつれて、既製品の金属パーツの頼りなさを感じるようになりました。

確かに見た目のスタイリッシュさ、バッグらしさは金属パーツのおかげで高まるのですが、強度は決して安心できるものではありません。

ほぼすべての金属パーツを体験してみましたが、打ち込み式や穴を開けたネジ式の設置は随分気持ちが凹み、すべて廃止しました。

良質な生地へわざわざ穴を開けることの抵抗感やいつ外れてくるとも分からない打ち込みをした品物を、本当に胸を張って誇れるのかということに懐疑的になってきたのでした。

金属パーツの代わりに糸で縫う丈夫さの方がはるかに勝るものではないかと糸の素晴らしさをより意識するようになったのです。

糸の研究をするために、いくつかのメーカー様へのお問合せをしてお返事をいただいたことがありましたが、どの糸も(日本のメーカー様のもの)ちゃんと作られた素晴らしい品物です。

良質なバッグを作るためには、変なコスパを考え過ぎずに、必要なところには惜しみなく糸を使わせていただきたいと思います(^-^)。

工業用ミシン糸30番のスパン糸の下糸ボビンにフルに巻けるm数は17.5m、60番の50mに比較した極端な少なさでも二重ステッチを惜しまない【1039】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシン縫い作業において、通常下糸のボビンは、上糸のコーンから巻き取る作業をします。

この時にストッパーが作用し、自然に止まるところがボビンにフルに巻いた状態です。

あの全体の長さってどれくらいなんだろう。。

一度はそんなことを考えるものです。

ありがたくネット情報を拝見しました予測をされた方の見解からは、「60番糸でだいたい50m」だと見ています。

30番糸をハンドメイドバッグに使用していますので、この糸の太さの違いはなかなかのもので、60番で50mであれば当然少ないm数しか巻けないことになります。

このたびは、実際に30番のスパン糸のボビンにフルに巻いた糸を測る実験をしました。

単純計算の「60番で50m→30番で25m?」を遥かに下回る結果に大変驚きました。

しかし、それでも量産品でよくある削減(使用糸の分量や作業の分量をそぎ落とすこと)を決してハンドメイドではするべきではないというメッセージをここに綴りたいと思います。

60番糸でだいたい50m周辺という情報から、30番の場合はどれくらいなのかをリアルに実験、スパン糸とテトロンでも違う巻きm数

ボビンに巻いた糸:黄色が30番、グリーンが60番。同じような分量に見えますが、実寸は黄色の方が短いはず。

細い糸はたくさん巻けますので当然60番のグリーン色のボビンの糸の方が分量は当然多いはずです。

まずネット情報の複数の見解を拝見したところからの予測では、だいたいスパン糸60番で50m、比較実験としまして、スパン糸30番で実験をしてみました。

単純計算では、「60番と30番でちょうど数値が1/2、50mは同じく1/2の25mになるのか?」とまず考えます。

しかしながら、実際の実験では、30番のスパン糸で17.5mの結果が出たのです↓。

フルに巻いて実際に巻き尺でボビンにある糸の合計m数を計った実験結果は17.5mでした。

同じスパン糸でもメーカー様によって違いがあるでしょうし、テトロンの場合は、細いのでボビンを巻き切るまでの秒数が長いことでテトロン糸の方が長いm数巻けていると予測します。

随分30番ともなると随分糸の線径が太いということを、この少ないボビン巻数の数字からも実感できます。

原価表に入れ込む糸の見積もりは常に200m使用までの範囲と仮定の一律で¥100を入力している

ここで少し余談ですが、1点ハンドメイドバッグを製作する時に、1点分の原価表をそれぞれ作っています。

これは、販売価格を決める際の資料ということと、期末の棚卸の際に原価表の合計の値を引用するからです。

1つの原価表で複数の活用があるわけです。

フォームはいたってシンプル。

商品を自社製造している方は加工賃は会計上は入れません。

請求書などが発生した「仕入」科目を使ったものだけを棚卸資産にリストアップしますので、自作は¥0であるというのが会計上の見方。

しかし、その分販売価格に見積もればよいので、製作者の裁量とお客様のお求めになる価格を考慮して売値を決定することになります。

それで、この原価表の中にも糸の項目を毎回設けています。

ミシンで何かを作るには必ずこの糸の項目が登場すると思うのですが、実際に出来上がったステッチの部分をすべて計って合計しても不正確。

そもそも、縫い始めと縫い終わりのあの糸の飛び出しこそが余分なロスであり、糸の使用度が進行していく大きなきっかけなのですから。。

よって、一律で200m使用する設定をしています。

このたびの場合、原価表には当然上糸の分も入れねばなりません。

糸を1コーン(2,000m巻)で購入の場合の原価は、購入時のm数から何分の1くらい使ったのかなどという見方で、1/10くらい(200m)というざっくりとした見方です。

そうしますと、糸代はよほど最高級な糸をわざわざ調達しない限り「数十円」という原価ですので、毎回計算せずとも、見積もりの固定価格を設定して、常にその分を糸代として入れればよいのです。

ということで、1点のバッグで一律200m使用の¥100を見積もっています。

ちなみに、アパレル勤務の会社員時代の仮原価表の算出の際にも、同じ¥100でやっていましたので、お洋服のコートやジャケットなどの重衣料の分量でこれくらい。

ステッチの量が非常に多い4本ステッチの支柱を設置するバッグを作る者でもこの範囲で大丈夫だと見込みました。

あとがき

附属品の既製品の金属パーツなどは高額です。

それを調達する代わりに糸で縫いを丈夫にするという手もあります。

目指すところは、あくまでも「良質」なお品物である所は変わりが無いのです。

しかも、材料調達の工夫としまして、糸を一度に複数購入のお得なパックでこれまで過去の在庫糸を調達してまいりました。

かつての国内縫製工場の使用糸はこちらもおそらく日本製で非常に良質。

新品で製造された糸よりもかなりお得なので、元々コスパがあるのです。

その分、惜しみなく糸を必要に応じて二重縫い、見えない部分の丈夫さの追求に役立てているのです(^-^)。

起毛タイプの生地には決まって色の濃淡の映り方が違ってしまう「並毛」と「逆毛」がある、1つに組み立てるバッグにも意識したい【1027】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在製作を始めようとした裏地の生地に、ベロアやコーデュロイに類似の生地が登場。

このたびは、この生地を裁断するにあたり、バッグの天地の向きを統一せねば、出来上がりに濃淡が出来てしまう、「一方方向裁ち」の解説を致します。

アパレル業界勤務時代に、お洋服作りでも出てきていたことであり、元の量産用の「マーキング:型入れ」も一方方向に配置することで「差し込み」よりも用尺が増えるということを教えていただきました。

バッグ1点作るにも、色の映り方が濃淡なく統一に映るようにと、まずはその見え方を整えておく必要があるのです。

「並毛:なみげ」と「逆毛:さかげ」の色の濃淡の映り方を目視、選択は企画者の裁量によりどちらでも良いが統一はマスト

過去に勤務していました「生地卸売商」の会社で多くの毛並みのある生地を拝見しました。

アンゴラ・ボア・ベロアなど毛が長い生地は、ツンとまっすぐ上に立っていることはほとんどなく、斜めに寝ていることが大半なのです。

実際に2枚を前後合わせた構造の巾着袋を作る時の裏地に選んだ黒無地の生地が、そういった種類のものに当たりました。

<並毛>先染めストライプベロアニット、ポリエステル/100%、日本製。黒色ですが、ライトに映ります。
<逆毛>随分上の写真と違った感じに黒色が濃く映りました。こちらの方が落ち着いた感じに映る印象です。

「並毛:なみげ」というのは、手で撫でた時にスムーズに滑りの良い方向、毛並みの向きとイコールの向きです。

「逆毛:さかげ」というのは、手で撫でた時に引っかかりがあり、毛並みの向きと逆らった方向です。

これらは、同じ正面から見ると、濃淡があり、様相が随分違うということが写真を見ても一目瞭然。

前面と後ろ面のある巾着袋やトートバッグなどは、この生地の向きを意識して統一する必要があると言えます。

どちらの映り方を基準に統一するかは、企画の段階で自由に決められますので、「お好み」です。

ちなみに、高級感を表現したい「重衣料:コートやジャケット」では、「逆毛」がよく採用されていた記憶です。

この実験のように、濃く整って映ることで、冬物らしさやクラシックさの表現の1つになるのだと考えます。

このたびの巾着袋の裏地に使用のケースでは、中に物を入れる時の手に触れたときの滑りを考えると、天地の向きに従った「並毛」でいくと判断しました。

あとがき

このたびは、わりと毛足が長めの分かりやすい生地でしたが、毛足が短めの生地も光の当たり具合で向きによって濃淡が出ることがあるのです。

いわゆる、スエードのようなタイプの生地が該当します。

いかにもモフモフしたような生地だけではないので、生地を手にした際には、常に方向性のある生地なのかそうではないのかをのチェックを通過してから製作することをお勧めしたいと思います(^-^)。