衝動買いの生地の中にこれまで待ち望んでいた素敵なフクレ生地が見つかった、能動的に目的をピンポイントで持っていると出会いやすい【1359】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、調達したてホヤホヤの生地を4点ご紹介致します。

もともと椅子のクッションカバーを2種類作ろうとカーテン地を探しに生地屋様へ向かったのが目的でした。

ただ、誘惑多し。。

魅力的な生地のラインナップに思わず購入後も他の生地を見てしまいます(^_^;)。

現在の10月末では、すっかり秋冬の展示に様変わりが完了しいて、あったかい生地の購買意欲をそそります。

よく訪れます「大塚屋」様は、反物と並行しイメージの為の見本サンプル生地を展示されそのラインナップが見やすくなっています。

反物を直接見る場合、中表に巻いてあることも多くイメージがわきにくいので、展示はとても有難いです。

まるで常に「展示会場」のよう、今後も末永く続いていくお店、今後もずっとあってほしいお店だと思っています。

4点共凹凸感がある素敵なジャガード生地、最後1点のはこれまでずっと切望していたフクレ加工がされた「迷彩柄」の新しい姿だった【1359】

実家の方で新築がありました。

これまでの椅子を綺麗に拭いて掃除をし、新しく低反発クッションの椅子カバーを作っています。

低反発の中身はそのまま洗濯して利用していきます。

細かいお話ですと、低反発の素材自体に内袋がコンビになってその中に入っているものなのです。

内袋を交換した新調の素材は不要のパイル地シーツを利用。

さらにインテリア性のあるカーテン地でクッションカバーを作ります。

クッションカバー用の草木柄のカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

新築の実家のお部屋の全体のインテリアのイメージとして、この草木柄は統一されたモチーフとなっていきました。

色や素材違いでも、とにかくこの「花が無い草木」というところがパッと見た時のすっきり感を感じます。

年月をかけながら様々なこの同一モチーフで探した地道な結果としてインテリアが出来上がっていったのです。

いずれ、これらが配置されたインテリア自体を動画で映してアップする予定ですのでお楽しみにどうぞ(^-^)p

ピアノの椅子カバー用の薔薇柄のカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。なかなかエレガントな素材と柄。

先程の草木柄とはボタニカルのデザインがうんと変わります。

この柄はピアノの椅子のカバーですので、リビング用。

そのリビングのテイストを意識した柄を変えて選択しているのです。

結果は出来上がって合わせてみないと分かりませんが、合わない場合はまた考え直してこれを別の場所に使うことを考えると思います。

実家との距離があるため、想像と結果が違うことも多々あり注意したいのはカーテンなどですね。

サイズが決まっていて、別の場所で対応が難しいのがカーテン。

しっかりと吟味していかねばならないのですが、とは言え、カーテンはお部屋が無地ならどんな柄でも合ってくるという融通もあります。

定番生地なのにはぎれコーナーにあったナイロンオックスはっ水加工生地、ナイロン/100%、日本製。

定番の黒の撥水ということでとりあえず使い道があると考え購入。

この生地は同じ黒もベージュ、ブルーグレー、青など多種の色を使わせていただいてまいりました。

その中でも定番の黒が45cmという使いやすい長さでゲット。

そして、最後のご紹介が、衝動買いの生地になります。

50cm購入の迷彩柄のブリスタージャカードニット、綿/62%、ポリエステル/38%、日本製。

ぷっくりと膨らんだ加工の立体感が感じられる生地が非常に魅力的。

迷彩柄を「さながら」ではなく、抽象的に柔らかく表現しているところも素敵です。

美しいですね♪。

ブリスタージャカードはニットであることが多く、過去に類似の生地で巾着袋を作りました↓。

類似なのですが、こちらの方は柄がフラワーでした。フクレ加工の生地は比較的高額ですがその分高級感あり。

どうしてもお得な生地を買いたいと思うのですが、「また必要になったその時で良いから購入し過ぎはストックが増えるだけであるから注意」という考え方が1つあります。

その一方で、「今購入しなければ二度と出会えない生地であるからピンと来たこの機会に購入してストックしておくべきだ」という考え方もあります。

後者の場合がまさに今回の迷彩柄のブリスター生地のケースに該当しました。

あとがき

ミラクルな出会いの迷彩柄の生地・クッションカバー用のブルーグレーの草木柄・クリームイエローの薔薇柄もすべて「ピン」と来ています。

いずれも新着生地だと思いますので新鮮でした。

インテリア作りも一瞬では完成に至らないです。

少しずつ手間をかけながら、こだわった柄を入れながらカバーや敷物を少しずつ独自のインテリア空間を作っていくのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

20cmファスナーの15年後の透明樹脂留め具の劣化の現実、20年持ち続けることができるバッグに利用するのは金属ファスナーに軍配【1338】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ハンドメイドバッグ」活動を始めて15年が経過、最初は2007年からでした。

まだ今でも活動のスタート当時の一重仕立てのポーチをインテリア使いしているものがあります。

その中の1つに耳かきを入れている細長ポーチがあります。

お店ではなかなか売られない特徴あるサイズ感で、縦が3cmくらいの細身です。

ポーチの中では、ペンケースなどはおおよそ縦が6cmありますので、こういったサイズ感は規格外。

この量産では手が届かない範囲のサイズ感をカバーできるところがハンドメイドの良さなのです。

2007年ハンドメイドバッグ活動当初に作ったペンシルポーチ:<サイズ>縦3cmx横21cmxマチ無し。

耳かきを取り出そうと、入り口がファスナー式のこの細長ポーチを開けた時の事。

「あっ!」、何かがぽろりと落ちたことに気づきます。

製作時の2007年からは、15年後が経過した2023年8月のことでした。

透明樹脂でできた20cmファスナーの留め具部分の劣化の瞬間、この部分は金属製であることがお品物の長持ちに繋がると確信した

透明な合成樹脂がはがれて右下に落ちています。おそらくナイロン混の樹脂です。15年の時を経て劣化です。

この透明樹脂はミシンに対してやや融通があり、金具との差別化で良いなあと思ったものでしたが、結果15年後の2023年現在このように劣化したのです。

この事実は大変重要で、最初に材料を選ぶ際に15年先を見越して選べるのかということへの「問題提起」です。

遠い未来を見越して物を製作できるのか・購入できるのかという大変重要な事柄を示していると思えて仕方がありませんでした。

この留め具のカバーが外れた樹脂だけで固まっているファスナーの端はいずれファスナーが開いてくると予想できます。

そうしますと、今この時点で何とかせねばなりません。

そこで、こんなことをして補修しました↓。

ファスナーの「務歯:むし」に馴染む糸を用意。30番のチョコ茶です。ピッタリな色。
二重に下糸を玉結びを内側に隠して、手刺繍をしていき樹脂留め具の範囲分横へ移動していきます。
最後の玉止めは、ひっくり返して内側で。
出来上がり。これで一安心です。同色の糸がうまくなじんでいます。

ということは。。

最初からこれでも良かったのでは。。

実は、ハンドメイドバッグ活動をスタートした2007年頃は、カードサイズ程度の「ミニミニポーチ」というネーミングの小さなポーチも作っていた時期がありました。

ファスナーも20cm以下だと特注となりなかなかピッタリの色が見つかりませんので、とにかく色をすっきりとなじんで合わせていくことに重点を置く決断をしました。

その代わり、20cmのファスナーをカットしてその端を上の補修の写真と同じように留め具としてハンドによる糸刺繍を利用していたのです。

既製品の留め具に合わせた20cm用の型紙でポーチを作ったのにもかかわらず、15年後にはこれを補修して規格外と同じ糸刺繍をするという皮肉。。

結局ファスナーに型紙のサイズを合わせた意味がなくなってしまいました。

このような事実から、留め具は金属製が良いと思います。

務歯(むし)の部分は樹脂ですが、留め具の透明樹脂と成分が違うと見ました。

務歯が劣化したことはこれまで経験していません。

よって、現在は留め具部分のみが金属のこのようなファスナーを選んでいます↓。

務歯は樹脂で留め具が金属の20cmファスナー。

留め具だけが金属、これははるかに永久的だと言えます。

ただ、その代わりに、デザインする時に型紙をファスナーに合わせる必要があります。

何を優先するかでこういった型紙の起こし方もちゃんと理由があるので、縛られた自由の無い窮屈な製作だとも思いません。

むしろちゃんと「なぜそのサイズなのか」の理由ができるわけですので、何となく作った型紙とは意味が変わってきます。

事情を持ったお品ということで、かえって深みは増すと思っていますので、こうした「理由」の部分をちゃんと販売時に説明すると良いです。

あとがき

このたびのように、15年経過して分かった事実ということは大変貴重だと考えます。

予想が付きにくい未来の状態を今現在の何も起こっていない時点で見抜くための一助になればと思います(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

生地の「〇〇製」という原産国表示がヨーロッパであっても、背景を紐解くと生機(きばた)はアジア地域の可能性もある【1333】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグの生地を購入する際に注目しているのは、「生地名」「生地幅」「混率」「原産国」です。

原産国はいつも注目している点でして、これまで日本製に拘って選んでまいりました。

「緻密で丁寧な作りである日本製は質が良い」という固定観念です。

よくお世話になる「大塚屋」様には、時々ご質問をして生地の情報をご教授いただくことがあります<m(__)m>。

日本製以外では、これまで、イタリア製・フランス製・ドイツ製などヨーロッパの生地であるという「ブランディング」のようなことを感じながら取り扱ってみたことがあります。

特にイタリア製は、「風通ジャガード」という美しい凹凸感あるふくらみのマルチカラーのうっとりするような生地が豊富で、日本製にはなかなか見つけることが無いテイストでした。

こうした生地販売時点での表記上の「〇〇製」の表示は最終整理が行われた国が表示されますので、すべての工程がその国ではないこともあるのです。

極端には、アジア地域で「生機:きばた」が作られて、最終整理がヨーロッパであったり日本であれば、原産国にアジア地域が掲載されることがありません。

ということで、このたびは、原産国に対するピクチャレスクの考え方の変化を綴ってまいりたいと思います。

最終的に整理による仕上げが行われた国が「原産国」として1国のみ表示される生地製造のルール、相場より極端にお買い得なら「生機:きばた」は別国の可能性

決まりでは、世界的に見た場合、「原産国表示は、最終の完成をした国を表示することになる」となっているそうです。

例えば、アジアで生機(きばた)が安い値でもって織られ、その後日本へ輸入して日本でプリントや整理をされて完成された原反は「日本製」となるのです。

その経緯を生地購入者までが知ることはほとんどありません。

よって、原産国が日本製となっていれば、日本製の生地を購入したということになり、「日本製」というブランディングを謳えるという考え方もできます。

1m辺り¥1,000以下のお得な生地でヨーロッパの原産国が表示されているもので日本製の原産国表示の生地は、「生機:きばた」はアジアなのかもしれません。

そのようなな見方をしてみると、原産国表示を重視したところで到底意味がないとも思えてくるのです。

かえって逆の見方をすると良いかもしれません、このお得な価格はおそらく生機が原産国と違うのであろうと。。

そんなことから行き着くところというのは、本当にその生地自体が優れていると目で見て感じることの大切さです。

2007年から歩んできたハンドメイドバッグ道。

とにかく良い素材なのだとお伝えしたいあまり、原産国にやたらこだわってきたと思います。

そこから、ここ2023年に来てピクチャレスクにの考え方にも変化が。。↓。

何年もかけたハンドメイドバッグ作りの研究から、どの原産国の生地もある一定のレベルにはあるという見方です。

どの国で作られた生地であっても良いのではないかと思うようになってきました。

原産国の上述のような事情も、生地が何とか生き残って生産されて成り立っていくには。。ということの究極の工夫なのだと思います。

まともに生機までを自国で作る体勢が消滅、価格も成り立たないような事情から別国のお買い得な「生機:きばた」をいったん輸入して自国のヨーロッパテイストを入れているのかもしれません。

そうであれば、原産国もそれほど重要ではないのかもしれないと思うようになってきます。

ここ最近は、レア生地だと思っていたフクレジャガードなども中国製で素敵な生地が登場。

ゴブラン織りもほぼ日本製は消滅、多くが中国製で様々な楽しい柄の展開がありちゃんとした生地なのです。

ストレッチ素材に関しては韓国製や台湾製も優れています。

結局は、「肩書きのようなもの」のみに囚われないで、自らの目で見てのジャッジこそがそもそもの生地選びに相応しい見方なのではないかと。

あとがき

生地選びの際中は夢中になる一時。。

フラットな見方が望ましく、本当にピンときた生地を確実に見つけるには、変なブランディングは余計なのかもしれません。

じっくり見たり触れてみたりする時に受けた印象そのままに、素直な感想で良いのではないかと。

かえって変な偏りをしていると本当に素敵な生地を逃しているのかもしれないからです。

生地をバッグに製作してユーザー様にお届けする製造者の役割りは、生地の素敵さも同時にお届けしているのですから。。

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書き手:ピクチャレスク

この思い生地屋様へ届けたい!ハンドメイドバッグ製作用にもっと豊富なラインナップを希望する生地3種、「商業利用可能生地」「撥水花柄」「フクレ加工」【1331】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで多くの生地をハンドメイドバッグ製作に使わせていただきました。

生地の種類は本当に多いなあと思うものの、少し片寄りも感じます。

このたびは、ハンドメイドバッグの拘りある素材を決めるにあたり、まだ足りない生地があり、もっと豊富であればと希望する3種の生地をお伝えしたいと思います。

生地屋様へのリクエストのような内容です。

もっとこれらの生地でバッグを製作していきたいのに今は希少価値が高くなかなか見つけられない生地、「著作権フリー」「撥水花柄」「フクレ加工」

では、3種の生地を左から順番に解説してまいります↓。

①花柄プリントの著作権フリーのもの

ブロード地にプリント柄の綿/100%が非常によく見られます。

キャッチ―な柄はネットでも映えるので目に付きやすいと言えます。

しかし、ハンドメイドバッグを商業利用するとなると「著作権」に阻まれます。

ほとんどがイラストの元の原画を描いたデザイナー様にその著作権が自明のものとして存在するのです。

その「権利の行使」を外してある商業利用可の柄のプリントとなると限られてきますので、なかなか商業用としては入手しにくく、多くが自分使いの範囲を超えることができません。

よって、生地屋様には著作権フリーのプリント花柄の生地をもっとたくさんリクエストしたいです。

②はっ水加工生地のおしゃれなプリント生地

はっ水加工生地自体も実はレアだと感じています。

あれだけたくさんの生地がある中ではわずか。

事情があるのでしょう、例えば、撥水加工が効果を発揮するような素材はナイロン/100%が一番であると考えると、そもそもナイロン/100%がレアだからとか。。

ただ、バッグとしては撥水機能は有難い。

いずれ摩擦ではっ水剤が消えていくにしても、最初の時点では何年かは効力を発揮する初期状態が欲しいのです。

欲張りかもしれませんが、花柄プリント柄がより素敵です。

①の著作権にも関係してきますので結果は商業利用できるとなるとレアになってしまうのでしょう。

ただ、ナイロン/100%の撥水加工生地へのニーズとしては多いと思います。

③フクレ加工生地

フクレ加工生地は、特に2019年の製作で、フクレジャガードや風通ジャガードに注目してきました。

その凹凸感たるもの、何とも言えない美しさです。

バッグにすることで、余計にお洋服のコーデのアクセント力が増します。

フクレ加工は日本製では時々見つかりますが豊富ではありません。

レア生地として貴重に感じていますが、もっとたくさんあったら良いのにと思うわけです。

フクレ加工のような凹凸感の生地は巾着型のバッグなどにマッチすると考えています。

同じデザインに多種の生地を使わせていただく製作スタイル、全く同じ生地の繰り返しよりも別の生地で1点物ずつ製作する者にとっては生地のバラエティは重要です。

あとがき

最後に1つ注目しています生地の分野をご紹介して終わりたいと思います。

喪服用のジャガードやレースなど真っ黒なのに凹凸感が表現されている生地も大変好んでいます。

これらも、決して多種に渡っているとまでは言えないほんの一分野の生地だと思います。

真っ黒だからこそ凹凸感が工夫されて奥行きみたいなものを表現されている素敵な生地なのです。

とはいえ、素材だけには決して依存せず、自らが生み出した価値も大切。

バッグご購入のユーザー様に共有されて喜んでいただけるところまで行き着くことを願いながら、今後も素敵な生地探しの旅を続けてまいりたいと思います(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

<糸調子>ナイロン100%を甘く見ない方が良い糸調子の難しさあり、弾力性があり緻密な織組織には、時にはデニム級の工夫が必要【1302】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前にナイロンオックスはっ水加工という生地でバッグを製作した時の事。

随分複数の苦労をしたものです。

ナイロンオックスはっ水加工は、ナイロン100%生地の中では定番で身近に入手しやすいイメージですが、実際に手に取ってみて複雑な製作をしていく中で大きく2つの注意点があることが分かってきました。

以前に製作したビジネスバッグ(テリーヌ)(左)とやり直し前の失敗した状態(右)。

この右の写真は随分衝撃的です。

冒頭の苦労したことの2つの内1つは、接着芯に織芯を貼ってしまってこのような右の気泡だらけになってしまった失敗。

もう1つは、写真には残っていなかったのですが、支柱部分の4本ステッチの裏側の糸がモジャモジャになって困った糸調子の異変でした。

接着芯の件については、別の記事の【764】の記事でじっくりお話させていただいております。

織芯の他、不織布芯も不可、いずれも伸びませんので、融通が利かずナイロンの弾力の動きについてゆけません。

気泡の理由がナイロンの①織り目の緻密さ②弾力性の2つにあります。

そして、この同じ2つの理由でこのたびお話させていただきます「糸調子」にも影響が出るということになります。

過去に失敗した支柱のステッチの下糸のモジャモジャの原因、ナイロンがいかに緻密な硬い素材なのかというところに答えがある

ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。カラーはブルー色です。

ナイロンオックスはこのぶつぶつが凹凸感とツヤがあり美しいからこそ、バッグのポイントであるステッチも美しく縫いたいものです。

このナイロンという素材自体を決して軽く見てはいけません、意外な特性があることに気付いていただきたいのです。

①織り目が緻密②弾力性があるというこの2つの性質を持つ1枚の生地が四つ折り観音開きで4枚重ねになった支柱の場合特に①②が4倍にパワーアップすると考えます。

更に、その間には「ソフト厚芯」が同じように4枚重ねで挟まれますので厚みも増し、パワーも増していくのです。

もはやそれは、セルヴィッチデニムや帆布にも匹敵するようなパワーになることがあるのです。

それを通常と同じような糸調子で済むはずがないと、冷静に考えてみればそういうことです。

ナイロンバッグのステッチ:厚みが重なるような「支柱や取っ手」作りでは、糸調子が狂うことがあります。

では、どのように糸調子を調整していくかです。

先程デニムに匹敵するようなお話をさせていただきましたが、デニムの時も糸調子が特殊でした。

通常では、糸調子ダイヤルが1.5-2.0辺りなのが、デニムを縫う時には糸調子ダイヤルは思い切って3.0周辺まで上げていくと合います。

ただ、4には行きません、そこは職業用ミシンの限界だと思わねばなりません。

糸調子ダイヤル:押さえを降ろした状態で必ずここを見ます。デニムの場合3.0まで絞ることがあります。

デニムの場合は、よくカジュアルテイストなスパン糸を使いますが、スパン糸では、職業用ミシンの糸案内の3つ穴には通常では2つしか通さないものです。

そのように取説にも書いてあるからです。

しかし、実体験からは、デニムや帆布の場合にスパン糸でも3つとも通すとうまく糸調子が整っていきます。

この方が、糸調子ダイヤルよりも効果があるようなのです。

糸案内:スパン糸では、右の穴の上方向から入れ込む向きで真ん中を外すことが推奨されますが全部通します。

上の写真のバッグの支柱のような重なり部分で糸調子を整えるには、まずはここを全部通す(最初は右の下からくぐらせます)を徹底。

これをスパン糸のように真ん中を飛ばしたことで、下糸のステッチがぐちゃぐちゃになった過去の失敗がありました。

また、それでもまだ調子が整わなければ、初めてそこで糸調子ダイヤルをしぼっていくということです。

先に糸調子ダイヤルをいじるよりも、糸案内の三つ穴通しの効果の方が大きいということです。

簡単にまとめますと、糸調子を「締める/強くする」ということを特別行う必要があるのがナイロン/100%の生地なのです。

あとがき

もしも、ナイロン/100%の糸調子に対しては、そもそも特別な素材であるという認識でお願いします。

簡単な三つ折りや2枚重ねでは、もしかして問題なく通り過ぎてしまうのかもしれません。

そうすると問題が起こらないので、このようなことを知ることはありません。

複雑な厚みを追求したバッグに挑戦したからこそ起こった問題であり、学びであったのです。

わざわざ希望しない難しいアイテムを作る必要はないと思いますが、「あのデザインをどうしても作りたい」と思った時には、もしかして困難が待ち受けるのかもしれません。

しかし、そんな時にも、元あるよく言われている定番の「ルールやしきたり」もある種の固定観念となってしまう場合があります。

実体験して良くなっていった結果が出れば、それこそが「正解」だと言えます(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

片面がツルツルで見栄えが良いのが表面、ねっとりして見栄えが悪い方が裏面、ナイロンオックス撥水加工生地の表と裏の正しい見分け【1257】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去に撥水加工生地に特化したバッグの連続製作により、撥水の種類や施工面の選択が1種類ではないことが分かりました。

「片面撥水」「両面撥水」と、呼び名も分かれます。

手にした生地がどちらなのかということは情報としては是非知りたいことです。

実際に初見ではよく分からないという疑問があったことをきっかけに、撥水加工生地の色展開が豊富な「大塚屋」様にお話を聞くこともできたことを含むレポートとして実物を例にこのたびは、見分け方をお伝えしていきます。

「撥水剤の表面とコーティング剤の裏面のコンビ」という見方が正解のナイロンオックス撥水加工生地、サラサラは表、ねっとりとした方は裏で合っている

表面:ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。こちらの表面の風合いが表に見せるに相応しい。

今までその映りの良さからこちらを表として利用してまいりました。

よく聞く、生地の耳の穴の開け口の向きなどは一切あてになりません。

その観念はこのたびは除外、あくまでも目で風合いを見ていく判断とします。

「基本的に生地は、どちらの面を表面に使用しても良い」という生地屋様からのアドバイスもいただいております。

ただ撥水加工生地の場合、撥水機能がある方が表である方を希望しますし、見栄えの良い方が表である方が納得できます。

実際にご回答いただいたのは、こちらが表で正解とのこと、「ホッ」としたものです。

では、裏面を見てみます↓。

裏面:色が表面よりもくすんでいて、ネタ付きがあります。裏面のイメージに相応しい姿という分かりやすさ。

ただ、このまったりとした感じこそ、撥水剤ではなかろうかと混乱したことがきっかけで、それなら、表面には何も施工していないのでは。。と不安になり、生地屋様に聞くことを決意したわけです。

そして、そのお返事の結果、この裏面のねっとりしたものの正体は「コーティング剤」だとのことです。

この「ナイロンオックスはっ水加工」という生地は、「両面撥水」ではあるのだけれど、表面が「撥水剤」、裏面が「コーティング剤」というタイプの構造の両面撥水であると結論付けられました。

過去の面の使い方は、結果的には正解でしたが、何度もリピートしてきた生地、もっと早くに聞くべきであったかもしれません。

あとがき

両面撥水と一口に言っても、裏面も表面のような風合いだと、同じ撥水剤が裏面にも施工されている生地もある可能性があります。

また、表面の自然な風合いはいかにも撥水がかかっているという感じではないので、見た目だけでは分かりにくく、生地屋様の表示が大切になってきます。

よって「片面撥水」である場合はどちらが表面であるかは結構重要、場合によっては「片面撥水ならば採用しない」という思い切った決断もあるでしょう。

広い見方をするためには、このたびのような撥水生地の構造を目に見えない気体で施工されている撥水だからこそ追求していくべきだと思います(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

基本が「真っ白」というミシン糸の選び方の見直し、白から離れた中間的な「オフカラー」が出来上がりの味わいや魅力へとつながる発見【1239】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

製作見本などでよく引用される真っ白な色の糸。

確かに1コーン持ち備えれば対応しやすいと感じる反面、実際にどんな生地にも白糸では「味気無さ」「センスの無さ」を感じてしまうもの。

スパン糸の真っ白カラー:全く使わないことはないので持っていますが1コーンで十分というほどのわずかな出番。

生地の種類が豊富にあふれた現代ならではだと考えます。

では、「味気無さ」「センスの無さ」と反対のことをしていけば良いのです。

「味わいある糸の色」「センスある糸の色」とは。。を追求していきます。

このたびは、真っ白から少し距離をおいた、「オフカラー」と呼ばれる色の糸が、結構出番が多かった実体験を綴りながら、実際の糸の色をご紹介したいと思います。

真っ白一辺倒な糸のカラーでは、実際には生地には浮いてしまうということから、「自然に馴染むカラー」という選択をするお勧めが出来ればと思います。

白よりも少しだけカラーが入った「オフカラー」の糸の利用の仕方、カーキ・ブルー・イエローなど放射線状に真っ白から離れた味わい深いカラーがある

このたびは、ハンドメイド製作したそのお品が味わい深いものになったり高級感あるものになる糸の「オフカラー」色の展開をご紹介したいと思います。

3cmのダイヤキルト。既製品では真っ白が使われるところですが、この糸の色は真っ白ではないところが特徴。
真っ白ではないオフカラーの糸(一番右は比較のために真っ白も配置しました)。

上のキルトをかけた糸はこれらのスパン糸の中でどれだと思われますか?。

答え:右から2つ目のこの色を選びました。真っ白であると合わないことはないのですが、キルトが浮き過ぎます。

もし、ここに、真っ白のキルトをかけていたとすると、機械的な様相になってしまい、量産でよく見かけるキルトになっていたことでしょう。

しかし、こうして、少しグリーンのような淡いカラーが入っているだけで背景の花柄によくなじみ、柄を引き立てます。

キルトが主役ではない、あくまでもこの美しい小花柄なのだ、キルトは「機能である」という考え方に基づいた糸の色の選択です。

反対に、無地にキルトの色を際立たせる場合はまた話が変わりますが、こうしたマルチカラーなどの柄物は特に、その柄の方を主役にしたいことが多いです。

そうするとこういったオフカラー糸の出番が大いにあるということになります。

デニムのお洋服のリフォームなどのご参考に、カラーステッチ以外の補修の際に馴染ませる場合は白じゃない、むしろくすんだカラーが向いている

再びこれらのオフカラー色のスパン糸の写真を見てみます。

左の3つは結構色が入っていますが、通常のブルー・黄色・グリーンと比べてどれも中間的なカラーです。

ジーンズの裏面に使用しやすいのがオフカラー糸。補修などの際には浮かずに馴染んだ方が良いのです。

このジーンズの裏面を見てみます。

ここに馴染む色は、見たところ、左から3番目のブルーから右へ3コーンの並びです。

実際に合わせてみるとこの3コーンはどの色も相性があるようで裏面に馴染みました

過去に製作してきたハンドメイドバッグでは、裏面にも糸の色をなじませることもありましたので、オフカラーの糸の出番がありました。

デニムの裏面に合わせるカラー:この3色ならどれでも合いますが、ジーンズの裏面の色も物によって違います。

あとがき

このたびは白系の糸の幅広い見方で、「オフカラー」を見てまいりました。

同様に「黒」でも同じことが引用できます。

真っ黒では浮き過ぎる黒ベースのマルチカラーのステッチに、グレーを使うことで汚く浮いていたステッチが馴染み美しくなることがあります。

このたびのような「色をずらす」というアイデア、是非製作に落とし込んでみてくださいませ。

素敵な味わい深い製作品に出来上がりますよう(^-^)。

¥1,000/m以下の生地でも製造者独自のアウトプットの製作品こそ、ミシンハンドメイドが生地価格に依存するものではないことの説得力になる【1172】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを作る最初の段階の材料集めの1つ、生地の選択の時の生地の価格についてスポットを当ててみました。

どのくらいの価格帯の生地で十分であるのか、高額生地を選ぶ必要はあるのかなどの判断の際のヒントになればと思います。

ハンドメイドバッグの製作・商業利用ではメイン生地が原価に占める割合がほぼ原価を左右すると言っても過言ではないので、生地選びは最も重要なポイントになると思うからです。

高級な生地であれば良いバッグが作れるのかどうかを実体験で振り返ると、¥1,000/m以下の生地で十分にそれが可能だった

4種の凹凸感ある黒ベースの生地:右上がイタリア製で@¥1,000/m越え。残りはそれを上回りません。

今まで、ハンドメイドバッグを製作してまいりました生地の1m当たりの単価は様々です。

安くても素敵な生地も実はあるのです。

反対にどうしても輸入コスト等もあり、かなり高価格のヨーロッパ原産の生地もあります。

キーワードは、「バラ柄」「フクレ/風通」「ジャガード」「黒ベース」などできるだけ特化した分野に片寄せてまいりました。

この中の「フクレ/風通」が特に高価で、芸術品のような様相をしていることも多々あります。

過去に¥3,000-¥7,000/mの高価なイタリア製のジャガード生地を購入してハンドメイドバッグを製作した期間がありました。

ほとんどが、生地の素敵さに技術が追い付かず、惨敗(*_*)、2019年のことでした。

今思えば、技術が追い付かないまま早々と高級生地に着手してしまったことは、ある意味間違いで、ある意味正解だったと思います。

正解な理由は、思い切って高額な生地に触れることができたことでそこからの学びは多数であったからです。

これを、もっと先の夢のままにしていたとしたら、随分時代遅れだったことでしょう。

やはり、早い段階にこうと思ったことや願望を叶えていくことは、たとえ惨敗に終わったとしても、早く情報を得ることができたアドバンテージのようなものがあるのです。

大きくまとめますと、どれだけ高級な素材であっても技術が追い付かねば価値も半減した物しか出来上がらないことです。

実際に、2019年の高級生地を使った製作は、当時はほぼ全滅といった結果でひどいものでした。

では、反対に激安生地が悪い製作品にしかならないのかということを考えてみます。

大きな生地屋様で季節の変わり目の大幅値下げや訳あり品で、¥100/m(税込)という生地を購入したことがあります。

その生地はキズが入っていたので、その反ごとセール品になっていました。

1m購入してみましたが、その生地は綾が入っていて格好良く、良質な日本製の生地でした。

生粋の日本製の生地というのは、きめ細やかでしっかりと安定しているように思えます。

ただ、生地屋様の商業の事情に過ぎない値下げなどに踊らされることはありません。

確かに、¥100/m(税込)の生地は傷が一部入ったものでバッグには使えるものでしたが、カラーが自らの製作品にはマッチしにくいキャメルベージュでした。

生地のキャメルベージュはレザーのそのカラーとはかけ離れます。

そうしますと、「安いから購入」というジャッジの仕方こそ間違いなのです。

「どれだけ安くても、求める生地ではないならば選ばない」という選択肢を忘れがち、価格だけで購入してしまうのはいかにも浅い考え方なのです。

実は、当ブログ記事は、最初の投稿の2022.12.04からおよそ2年後の2024.10.20に、ブログ記事の手直しの順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2024年現在では、「技術が高まった」と堂々と言えるほどになりまして、過去の高級生地を現在再チャレンジしたら今度こそどれもが完成品になると思います。

ただ、2019年当時の無茶な高級品の生地の選択は、実際のバッグとしては現実的ではなかったカラーだったと思うのです。

よって、2019年当時はすべてがその時のみの見方でしかなかったのです。

今一度高級生地には挑戦していくつもりの現在ですが、製作するデザインも絞られていますし、市場全体の中の自らが作るバッグの位置付けも意識したものになると思います。

あとがき

バッグの製作は、生地の価格1指標のみでは成り立つものではないと言えます。

制作品は、必ず自らのアウトプットの表現であるべきなのです。

「ナップサック」というデザインを高級生地で続行していくという新しい決意が2024年では生まれています。

高級生地だから込み入ったメインバッグ的なデザインを作るのではないところが長年かけて出した結論の答えの特徴です。

「サブバッグ的存在」ということは市場の中の自らの立ち位置のようなもの、バッグ市場では「ハイブランドバッグ」こそが真ん中を取っていると思うのですが、いかがでしょうか。

ミシンでステッチを走らせることでしっかりしていく不思議な生地「ふくれジャガード」「風通ジャガード」、落とし込むに相応しいバッグのデザイン【1145】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

picturesque(ピクチャレスク)スタートの2018年はメンズライクなバッグの製作からスタートしましたが、技術の不足に対して自信の無い状態が続きました。

プレーンなタイプは技術を高めねばその不足が分かり過ぎるほど目立つもので、そういったものを作り続けていたのでした。

その頃、まだ今は早いからと後の夢にしていました、高級生地のフクレジャガード。

それらの生地に対してあこがれが強くなり、それほど技術も高まっていない2019年にフライング気味に足を踏み入れてしまいました。

その結果は散々。

いろんなデザインに挑戦したのは良いのですがどれ1つとして立派に出来上がることはありませんでした。

その頃のデザインというのは今思えばかなり難易度が高い立体的なハンドバッグになっているような物ばかり。

そんな多くの未熟な製作ながらも分かったこともあり、それこそが今思うと貴重な体験だったと思います。

夢に対して早く踏み込み過ぎたことが良かった面もあったのでした。

そうした高級生地の多くが凹凸感ある生地であり、特にイタリア製・日本製の「フクレジャガード」「風通ジャガード」は生地のみでうっとりとするような美しさがありました。

このたびは、たくさん製作してまいりましたこれまでの「フクレジャガード」「風通ジャガード」を中心に、本当はどんなデザインが一番望ましかったのかというところを現在の目線で考えます。

そして、その後の技術がやっと高まった2024年現在、持ち始めることができた自信と共に、今一度「フクレジャガード」「風通ジャガード」も製作していこうという決意を綴りたいと思います。

「宝の持ち腐れ」とは当時の不足していた技術を伴った生地のことを言っているようだ、技術が高まった今もう一度宝のような生地フクレ/風通ジャガードでバッグを作りたい

これまでバッグに仕立ててきました「フクレジャガード」「風通ジャガード」から6点の生地をピックアップしました。

「風通」と「フクレ」の境界線は曖昧。左上は風通、右上2つは「ジャガード」、下3つは「フクレ」という表記。

まず、もともと定義されている呼び名を明示、実際に取り扱ってきた者が定義してみます。

<3種の定義:事典や解説も参考にさせていただきました>

・ジャガード・・・プリントなどの塗装的なものではなく、織り糸で柄を表現したもの、またその技術。

・フクレジャガード・・・生地を二重にして柄を出してふくらみを出した織り方(気泡的なふくらみ)。

・風通ジャガード・・・生地を二重にして柄を出してふくらみを出した織り方(気泡的からもっと広がった柄に及んだふくらみ)。

はっきりとフクレと風通の違いが分かっておりません、おおわく同じなのかもしれません。

その説明がされている本やネットの情報も見つけられていません。

よって( )の中は実体験からまとめてみましたが、正解であるかどうかはわからず、実際に取り扱う中での感覚になります。

ここからは、風通ジャガードを実際にハンドメイドバッグに仕立てた時の驚く発見があった貴重なエピソードをお伝えしたいと思います。

風通ジャガードを接着芯で硬め、ミシンでステッチを施していくことで、ハリコシが特徴の素晴らしいものに出来上がっていくことを発見しました。

元はくずれそうで不安定な緩い生地であることを接着芯貼り前の状態で必ず感じると思うのです。

ところが、接着芯を貼りミシンで縫い合わせていくことで、しっかりと固まっていき貫禄が増していくのです。

この不思議さの正体は他でもない「空気」ではないかと。

生地それのみのパワーではなく、空気のパワーも相まっての迫力であるところが非常に特殊だと言えます。

このバッグを製作した時に初めて、ふんわりしたデザインが向いているのだと感じました。

厳しい見方ですが。難しいデザインばかりに挑んでいて、肝心な生地との相性を心から考えていなかった過去。

技術を高める必要もあったので今思うと仕方がないのですが、素敵な生地だからこそ「敬意」も必要なのです。

自分一人の力では到底完成させることなどできなかったバッグ、生地メーカー様・生地を販売してくれたお店に対しての感謝を製作に入れ込めることを忘れていたのでした。

あとがき

いろいろ難しいデザインにも挑戦はしてみたものの、現在に行き着いたのは確実に毎回成功する確率が高いデザインのみであるべきだと思うように。。

当ブログ記事は、最初の投稿の2022.10.25からおよそ2年後の2024.10.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

やっと2024年で、今後の方向性を決め始めることができています。

随分長く年月を要してしまいましたが、そういうものなのかもしれません。

複雑なデザインを作れることが素晴らしいという考え方はかえって浅いのかもしれない、シンプルなデザインでもちゃんとそれぞれに意味付けがあり、丁寧に製作したものは正解なのです。

素敵な生地が最大限に活きる出来上がりになっていれば、そえは1つの答えなのです(^-^)。

ハンドメイドバッグ作りにこれまで使用してきた多種の生地、服地からカーテン地まで様々な分野の使用で分かった「作りやすさ・作りにくさ」【1110】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで、ハンドメイドバッグに使う材料である生地を多種にわたり利用させていただきました。

特に分野を決めずに、そして自分都合の作りやすさをあえて無視、とにかく見たまま・感じたままの「美しい」と思う生地を心の赴くままに片っ端から選んでまいりました。

そうした中で、当然「作業しにくかった生地」がありました。

一方で、「意外にも作りやすかった生地」もあったのです。

このたびは、今後多くの方が使用する可能性がある有名どころの生地を例に、その作りやすさはいかほどのものであったのかを記録としてお伝えしたいと思います。

作業のしやすさを重点に置かなかったことで得られた生地の性質の深堀り、アイロンで跡が付きやすいことは作り易さの判別項目の1つ

2種ずつまとめてみました。

作業しやすかった生地は、定番のブロード、これは綿/100%です。

プリント柄の多くがブロードで、多くのハンドメイドをされている方はこの生地を取り扱うことが圧倒的に多いと見ています。

アイロンで折り曲げやすく、線がまっすぐになる、その理由は生地が安定しているからです。

そして、意外にも良かったのがラメ入りです。

ラメ糸の箔ではなくて、糸までラメ糸の場合特に、線が付きやすいです。

それは、ラメが金属質だからでしょうか、硬いことが安定感になっていたようです。

その分たたみじわに気を付けねばなりませんが、作業がスムーズであることイコールで綺麗に仕上がるという結果になりますので、非常に有難かったです。

では、逆に作業しにくかった生地です。

それは、王道のセルヴィッチデニムです。

おそらく多くの方は馴染みのあるデニムのイメージから、糸調子をブロードなどと同じように考えて取り掛かってしまいます。

ところが、思い切った調整をしないとなかなか糸調子が合わないもので、数年の年月をかけながら徐々に自分で糸目が美しくなるコツを研究していったほどです。

デニムや帆布は特殊ですので、他の生地でタイトルに<糸調子>と記載のものがコツや工夫が書いてある記事になります。

ということで、糸調子が難しいことで扱いにくい生地となるデニムに対しては十分に身構えて挑んでくださいませ。

もう1つおまけで3つ目の扱いにくい生地を挙げますと、ファンシーツイードです。

これは、大変でした。

裁断した片っ端から糸がほつれてきます。

ファンシーはマルチカラーで、いろんな色の糸がその太さの違いで折り込まれているのですが、結構粗いので生地が緩いのです。

よってカットしたりすることでほつれるリスクが高まります。

さっさと接着芯で固定して作業を進めねばならなく、保管ということはあまり良くないです。

ほつれやすいので縫い代の折り曲げもしにくく、接着芯の力を借りてまとめるということが事前に必須でした。

そして、最後もう1つ作業しにくかった生地はとろみの生地です。

ワンピースやブラウスになるような本来はそんな目的な生地も素敵だと、ハンドメイドバッグの裏地に利用しようと考えたことで入手。

無謀なのかもしれませんが、不可能ではなく一応今まで完成させてきました。

とろみ生地の中にはとても美しいものもあり、その美しさの方を優先したからこそ取り扱ったのでした。

そして、アイロンで折り曲げにくいということを乗り越えて完成へ向かいます。

その難関をどう切り抜けるのか、それでも綺麗に仕上げるためには。。と、工夫を考えていくことが非常に勉強になりましたので、作業しやすい生地だけを入手していたらそういった工夫は考えることもなかったかもしれません。

そして何より、その生地の美しさがやはり一番重視したところですので、わざわざ困難な生地も利用してきたわけです。

あとがき

今後製作していきたい生地のタイプ:大変美しく高級な生地です。

今、少し迷っていることがあります。これだけたくさんの生地を利用させていただいてきましたが、メンズライクも良いと今でも時々思うことがあります。

メンズ/レディースという区分けは今やもう古い考え方、どんな呼び名を使えば良いのだろうかなどと考えながら、とりあえず「メンズライク」と綴っています。

花柄のみではなく抽象柄や幾何柄にも目を向けることでこのテイストのバッグを作りたいと思っております(^-^)。