これが心から求めていた生地、二度と見ないその時限りの貴重な生地は衝動買いのミラクルな出会い中にあり【1359】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、調達したてホヤホヤの生地を4点ご紹介致します。

もともと椅子のクッションカバーを2種類作ろうとカーテン地を探しに生地屋さんへ向かったのが目的でした。

ただ、誘惑多し。。

生地屋さんの魅力的なラインナップに思わず購入後も他の生地を見てしまいます(^_^;)。

現在の10月末では、すっかり秋冬の展示に様変わりが完了しいて、あったかい生地の購買意欲をそそります。

私がよく訪れます「大塚屋」様は、反物と並行しイメージの為の見本サンプル生地を展示されそのラインナップが見やすくなっています。

反物を直接見る場合、中表に巻いてあることも多くイメージがわきにくいので、展示はとても有難いです。

まるで常に「展示会場」のよう、今後も末永く続いていくお店、今後もずっとあってほしいお店だと思っています。

見つけた4点の生地のご紹介:4点目(最後)の衝動買い生地がミラクルな出会いの生地

実家の方で新築がありました。

これまでの椅子を綺麗に拭いて掃除をし、新しく低反発クッションの椅子カバーを作っています。

低反発の中身はそのまま洗濯して利用していきます。

細かいお話ですと、低反発の素材自体に内袋がコンビになってその中に入っているものなのです。

このたび、内袋を交換し新調。その素材は不要のパイル地シーツ。

さらにインテリア性のあるこのたび選んだカーテン地でクッションカバーを作ります。

クッションカバー用の草木柄のカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

新築の実家のお部屋の全体のインテリアのイメージとして、この草木柄は統一されたモチーフとしていきました。

いろんな色や素材違いでも、とにかくこの「花が無い草木」というところがパッと見た時のすっきり感を感じるように、年月をかけながら様々なこの同一モチーフで探した地道な結果としてインテリアが出来上がっていくのです。

これまでこのタイプの柄をいろんな素材色の違いで利用させていただき、クッションカバーやカーテンを製作しました。

いずれ、これらが配置されたインテリア自体を動画で映してアップする予定ですのでお楽しみにどうぞ(^-^)p

ピアノの椅子カバー用の薔薇柄のカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

先程の草木柄とはボタニカルのデザインがうんと変わります。

この柄はピアノの椅子のカバーですので、リビング用。

そのリビングのテイストを意識した柄を変えて選択しているのです。

結果は出来上がって合わせてみないと分かりませんが、合わない場合はまた考え直してこれを別の場所に使うことを考えると思います。

実家との距離があるため、想像と結果が違うことも多々あり注意したいのはカーテンなどですね。

サイズが決まっていて、別の場所で対応が難しいのがカーテン。

しっかりと吟味していかねばならないのですが、とは言え、カーテンはお部屋が無地ならどんな柄でも合ってくるという融通もあります。

よって、かえってリムーバブルなクッションカバーの方が他のインテリア品のテイストに合わない失敗があるとも考えられます。

定番生地なのにはぎれコーナーにあったナイロンオックスはっ水加工生地、ナイロン/100%、日本製。

定番の黒の撥水ということでとりあえず使い道があると考え購入。

この生地は同じ黒もベージュ、ブルーグレー、青など多種の色を使わせていただいてまいりました。

その中でも定番の黒が45cmという使いやすい長さでゲット。

そして、最後のご紹介が、衝動買いの生地になります。

50cm購入の迷彩柄のブリスタージャカードニット、綿/62%、ポリエステル/38%、日本製。

こんなぷっくりと膨らんだ加工の立体感が感じられる生地がとても好きなのです。

迷彩柄を「さながら」ではなく、抽象的に柔らかく表現しているところも素敵です。

美しいですね♪。

ブリスタージャカードはニットであることが多く、過去に類似の生地で巾着袋を作りました↓。

すごく類似なのですが、こちらの方は柄がフラワーでした。

生地購入の時の心持ち

どうしてもお得な生地を買いたいと思うのですが、「また必要になったその時で良いから購入し過ぎはストックが増えるだけであるから注意」という考え方が1つあります。

その一方で、「今購入しなければ二度と出会えない生地であるからピンと来たこの機会に購入してストックしておくべきだ」という考え方もあります。

もどかしい所ですが、どちらかを選択というわけにはいかないのです。

前者の場合ももちろんありますし、後者の場合がまさに今回の迷彩柄のブリスター生地のケースに該当しました。

その2つの考え方のバランスを自身で調整しながらの生地選びであるということになります。

あとがき

今回は、ミラクルな出会いをお伝えしたく、迷彩柄の生地に一番スポットを当てましたが、クッションカバー用のブルーグレーの草木柄や、クリームイエローの薔薇柄も見つけた時にはかなり「ピン」と来ています。

いずれも新着生地だと思いますので新鮮でした。

インテリア作りも一瞬では完成に至らないです。

少しずつ手間をかけながら、こだわった柄を入れながらカバーや敷物を少しずつ作っていくのです。

今後の予定としましては、以前に失敗してしまったクッションカバーの余った生地の面積が大きいことを利用し、ビッグなトートバッグを作りたいです。

インテリア映えする同じカバーが椅子に存在するお部屋でストック用の入れ物として機能するようなものになればと思います。

YouTube動画の最後の方でお話致しました4面とも違う生地や色違いを使いながら1点物の素敵なトートバッグを楽しくイメージしています。

こちらも完成の際には是非ブログ投稿にてご紹介させてくださいませ。

すべての活動記録を実直にアップしていくスタイルの、「ピクチャレスク」の活動を今後とも是非よろしくお願いします(^-^)。

バッグが永久的に使えるために。。その時だけの融通を選んだ20cmファスナーの15年後の透明樹脂留め具の劣化と代替策【1338】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ハンドメイドバッグ」活動を始めて15年が経過。

まだ今でも活動のスタート当時の一重仕立てのポーチをインテリア使いしているものがあります。

その中の1つに耳かきを入れている細長ポーチがあります。

お店ではなかなか売られない特徴あるサイズ感で、縦が3cmくらいの細身です。

ポーチの中では、ペンケースなどはおおよそ縦が6cmありますので、こういったサイズ感は規格外。

これがハンドメイドの良さなのです。

2007年ハンドメイドバッグ活動当初に作ったペンシルポーチ:<サイズ>縦3cmx横21cmxマチ無し。

特徴あるサイズ感は、量産品ではなかなか実現できないニッチなお品になりうるということです。

耳かきを取り出そうと、入り口がファスナー式のこの細長ポーチを開けた時の事。

「あっ!」、何かがぽろりと落ちたことに気づきます。

製作時の2007年からは、15年後が経過した2023年8月のことでした。

透明樹脂でできた20cmファスナーの留め具部分の劣化の瞬間

透明な合成樹脂がはがれて右下に落ちています。おそらくナイロン混の樹脂です。

この透明樹脂はミシンに対してやや融通があり、金具との差別化で良いなあと思ったものでしたが、結果15年後の2023年現在このように劣化したのです。

この事実は大変重要で、最初に材料を選ぶ際に15年先を見越して選べるのかということへの「問題提起」です。

もっと言えば、遠い未来を見越して物を購入できるのかということも同じことではないでしょうか。

劣化してしまった留め具の補修アイデア

この留め具のカバーが外れた樹脂だけで固まっているファスナーの端はいずれファスナーが開いてくると予想できます。

そうしますと、今この時点で何とかせねばなりません。

そこで、こんなことをして補修しました↓。

ファスナーの「務歯:むし」に馴染む糸を用意。30番のチョコ茶です。ピッタリな色。
二重に下糸を玉結びを内側に隠して、手刺繍をしていき樹脂留め具の範囲分横へ移動していきます。
最後の玉止めは、ひっくり返して内側で。
出来上がり。これで一安心です。同色の糸がうまくなじんでいますね。

ということは。。

最初からこれでも良かったのでは。。

実は、ハンドメイドバッグ活動をスタートした2007年頃は、カードサイズ程度の「ミニミニポーチ」というネーミングの小さなポーチも作っていた時期がありました。

ファスナーも20cm以下だと特注となりなかなかピッタリの色が見つかりませんので、とにかく色をすっきりとなじんで合わせていくことに重点を置く決断をしました。

その代わり、20cmのファスナーをカットしてその端を上の補修の写真と同じように留め具としてハンドによる糸刺繍を利用していたのです。

既製品で留め具に合わせた20cmでポーチを作ったのにもかかわらず、15年後にはこれを補修して規格外と同じ糸刺繍をするという皮肉。。

結局ファスナーに型紙のサイズを合わせた意味がなくなってしまいますね。

留め具は「金属」の勧め

このような事実から、留め具は金属製が良いと思います。

務歯(むし)の部分は樹脂ですが、留め具の透明樹脂と成分が違うと見ました。

務歯が劣化したことはこれまで経験していません。

よって、現在はこのようなファスナーを選んでいます↓。

務歯は樹脂で留め具が金属の20cmファスナー。

留め具だけが金属です。

これは、永久的だと言えます。

ただ、その代わりに、デザインする時に型紙をファスナーに合わせる必要があります。

けれど、何を優先するかでこういった型紙の起こし方もちゃんと理由があるので私は縛られた自由の無い窮屈な製作だとも思いません。

むしろちゃんと「なぜそのサイズなのか」の理由ができるわけですので、何となく作った型紙とは意味が変わってきます。

ちゃんと考えられたお品になるのです。

あとがき

よく、記事にも書いています、「なぜその形でなければならなかったのか」ということはとても重要です。

意味のない飾りなどは、その時の一瞬の良さにしかならないことも。。

それよりも、飾り1つでさえ、付けなければならなかった意味、時には機能さえある飾りであればなおさらそうなるべくしてなったデザインになっていきます。

シンプルで飾り気がないデザインほど余計な部分はそぎ落とし、最低限の良さがあるものです。

今回のように、15年経過しないと分からなかったことなどの例は貴重だと思います。

予想が付きにくい未来の状態を今現在で見抜くための一助になればと思います(^-^)。

生機(きばた)は他国の可能性、「〇〇製」というヨーロッパの原産国自体がブランディングな「表示」に翻弄される生地の選び方への警笛【1333】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグの生地を購入する際に注目しているのは、「生地名」、「生地幅」、「混率」そして、「原産国」です。

原産国はいつも注目している点でして、私の場合はまず日本製がベース。

そして、イタリア製、フランス製、ドイツ製などがヨーロッパのおしゃれな生地なのだというブランディングもありこれまで取り扱ってみたことがあります。

特にイタリア製は、風通ジャガードという美しい凹凸感あるふくらみのマルチカラーのうっとりするような生地が豊富。

それもあって、日本製とイタリア製が中心で製作してきたのです。

ただ、その「イタリア製」が本当に生粋のイタリアで作られたものなのかというのがすべての生地に当てはまるわけではないのです。

最終的に仕上げた国が「原産国」として表示される事情

決まりでは、世界的に見た場合、原産国表示は、最終の完成をした国を表示することになるとなっています。

例えば、アジアで生機(きばた)が安く織られ、その後日本へ輸入して日本でプリントや整理をされて完成された原反は「日本製」となるのです。

その経緯を生地購入者が知ることはほとんどありません。

よって、原産国が日本製となっていれば、日本製の生地を購入したということになり、「日本製」というブランディングを謳えます。

特にイタリアはレザーがたくさん作られてきた国で、イタリア製のブーツだとか靴をよく見かけます。

しかし、それも元はイタリア産の原料ではないかもしれないということです。

なかなかのお手頃であったり、手が届く範囲というのはその可能性は高いです。

1m辺り¥1,000以下のお得な生地でヨーロッパの原産国が表示されているもの、日本製の原産国のものはおそらく生機はアジアかもしれません。

そんな見方をしてみると、原産国表示を重視したところで到底意味がありません。

かえって、逆の見方をすると良いかもしれません。

このお得な価格はおそらく生機が原産国と違うのであろうと。

そんなことから、やはり大切なのは、本当にその生地が良いのかどうかという自身の「目」ということになります。

原産国にこだわる必要がないという気持ちへの移り変わり

2018年初頭からスタートしたハンドメイドバッグの事業。

とにかく良い物なんだとお伝えしたいあまり、原産国にやたらこだわってきたと思います。

そこから、ここ2023年に来た5年後に思うこと↓。

何年もかけたハンドメイドバッグ作りの研究や学びからどの原産国の生地もある一定のレベルにあるとの判断。

どの国で作られた生地であっても良いじゃないかと思うようになってきました。

原産国の上述のような事情も、生地が何とか生き残って生産されて成り立っていくには。。ということの究極の工夫なのだと思います。

まともにヨーロッパで生機を作る体勢がもうない、価格も成り立たないような事情からアジア産のものをいったん輸入して自国のヨーロッパテイストを入れているのかもしれません。

そうであれば、原産国もそれほど重要ではないのかもしれないと思うようになってきます。

ここ最近は、レア生地だと思っていたフクレジャガードなども中国製で素敵な生地がありましたし、ゴブラン織りもほぼ日本製は消滅。

多くが中国製でいろんな楽しい柄の展開がありちゃんとした生地です。

ストレッチ素材に関しては韓国製や台湾製もちゃんとしています。

結局は、そういった「肩書」にとらわれないで、自分の目で見てのジャッジこそがそもそもの生地選びに相応しい見方なのではないかと思えて来ました。

あとがき

生地選びの時はとても夢中になる瞬間です。

フラットな見方が望ましく、本当にピンときた生地を見つけるには、変なブランディングは余計なのかもしれません。

じっくり見たり触れてみたりとそのままに受けた印象、その素直な感想で良いのではないか、かえって変な偏りをしていると本当に素敵な生地を逃しているのかもしれないのです。

日本製の生地の良さは、「緻密であり丁寧な織り」だと私は感じています。

これはヨーロッパの生地との比較で分かったことで、日本製だけにしぼらなかったからこそ分かったことです。

そして、生地だけを見た時と実際にバッグにした時の変化なども気づいたことがありました。

例えば、イタリア製の風通ジャガードは空気が入りほつれやすい生地の状態がその縁の縫い代をくるんで縫いこみバッグにしていくとふんわりとしながらちゃんと硬く縫い込まれて、とても素敵なフォルムになるのです。

生地だけの状態よりも縫って固定していくことでより迫力あるものになっていくことが分かりました。

生地もその状態とバッグになった状態では変化が起こるということです。

ということで、いろんなことが分かるのはやはりしばりなく、いろんな生地に手を付けてみることで、固定観念こそが一番よくないのかもしれませんね。

原産国にはとらわれないことです(^-^)。

この思い届けたい!ハンドメイドバッグ製作用にもっと豊富なラインナップを希望する生地3種【1331】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで多くの生地をハンドメイドバッグ製作に使わせていただきました。

生地の種類は本当に多いなあと思うものの、少し片寄りも感じます。

今回は、ハンドメイドバッグを拘りある素材でチョイスするには、まだ足りない生地があり、もっと豊富であればと希望する3種の生地をお伝えしたいと思います。

生地屋様へのリクエストにもなるかもしれません。

もっといろいろ作っていくには種類が少ないと感じる生地x3選

写真は、イメージですので、この左2点のプリント生地自体が著作権フリーだということではないのでご注意を。

おそらく大丈夫なのでしょうが、100%言い切れないのは、このプリント柄をデザインした人にコンタクトをとって、聞いたわけではないからです。

厳密にはこのような考え方をしています。

①花柄プリントの著作権フリーのもの

ブロード地にプリント柄の綿/100%が非常によく見られます。

キャッチ―な柄はネットでも映えるので目に付きやすいと言えます。

しかし、ハンドメイドバッグを商業利用するとなると「著作権」に阻まれます。

ほとんどがイラストの元の原画を描いたデザイナー様にその著作権が自明のものとして存在するのです。

その「権利の行使」を外してある商業利用可の柄のプリントとなると限られてきますので、なかなか商業用としては入手しにくく、多くが自分使いの範囲を超えることができません。

よって、生地屋様には著作権フリーのプリント柄の生地をもっとたくさんリクエストしたいです。

②はっ水加工生地のおしゃれなプリント生地

はっ水加工生地も実はレア。

あれだけたくさんの生地がある中ではわずかです。

事情があるのでしょう、例えば、撥水加工が効果を発揮するような素材はナイロン/100%が一番であると考えると、そもそもナイロン/100%がレアだからです。

ただ、バッグとしては撥水機能は有難い。

やはりいずれ摩擦で機能が消えていくにしても、最初の時点では何年かは効力を発揮する初期状態が欲しいのです。

そうすると後から撥水剤をかける手間やコストを考えると撥水加工済の生地ははるかにエコノミーです。

本気で撥水剤の威力を追求してみた過去の経験がありますが、良質な撥水剤自体が非常に高価で(300ml程で¥5,000以上)、生地への浸透率の違いによってはたくさん必要だからです。

質の良い撥水剤の価格はハンドメイドバッグの価格をゆうに超えていきます。

欲張りかもしれませんが、のっぺりとした平凡なナイロン生地にはプリント柄が入っていると素敵です。

①の著作権にも関係してきますので結果はレアになってしまうのでしょう。

ただ、ナイロン/100%の撥水加工生地へのニーズとしては強くありますし、多いと思います。

③フクレ加工生地

フクレ加工生地は、特に2019年の製作で、フクレジャガードや風通ジャガードに注目してきました。

その凹凸感たるもの、何とも言えない美しさです。

バッグにすることで、余計にお洋服のコーデのアクセント力が増します。

フクレ加工は日本製では時々見つかりますが豊富ではありません。

レア生地として貴重に感じていますが、もっとたくさんあったら良いのにと思うわけです。

フクレ加工のような凹凸感の生地は巾着型のバッグなどにマッチすると考えています。

同じデザインに生地を当てはめる場合に全く同じ生地の繰り返しよりも別の生地で1点物ずつ製作したいのでもっと生地が豊富にあればと思うからです。

あとがき

行き着けの生地屋さんで見つからなかった場合、あきらめずにネット販売もくまなく探してみるのも良いでしょう。

特に、簡単には店舗へは行けないような遠方の地域の生地屋さんなどはネット販売されている場合に有効です。

あとは、サイト内の店舗として出品されている生地よりも、自社ホームページ内である分野に特化したような(衣装用など)生地に特徴ある生地が見つかることもありました。

「探し方」にも一工夫すると良い出会いがあるかもしれません。

そんな中でも見つからなかったものは、こうしてニーズとして声を上げていくということも良いと思います(^-^)。

<糸調子>意外と知られていなかったナイロン100%生地の糸調子の難しさ、弾力性があり緻密な織組織には、時にはデニム級の工夫が必要【1302】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前にナイロンオックスはっ水加工という生地でバッグを製作した時の事。

随分いろんな苦労をしたものです。

ナイロンオックスはっ水加工はナイロン100%生地の中では定番で身近に入手しやすい生地のイメージですが、実際に手に取ってみて、複雑な製作をしていく中で大きく2つのポイントがあることを知ったのです。

以前に製作したビジネスバッグ(テリーヌ)(左)とやり直し前の失敗した状態(右)。

この右の写真は随分衝撃的です。

1つは、接着芯に織芯を貼ってしまってこのような右の気泡だらけになってしまった失敗。

もう1つは、写真には残っていなかったのですが、支柱部分の4本ステッチが裏側が糸がモジャモジャになって困ったということがありました。

接着芯の件については、別の記事の【764】の記事でじっくりお話させていただいておりますので、ここでは、「ナイロン100%生地もしくは、ナイロンの混率が結構ある(30%-40%)割合の場合には、ニット芯がマストである」という心得で右のようには決してならないと言えます。

織芯の他、不織布芯も不可です。いずれも伸びませんので、融通が利かずナイロンの弾力の動きについてゆけません。

気泡の理由がナイロンの①織り目の緻密さ②弾力性の2つにあります。

そして、この同じ2つの理由で今回お話させていただきます糸調子にも影響が出るということになります。

過去に失敗した支柱のステッチの下糸のモジャモジャの原因をまずはひも解く

ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。

ナイロンオックスはこのぶつぶつが凹凸感とツヤがあり美しいからこそ、バッグのポイントであるステッチも美しく縫いたいものです。

このナイロンという素材自体あなどってはいけない意外な特性があるということなのですね。

①織り目が緻密、②弾力性がある、というこの2つの性質を持つ1枚の生地が四つ折り観音開きで4枚重ねになった支柱の場合特に①②が4倍にパワーアップすると考えます。

更に、その間には、「ソフト厚芯」が同じように4枚重ねで挟まれますので厚みも増し、パワーも増していくのです。

もはやそれは、セルヴィッチデニムや帆布にも匹敵するようなパワーになることがあるのです。

それを通常と同じような糸調子で済むはずがないと、冷静に考えてみればそういうことになるのです。

こういった厚みが重なるような「支柱や取っ手」作りでは、糸調子が狂うことがあります。

ナイロン100%の糸調子が悪い場合の調整の仕方

では、どのように糸調子を調整していくかです。

先程デニムに匹敵するようなお話をさせていただきましたが、デニムの時も糸調子が特殊でした。

通常では、糸調子ダイヤルが1.5-2.0辺りなのが、ある日デニムを縫う時には糸調子ダイヤルは思い切って3.0周辺まで上げていくと合います。

ただ、4には行きません、

糸調子ダイヤル:押さえを降ろした状態で必ず見ます。デニムの場合3.0手前まで絞ることがあります。

デニムの場合は、よくカジュアルテイストなスパン糸を使いますが、スパン糸では、職業用ミシンの糸案内の3つ穴に通常では2つしか通さないものです。

そのように取説にも書いてあるからです。

しかし、私の実体験からは、デニムや帆布の場合に、スパン糸でも3つとも通します。

この方が、糸調子ダイヤルよりも効果があると感じました。

糸案内:通常スパン糸では、右の穴の上方向から入れ込む向きで真ん中を外すことが推奨されていますが、
デニムではすべて通してやっています(右の下から入れ込んでスタート)。

次に「テトロン糸」の場合で考えてみます。

私の考えですが、ナイロンオックスの場合、つるりとした高級感を活かすには、テトロン糸が見かけの素敵さでは勝ると思っています。

そうした時に、あのような支柱のような重なり部分で糸調子を整えるには、テトロン糸であっても、糸案内の3つの穴通すことです。

これをスパン糸のように真ん中を飛ばしたことで、下糸のステッチがぐちゃぐちゃになった過去の失敗がありました。

また、それでもまだ調子が整わなければ、初めてそこで糸調子ダイヤルをしぼっていくということです。

先に糸調子ダイヤルをいじるよりも、糸案内の三つ穴通しの効果の方が大きいということを再びこことでお伝えしたいと思います。

あとがき

もしも、糸調子に困った時には一度今回の私の過去の失敗が成功へと転化したエピソードを思い出し、お役立てくださればと思います。

意外に取説などには書かれていないことです。

実際にナイロン100%をたくさん複雑な構造で縫ってきた者がお伝えできることです。

簡単な三つ折りや2枚重ねでは、もしかして問題なく通り過ぎてしまうのかもしれません。

そうすると問題が起こらないのでこのようなことを知ることはありません。

複雑なバッグに挑戦したからこそ起こった問題であり、学びであったと言えます。

わざわざ希望しない難しいアイテムを作る必要はないと思いますが、「あのデザインをどうしても作りたい」と思った時には、もしかして困難が待ち受けるのかもしれません。

しかし、そんな時にも、元あるよく言われている定番の「ルールとかしきたり」もある種の固定観念となってしまう場合があります。

実体験して良くなっていった結果が出れば、それこそが「正解」だと言えます(^-^)。

片面が見栄えが良く、もう片面が見栄えが悪い場合の撥水加工生地の表と裏の判別の仕方【1257】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いろんな撥水加工生地があって、撥水加工だけの生地専門にハンドメイドバッグを作っても良さそうだと思ったこともあるほどです。

その多種にわたる撥水加工生地の中でも、王道である「ナイロンオックス」の場合をこのたびの題材として撥水加工生地の表面と裏面のジャッジについてご紹介したいと思います。

撥水加工がしてある生地といっても、「片面撥水」、「両面撥水」などという言葉もあるので、じゃあ手にした生地が両面撥水がちゃんとされているものなのかなどと疑問を持つこともあります。

実際に私も疑問があったので、撥水加工生地の色展開が豊富な生地屋さんに問い合わせたレポートとしてお伝えできそうです。

撥水剤とコーティング剤のコンビで作られたナイロンオックス撥水加工生地

ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。:こちらの表面の風合いをよく目で見ます。
オックスらしい凹凸感ある織りが美しく出ています。高級感もありますね。

私は今までこちらを表として利用してまいりました。

よく聞く、生地の耳の穴の開け口の向きなどは一切宛てになりません。

その観念は今回は無し、あくまでも自身の目で風合いを見ていくやり方になります。

基本的に生地は、どちらを表面と使用しても良いという生地屋様からのアドバイスもいただいています。

ただ撥水加工生地の場合撥水機能がある方が表である方が当然望ましいですし、それに加えて見栄えの良い方が表である方が腑に落ちます。

実際にご回答いただいたのは、こちらが表で正解とのことです。

では、裏面を見てみます↓。

裏面:ネタ付きがあり、マットな感じです。いかにも裏面のイメージとして目に映ります。

ただ、このまったりとした感じこそ、撥水剤ではなかろうかと混乱したことがきっかけで、生地屋様に聞くことを決意したわけです。

そして、そのお返事の結果、このねっとりしたものの正体は「コーティング剤」だとのことです。

この生地は、「両面撥水」ではあるのだけれど、表面が「撥水剤」、裏面が「コーティング剤」というタイプの構造の両面撥水であると結論付けられました。

両面撥水と一口に言っても、裏面も表面のような風合いだと、同じ撥水剤が裏面にも施工されている生地もある可能性があります。

また、表面の自然な風合いはいかにも撥水がかかっているという感じではないので、見た目だけでは分かりにくく生地屋様からの表示がとても大切になってきます。

よって片面である場合はどちらが表であるかは結構重要になりますし、場合によっては「片面撥水ならば採用しない」という思い切った決断もあるでしょう。

私見、ナイロンオックスがなぜ好まれるのか、なぜ永久的な素材なのか

以前、ナイロンの生地で作られたバッグが粉がふいていたのを見たことがあります。

昔のお品でビンテージだったかと思います。

今回のナイロンオックスの裏面のコーティングなどは、その成分は、合成樹脂で行われているかと思いますので、いわゆるPVCなどの劣化するタイプの素材に似た部分があると思っています。

そうすると、裏面は、30年後はどうなるんだろうということです。

ナイロンも丈夫とは言え、布です。30年も持つのはかなりの長持ちということになります。

しかし、製造する時には30年先も使えるものとして当然私はバッグを作っていきますので、素材の劣化に関しては重要なキーポイントです。

そのため、早いうちに劣化するであろう、PVCコーティング、ビニールコーティングなどは材料としては使わないようにしています。

今回のナイロンオックスであると、摩擦や擦れによって、経年により撥水機能は薄れると思われますが、その表面の様相は変わらない美しさは保たれると見ています。

ただ裏面に関しては経年の湿気などで空気に触れているとそのままではないような予想です。

とは言え、製造する時には、裏面はほとんどすべてが裏に隠れてしまいますので、裏面を表に見せる作りをしなければ、空気に触れにくい場所へそのコーティングがたたずみ、30年先に大変なことにはなることは起こりにくいと思っています。

だから、「永久的」な素材であるとも言えそうですが、「絶対的な永久」ではないとも言えそうです。

しかし、PVCや合皮などに比べたら比べ物にならないくらい長くそのままの状態を保っていくでしょう。

撥水機能のある素材だけで比べた時にはナイロンオックス撥水加工のこの旅の生地ダントツだと思います。

こんなところも好まれる1つの性質だと思いました。

あとがき

少し話が逸れますが、別の生地屋様ともお電話でお話したことがあります。

私の問い合わせにお電話をくださったのです。

その生地屋様はたまたま多くのナイロン撥水の生地を倉庫に持っておられました。

そして、私はとても究極なことをお聞きしたのです。

「撥水の機能の仕方を知りたい。片面撥水の場合、表から水が浸み込むにあたって、撥水がかかっている方を表面にすることと、撥水がかかっている方を裏面にすることの水の浸み込み方の違いはあるのか」という質問です。

答えは、「分からない、実験してみないと分からないことである」とのことでした。

随分ややこしいことを聞いてしまいましたが、疑問は疑問でした(^_^;)。

大雨を想定した場合、とりあえずは両面がベストだと思います。

それでも縫い目の隙間からお水は入ってくることはありますので、縫い目のミリ数とか、隙間の多い縫いを緻密にする検討なども工夫の1つになるかと思います。

とにかく撥水も奥が深いようです。

どのくらいの効果で良いのかということによって、わざわざPVCが貼られているものを選ばずともほんの気持ち程度の撥水で十分なこともあります。

それよりもおしゃれな生地の風合いが永久に残った方が良いという考え方もできます。

そういう広い見方をするためには、今回のような撥水生地の構造を知っていることも何か1つのヒントになるかもしれないですね(^-^)。

基本が「真っ白」というミシン糸の選び方の見直しへ、白ではない中間的なオフカラーが出来上がりの高級感へとつながる【1239】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシン糸のカラーバリエーションは、マルチカラーが好きな私としては、重要視し、箪笥の引き出しに3段分が現在のストックです。

「スパン糸」と「テトロン糸」に分かれますが、ぱさぱさしたスパン糸はあまり好まず、少な目の40コーン程。

テトロン糸はその倍くらいの80コーンという数です。

すべて2000m巻程の工業用の量産用のタイプです。

特に量産せずとも、何度も使うような色であれば、コスパは非常に良いです。

ミシン道を歩み始めた当初は、基本的な糸の色ということで、真っ白を調達しがちです。

しかし、実際は、いろんな生地のカラーに際立たせたり、なじませたりすることが多く、真っ白の出番が豊富というわけではないのです。

ここまでいろんな色を持っている私でもスパン糸では1コーンしか持ち合わせていないのが真っ白の糸です。

スパン糸の真っ白カラー:全く使わないことはないので持っていますが1コーンで十分です。

今回は、この真っ白カラーよりも一層ハンドメイド製作したそのお品が味わい深いものになったり高級感あるものになったりする糸の色をご紹介したいと思います。

白よりも少しだけカラーが入った「オフカラー」の糸の利用の仕方例

こんな風に3cmのダイヤキルトをかけました。この糸の色は真っ白ではないのです。
真っ白ではないオフカラーの糸(一番右は比較のために真っ白です)。

上のキルトをかけた糸はこれらのスパン糸の中でどれだと思いますか。

答え:右から2つ目のこの色を選びました。

もし、ここに、真っ白のキルトをかけていたとすると、機械的な様相になってしまい、量産でよく見かけるキルトになっていたことでしょう。

しかし、こうして、少しグリーンのような淡いカラーが入っているだけで背景の花柄によくなじみ、柄を引き立てます。

キルトが主役ではない、あくまでもこの美しい小花柄なのだ、キルトは「機能である」という考え方に基づいた糸の色の選択です。

反対に、無地にキルトの色を際立たせる場合はまた話が変わりますが、こうしたマルチカラーなどの柄物は特に、その柄を主役にしたいことが多いです。

そうするとこういったオフカラー糸の出番が大いにあるということになります。

スパン糸30番のオフカラーはデニムの裏面にも相性が良い

再びこれらのオフカラー色のスパン糸の写真を見てみます。

左の3つは結構色が入っていますが、通常のブルー、黄色、グリーンと比べてはるかにカラーのトーンが薄く、中間的です。

ジーンズの裏面に使用しやすいのがオフカラー糸。

このジーンズの裏面を見てみます。

ここに馴染む色は、見たところ、左から3番目のブルーから3コーンの並びです。

実際に合わせてみるとこの3コーンはどの色も相性があるようでなじみました。

過去に製作してきたハンドメイドバッグでは、裏面にも糸の色をなじませることもあり、オフカラーの糸の出番がありました。

デニムの裏面に合わせるカラー:この3つならどれでも合いますが、
ジーンズの裏面の色もそれぞれの生地によってピッタリな色が変わってきます。

あとがき

別の生地でもご紹介したことがあったのですが、今回のキルトをかけたようなマルチカラーの柄では、白とは真逆の真っ黒も同じことが言えます。

とりあえず、黒を持っておけば使えると思いがちですが、実際に真っ黒を使うことはこういったマルチカラーではほとんどありません。

マルチカラーは中間色の集まりであることの美しさも特徴ですので、黒を選んでしまうと黒が勝ってしまい、柄をつぶします。

そうすると、より柄が生き生きと引き立つようにするには、糸のカラーの強さを緩和するべき、グレーなどの方向へトーンを下げることで柄に馴染み、美しく仕上がることを過去に研究済みです。

同じ作業をするなら、高級感ある美しいもへと、その可能性を最大限に発揮したいものです。

そうすると、糸のカラー1つでもこうした微妙な色の違いがせっかく存在しているわけですので、どの糸よりもこれが一番であるという渾身の糸のカラーのチョイスが可能なのです。

そうして選んだ魂を込めたような選択がなされたハンドメイドバッグがどんなものに出来上がるのかは、想像がつきますね。

こういうことの積み重ねの集まりが1つの素晴らしいお品になるのだということです(^-^)。

¥1,000/m以下の生地でも製造者独自のアウトプットの製作品こそ、ミシンハンドメイドが生地価格に依存するものではないことの説得力になる【1172】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを作る最初の段階の材料集めの1つ、生地の選択の時の生地の価格についてスポットを当ててみました。

どのくらいの価格帯の生地で十分であるのか、高額生地を選ぶ必要はあるのかなどの判断の際のヒントになればと思います。

ハンドメイドバッグの製作・商業利用ではメイン生地が原価に占める割合がほぼ原価を左右すると言っても過言ではないので、生地選びは最も重要なポイントになると思うからです。

高級な生地であれば良いバッグが作れるのかどうかを実体験で振り返ると、¥1,000/m以下の生地で十分にそれが可能だった

4種の凹凸感ある黒ベースの生地:右上がイタリア製で@¥1,000/m越え。残りはそれを上回りません。

今まで、ハンドメイドバッグを製作してまいりました生地の1m当たりの単価は様々です。

安くても素敵な生地も実はあるのです。

反対にどうしても輸入コスト等もあり、かなり高価格のヨーロッパ原産の生地もあります。

キーワードは、「バラ柄」「フクレ/風通」「ジャガード」「黒ベース」などできるだけ特化した分野に片寄せてまいりました。

この中の「フクレ/風通」が特に高価で、芸術品のような様相をしていることも多々あります。

過去に¥3,000-¥7,000/mの高価なイタリア製のジャガード生地を購入してハンドメイドバッグを製作した期間がありました。

ほとんどが、生地の素敵さに技術が追い付かず、惨敗(*_*)、2019年のことでした。

今思えば、技術が追い付かないまま早々と高級生地に着手してしまったことは、ある意味間違いで、ある意味正解だったと思います。

正解な理由は、思い切って高額な生地に触れることができたことでそこからの学びは多数であったからです。

これを、もっと先の夢のままにしていたとしたら、随分時代遅れだったことでしょう。

やはり、早い段階にこうと思ったことや願望を叶えていくことは、たとえ惨敗に終わったとしても、早く情報を得ることができたアドバンテージのようなものがあるのです。

大きくまとめますと、どれだけ高級な素材であっても技術が追い付かねば価値も半減した物しか出来上がらないことです。

実際に、2019年の高級生地を使った製作は、当時はほぼ全滅といった結果でひどいものでした。

では、反対に激安生地が悪い製作品にしかならないのかということを考えてみます。

大きな生地屋様で季節の変わり目の大幅値下げや訳あり品で、¥100/m(税込)という生地を購入したことがあります。

その生地はキズが入っていたので、その反ごとセール品になっていました。

1m購入してみましたが、その生地は綾が入っていて格好良く、良質な日本製の生地でした。

生粋の日本製の生地というのは、きめ細やかでしっかりと安定しているように思えます。

ただ、生地屋様の商業の事情に過ぎない値下げなどに踊らされることはありません。

確かに、¥100/m(税込)の生地は傷が一部入ったものでバッグには使えるものでしたが、カラーが自らの製作品にはマッチしにくいキャメルベージュでした。

生地のキャメルベージュはレザーのそのカラーとはかけ離れます。

そうしますと、「安いから購入」というジャッジの仕方こそ間違いなのです。

「どれだけ安くても、求める生地ではないならば選ばない」という選択肢を忘れがち、価格だけで購入してしまうのはいかにも浅い考え方なのです。

実は、当ブログ記事は、最初の投稿の2022.12.04からおよそ2年後の2024.10.20に、ブログ記事の手直しの順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2024年現在では、「技術が高まった」と堂々と言えるほどになりまして、過去の高級生地を現在再チャレンジしたら今度こそどれもが完成品になると思います。

ただ、2019年当時の無茶な高級品の生地の選択は、実際のバッグとしては現実的ではなかったカラーだったと思うのです。

よって、2019年当時はすべてがその時のみの見方でしかなかったのです。

今一度高級生地には挑戦していくつもりの現在ですが、製作するデザインも絞られていますし、市場全体の中の自らが作るバッグの位置付けも意識したものになると思います。

あとがき

バッグの製作は、生地の価格1指標のみでは成り立つものではないと言えます。

制作品は、必ず自らのアウトプットの表現であるべきなのです。

「ナップサック」というデザインを高級生地で続行していくという新しい決意が2024年では生まれています。

高級生地だから込み入ったメインバッグ的なデザインを作るのではないところが長年かけて出した結論の答えの特徴です。

「サブバッグ的存在」ということは市場の中の自らの立ち位置のようなもの、バッグ市場では「ハイブランドバッグ」こそが真ん中を取っていると思うのですが、いかがでしょうか。

ミシンでステッチを走らせることでしっかりしていく不思議な生地「ふくれジャガード」「風通ジャガード」、落とし込むに相応しいバッグのデザイン【1145】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

picturesque(ピクチャレスク)スタートの2018年はメンズライクなバッグの製作からスタートしましたが、技術の不足に対して自身の無い状態が続きました。

プレーンなタイプは技術を高めねばその不足が分かり過ぎるほど目立つもので、そういったものを作り続けていたのでした。

その頃、まだ今は早いからと後の夢にしていました、高級生地のフクレジャガード。

それらの生地に対してあこがれが強くなり、それほど技術も高まっていない2019年にフライング気味に足を踏み入れてしまいました。

その結果は散々。

いろんなデザインに挑戦したのは良いのですがどれ1つとして立派に出来上がることはありませんでした。

その頃のデザインというのは今思えばかなり難易度が高い立体的なハンドバッグになっているような物ばかり。

そんな多くの未熟な製作ながらも分かったこともあり、それこそが今思うと貴重な体験だったと思います。

夢に対して早く踏み込み過ぎたことが良かった面もあったのでした。

そうした高級生地の多くが凹凸感ある生地であり、特にイタリア製・日本製の「フクレジャガード」「風通ジャガード」は生地のみでうっとりとするような美しさがありました。

このたびは、たくさん製作してまいりましたこれまでの「フクレジャガード」「風通ジャガード」を中心に、本当はどんなデザインが一番望ましかったのかというところを現在の目線で考えます。

そして、その後の技術がやっと高まった2024年現在、持ち始めることができた自信と共に、今一度「フクレジャガード」「風通ジャガード」も製作していこうという決意を綴りたいと思います。

「宝の持ち腐れ」とは当時の不足していた技術を伴った生地のことを言っているようだ、技術が高まった今もう一度宝のような生地フクレ/風通ジャガードでバッグを作りたい

これまでバッグに仕立ててきました「フクレジャガード」「風通ジャガード」から6点の生地をピックアップしました。

「風通」と「フクレ」の境界線は曖昧。左上は風通、右上2つは「ジャガード」、下3つは「フクレ」という表記。

まず、もともと定義されている呼び名、そして実際に取り扱ってきた自身が定義してみます。

<3種の定義:事典や解説も参考にさせていただきました>

・ジャガード・・・プリントなどの塗装的なものではなく、織り糸で柄を表現したもの、またその技術。

・フクレジャガード・・・生地を二重にして柄を出してふくらみを出した織り方(気泡的なふくらみ)。

・風通ジャガード・・・生地を二重にして柄を出してふくらみを出した織り方(気泡的からもっと広がった柄に及んだふくらみ)。

はっきりとフクレと風通の違いが分かっておりません、おおわく同じなのかもしれません。

その説明がされている本やネットの情報も見つけられていません。

よって自身の言葉で( )の中はまとめてみましたが、正解であるかどうかはわからず、実際に取り扱う中での感覚になります。

ここからは、風通ジャガードを実際にハンドメイドバッグに仕立てた時の驚く発見があった貴重なエピソードをお伝えしたいと思います。

風通ジャガードを接着芯で硬め、ミシンでステッチを施していくことで、ハリコシが特徴の素晴らしいものに出来上がっていくことを発見しました。

元はくずれそうで不安定な緩い生地であることを接着芯貼り前の状態で必ず感じると思うのです。

ところが、接着芯を貼りミシンで縫い合わせていくことで、しっかりと固まっていき貫禄が増していくのです。

この不思議さの正体は他でもない「空気」ではないかと。

生地それのみのパワーではなく、空気のパワーも相まっての迫力であるところが非常に特殊だと言えます。

このバッグを製作した時に初めて、ふんわりしたデザインが向いているのだと感じました。

厳しい見方ですが。難しいデザインばかりに挑んでいて、肝心な生地との相性を心から考えていなかった過去。

技術を高める必要もあったので今思うと仕方がないのですが、素敵な生地だからこそ「敬意」も必要なのです。

自分一人の力では到底完成させることなどできなかったバッグ、生地メーカー様・生地を販売してくれたお店に対しての感謝を製作に入れ込めることを忘れていたのでした。

あとがき

いろいろ難しいデザインにも挑戦はしてみたものの、現在に行き着いたのは確実に毎回成功する確率が高いデザインのみであるべきだと思うように。。

当ブログ記事は、最初の投稿の2022.10.25からおよそ2年後の2024.10.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

やっと2024年で、今後の方向性を決め始めることができています。

随分長く年月を要してしまいましたが、そういうものなのかもしれません。

複雑なデザインを作れることが素晴らしいという考え方はかえって浅いのかもしれない、シンプルなデザインでもちゃんとそれぞれに意味付けがあり、丁寧に製作したものは正解なのです。

素敵な生地が最大限に活きる出来上がりになっていれば、そえは1つの答えなのです(^-^)。

ハンドメイドバッグ作りにこれまで使用してきた多種の生地、服地からカーテン地まで様々な分野の使用で分かった「作りやすさ・作りにくさ」【1110】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで、ハンドメイドバッグに使う材料である生地を多種にわたり利用させていただきました。

特に分野を決めずに、そして自分都合の作りやすさをあえて無視、とにかく見たまま・感じたままの「美しい」と思う生地を心の赴くままに片っ端から選んでまいりました。

そうした中で、当然「作業しにくかった生地」がありました。

一方で、「意外にも作りやすかった生地」もあったのです。

このたびは、今後多くの方が使用する可能性がある有名どころの生地を例に、その作りやすさはいかほどのものであったのかを記録としてお伝えしたいと思います。

作業のしやすさを重点に置かなかったことで得られた生地の性質の深堀り、アイロンで跡が付きやすいことは作り易さの判別項目の1つ

2種ずつまとめてみました。

作業しやすかった生地は、定番のブロード、これは綿/100%です。

プリント柄の多くがブロードで、多くのハンドメイドをされている方はこの生地を取り扱うことが圧倒的に多いと見ています。

アイロンで折り曲げやすく、線がまっすぐになる、その理由は生地が安定しているからです。

そして、意外にも良かったのがラメ入りです。

ラメ糸の箔ではなくて、糸までラメ糸の場合特に、線が付きやすいです。

それは、ラメが金属質だからでしょうか、硬いことが安定感になっていたようです。

その分たたみじわに気を付けねばなりませんが、作業がスムーズであることイコールで綺麗に仕上がるという結果になりますので、非常に有難かったです。

では、逆に作業しにくかった生地です。

それは、王道のセルヴィッチデニムです。

おそらく多くの方は馴染みのあるデニムのイメージから、糸調子をブロードなどと同じように考えて取り掛かってしまいます。

ところが、思い切った調整をしないとなかなか糸調子が合わないもので、数年の年月をかけながら徐々に自分で糸目が美しくなるコツを研究していったほどです。

デニムや帆布は特殊ですので、他の生地でタイトルに<糸調子>と記載のものがコツや工夫が書いてある記事になります。

ということで、糸調子が難しいことで扱いにくい生地となるデニムに対しては十分に身構えて挑んでくださいませ。

もう1つおまけで3つ目の扱いにくい生地を挙げますと、ファンシーツイードです。

これは、大変でした。

裁断した片っ端から糸がほつれてきます。

ファンシーはマルチカラーで、いろんな色の糸がその太さの違いで折り込まれているのですが、結構粗いので生地が緩いのです。

よってカットしたりすることでほつれるリスクが高まります。

さっさと接着芯で固定して作業を進めねばならなく、保管ということはあまり良くないです。

ほつれやすいので縫い代の折り曲げもしにくく、接着芯の力を借りてまとめるということが事前に必須でした。

そして、最後もう1つ作業しにくかった生地はとろみの生地です。

ワンピースやブラウスになるような本来はそんな目的な生地も素敵だと、ハンドメイドバッグの裏地に利用しようと考えたことで入手。

無謀なのかもしれませんが、不可能ではなく一応今まで完成させてきました。

とろみ生地の中にはとても美しいものもあり、その美しさの方を優先したからこそ取り扱ったのでした。

そして、アイロンで折り曲げにくいということを乗り越えて完成へ向かいます。

その難関をどう切り抜けるのか、それでも綺麗に仕上げるためには。。と、工夫を考えていくことが非常に勉強になりましたので、作業しやすい生地だけを入手していたらそういった工夫は考えることもなかったかもしれません。

そして何より、その生地の美しさがやはり一番重視したところですので、わざわざ困難な生地も利用してきたわけです。

あとがき

今後製作していきたい生地のタイプ:大変美しく高級な生地です。

今、少し迷っていることがあります。これだけたくさんの生地を利用させていただいてきましたが、メンズライクも良いと今でも時々思うことがあります。

メンズ/レディースという区分けは今やもう古い考え方、どんな呼び名を使えば良いのだろうかなどと考えながら、とりあえず「メンズライク」と綴っています。

花柄のみではなく抽象柄や幾何柄にも目を向けることでこのテイストのバッグを作りたいと思っております(^-^)。