まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
2020年秋、何かと大きな変化をいろいろ感じます。
私も2020年の年末に向けて、ハンドメイドバッグのデザインや素材の確定に力を入れていきます。
さて、お仕事仲間のN style ENGINEERさんがこのたび、新しい事業のための応援を求めて、クラウドファンデイングを始められます。
クラウドファンディングには、返礼品というものがあります。
ご支援くださった方への贈り物です。
そこを私、picturesque(ピクチャレスク)が、製作面でお手伝いさせていただきました。
そのお品物とは、14ozセルヴィッチデニム巾着袋。
アメリカンな良き味わいのテイストのデニムです。
大変有難い機会です。今後の自分自身の製作にもカツを入れるような良い勉強をさせていただきました。
デニム巾着袋の細部にこめらたメッセージ
今回のデニム巾着袋は本体と楕円底面を組み立てるといった構造のもの。
それほど複雑ではないですが、いかに、雰囲気のある粋(いき)な商品にできるかというもの。
製作面でのところどころにメッセージを入れ込んでいくことをしました。
<ロックミシン>



<ラッピング>
ラッピングは最終場面で行います。
地縫いを2度がけしてある底面のロック始末の縁をラッピングで丁寧に包みこみます。
この作業が非常にテクニカルな場面です。



このラッピングの布は、ナイロンオックスはっ水加工というナイロン/100%、日本製の生地を25mm巾のバイアスカットにして使用。
ナイロンのごわついた感じがデニムの丈夫さにマッチします。
ここに綿のブロードの既製品を使わないのです。
今回、この作業は、研究と訓練をじっくりさせていただきました。
複数の綺麗にできるポイントがあり、そもそもそのポイントというのも、結局は、ラッピングを最後に閉じる場面のステッチ1本が、両面同じ位置になるよう。つまりテープ幅の統一というところにあります。
この巾の統一がなされるために、多くのポイントが存在。
最初の印付けの分量、アイロンで折り線を入れることの徹底、引っ張られがちな箇所に待ち針を入れるなどすべてがそろって、最終的に均等巾にラップされるところに行き着きます。
<デザイン>
私達のセルヴィッチデニムシリーズ企画は、やはり、元素材のセルヴィッチデニムの味わい、良さを活かした商品を作ってお客様に喜んでもらえたら本望です。
セルヴィッチデニムの証である赤耳をご披露する箇所をどこかに設けます。
今回の場合は、こんな風に底面の真ん中位置に来てもらいました。


リーバイス501の古着にヒントを得たこととは?


今回の生地は、リーバイス501でいうと、最初のデフォルトの状態です。つまりノンウォッシュ。
ここからが、使う中での色落ちの楽しみが生まれます。まさにスタート地点。ワクワクしますね。
ところで、今回の細部のこだわりは、リーバイス501の古着の様子にヒントを得た面があります。
リーバイス501と同じ14オンス程度ということで、かなりの厚地ですが、それに伴う他のパーツや素材にも着目しました。
この写真を見てみてください。

ここからのヒントは、デニムの傷み具合と、スレキポケットの傷み具合が同等でないということです。
どうしてもスレキが弱いですので、先に劣化したり破れてダメになります。
そうすると後々、お直しせねばならなかったり、悩む事態が出てくるわけです。
このことから、ロックを内側へ隠して、擦れないように工夫した構造だったり、円底の一周をナイロン素材のラッピングで覆ったりしました。
そして、できるだけ、デニムの長い持ち具合に釣り合うようにという強度レベルを上げた工夫をしたわけです。
あとがき
YOUTUBE動画を貼りますので、是非どうぞ。
N style ENGINEERさんのチャンネルにもYOUTUBE動画内の概要欄でご案内させていただいております。
お立ち寄りどうぞ(^-^)。
今回のセルヴィッチデニムは、今後はN style ENGINEERさんとの共同企画物専用となります。
2019年の秋頃に、「デニムシリーズ」というのを女性物のバッグで試みましたが、あの時に、セルビッチ生地に初めて出会いました。
何と雰囲気のある味わいのある織り方なんだろうと感動したものです。
セルビッチ機という織機は、今では、わずかな限られた会社さんしか持っていなくて、実は貴重な生地。
この効率化の世の中で、セルビッチはどちらかというと手間がかかり、効率がよくない作業で作られた生地。
それでも、その存続は大変貴重です。そういった意味で、セルヴィッチデニムはそもそも価値ある素材なんですね。
