装飾面よりも大切な事、ひらひらと人魚のように何段にも飾るフリルと、そこにどうしても必要だから設置されたシンプルなフリルとの機能面の違い【190】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

エレガントさを表現できるモチーフの1つに「フリル」があります。

今回、ある必要に迫られて、どうしてもフリルを付ける必要がある状況が出てきました。

このことをきっかけに、フリルにおける「装飾」と「機能」について考えてみました。

フリルは装飾性のあるモチーフなイメージが強いのですが、この度の発見は、「機能としてのフリル」だったところがポイントになります。

フリル使い引用の時のヒントになればと思います。

ハンドメイドバッグの製作手法の限界を感じた縁っこライン

ハンドメイドバッグをいろいろなデザインで展開していきたい場合、どうしてもある壁にぶち当たるような気がします。

それは物理的な無理です。

バッグは基本的には、表地と裏地の「袋同士の合体」です。

そのような典型的な作りがトートバッグとか巾着バッグに展開されることが多いです。

袋と袋をつなげて重ねて1つにする作りということですね。

ところが、もっといろいろなデザインを試みていきたい場合、ひっくり返しに無理が生じたり、綺麗に作れないことがあります。

特に立体的な形が少々複雑になったバッグは、大変おしゃれで魅力的なのだけれど、作るのが困難であったりするものです。

そうした中で、工業製品にとどまらず、布でも作れるためのある工夫をしました。

それが、組み立て式の作りをしたバッグです。

簡単にご説明しますと、トートバッグなどが、表地と裏地を別々で容器に作って最後に合体していた作業を根本的に変え、最初から表地と裏地をくっつけて板状のプレートパーツに作り最後に組み立てるのです。

この時点でひっくり返してあるので、縫い代がすべて隠されています。

よって、最後はそのまま端っこを頑丈に組み立てて縫いつなげるというやり方です。

この方法でこれまでいろんな過去に経験したことがないデザインが一応完成まで行くことができました。

バニティーとかケリーも作ってみたことがあります。

今後もこの組み立て式の作り方は取り入れていきたいとは思いました。

難しいデザインもこれが可能にしてくれるこのやり方は何か新たな道が開けたと思っていました。

ただしかし。。ここにもやはり壁がありました。

組み立て式の作りの壁

この組み立て式にも壁があります。

特に裏地を表地とかけ離れた色にする場合に目立つことですが、ひっくり返した隙間から裏地が見えてしまうのです。

これが、面白いととらえるか、裏地が見えてしまって縫い閉じられていないととらえるかなのです。

そして、カーブの部分などが、綺麗に組み立てるにはぴったりと重なることに限界を感じる時があるのです。

綺麗に重なるようには縫い付けますが、この重なりがいかにも手作り感が突出しているような気もします。

この写真の製作は、かなりうまくいった出来上がりの方なのですが、それでも後々もやもやしたものが残るものです。

よって、この製作手法にもある一種の壁と限界があるのだということを思い始めました。

そこで、考えました。この縁のラインを隠すことをしてみようではないかと。。

それがフリル使いです。

表地と裏地の真ん中にフリルを挟み込むと、ガラリと縁のラインの視線が変わるのではないかと考えました。

縁のハギ目カバーの役割をしながら、かわいく装飾してくれるフリルを付けた箇所

ということで、フリルを施したのですが、結局今回作った「おにぎり」というデザインの場合、その他のデザインの場合もほぼ全体の総フリルということになりました。

飾るフリルとは意味が違います。

必要な箇所すべてにフリルをするということをやった結果たくさんのフリルの付いた豪華に見えるデザインになっただけなのです。

こんな風に1mほどの長いフリルを2つつなげるくらいの量を1周分に用意。
そして、フリルを本体にミシンであらかじめ縫い付けしておきます。

ちなみに、おおよそフリルの生地の分量は、クシュクシュになるには3倍くらい使うので、1周x3倍分の長さの細長い生地が必要です。

今回の5mm巾がちょうどすっきりと品の良い幅のフリルに出来上がるかと思いました。

フリルの作業が増えたことで手間と時間はかかりますが、出来栄えに迫力が出ました。

以前と変わった縁のラインにご注目を。

フリルに視線が行くことと、そもそも問題の溝の部分がフリルで隠されました。

これこそが、「隠すという役割=機能」ということになりました。

「フリルリュック」:<サイズ>縦23cmx横31cmxマチ12cm。

完成した正面のハンドバッグとリュックの2WAYです。

このデザインががリュックになっているとは意外かもしれません。

けれども、リュックにもなることで、ぐんと使う場面が増えると見込めます。

リュックのショルダーはリムーバブル。ハンドバッグに使いたい時は外せます。

背の所にポケットも付けていますので、パスとか切符とかタオルなど、すぐに取り出したいものを入れておくには外側に1つポケットがあるとよいと、ここにお付けしました。

底面にもフリルが付いている徹底ぶり。ここにただの装飾ではないことも読み取れます。

あとがき

フリルが多い=エレガントなのかもしれませんが、そのつもりでフリルを付けていません。

あくまでもバッグのラインのどうしても美しさが実現しにくい部分を隠す役割として取り付けたところ、結果フリルにボリュームが出てエレガントになったということになります。

今回はたった1つの例。

これをいろんなアイテム、いろんなデザインに「アイデア」の1つとして引用していただけそうです。

今までのフリルに対する固定観念を見直す機会になるかもしれません。

「なぜ」の理由をそのデザインに落とし込んだ一例です(^-^)。

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