まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ハンドメイドバッグに自分自身で価格を設定して販売している私ですが、この価格がねぇ。。。
今回は価格設定についてのお話です。
こんなことを一度耳にしたことがあるんです。
「基本的には、自分の売りたい値段を設定したらよい。」
「その値段で一人でも購入した人がいれば、それは適正価格だと思ってよい。」
ふーむ、なかなか力強い言葉です。
私もこれらの言葉には、とても共感でします。が、しかし。。。
picturesque製ハンドメイドバッグの価格帯の考え方と過去にご購入いただいた価格
私が販売するハンドメイドバッグは、3つの価格帯にしています。
2019年に消費税が10%になって税込未表示がより分かりやすくなりました。
¥3,300と¥6,600と¥9,900です。
それぞれの価格の下3ケタが消費税分であることが分かりやすい数字です。
安くも高くもクリアに表現したいという私の思いが込められています。
これを複雑な数字や、マーケット手法で伝統的(!?)な¥3,980なとか、¥9,999などは使っていないです。
過去のご購入履歴は、上の3つの価格帯のすべてご購入者ありです。
とても不思議なのですが、一番この中では高額の¥9,900が売れた順番としては最初なんです。
そして、次が¥6,600、最後が¥3,300。
この高い価格が早い段階でご購入していただいたということがとても興味深い結果だといえます。
安いものが売れるという単純なことではないということです。
ここ最近特に毎日のように価格のことは考えます。
それだけ重みがあり、難しいんです。
ひょっとするとハンドメイドバッグ事業の中で一番難しいことなのかもしれません。
3つ価格帯を設定することの難しさは1つの価格だけでいくよりも難しい反面メリットもあるかと思います。
¥3,300の商品はどのようなものなのか、¥6,600だと¥3,300に対してどう変わるのか、どう付加価値が付くのか、¥9,900はどうなのか。
こんなことを間違いなく購入者様は考えてご覧になるかと思うんです。
そのあたりをしっかりとした哲学で設定しなければという点を徹底するべき、よく考えたりしています。
なぜ、それが、¥6,600の価格帯なのか、など。
では、次にその価格に設定する理由として、どんな理由なのかをお話しますね。
価格設定の理由になる要素は何なのか
私としては、3点あります。
①そもそも素材である生地の質がどのレベルのものなのかということ
②素材、デザインや機能から生まれる付加価値がどのレベルのものなのかということ
③実際に作っていく時の作業の手間、所要時間がどのレベルのものなのかということ
分かりやすく、末尾をすべて同じ、「どのレベルのものなのかということ」を付けてみました。
そうすると分かりやすくなるかな(^_^;)。
ここで最初にお伝えしておきたいのは、このレベルという言葉。
私がお作りしている、情熱のハンドメイドバッグには、「安かろう、悪かろう」の商品は含んでいません。
レベルというのは、あくまで、私が考える基本的なきちんとした作りをベースにしたうえでのその次の段階のレベルという意味です。
かつて、ファストファッションの現場の縫製が、効率化のために、ステッチを1つ抜く、とか、二度縫いせずに、一度縫いのみなので、着用時にすぐほつれてくるなどのルポタージュ本を読みきました。
ああいった作業というのは、大手が効果を発揮することです。
手間を1つ抜くことで大きな時間を省きスピーディーになる効果が得られるからそうしたんだと思います。
結果は手に取った消費者ががっかりすることもありますが、値段が安いのである程度納得して受け入れてしまうとか。。
確かに手間よりも価格重視の消費者なのが現実にあるのかもしれません。
ただ、私のような超ミニ事業者は、やはり、良い物を多少の手間をかけて作るということが、逆に可能だという喜びがあります。
より良く丈夫に作ってあげられるシステムが、事業主である私主導で行える、この喜びが持続していける事業としてはとても大切。
そしてそのように実行に移せることを武器にしていけるんです。
大手チェーンさんは、それをしたくても稼働率が悪くなって出来ないのですから、より良く丈夫に作れることが可能であることがミニ事業の武器です。
そうやって大手様と反対のことをしていき、差別化を図ります。
先ほどの「安かろう、悪かろう」に対して、「適正な値段の良質な商品」という点をとても注視しています。
まず、ブランディングがまだまだ確立できていない者が一流ブランドみたいに手が出しにくい高額な価格を設定してもどうしようもないと思います。
私が思うところ、だいたい¥10,000以上はその要素が大きく組み込まれているかと思いますので、まずは、¥10,000程度を最高としての価格設定にしたわけです。
そこを、送料無料で¥9,900というご購入しやすいお値段に。。
さて、順番に具体的にお話させていただきます。
①そもそも素材である生地の質がどのレベルのものなのかということ
これは、生地のチョイスがバッグ作りの最初の段階なので、とても大切。
私がチョイスする生地は、フクレ、ジャカード、ナイロンオックス撥水加工、先染めチェック、プリント物、など結構幅広い取り扱いです。
この中でも、フクレ、ジャカード辺りはとても柄が美しく、付加価値を私自身が高く感じます。
それに、picturesqueバッグの代名詞にもしています素材なので、価格は高め設定の¥9,900になります。
ナイロンオックス撥水加工は、やはり撥水加工の雨しのぎの付加価値が非常に大きいので、めちゃくちゃ高級な価格ではないですけれど、これは、¥6,600の価格帯に入れます。
そして、先染めチェック、プリント物は、よく花柄をチョイスして綺麗な、美しい感じのバッグにと強く決意しての生地チョイスをするのですが、それでもこの辺りは、生地の中で一番多く出回っていると思います。
もしかしたら、他の人もその生地をチョイスしている可能性もあります。
そして、生地自体の価格もそこそこ。よってこれは¥3,300の価格帯に入れます。
まず、素材だけでだいたい価格帯と結びつきますので、生地をチョイスした瞬間にどんな価格帯にするかが決まります。
この価格帯によって、デザインもおのずと決まってくることになります。
②素材、デザインや機能から生まれる付加価値がどのレベルのものなのかということ
デザインがやや複雑なものは、なかなか他の人が作れませんので、価値があがります。
そうするとフクレなどの高級な生地の価格帯をその簡単には作りにくいデザインに当てはめての付加価値の合体で¥9,900の商品を作ります。
逆に、よく見かける決して珍しい柄ではないけれど万人受けというか感じの良い素敵な素材のプリントとか先染めチェックをとても典型的で基本的なA4横のサブバッグのデザインとコンビにして¥3,300の商品を作ります。
こちらは親しみやすく買いやすいメリットが生まれます。
お手頃な購入価格であることも価値の1つでいいんです。
ただ、その代わり、ショルダーやリュックの調節機能を付けていなくて、中間的な長さで固定しているというようなことがあります。
これは、私が実際使う時に、ショルダーなどの調整をほとんど行わないことから、これが絶対のものではないこともあると考えて試みたものです。
調節機能がないということで、カンなどのパーツを使っていません。
だから¥3,300というお値段が実現できる。その代わり縫製には手を抜かない。しっかりとした、¥9,900の商品と同じレベルの縫製をします。
¥6,600というのは、素材は、寄りでいうと¥3,300の価格帯に寄ってはいますが、もう少し高価で、少し際立った柄とか珍しい柄のチョイスです。
私が見つけたからこそバッグに取り入れたというような厳選の生地と機能は結構充実していて、作業が凝ったものになっています。
現在であると、ビジネスクラッチやブリーフケース。
ビジネスクラッチにはハンドメイドキルトをかけますので、非常に手間をかけています。
機械で自動で行うキルトと縫っていく経路が違う点が特徴です。
よく生地屋さんで売られているキルトは自動だと考えられます。
機械の動きとしては、一度途中まで進んで、ターンして戻るんです。
その戻る時のカーブのところに何か穴みたいな柄ができてしまって、実質ダイヤ型でない部分があるということになります。
もしかして新しいタイプのキルト機が開発されたかもしれませんが、従来のものはそのような動きだそうです。
あとはほつれやすいということですね。そもそもキルト糸の番手が大きい(糸が細い)ものになっているようです。
ということでハンドメイドキルトは丈夫ではっきりとしていて迫力があります。
そんなあたりを付加価値として付けさせていただくのです。
そして、果てしなく長いキルトを前面にかける作業が¥6,600の商品に相当する手間だといえます。

そして、ブリーフケースの方も、かなりビジネスで使うシーンを私が実際に外回り仕事を経験して使ってきたいろいろなバッグからのヒントを元に、これぞ鉄板であるというようなデザイン。

本当のところ、手間としては¥9,900コースだと考えていましたが、素材がよくあるナイロンオックスであることがどうしても¥9,900の他のものと並ばなかった。。
という変な自分の拘りもありますが、その代わり中側にお洒落な素敵な柄が広がるものです。
これは、¥6,600だと非常に喜んでもらえると思い、こうなっています。
さて、最後です。
③実際に作っていく時の作業の手間、所要時間がどのレベルのものなのかということ
先程のナイロンオックスのブリーフケースの例だと、③からは¥9,900にしたいのですが、素材とのバランスでどうしても¥6,600です。
このような特例もありますけれど、おおわく全部手間や所要時間に割と忠実に配分しています。
先程の特例のようなことができるのももしかしたら、私のようなミニ業者だからこその利点かもしれません。
私の決断しだいで、¥9,900相当の者を¥6,600でご提供することが可能という柔軟性が持てます。
あとがき
この辺りで今回のお話を終わりたいと思います。
まだまだお話したいことはきりがありませんが、こんな風に夜寝る前、移動途中、いつも考えてきた結果のお値段を決めています。
本当に本当に難しいです。
購入者様はやはりお得に買いたいので、その辺りも十分考慮する必要がありますね。
ところで今、1つだけ¥1,100という商品を作っています。
これは、イベントに来場していただいた人のメリットとして、イベント専用なのですが、コスメケース3点セットというものです。
ネットでは売っていないから来た甲斐があったと思ってもらえるようなものを実店舗でご提供することはきっと喜んでもらえるでしょう。
しかも、3点でセットになってお得感もあります。
しかし、こちらも手を抜かない、自分の中で最高の縫製をします。
これがやっとの思いで考えた1点なのですが、その他の¥1,100はまだ見つけれません。
手を抜くという方法で値段を安くすることを考えないからです。
それはどの商品にもしまいと渾身の値段とデザインを考えています。
ということで、この辺りで。
終わり。
ハンドメイドバッグ一覧を是非どうぞ。
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