どうしてもお気に入りの生地が撥水無しの場合に強力な撥水力を効かせる方法のご紹介【89】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年、かつては、雨がたくさん降る梅雨の季節でなくとも季節の変わり目などに激しい雨が多いものです。

かなり、季節というもの形体がが変わってきたようです。

先日、メディアで見つけた記事で、「ここ最近の夏の期間の感じ方」というのが載っていました。

東京圏の人の調査によるデータのようでしたが、夏という期間が、長い人で4月から10月くらいまでと感じている人もいるようで、結局のところ、1年間の内、半分が夏の季節感であるという感覚のようです。

確かに。早く暑くなり始めて、長い間半袖で過ごすことになってきたような。。

雨に関しても、梅雨の時期には曇り空ではあるけれど、それほど大雨続きの毎日ということでもなく、いつの間にか梅雨が明けたなどと、あいまいないつの間にか出ていた梅雨明け宣言。

かと思えば、台風の季節の秋口とか、季節が大きく変わる節目の時に、どっぷりと大雨が降ったり、連日の雨であったりという感じです。

さて、今回このように予期せぬ雨や、常に雨対策をしておきたい日常に工夫するバッグとして、リュックのデザインで、<雨の日シリーズ>を行ってきました。

今回は、最終の5回目。

4回目までは、まずは素材をPVC素材とかコーティング施工済の生地で、ある程度その後の経年劣化を妥協した雨対策一番の素材ということで取り上げました企画です。

今回の最終回では、いずれ劣化すると分かっているPVCを、たとえ雨をしのぐにしても躊躇する気持ちに答えるべく、車のシートに使われる強力な撥水剤を劣化しない普通の生地に対して施工する形を取ります。

普通の布地、何もコーティングもしていない綿/100%の生地に、撥水剤の強力なパワーのある撥水剤を後からリュックの状態に施工することで、布バッグでも雨対策ができるのだということで結んでいきたいと思います。

今回使用の生地

使用しました生地は、サッカープリントという名前の生地で、凹凸があります。

柄は黒地にモカ色の薔薇のシックな雰囲気。

左:表地-サッカープリント、綿/100%、日本製・・・黒地にモカ茶の薔薇柄です。
右:裏地-ナイロンタフタ撥水アクリルコーティング、ナイロン/100%、日本製・・・黒色です。

撥水剤を施工するにあたって心配なのは、このサッカーという生地が凹凸感があること。

凹凸があると平面でないため、撥水剤の浸透の仕方が均一でなかったりする部分ができる懸念があります。

その辺りも、良い機会。実験も兼ねまして、この生地で施工が成功すれば、他の生地はだいたい行けます。

そして、他の凹凸感あるでこぼこ生地にも対応できそうだなどの目安が分かるので、よい機会です。

撥水剤の量の少なさが原因か?2度の失敗と3度目の成功

今回、最初の生地の状態で施工しましたが、撥水剤の量が1本分の300mlの半分ほどの150ml程度を1m四方の生地に施工したにもかかわらず、実験が失敗に終わりました。

ベタベタに浸透して、リュックの中へお水が入り込みました((+_+))。

以前一度大きなボストンバッグの布製の表面に150mlほどを出来上がりに施工した時に、

玉のように水をはじいたことがあったのですが、それに比べると同じ量の撥水剤の施工で、しかももっとサイズが小さい今回のリュック。

どういうことでしょうか。

以前成功した時のバッグはポリエステル/100%で、今回は綿/100%。

以前成功した時のバッグも、ある程度凹凸のあるストライプ状に線がぼこぼこ入ったジャガードでした。

以前に、このようなポリエステル/100%の凹凸がある程度あるスジのような柄のジャガード生地のバッグ出来上がりに150mlほど「セラミックプロテキスタイル」を施工してうまく水を弾き飛ばしました。

では、失敗から成功していくまでを写真でご覧いただきますね。

一般的な水の濡れ方:まずは、ただの何も施工していない同じ素材に、水をじょうろでかけてみました。
10秒以内で浸透し、ひたひたに水分を取り込み、このようなウエットな状態に。
この様子をお記憶にどうぞ。その後の撥水施工後と比べてみてください。
1度目の施工:まず1回目のトライ。生地の状態にまんべんなく隅々まで施工しました。製品になると行き届かない縫い目の間などにも元の生地であればすみずみまで余すところなく施工することができるという理論からです。
そして、リュックを製作し終えた時点でお水をじょうろでかけてみたのがこの写真。
撥水剤が足りないのかベタベタに濡れてしまいました。
一番最初の何も施工していない布よりはわずかにはじいている部分もあるような気もしますが、
大部分が濡れて、実際中まで染み込んでいたことを確認しています。
底の部分の縫い目からも水が入ってきていました。
2度目の施工:そして、こちらは、1回目が失敗した後。
しっかり乾かし、今度はこのリュックの状態に表面に撥水剤を施工して、
乾かして、じょうろで水を流した結果です。
どうでしょう、1回目よりはましですが、
まだらにベタベタな部分と水をはじいて乾いたままの部分と半分ずつぐらい。
3度目の施工:そして、3度目のトライ。
撥水剤のceramic pro textile(セラミックプロテキスタイル)の1本分である300mlを開封して、
新規にフルに空っぽになるまで施工。液がひたひたです。
この後、からからになるまで乾かします。
じょうろで雨を再現し、全体にたっぷり雨のシャワーを降らせます。
どうでしょう。水が玉状に踊り、ころころと転がりながら、比翼から下へ転がり落ちています。
事実上の撥水成功です(^-^)。ここまで来て、やっと3度目で成功です。
1度目、2度目の150mlずつくらいの施工も加えると、
このリュック1つに、2本分(600ml)ほどの量のセラミックプロテキスタイルを施工したことになります。
何はともあれ、施工が成功したことには、大変満足です。
アップで表面を見てみると、下に落ちなかった水滴も玉状に乗っていて、
中側を調べても、少しも浸透していませんでした。これこそが求めていた防水級の撥水力です(^-^)。

実験の結果からの考察

今回の実験は2度失敗しています。

そのことも含めて、下記のようなことが言えそうです。

・生地の素材によって撥水剤の浸透力に違いがあり、多くの量を必要とする素材もある

・今回のようなサッカーのような凹凸があるでこぼこした生地は、表面が一定でないので撥水剤の浸透も一定ではなくて、同じ量拭きかけても差が出てしまうことがある

上の2点は関連しているので同じことだとも言えます。

あと、理論で思う、「出来上がりのリュックに撥水剤を施工すると死角部分のような箇所に撥水剤が行き渡らないから最初に生地の状態で施工した方がいいのかどうか」ですが、私としては、「出来上がりで十分」だと考えます。

必要な分だけで良いのかと思います。

表に飛び出している部分にさえちゃんと施工していれば、そこでシャットアウトしてくれるのだから、隠れる部分にまで広くは施工する必要がないと思いました。

よって生地で施工しても出来上がりに施工してもあまり大差はないように思っていいのではないかと考えました。

撥水剤が乾いた後の完成品のリュックを見る

これで、雨対策を施したリュックが正式に完成したと言えます。

今回のリュックは、撥水をしてあるよくあるリュックにはあまりないテイストのフリルのついたエレガントな布テイストがそのままのリュック。

こんな風にやわらかい、フェミニンなお気に入りの生地でも撥水剤でここまでのものになるということがとても価値が高まりますね(^-^)。

完成したエレガントリュック:見かけは普通の布だけれど、強力な撥水剤が施工してある、
雨対策の施された優れものとなりました。

セラミックプロテキスタイル(ceramic pro textile)の副作用はないのか?

ところで心配になるのが、このような液体をひたひたに浸透させたことによるシミとか色あせとか、生地の劣化です。

私が幾度かそこそこいろいろな生地で試したところでは、何1つ問題はありませんでした。

色の変色もないと言えます。

生地がこの施工により傷んだということもなく、変わり映えはないです。

このことから、素材にはやさしい液体なのではないかと考えます。

「副作用はない」と言ってよいでしょう。

ただ、生地も多種。すべての生地を試したわけではないので、麻とか、もともと色移りのあるような生地に施す場合に注意せねばならないかもしれません。

この液体自体が影響を及ぼすのではなく、あくまでも生地の素材の顔料とか染色液側の問題に巻き込まれる可能性は分かっていません。

セラミックプロテキスタイル(ceramic pro textile)をバッグに施工することについての課題

とても良い効果が最後に出ましたが、何しろ費やしたコストが半端ないです(^_^;)。

ここが課題ですね。

これを施工してバッグのようなやや大きめの商品にすると、撥水剤代+その付加価値でとても商品が高くなってしまいます。

私としては、この撥水剤のご紹介をして、知ってもらう方が、バッグをお買い得な出来上がりに作れると思います。

ただ、時に良かったなと思うことがあるような事前対策としてはとても良いものなので、今回取り上げさせていただきました。

すばらしい効果の撥水剤だと思います。

もともと、「カー用品」なんですね。車のシートに使うということが最初のようです。

カーコーティングの会社様で「POLISH GARAGE:ポリッシュガレージ」様のホームページで宣伝されていたのをきっかけに知ったしだいです。

近所の会社様であったために、実際に見せてもらいにご訪問させていただきました。

社長様、本当にありがとうございました<m(__)m>。

あとがき

これをバッグに施工というのが、まだまだ例がないようです。ネットでもバッグに撥水施工をしている様子が見つかっていません。

YOUTUBEでは、靴とか帽子の小さいものにたっぷり拭きかけて絶大な効果を出している動画を見かけますが外国です。

バッグはやや面積が大きくなるので、私が今回使用したくらいの量は実際必要なのかもしれません。

実際とても素材にやさしく作られている液で、安心して使って良さそうです(^-^)

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