劣化が激しい内貼りの高級バッグ自主リフォーム、一生物に生まれ変われるのか【177-5】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回、やや大掛かりな自主リフォームをしてみました。

それは、高級バッグの内貼りの激しい劣化の裏地の交換です。

目標は、リフォーム完了の時点で一生モノになるという点です。

本革レザーの良質さと貴重さが群を抜いている点がリフォームする前の価値

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
カーフ(仔牛)素材のバッグ。<サイズ>縦34cmx横44cmxマチ12cm。
表側は非常に綺麗ですが内側がボロボロに劣化しています。

ハンドバッグとしてはかなりビッグなバッグです。

とても残念なのが、表側はまだまだ今後も末永く使えそうなのに、内側がどうしようもないというこのバランスの悪さです。

こういったバランスの悪さは工夫をあれこれ考えねばならないことをユーザーにさせるという無責任さを感じます。

しかし、ヴィンテージですので、当時の多くのバッグがこういった内側に劣化素材を使用することが多かった風潮であったようなのです。

製造者様もその事業の発展の過程においてたどってきた道であるので、その後はこういったアンバランスを見直しをすることになったかもしれませんが。。

自らの手でのリフォームの過程

では、リフォームの過程をたどっていきたいと思います。

ここでお伝えしておきたいのですが、私はリフォームの技術は持っていないただのファッション好きです。

しかし、ハンドメイドバッグを作るミシン縫いの技術がある程度あり、布バッグを作っている者としてご覧いただきたいと思います。

どうすればよいのかのざっくりとした要領は分かるつもりでしたが。。。

まずは、リッパーで裏地が縫い留めてある部分の糸をほどいて劣化した裏地を全部外します。

左:リッパーで縫い糸を切っていく。 右:途中附属品を外す(これはマグネットボタン)。

なかなか一縫い一縫いが頑丈で沈んでいるので、外すのが大変困難でした。

マグネットボタンに関しては、磁気が起こるので、今後のデジタル時代、もうバッグには付けるべきではないと私は考えます。

大切なATMやクレジットカードが数回壊れています。原因がこれである可能性大です。

そして、外し終わった裏地のかたまりをどうぞご覧ください↓。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左:こうして、裏地と表地の縫い目を全部外しました。 右:裏地を抜き出します。

中を開けてみて、附属品に感動と驚きがあったので、写してしまいました。

左:厚紙にハガネの板が貼ってあります。 右:ハガネの板が錆びています。

この鋼(はがね)板は、バッグを強固にするための芯のような役割だと思われます。バッグの入り口の部分に横になっていました。

触ると何かとても硬いと思っていたものはこれだったんですね(;’∀’)。

バッグが重くなる理由にこういった隠れたパーツの重さも影響していると思います。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左:マグネットボタンの相方。 中:ファスナーの飾り2個 右:ブランドタブ(共素材)。

マグネットボタンの相方は、前述のとおり、ここで廃棄です。

特にブランドのマグネットボタンは磁力が強くてパワフルですから。

そして、ファスナーのつまみとして付いていたゴールドのコイン型飾り。

これは、綺麗に拭き取ると見違えるようにきれいな金色が美しく、ペンダントトップやキーホルダーとして、後々お洒落に使えますので保管しておくとしました。

そして、右は後で裏地に縫い付ける予定のブランドタブです。本革なので、劣化の影響は全く受けていませんから、再利用が可能なアイテムです。

そして、次の作業は裏地を作っていきますので、型紙をまず作ります。

バッグのサイズである縦34cmx横44cmxマチ12cmを考慮し型紙作成です。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
縦44cmx横60cmの型紙をまず長方形に作っておいてから、
入り口のカーブの部分にバッグを当てて製図します。

マチというのは、2枚を縫い合わせるデザインの作りでにおいては、見込む分量が出来上がりマチサイズの半分を見込みます。

そうすると、2枚重ね合わせたときに倍になって希望のマチの大きさになるわけです。

ただ、型紙の平面においては、縦は半分を見込み、横は右端と左端と両方が関係してきますから、半分を見込んだ2か所分ということで、結局横の長さというのは、見込む数値がマチと同じ分量を見込むということになっていきます。

今回縫い代は2cmずつ共通にしたので、

【型紙における縦の長さ】出来上がりの縦34+マチ12÷2+入口縫い代2+底縫い代2=44cmが導き出されました。

【型紙における横の長さ】出来上がりの横44+マチ左側12÷2+マチ右側12÷2+左脇縫い代2+右脇縫い代2=60cmが導き出されました。

型紙が長方形で出来上がったら、バッグの実際の入り口がなめらかなカーブを描いていることを型紙で表現せねばなりません。

このカーブは、厳密にはこのバッグのデザイナー様しか分かりませんから、バッグを型紙に当ててなぞります。

そして、型紙の真ん中から左右対称に整えてカットします。

ミリ単位まで正確にせずとも、この方法でバッグをあてがって大まかなラインを知り、そのあと手直しの方法で良いと思います。

そして、生地に型紙を置いてカットし、印をつけて地縫いに入ります。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左:カットした生地に縫い代2cmに印付け。 右:地縫い。

そして、マチを12cmつまんで作り、入り口部分を縫い代2cmで1つ折りで縫います。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左:マチ12cmを作りました 右:入口を縫い代2cmで縫いました

そして、いよいよ、ここがクライマックス。

バッグへ裏地を取り付け、縫いました。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左-タブは裏地のみにミシンで縫い付けました。
右-入口のトップから3mm程度をぐるり1周裏地を縫い付けていきます。内側からステッチしていきます。

はい、完成しました。ミシンの針が果たして、通るのだろうかと心配していましたが、通りました。

ミシンは、JUKIシュプールTL25、針はDB1という工業用針の#16という太い頑丈な方の針番です。

結果的に、下手な部分があって失敗箇所はここです。(下手ですね~(^_^;))

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
裏地が少し表に見えてしまいました(;’∀’)。

私自身が持っていくものなので、良しとしました(^_^;)。甘めな判断です。

そして、補色などのクリームで少しお手入れして、完成しました。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
完成:中に新聞紙のあんこを詰め込み、形を立体的にキープして収納し続けます。

あとがき

私たち日本人は、小さい頃から、昔話とか、七夕、たけのこ料理、インテリア、容器などに使われる竹には親しみがあります。

バンブーの取っ手は、でこぼこの溝に指が当たった時に持ちやすく心地がよいです。

今回使用した裏地は、綿/100%のジャガード生地。高級感と雰囲気がある生地です。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
裏地は、綿/100%の黒のミニダイヤジャガード。

ポケットなどを付けなかったので、非常にシンプルなバッグですが、ここまでで終了です。

自主リフォームを終えて。。。

では、自主リフォームをした感想と今後をお伝えしたいと思います。

率直に下手です。技術が全く足りません。

お直し屋さんにお願いするとものすごく綺麗に仕上げてくれますので、そのバッグの重要度によってその辺りはジャッジすることになります。

ちなみに、過去の別のバッグの裏地交換で、¥20,000程度でお願いした記憶がございます。

で、今回のこのバッグを日常使いしていくのかどうかなのですが、結論は収納の容器のような使い方にとどまることになりました。

ただの物入れです。

その理由なのですが。。。ここからが話が深くなっていきます。

まず、重すぎます。1kgはあると思います。

このバッグが作られた背景を考えてみます。

ズバリ、バブル周辺の時代の1980年代後半だと予想します。

車での移動も多く、この重さも気にならない環境の中での利用ならOK。

本来のバッグとしてのユーザーの使い勝手や持ち心地などの心理的な部分はあまり重視されていない部分も見られます。

この取っ手の竹の性質は強くまっすぐに伸びるのが本来の姿。

それをぎゅーっと曲げてあり、おそらく熱などを加えて曲げやすい加工を施しながらこのフォルムをキープしています。

ただ、現在は、本当にキープされているのか。。。実のところ、経年により竹が本来の真っすぐなろうとする執念の力ともいうべきパワーにより、タブで固定されたその周辺で異変が起こっています。

竹がまっすぐに戻ろうとする力により、取っ手の縫い付けのタブが変形して左右によじれています。

だからこそ、分離してはいけない取っ手用のバンドがデフォルトでは付いていたはずです。

こちらのお品も中古品で、購入時にはバンドの姿は有りませんでした。

この竹の性質を良く知り、いかにバンドが大切な役割であるかを理解していれば手放されなかったかと思うと、どれだけそのお品の細部の意味を理解するのかということも重要です。

このたび、下手な自主リフォームで、大成功と呼べるものではありませんでしたが、別の学びも得られました。

良い体験でした<m(__)m>。

過去のリフォーム依頼が大成功だった例x2つ

ここで、自主リフォームではなくて、お直し屋さんにお願いしてすごく良かったリフォームをバッグ限定でご紹介したいと思います。

1つは、中敷きの劣化による裏地の取り換えです。

これが上述の¥20,000程度であったもののことです。

元は、真ん中に仕切りがあり、その仕切り自体がポーチになっているファスナー付きであったのですが、ボロボロに劣化したため、裏地ごと一掃してもらい、新たに黒い生地で裏地を設置してもらい、ただの容器の構造に変えてもらいました。

というか、もうそれしかリーズナブルにお直ししていただく方法がなかったのです。

確かに真ん中のしきりがポーチになっているのは付加価値が高かったです。

あれをお願いするとほぼ全解体となり大掛かり過ぎコストも上がります。

ただの入れ物のような構造でも、自身で何か大きな袋を内側に加えて使用するなどを工夫していくことで一生物として使えるものになりました。

もう1つは、マグネットボタンの除去をしてもらった喪服用のバッグがありました。

マグネットボタンの交換も自主リフォームでは簡単ではありません。

ある段階までほどいての作業であることと、喪服用こそ一生物ですので、プロにお任せした次第です。

その後マグネットボタンはマジックテープへと変更してもらいました。

マジックテープはケリーバッグなどのヒネリ錠の支えるような強度は有りませんので、バッグ自体のデザインによっては無意味である場合もありますが、取っ手で支えるタイプのバッグだったのでOK。

その後は、これらのバッグは今後も更に長く持てるものになり、おそらく一生持てると確信しています。

一時的にお直しもお値段が張りますが、その後一生使えるような本革レザーのバッグや布バッグであれば慎重な判断により依頼して使い続けることも大変意味があります。

あとがき

今後、今回の自主リフォームのようなカーフなどの天然皮革のバッグはあまり作られていかないと思います。

それは世界中におけるSDGsの高まりです。

動物の大切な体の一部分をいたわるべきであり、それを嗜好品に利用することが残酷なのです。

しかし、すでに存在している過去のお品はどうするのか。

もう今後は無いから貴重なので使わせていただくのか、それとも、そんなことすらするべきではないのか。。。

とても難しくて答えが出ませんが今回のリフォーはまぎれもなくヴィンテージの本革バッグですので、前者のジャッジをしたのです。

先日もとてもはがゆい記事を目にしました。

街を綺麗にしようと定期的に水を抜き、ゴミを回収する作業をある池で行ったところ、逆にそれをすることで池が生き物達にとって住める場所ではなくなってきたというのです。

よって、ある1つの事だけをしてもかえって逆効果であるジレンマもあるのです。

すべてを丸くおさめることの難しさです。

とにかく、ちっぽけな私が自らができることとして、1つ1つの購入、製造、販売どれに対しても自分が関わるものはその後のこと、何十年も後の事も考えた行動であるべきだということです。

picturesque

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