まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
今回、やや大掛かりなリフォームをしてみました。
それは、以前に記事にもピックアップ
したことのある、ブランドバッグの内貼りの激しい劣化の裏地の交換です。
今回の目標は、リフォーム完了の時点で、一生モノになるという点です。
表側の本革レザーが良質であることが非常にメリット
裏地の劣化が激しいブランド物のバッグの例として、今回も以前の記事、【2018.04.22バッグの劣化、合皮使い部分は注意、裏地は布の方が長持ち】で今回と同じようなお直しをしています。
その時のバッグは、グッチのホーボーバッグという三日月形寄りな形のワンショルダーバッグでした。
ホーボーバッグの時は、ショルダーがどうしても取り外せず、そのまま裏地を取り付けたので、完璧な仕上がりとならず、再度が少し縫えずに空きができてしまいました。
よって、今回は、一応2度目ということで、もっと腕を上げたいということと、私自身が満足できるようにということを思っています。こちらが、そのバッグ。

こちら、USEDで、たまに質屋さん見かけますが、かなりハンドバッグとしては、大きめのサイズ。
縦34cmx横44cmxマチ12cmです。
外側のレザーが仔牛製でカーフという名前の皮です。特徴があって、表面がさらりとした質感で、何か柄のようなものが入っています。
ちょうど、これと全く同じ素材のグッチのバッグを別に持っていて、それも一度お直しをした状態のもので、その質感が良くて、同じ素材でということで探してヤフオクで落札したものが今回のバッグです。
素材から探していくやり方で、後から、デザインに納得するという、一番条件をしぼり込んだピンポイントな素材にしたことが、早く見つかった結果となりました。
ところで、私が前から持っていた、お直し屋さんで随分高額で修理してもらったのがこちらのバッグです。

こちらも経年劣化が内貼りに起こって、お直し屋さんでリフォームしてもらい、内貼りを黒の布にしていただき、その後、一生ものとなったと思っています。
毎日も使用しませんから、角の擦れとか、キズがなかなかつかず、良い状態がキープできているので、中側さえ、リニューアルできればその後は、末永く使えるものになるのだと、このバッグで思ったのでした。
お直し価格は、安く懇願しての、¥22,000ほどだったと記憶しています。バッグ1点購入できますね。
ここまでの値段でも修理したいと思った理由はデザインの良さと表のレザーの質の良さが抜群であるということです。
このまま廃棄したとしても、もう一度この価値に見合ったバッグを入手できるかといったらもうこの形が見つけられないと思ったので、レア感も感じていました。
この取っ手くり抜き型は、90年代の超円高時代の並行輸入のブランドショップがそこらじゅうにあった頃のこと。
インターネット通販がまだ浸透していなくて、雑誌を見てお店に電話をして、「それそれ、その大きい方のやつです」なんて言いながら、今から思うと何て危険な買い物の仕方なんだろうと思うような方法で購入したものです。
今回お直しするバンブートートは、年代のことが、しっかり分からないのですが、取っ手くり抜きバッグよりももっと前だと予想します。
取っ手くり抜きバッグが1990年代後半の新品購入だったので、今回リフォームするバンブートートは、1980年-1990年の間の辺りかなと、非常に範囲が広くしかわかりませんが、そんな予想です。
なかなか、調べてもわかりませんでしたが、合皮部分の劣化が、20年くらい経過すると起こり始めることを考えると、そのような予想になりました。
自らの手でのリフォームの過程
では、リフォームの過程をたどっていきたいと思います。
まずは、リッパーで裏地が縫い留めてある部分の糸をほどいて劣化した裏地を全部外します。

なかなか一縫い一縫いが頑丈で沈んでいるので、外すのが大変困難でした。マグネットボタンに関しては、磁気が起こるので、今の時代もうバッグには付けるべきではないと私は考えます。
大切なATMやクレジットカードが数回壊れています。原因がこれである可能性大です。
そして、外し終わった裏地のかたまりをどうぞご覧ください。

中を開けてみて、付属品に感動と驚きがあったので、自分で作業をする醍醐味だと思いました。

この鋼(はがね)板は、バッグを強固にするための芯のような役割だと思われますがバッグの入り口の部分に横になっていました。
触ると何かとても硬いと思っていたものはこれだったんですね(;’∀’)。

マグネットボタンの相方は、前述のとおり、ここで廃棄です。特にブランドのマグネットボタンは磁力が強くてパワフルですから。
そして、ファスナーのつまみとして付いていたゴールドのコイン型飾り。これは、綺麗に拭き取ると見違えるようにきれいな金色が美しく、ペンダントトップやキーホルダーとして、後々お洒落に使えますので、保管しておくとしました。
そして、こちらは、後で裏地に縫い付ける予定のブランドタブです。本革なので、劣化の影響は全く受けていませんから、再利用が可能なアイテムです。
そして、次の作業は、裏地を作っていきますので、型紙をまず、作ります。
バッグのサイズである縦34cm、横44cmマチ12cmを考慮し、型紙作成です。

マチというのは、2枚を縫い合わせる一般的なバッグにおいて、見込む分量が、出来上がりマチサイズの半分を見込みます。
そうすると、2枚重ね合わせたときに倍になって希望のマチの大きさになるわけです。
ただ、型紙の平面においては、縦は、半分を見込み、横は右端と左端と両方が関係してきますから、半分を見込んだ2か所分ということで、結局横の長さというのは、見込む数値がマチと同じ分量を見込むということになります。
今回縫い代は、2cmずつどの端もとることにしたので、【型紙における縦の長さ】出来上がりの縦34+マチ12÷2+入口縫い代2+底縫い代2=44cmが導かれました。
【型紙における横の長さ】
出来上がりの横44+マチ左側12÷2+マチ右側12÷2+左脇縫い代2+右脇縫い代2=60cmが導き出されました。
よろしければ、マチの付いたバッグなどを作るときに、ご参考にどうぞ。
なかなか、平面を立体に想像するのってやりにくいですよね((+_+))。
型紙が長方形で出来上がったら、バッグの実際の入り口がなめらかなカーブを描いていることを型紙で表現せねばなりません。
このカーブは、厳密にはこのバッグのデザイナーしかわかりませんから、バッグを型紙に当てて、大まかに描きます。
そして、型紙の真ん中から、左右対称にちゃんとなるようになど、整えて、カットする位置を決めて、カットします。
ミリ単位まで正確にせずとも、この方法でバッグをあてがって大まかなラインを知り、そのあと手直し、の方法でいいかと思います。
そして、型紙に生地をあて、カットし、印をつけて、地縫いに入ります。

そして、マチを12cmつまんで作り、入り口部分を縫い代2cmで1つ折りで縫います。

そして、いよいよ、ここがクライマックス。
バッグへ裏地を取り付け、縫いました。

はい、完成しました。ミシンの針が果たして、通るのだろうかと心配していましたが、通りました。ミシンは、シュプールTL25:針はDB1という工業用針の#16という太い頑丈な方の針番です。
結果的に、下手な部分があって、失敗な個所は、ここです。(下手ですね~(^_^;))

私自身が持っていくものなので、良しとしました(^_^;)。甘めな判断です。
そして、補色などのクリームで少しお手入れして、完成しました。

あとがき
グッチのバンブーバッグは、取っ手に竹という素材を用いるという画期的なアイデアが、このブランドの象徴ともなるように定着したことがすごいです。
私たち日本人は、小さい頃から、昔話とか、七夕のかざり、たけのこ料理、など、竹には親近感があるので、好まれる人が多いことでしょう。
バンブーの取っ手は、でこぼこの溝に指が入った時に持ちやすく、心地よいです。
今回使用した裏地は、綿/100%のミニダイヤジャガードと名前をつけていますが、凹凸感ある面白い生地です。

ポケットなどを付けなかったので、非常にシンプルなバッグですが、これでよいです。
お直し屋さんに直してもらった取っ手くり抜きバッグもポケット何もなしなので、それと同等にしたかったのです。
さて、ここで、おまけですが、途中で、ファスナーのつまみ飾りが2個保管しておくということで、とってありましたよね。

はい、こんな感じで、遊び心があるペンダントにしてみました。チェーンはステンレス製です。
今回は、確実に成功することを見込み、口の大きいトートバッグでしたが、いずれ、丸いカーブのがま口のようなバッグでファスナー付きのものなどにもトライしてみたいです。
その場合ミシンが不可能で手まつりで裏地を取り付ける作業となるかと思います。
では、youtube動画もここへ貼っておきますので、よろしければご視聴ください。
どうぞ、また、ブログご覧くださいね。
ありがとうございました。
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