ハンドメイドではコスパが悪くてやらない、サイズ違いの珠がグラデーション配列の年代物のネックレスの「Uの字ライン」の価値【1264】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

家族から譲り受けた昭和時代のネックレスの中に、天然石の珠が一連に繋がったものを手にした経験がある方は多いと思います。

かつては、装いの定番として、真珠や天然石の珠(たま)を一連に繋げた40cm前後のショートネックレスをお出かけ着に装う付け方がたくさんされていたのです。

40cm前後のショートレングスというのは、「プリンセス」と呼ばれる、最もエレガントな長さの1つ、お出かけには決まって着用されてきたワンピースにも相性が良かったのです。

パワーストーンブームの2010年前後から、ネット通販の背景も大きかったと思います、天然石のお店や問屋様の存在が以前よりも分かりやすくなりました。

その頃、天然石の連をいくつものネックレスやブレスに繋げて仕立てることにはまっていました。

ある期間(2015年頃)は、「ロザリオ」と呼ばれる、メンズのY字ネックレスを製作して販売したことも。。

留め具をK18YG/K18WGにすることで、なかなか世には出回っていない高級感あるネックレスにすることもできます。

ただ、自作は、コスパ良く作ることをどうしても考えますので、1点物にもこだわる場合だと、同じサイズの珠を1連で購入することが一番お買い得です。

そうすると、出来上がったネックレスのラインは円形になるのです。

一方、昭和時代と思われる手持ちの鼈甲ネックレスはU字型でした。

ここに使われている玉はサイズがまちまちで、グラデーションのように連なることで、易し気なUの字を描くのです。

このたびは、このようなラインの違いで古い物と新しい物の違いを見ながら、古い品物の素晴らしさや特徴を深堀り出来ればと思います。

珠のサイズ違いでグラデーション配置こそ古物の証、ハンドメイドの均一な珠の並びの円形との比較で古いネックレスの深みを感じた

左は琥珀、右は鼈甲です。いずれも古いもので、おそらく昭和時代のお品だと思われます。右は家族からの譲受。

類似のオレンジ色は、天然樹脂や亀の甲羅がその素材である古物ではたくさん見つかる琥珀と鼈甲です。

これらのネックレスの珠の配置にご注目いただきたい。

左の琥珀は一部しか映っていませんが、先端の1粒に一番ビッグな珠を配置しています。

そして、珠のサイズが、ネックに近くなっていくにつれて小さくなっていきます。

このバランスは、右の鼈甲で分かりやすく見ることができます。

考え方は左右共同じ、留め具付近では珠が極小になってバランスがきっちりと取られています。

こうした珠に差が付けてあるタイプのネックレスこそ、古いお品物の証と言っても良いと思います。

ネックラインに最も自然に馴染み、易し気なUの字を描いた姿、「しっとり」といった表現が似合いそうです。

珠のサイズが同じ場合は横に広がって丸いラインに寄ります。

一方で、あこや真珠は同一のサイズの珠を配置する品物もあり、より丸みのラインを強調しているように感じますので、古物でもUの字ばかりとは限りません。

左はラウンド型の淡水真珠11mm程度。右はマルチカラーのルチルクォーツの8mm珠。

いずれも石屋様から購入し、ハンドメイドのもの。

あとがき

「首に沿うように。。」という心遣いのような古物のグラデーション配置に対して非常に感動しています。

自作の場合は当然のようにほとんど単一に作ってしまうのも、現在の流行などに突然飛び入りして、「歴史」や「過去の優れた逸品」などをじっくり見ていないからです。

例えば、たくさん作るような夢中になる期間があり、余った時に、間に小さなサイズも入れてみた組み合わせを作ってみるなど、経験によって寄り道と言いますか、新しい発見があります。

こういった、単調な作業の中のわずかな違和感やハプニングは大切です。

なぜなら、均一的というのはロボット的なものが一番に得意とすることだからです。

我々は人間であり、人間ならではの「イレギュラー」な作業というものも大切にしていきたいと思うのです(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

今後「ファッション」に関わるお仕事をしたいならまずは過去の軌跡を知る、かの有名な老舗やデザイナーが語る貴重な裏舞台は歴史の破片【1263】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

アパレルが今後変わる時に来た、変わっていかなければならないという過去で一番の危機・変化の時です。

そんな重要な時期だからこそ、今、この本を読んでおきたいと手にした本。

「20世紀日本のファッション トップ68人の証言でつづる:大内順子(インタビュアー)/田島由利子(ライター)」を拝読。

4cm程の厚みの本ですが、もう面白くて面白くて次々に読み進めてしまうほど。

年代別の日本のファッションの草創期1950年代の芽吹きからどんどん読み進め、1980年代後半の低迷期でページの最終を迎えます。

ファッション史なるものは、世界的に見ればフランスがその聖地と言えます。

1900年のパリ万博の大きなウェーブはかなりそのきっかけになったかと。。

その頃の日本というのは、まだ着物を着ていた人も大半の時代、パリ万博にも文化として着物が紹介されました。

着物からお洋服に変わっていき、戦前と戦後でも大きく生活が変わる中で、あまり表立っては語られていないような、戦前の老舗アパレル会社が生まれる様子などもこの本では興味深く知ることができました。

「この会社はもとは、こんな前身であったのだ」という点などあまり知られていないことが分かるのも、構成が該当会社様やデザイナー様本人が語られたインタビュー記事の集まりである所も大きいです。

他人が語ることよりも、本人が語ることのリアルも貴重です。

戦前にも繊維メーカーやアパレルの老舗は芽吹き始めていた

その昔江戸時代、「奢侈禁止令」というものが発令され、贅沢を禁止されるという命令が下されることがありました。

その奢侈(しゃし)の対象になった素材は「絹」。

ここから、「絹:シルク」がいかに高級な素材であるかが計られます。

戦前に「これからは洋服の時代だ」ということがテーマになり始めていたようで、この戦前に平たかった土の中からアパレルが芽吹き始めていたと言えます。

「百貨店」の出現がデザイナー様とのタイアップで洋服の広がりに大きく貢献したのが大枠の見方ですが、戦前は呉服店の形であったなどその前身はすでにあったのでした。

大衆に広まるには、百貨店などの「集客型施設」の存在あっての恩恵もあったということになります。

1960年代は、アパレルは伸びていく一方で、少しアイデアを出しただけの企画が飛ぶように売れたという、この「飛ぶように売れる」というフレーズが1960年代の1つのキーワード、現在では使いたくても使えないフレーズになってしまいました。

聖地パリと日本人デザイナー様との結びつきのきっかけ

現在でも有名デザイナー様達は、「文化服装学院」出身であることが多いです。

ここがいわゆるプロのデザイナー様の登竜門とも言えるのかもしれません。

ここ近年有名デザイナー様達が続々とお亡くなりになってしまいした。

パリの「メゾン:洋服会社」で従業員として働くことがきっかけであるという道をたどられている地道さも本当はあったのです。

いきなり電光石火のごとく現れて、スターになるというデビューの仕方ではなかったのです。

そうして、多くの日本人デザイナー様がパリのメゾンで働くことをきっかけにその後、そのファッション文化を日本に持ち込んだり、世界的に活躍されたパリ生まれのデザイナーとして引き続き活躍されたりしました。

遠く離れたヨーロッパと日本の老舗ブランドとの結びつきのきっかけになった素晴らしい橋渡し的役割を担われ優れた伝達者であったかと。

ライセンス事業の名残は、古い時代の未開封品のブランドロゴマットなどに感じられる

その他、「ライセンス事業」に携わったという軌跡がより大衆にブランドが広まったきっかけだと思います。

有名な海外の老舗ブランドのロゴのお洋服が百貨店で購入できるのは、ライセンス事業が背景にあったのでは。

贈答品のブランドロゴのタオルやマットの風景にその歴史を垣間見ることがありました。

昭和時代がこういったライセンス事業の全盛期であり、現在はもうその面影はほとんど残っていません。

こうして、アパレル全体としての大まかに見た盛り上がりいうのは1960年代をもって下降線をたどっていったと感じます。

あとがき

されど、決して完全になくなることはない「衣」の分野。

こうした悲しい流れは、ファッション好きにとっては残念な姿ではあるのですが、こうした流れこそ変化であり一部成長であるとも言えるのでは。

これまでの生産構造そのものの見直しが、劣悪な環境の労働の例で露わになり、隠された膿のようなものがめくられ暴かれたと考えます。

そんな今後でもこの道で事業活動をやっていきたいのかどうかさえ事業者本人が問うために、過去の歴史と軌跡を「移り変わりや流れ」として知っていることが必要だと考えます。

書き手:ピクチャレスク

「着回し術」とは反対の「セットアップ術」の良さがある、微妙な違いも逃さない4種のオフカラーニットにベストマッチな4点のボトム【1262】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

暖かい季節の色と言えば、パステルカラーですが、白も取り入れたい色。

このたびは、白をメインに考えてみた上下の組み合わせコーデをご紹介したいと思います。

「着回し」という言葉がよく謳われてきましたが、コスパの良さを切り口とした見方では確かに頷けます。

しかし、「おしゃれ度」としては、優劣の差が生まれてしまうデメリットも実はあるのだと見ています。

このたびは、そのような「着回しコーデ」のデメリットの部分をカバーするような装い方の一例として、「セットアップコーデ」をご紹介したいと思います。

白メインのオフカラーコーデを4種、それぞれが「これが一番」と見た渾身の組み合わせで決めたものになります。

4種の色のトーンが少しずつ違うニットそれぞれに一番に合うボトムを考えたベストコーデx4選、「セットアップコーデ」の良さは「おしゃれ度」の高さ

オフカラーのニットを4点は、クリームがかったりグレーがかったりしながらそれぞれが違いのある色です。

ざっくりと「白」と言っても、互いに随分違いがあることを、合わせるボトムや小物コーデの完成で改めて気づくことになります。

4点のオフカラーニット古着:すべて「アルマーニ」様。ネームタグは、「エンポリオ/ジョルジオ」が混在。

一番左から、黄色寄り・グレー寄り・カーキ寄り・クリーム寄り。

これら1点ずつをボトムとしっかり組み合わせていきました。

なぜその組み合わせが一番だと考えるのかという「理由」の部分にご注目下さいませ。

古着市場で見つけた婦人服のデニム:リーバイスやハイブランドではない古着のニッチな日本製のブランド。

ドレスライクなデニムというところが合わせやすいポイントです。

セーター自体に柄が入っているので、あまり柄の入ったボトムは避けたいとプレーンなイメージをもとに選択。

このセーターの黄色みがかったベージュ寄りな色は、上下の組み合わせとなると結構難しめ。

そんな時は、黄色によくマッチするデニムのネイビーカラーを考えます。

ただ、カジュアルに寄り過ぎるとニットの上品さが薄れるところを、ドレスライクに見せてくれるのがこの写真のデニム。

デニムなのに、ウエストの脇にゴム入りというのが何とも昭和の古き婦人服といった感じ。

バッグは、これも古い時代の「KENZO:ケンゾー」様。

薔薇の花のマルチカラーバッグは、その後のアクセサリー・靴・ベルトの色を決めやすくしてくれます。

エンポリオアルマーニのワイドデニム::このニットがいかにグレーがかっているかと教えてくれるかのよう。

バッグは、「イランイラン」の本革レザー製。

こういったくり抜き型の取っ手のバッグは我がバッグコレクションの中に多くありまして、大変好んでおります。

少し浮いた感じのグレー色寄りなニットをベストと重ねることでコントラストの違和感を感じさせない馴染み方をしてくれました。

ここに移していませんが、ダメ押しの薄グレーの水玉スカーフもあります↓。

ストール:「エンポリオアルマーニ」様のもの。水玉のサイズが途中で切り替わっています。色はライトグレー。

そうしますと、更にこのニットがおしゃれにブルーグレーカラーに溶け込んでいくダメ押しのような役割も。。

下げ札付きだった古着市場で発見のスラックス(チェック):日本製の毛/ナイロンという昭和らしい混率。

ニットが、裏編みと呼ばれるリブニットの裏側の鱗みたいな様相の柄が特徴です。

パンツのでこぼこした織柄ときっちりとリンクする様子が目に映ります。

ブロックチェックとタータンチェックの混合みたいな先染めチェックという素材自体も素敵。

ここでは、黒と白しか色が使われていないからこそ、バッグも黒無地で差し色に。。

赤や別の色を入れないところが「粋:いき」であると言えます。

モノトーンコーデではよく使われるテクニックであり、3色目を決して入れないという技術のようなもの。

バッグも「エンポリオアルマーニ」様で、キャンパス+レザーコンビの20年以上は前だと思われるバッグです。

続きましては、最後4セット目で、スーツが来ました↓。

パンツスーツ:「エンポリオ・アルマーニ」様のもの。上下そろった古着はなかなか見つけにくいもの。

流行を感じさせないようなこういったデザインやライン、心より感動しています。

細かく柄を見ますと、ニットのチェック柄とスーツのチェック柄が相性ばっちりです↓。

スーツと組み合わせてしまえば少し見えるだけですが、格子同士がリンクしたことはやはりベストマッチです。

ということで、全4種のコーデをご紹介しました。

どれもそれぞれの特徴があり、同じものがありません。

どうでしょう、「着回し術」とより良き勝負ができると思いませんか。

1つ1つが緻密で、渾身の組み合わせを考えた「セットアップ術」です。

あとがき

時々、こうやってワードローブに変化があった時に、切り口を工夫しながらご紹介しています。

昭和を過ごしてきました私は、ファッション雑誌全盛期の時代と思われる頃に接触していました。

その雑誌の中の言い回しや解説にすごくかっこよさを感じていました。

コーデなどの写真だけでなく、隅っこにある小さい字で書かれた記事やコメントなるものも少し読んでいたのです。

よく見る「着回しコーデ」もここ近年定番用語になっていますが、それでも、「着回し」がどうしても受け入れられません。

効率の良いお洋服の着方ではあると思ったのですが、実際にはできないのです。

なぜできないのかということは、セットアップに組み合わせたこのたびの着方にその答えがあります。

実際に集めて、着用しながら実体験に基づいたコーデがスタイリストでもないただのコーデが好きな者としてできること。

特に何者でもない者ならではの、縛りのない自由なコーデのご紹介でした(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

ただ物を入れてそこに置いてあるだけの日常に溶け込んだ「入れ物」の存在感、役割を持った芸術品であるがゆえに更に美しい【1261】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「入れ物好き」と自称してもう20年程になります。

きっかけは2002年秋に一人暮らしをし始めた時だと思います。

すべてが自分の好みでインテリアを展開していくことの自由の素晴らしさを知り、収納アイテムを集め始めました。

そのような中で、「パンダン」「木製」「ブラウン」など、特化したアイテム達が集結してきたのです。

このたびは、実際にインテリアで活用の3アイテムをご紹介しながら、たかが「入れ物」が随分な「芸術品」であることをお伝えできればと思います。

物を入れてそこに置いてあるお部屋の中のいつもの「入れ物」、機能に加わった「芸術的美しさ」には眺める価値が生まれていた

「パンダン」:古新聞ストッカーとして利用中。素材は、当南アジア(特にインドネシア)の産地品の水草。

広い面積の葉っぱを重ねて、イントレチャートの様相で編み込まれた作り。

そして、シックな塗装カラーでレザー級の味わいを実現の高級感あるインテリアボックスです。

パンダンとの出会いは遡ること30年くらい前だったと思います。

ある手芸屋さんで見つけたインテリア小物のハートのアイボリーカラーが最初の出会いでした。

今まで見たことが無い異国情緒あふれたアイテムだったことに新鮮味を感じ魅せられます。

その後、2010年代からどんどん輸入が増えていったのでしょう、ネット通販の高まりも相まってネット購入で複数を集めるようになりました。

高級感がありながら軽くて、安全性も感じられるソフトな素材なのです。

「タッパー」:香辛料入れ(砂糖・塩)として利用。ブラウンカラーは昔のモデルだと想像できます。

モデルチェンジにより、このブラウンカラーは現在はありません。

茶色は古いモデルのリユース品ですが、こういった物でもまっさらの新品より好みのカラーが良いのです。

ブラウンはかなり昔のタイプであったと予想します。

かえってこのカラーが希少だと思っておりまして、この2個の他には、もう1つ同じサイズともっと大きなサイズをお米ストッカーとして冷蔵庫で使っています。

お米は冷蔵庫で保存しているのです。

生地入れ:ゴブラン織り花柄の30年くらい前と予想するのボストンバッグ。容量を利用して室内で入れ物に特化。

花柄がマルチカラーで素敵です。

ゴブラン織りのバッグも現在は限られた存在です。

そして、生産国が日本製やヨーロッパのものはこれまた希少です。

このバッグをお洋服に合わせたことは一度もありません。

お洋服に合わせると、古典的になり、抜けた感じを表現しにくいので、同じバッグであっても、お洋服用のバッグとは区別しているのです。

あとがき

インテリアの「入れ物」は、そこで静かに佇んでいるので動きがありません。

ということは、「擦れ」や「傷み」が起きにくく長持ちです。

長持ちだからこそ、時々目に映るその姿が「素敵」であった方が楽しい毎日になることでしょう。

「入れ物」はいわば、「機能を持ち備えた芸術品」であると言えるのではないでしょうか。

身の回りのもの1つ1つを丁寧に見渡しながら、愛着を持って持ち続けていくことをお勧めしたいです。

せっかく、「入れ物」として活躍してくれているのですから、時々有難い気持ちを込めて「愛でる」ことでその当たり前の確かな存在感に気付くのです(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

楽器を大切に収納したい現実的な仕様でハンドメイド製作、ハード素材向きな1mm厚のラッセル生地にボックスキルトをかけた裏地【1260】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびの製作はキーボードケース。

楽器は特殊な形になりますので、気軽に好きな柄で既製品を購入することが難しいです。

そんな時こそハンドメイドの出番ではないかと。

それほど複雑な形ではなくても良い、敷居低く楽器ケースにトライしていこうと考えました。

ファスナーは入り口で楽器を傷つける可能性を考えて使用しませんが留め具はバックル式で考えています。

基本的には、手持ちの在庫を思い切った面積で使用して製作していきます。

表地の撥水のモノトーン花柄には10cmのダイヤキルトを、裏地のふんわりとしたラッセル生地には大きめのボックスキルトをかけ、ケース的な役割を高めた

最初は張り切って、表地にも裏地にもキルト用のソフト厚芯というシートを使おうと思っていました。

しかし、ソフト厚芯も重なれば、ミシンの針が折れるほどの強固になってしまうものです。

このソフト厚芯、質が非常に良いのです。

よって、表地だけに使用することにしまして、裏地は接着芯のみ。。それでも大丈夫な理由は、裏地のラッセルがダブル織り構造だからです。

<表地:黒白>モノトーン花柄系撥水防水ストレッチプリント、ナイロン/100%、日本製。

あまり目立ちませんが、黒糸で10cmのダイヤキルトをかけてある状態です。

糸がなじんでキルトがよく分かりませんが、むしろこれで良いのです。

針目をいつもの3mmではなく、5mmに幅を広げたことで進捗度を上げるという体験をしました。

裏面:キルトがけは成功です。粗い5mmとはいえ、全体の大きな容量とのバランスは問題ありません。

真ん中付近は皺が寄りがちなので、待ち針をまめに打ち、気を付けました。

これを3mmでやると皺が寄りがちになりますが、粗い針目であることが、キルトがうまく融通をもってかかることに影響したことも新しい学びでした。

<裏地:黒>ダブルラッセル、ポリエステル/100%、日本製。ボックスキルトをかけました。

裏地は、生地自体が1mm程厚みがありどっしりと重いです。

ここへソフト厚芯を貼ると重みが増し、ケースが重すぎるような非常に使いにくいものとなると想像し、接着芯のみ。

それでもキルトはかけていき、緩い感じを固定しようと、在庫として余っていた接着芯風の伸び止めテープをステッチの部分のみに貼ったのです。

裏面:伸び止めテープをステッチする前の印を兼ねてボックス状に貼りました。線は引かず、折って位置決め。

全面的にソフト厚芯を貼ってしまうよりはるかに軽いです。

ただ、この伸び止めテープの効果がどこまであったかははっきりわかりませんでした。

生地の伸びのやりにくさなどはほとんど感じず、安定してキルトが出来上がったことで伸び止めテープを貼った効果があったかもしれないと。

このたびはここまでです。

あとがき

上述にもありますが、3mmと5mmとのミシンの針い目の違いでこんなにも進み具合が違うのだというところに驚きました。

販売用だと3mmでやろうとしたかもしれませんが、自分用だから5mmでいいと思ったこの機会だったからこそ分かった感触がありました。

たまに自分の分も作ってみると、ひょんなことから新しい発見があるみたいです。

楽器のケースは特殊デザインだらけ、バッグとはまた違った機能重視の部分がありながら、使っていない保管時の姿も素敵であってほしいと思うものです。

そのように、使っていない収納シーンのことも十分考慮すると良いと思います(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

古着ライフを長く続けている者が考えるお洋服の価値、¥1,000であっても作りの悪い即席要素の高いお品ではなくオーダーメイド古着を選択したい【1259】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ファストファッション」のお品物の見た目のその奥に隠れていた背景がここ近年めくれてきました。

製造における劣悪環境や労働の搾取などが明るみに出ることで、「購入するべきお洋服の種類ではない」とまでに、人々の見方が深くなってきたと思うのです。

しかし、「低価格」というのも相変わらずのダントツのメリット。

その場限りの購入時の低価格だけにとりあえず魅力を感じて、その後そのお品をずっと愛用していくのかなどは考えていないことが相変わらず多い様子。

このたびは、その場限りの判断ではなく、長年かけて感じるメリットやコスパの良さが古着の中でもどんな分野にあるのかを実体験からお伝えできればと思います。

「高級ブランド古着」「オーダーメイド古着」はファストファッションの同じ価格にダントツに勝る(と思っている)、お洋服に流行などなければいいのに。。

これは1個人の感触に過ぎませんが、「百貨店ブランド服」に対して、「ハイブランド服」の良質さは比べ物になりません。

古着においてもおなじことで、良質さが群を抜く高級ブランド古着。

1つのブランドに特化して集めながら古着ライフを充実させたいとこれまでトライしてきました。

しかし、結果としては、たやすいことではなく、上下のコーデが同じブランドでは難しいこともありました。

よって、時折、1アイテムで成り立つワンピースを投入することも考えてきましたが、ただでさえ入手が難しめのハイブランドワンピースはなかなか思うように見つかりません。

よって、その代わりとしてオーダーメイド古着を混ぜるようになりました。

なぜ、オーダーメイド古着なのかというのは、自分の見方で計るレベルではあるのですが、ちょうどハイブランドとその特異さや良質さが釣り合うことが多かったと感じたからです。

決して古着ライフの中にファストファッションが混じることがありません。

古着市場の中にもなかなか登場できないレベルにしかならない、捨てられる運命の分野だと見えてしまうのです。

手放す際にリサイクルショップでの「買取」もファストファッション服は受け入れられないことが多いのです。

にもかかわらず、大量に世の中にこの分野のお洋服が出回ってしまうと、古着市場も乏しいものになっていくのです。

では、ファストファッション服を「FF」と図解に表示しながら、古着との価値を比較してみたいと思います↓。

¥2,900:「ファストファッション」分野では中間的な価格かと。しかし古着市場ではかなりのレベではないかと。

ネットで購入の送料込みでも、高級ブランド服が古着で購入できる価格ライン。

そうしますとファストファッションにブランド古着の価値が勝るということが起きます。

価格で勝つファストファッションと同じ価格の¥2,900程度に条件を設定しますと、その他の違いが浮き彫りになりますので、ブランド古着の良い作りや味わいが断然勝ると思うのです。

たくさん量が散在しているお品よりも1点しかない希少な価値は決して負けることはないのです。

次はもっと低価格での比較になります。

¥1,000:さすがにブランドでは難しいですが、注文服古着では¥1,000は見つかったことがあります。

よく探せば、¥1,000程度でハイブランド古着が絶対に見つからないということもないです。

実体験ですので、この比較は想像ではないことをくれぐれもこことでお伝えしておきたいです。

¥1,000なんて非常に魅力的な低価格ですが、同じ価格設定で、注文服の古着と比べたらその中身は雲泥の差だと考えます。

注文服古着の方がずっと長く持っていきたいと思うその気持ちの面でも差がありますし、実際にここまで低価格で見つけた掘り出し物こそお宝なのです。

特に、流行が色濃く入りにくいいつの時代も着用できそうなプレーンなロングワンピースは、年齢も無関係に装えます。

これは、あくまで私の考え方ですので、そこはご理解お願いします(^_^;)。

あとがき

値段に飛びついて購入というのは、その場の浅い選択の仕方であり、後で愛用できるお洋服ではないかもしれません。

お洋服に対する態度のようなものが、全体的にいい加減過ぎると言いますか、深く考えない表面的なものととらえ過ぎだと思うのです。

本当は、お洋服1つで、その生きざまさえも映し出してしまうような「価値観・考え方」の鏡のようなものだと考えたら、それはそれは大切なアイテムとなることでしょう。

数々の有名デザイナー様達が、哲学的にデザインし表現していることの意味をじっくり考えてみれば分かってくると思います。

芸術的な「ファッション」と生活の中の「衣」は別で考えずに、交わる部分が多い方が良いとそんな考えを持っています(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

早い段階で対策としてやっておくことが後の傷みを遠ざける、フェイスタオルの端っこのわずかなほつれを見逃さず縫い代を内側に収納【1258】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

毎日使う当たり前のアイテムだからこそ、良質な作りだと納得して選んだタオルを末永く使いたい。。など、インテリアに対する方針があります。

ライフスタイルの中でタオルは必須アイテム、毎日の心地よい暮らしの為にはこの当たり前こそが重要だという考え方をしています。

買い替えれば良いという考え方よりも、1つのアイテムを何年も末永く使うことの方が素晴らしいスタイルだと思っています。

このたび、キッチンのフェイスタオルがほつれてきました。

少し時期早々に感じますのも、まだ入手後1年しか経過していないからです。

何十年も使う見込みからすると、この先も末永く使えるものに、今ここで早めにリフォームしておこうということになりました。

なじむように黒い接着芯と黒い縫い糸を使用したフェイスタオルの端っこのリフォーム、この先も長く長く使い続けていく重要な岐路

リフォーム前の状況:こんな風に端っこがほつれていました。

おそらく洗濯機による圧力などが原因だと思いますが、そもそも最初の三つ折りの縫い代が甘いということも原因にありそうです。

もう片方と対象ですので、良い方を見ながら補修していきます。
余分な飛び出した糸はカット。ほつれが糸に戻ってしまっています。ここで活躍してもらうのが接着芯の黒色。

これを4枚重ねて上の人差し指のあたりの位置に貼りながら、くるみ込みやすいように布的な役割として利用します。

分量このくらいを4枚仕立て用に4等分にカットします。
カットしたパーツが4枚重なって生地みたいになりました。これを先ほどの指の位置に貼ります。

写真が不足気味で申し訳ないですが、ここで、延長した接着芯付きの黒い飛び出した部分を三つ折りして内側にアイロンで畳み込んでいます。

黒糸ステッチでボックス型に、そして内部にジグザグをやり過ぎない程度に施します。
完成:もう片方と似た様相へすっきりと修正しました。糸の飛び出しが消えて、お品物の高級感も蘇りました。

あとがき

こういった何気ない日常の作業も、すべては末永く物を大切に持っていくことが目的です。

買い替えれば良いという感覚は今後は見直す必要があると考えます。

普段から貴重な数少ないお品を選んでいる趣味嗜好から生まれた考え方かもしれません。

どうせ同じお値段であるならば、粗悪なお品ではなく良質な中古品やデッドストックはお勧めです。

たくさんあり過ぎるから、物を大切にすることに疎くなってしまうということがあります。

これは、物であふれた満たされ過ぎた状況が、人の気持ちを鈍くさせている悪しき姿だと見ています。

身近な些細な事でも実践できる環境に考慮した「精神」を一人一人が持つことから始まると思います(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

片面がツルツルで見栄えが良いのが表面、ねっとりして見栄えが悪い方が裏面、ナイロンオックス撥水加工生地の表と裏の正しい見分け【1257】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去に撥水加工生地に特化したバッグの連続製作により、撥水の種類や施工面の選択が1種類ではないことが分かりました。

「片面撥水」「両面撥水」と、呼び名も分かれます。

手にした生地がどちらなのかということは情報としては是非知りたいことです。

実際に初見ではよく分からないという疑問があったことをきっかけに、撥水加工生地の色展開が豊富な「大塚屋」様にお話を聞くこともできたことを含むレポートとして実物を例にこのたびは、見分け方をお伝えしていきます。

「撥水剤の表面とコーティング剤の裏面のコンビ」という見方が正解のナイロンオックス撥水加工生地、サラサラは表、ねっとりとした方は裏で合っている

表面:ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。こちらの表面の風合いが表に見せるに相応しい。

今までその映りの良さからこちらを表として利用してまいりました。

よく聞く、生地の耳の穴の開け口の向きなどは一切あてになりません。

その観念はこのたびは除外、あくまでも目で風合いを見ていく判断とします。

「基本的に生地は、どちらの面を表面に使用しても良い」という生地屋様からのアドバイスもいただいております。

ただ撥水加工生地の場合、撥水機能がある方が表である方を希望しますし、見栄えの良い方が表である方が納得できます。

実際にご回答いただいたのは、こちらが表で正解とのこと、「ホッ」としたものです。

では、裏面を見てみます↓。

裏面:色が表面よりもくすんでいて、ネタ付きがあります。裏面のイメージに相応しい姿という分かりやすさ。

ただ、このまったりとした感じこそ、撥水剤ではなかろうかと混乱したことがきっかけで、それなら、表面には何も施工していないのでは。。と不安になり、生地屋様に聞くことを決意したわけです。

そして、そのお返事の結果、この裏面のねっとりしたものの正体は「コーティング剤」だとのことです。

この「ナイロンオックスはっ水加工」という生地は、「両面撥水」ではあるのだけれど、表面が「撥水剤」、裏面が「コーティング剤」というタイプの構造の両面撥水であると結論付けられました。

過去の面の使い方は、結果的には正解でしたが、何度もリピートしてきた生地、もっと早くに聞くべきであったかもしれません。

あとがき

両面撥水と一口に言っても、裏面も表面のような風合いだと、同じ撥水剤が裏面にも施工されている生地もある可能性があります。

また、表面の自然な風合いはいかにも撥水がかかっているという感じではないので、見た目だけでは分かりにくく、生地屋様の表示が大切になってきます。

よって「片面撥水」である場合はどちらが表面であるかは結構重要、場合によっては「片面撥水ならば採用しない」という思い切った決断もあるでしょう。

広い見方をするためには、このたびのような撥水生地の構造を目に見えない気体で施工されている撥水だからこそ追求していくべきだと思います(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

トートバッグの伝統的な取っ手の固定の「四角とクロスのコンビステッチ」、一繋ぎで二重縫いで強度を高めたアレンジの縫い順【1256】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

こんなデザインのステッチを布バッグの取っ手の付け根部分でご覧になったことがあるかと思います↓。

ほとんどが1本ステッチなのですが、それでも、この形そのものが物理的な力のかかり具合をうまく利用した丈夫なステッチ。

ただの1本線とは違う角度を変えて均等に力のかかり具合を分散されたものだと見ることができます。

このたびは、1つ前の完成品の「トートバッグ」でこのデザインを引用させていただきました。

当然ながら、良い物を作って行きたいスタンスの製作では、1本だけのステッチが重い物を入れたバッグを支えるということのパワーの限界も感じていました。

ということで、このデザインを二重ステッチにアレンジ。

さらに、この向きを変えてひし形にすることで、表地にかけたダイヤキルトに足並みをそろえデザイン性を高めました。

このたびは、「四角とクロスのコンビステッチ」を二重で強度を更に高めるケースの一繋ぎでステッチできる順番をお伝えしたいと思います。

ダイヤキルトの形にリンクしたひし形向きのハギ目カバータブの二重ステッチのやり方、糸を途中で切らないことでスムーズかつコスパが良い

1つ前の【1255】の投稿で完成したバッグの取っ手の付け根部分。出来上がりはこれ。

馴染んでいて2重ステッチということが分かりにくいですが、ベルトの4本ステッチに比べて太いと見ていただけますのも二重であるから。

しっかりと重ねるとこうして20番のようなデニム用の糸レベルの丈夫な二重ステッチが美しく出来上がります。

では、紙とマジックでシミュレーションした写真と共にそのステッチの順番をお伝えしたいと思います。

①は1度目のステッチ、②は二度目のステッチです。:てっぺんから時計回りに進んでいきます。

まず、一番てっぺんのV印から外枠を時計回りにスタートしました。

斜め下へ降りて一番下へ、そして斜め左上へ上りてっぺんへ戻ります。

次に二周目にそのまま途切れずに外枠を、一度目の上をきちんとなぞりながら斜め下へ降りてきます。

そして、下から斜め左上へ登ります。

と、最後の1辺を残し、ここでいったん動きを止めます、くれぐれも針はそのまま刺さったままです。

そして、向きを変え十文字の横辺へ行きまして、そのまま戻ってきます。

次に、そこから、最後に残していた外枠を最初の位置のトップへ向かってステッチしながら戻ります。

そして、今度は、一番最後の縦の線を下へ行き上へ戻ります。

これですべての辺が二重縫いになったのでした。

最後の糸目は返し縫いをしないで先端で玉止めとしましたが、1-2針ほど返し縫いをした方が丈夫かもしれません。

これは、よく見る45度分傾きを戻した正方形でも同じ順路をたどればできます。

マジックを見てみると、①の黒色は十文字には存在しません。

内側の十文字は、二周目のタイミングでのみ行うステッチという見方ができます。

あとがき

こういった、一繋ぎで縫っていけるという工夫は、糸のコスパが高まります。

一度区切って縫いを止めてしまうことが、いかにロスが多くなるかということです。

それは、ミシンを止めることで、縫っていない最後に余る分が結構な長さであるからです。

ただ、このたび、ひし形にしてしまったことは力のかかり具合が変わるかもしれません。

やはり、四角の中にバイヤスの45度がクロスしていることこそが最高の強度だと、いにしえの考案者が物理的見地から閃いたことなのだと思います。

書き手:ピクチャレスク

たためて収納もできる融通と高級感の両方を高めたブルーの「水辺のバッグ」、完成で見つけた課題はファスナーのサイド布の傾斜の不足【1255】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、やっと1点完成に至りましたバッグがございます。

撥水加工の生地を3種使用のダイヤキルトのブルーの温泉バッグです。

このたび、初めて試みたパーツのデザインなどもあり、そんなところをピックアップ、そして重要なのは見つかった「課題」の部分です。

このまずかった点は、是非教訓としてバッグの製作の時に思い出していただけると発展的な継承ができると思います。

上手くいった成功の箇所:ダイヤキルトに歩調を合わせたひし形のつなぎ目カバータブとブルー系のコーデのまとまり

「水辺バッグ」:<サイズ>縦31cmx横40/59cmxマチ20cm。

ぱっと見た感じのスタイリッシュさがその支柱/取っ手に現れます。

ブルーと紺のコントラストが可愛いく出来上がってくれました。

底のハギ合わせで、支柱がぴたりと合うこと:この見かけになることが重要で、「底」も表側なのだという意識。
このフラップの下には、隠しポケットがあります。斜めに設置のサイズ違いにデザイン性が生まれました。
小さい方のフラップの下:隠しポケットが設置されていてフラップによる安全性+デザインのハイブリッド。
こちらは「中」サイズ。もう片方の面は、たっぷり容量をとった「大」というサイズ1つを付けています。
支柱のハギ目カバータブ:もとはハギ目を隠すための覆い、ただデザイン性も出すということが挑戦でした。

実は、このステッチは一続きで縫え、2重縫いを外枠+十文字で途切れることなく一繋ぎで出来上がります。

<縫う順番>

・まず外枠を1周まるごとステッチ。

・次に2周目に行きますが、最後の1本だけ残して十字へ移ります。

・そして、十字のどちらかを行って帰ってきたら、外枠の残った辺の2度目を縫います。

・最後に十文字の縫っていない方を行って帰ってこればすべての辺が二重縫いで縫われます。

また、この順番に関しましては、1つの投稿でそれだけの内容でじっくりと解説した記事を後日アップしていきます(【1256】で投稿済)。

上手くいかなかった課題ある箇所:ファスナーのサイド布の多角形の傾斜不足は是非伝承したいこと

では、課題のあったパーツをご紹介したいと思います。

ファスナーのサイド布:斜め傾斜が不足していて少し野暮ったくなっています。もっと極端な傾斜が必要でした。

バッグに物を入れる量によって、バッグのサイドのマチの開きが多くなったり、少なくなったりしますが、設定としては、中間的な感じが望ましいです。

マチが開き切った時・閉じられた時の両方のバランスを製作の時点で盛り込むことが必要だという学びがありました。

横幅に関してはこのままでゆとりをキープするのですが、斜めのライン4箇所に関してはもっと急傾斜にするべきだったのです。

よって、1.5cmずれた位置へ傾斜を激しくした型紙に直しました。

その他、応用編としましては、ここまで覆うのであれば、完璧に覆いたいというニーズにお応えする作り方として、ファスナーくり抜き型があります。

サイド部分をコンパスで円の一部を利用して丸い四つの角で表現、バッグの口の周囲とピタリと一致させた寸法に調整した蓋みたいなものを作り、真ん中をくり抜いて、ファスナーをはめ込むという構造。

これには、デメリットもあって、ファスナーが内陸部に設置されるので、完全にオープンされないから引っ掛かりがある出し入れになります。

このたびのファスナー飛び出しタイプは完全に口がぱっかり開きますので、中身が見やすく取り出しやすいという利点があります。

しっかりとした作りでありながらたためる柔軟性

しっかりし過ぎた芯地が入ったバッグは気軽にたためません。

跡がついてしまい変形の原因になるからです。

しかし、たためるようにソフトな芯地だけを入れているこの度のバッグはたためるものになっています。

底を折る:こんな風に底のマチを一番最初にたたんでいきます。
サイドから三つ折り:ここまでです。これ以上は安定しないので、結構しっかりしたお品だということです。

底板は設置しておりません。

サブバッグ的な機能もあった方が収納しやすく、かえって長持ちになることを想定しました。

何でもかんでも硬く仕上げれば丈夫なのだという過去の考え方から現在は発展しています。

あとがき

シンプルなデザインでもしっかりと作りを追求していくと、その姿が高まっていくのだと、それほどに製造は深みある可能性を持った作業。

複雑になった構造になることが模倣されにくく守備体勢のような考え方もあると思うのですが、その複雑さ1つずつに意味があり理由がしっかりと説明できるのかということです。

出来上がった品物の見方としてのポイントはそんなところです。