服地の薔薇とレオパードコンビがイタリア製らしさ、無彩色でも立体感が出る可能性が高まるフクレのバッグ【13】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

前回の【12】の記事に引き続き、ぷっくりと膨らんだ素敵な「フクレジャガード」生地を利用させていただいたコンパクトなショルダーバッグの製作になります。

2019年より新しい分野の「高級生地」に注目し、生地集めと並行しながらバッグ製作をしていきました。

この新しい分野の生地のテイストは、製造者ピクチャレスクの好みでもある凹凸感がある美しい生地、生地選びの時点ですでに心が躍るような感動を覚えました。

「フクレ」類の生地は、日本製とイタリア製ではイタリア製の方が見つけやすく、その多くが、「風通加工」というタイプの膨らませ方です。

日本製はあまり膨らみがダイナミックではない控え目なタイプが多く、織柄のジャガードの方が主流のようにお見受けします。

こうした分かりやすい膨らませ方というのは、イタリア製の特徴なのではないかと思います。

分かりやすい=ダイナミックなので、素材自体がすでに華やか、未熟な製作の段階では随分生地に依存していたと振り返ります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.04.02からおよそ5年半後の2025.01.13にブログの「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

このたびの薔薇とレオパードのコンビの生地もなかなかの高級素材で、生地単価が@¥5,980/mのもの。

【12】と同じことで、2019年当時の「生地頼み」の製作は、技術が未熟であったことでややもったいない使い方をしていたと見ています。

生地が高額であるから控え目に調達した35cm程のわずかな分量(幅は145cmくらいありました)という考え方は、一見分量のコスパが良いようですが、実はかえってもったいない調達の仕方なのです。

2025年の今振り返りますのは、その場の生地の価格のみで考えるのではなく、出来上がった製品のその先にも存在し続ける価値として見なければならないということ。

ここまでの美しい柄を大きく広げて使うことをしなかった当時の生地の調達の仕方こそ、その考え方や見方が未熟であったと言えるのです。

美しい生地こそ、大きく面積をとったバッグを作るべきだったのです。

薔薇とレオパードコンビのフクレジャガード生地、コンパクトなフラップバッグではまだ物足りなかった美しさの演出

ものすごくぷっくりと膨らんだ立体感のある素材で、柄だけでもうっとりと眺めてしまうほど。

【12】の時のデイジー柄とはまた違ったタイプのフローラルなフクレジャガード生地でした↓。

フラップバッグ(ショルダー付き):<サイズ>縦15cmx横30cmxマチ7cm。
表地(黒xグレー):フクレジャカード、ポリエステル/87%、ナイロン/13%。イタリア製。
裏地(チャコールグレー):アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。【12】の時とこの度とで共通に使用。

表地がここまで美しいのですから、裏地もプレーンなタイプではバランスが悪い、そんな点ではぶつぶつ柄が美しい「アムンゼン」は良きレベルだったと思います。

フラップのみのセキュリティーの危うさを、第2の入り口のファスナーの口布でフォローしている構造です。
ショルダーのイメージ:「線コキ」で長さの調節機能が付いています。真っ黒コーデに一番映えるバッグです。

お出かけ用スタイルを考えてみました↓。

ロングタイトスカートの黒コーデに合わせてみました。バッグ自体がアクセントのような役割をしてくれます。

あとがき

生地の調達のその場は、0.35mのみでコストを抑えることに囚われていたのでした(0.35mx@¥5,980=¥2,093)。

しかし、長い目で見て、1m調達した一見高額な@¥5,980x1m=¥5,980という原価は、完成品では、その比率を大きく越えたもっと大きな価値に高まっていく可能性があったのです。

素材無しでは到底製作などできないのですから、優れた生地に大いに敬意を払い、最大限に美しさが出るような大きな物を作るべきだという考え方です。

【12】に引き続き、随分未熟な技術のまま背伸びをした高級生地で製作してしまいましたが、早く学びを得ることができた点は良かったと思います。

売り物にならなかったもったいなさを、その後の解釈によって挽回してゆけると良いのですが、残念ながらもう2025年ではこの同じ生地は見つけることができません。

たとえ技術が未熟であっても当時にしか出会えなかった貴重な生地だったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

技術が未熟な時期に足を踏み入れた美しい高級生地、フクレジャガードのデイジー柄バッグは生地頼み【12】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2018年からスタートのハンドメイドバッグ本格事業活動。

思わしくなかった1年目のその後、2019年からは材料の生地のテイストをガラリと一変。

これまでの黒やグレー色の生地から、マルチカラーの凹凸感ある柄に挑んでいきます。

凹凸感ある柄は、「フクレ」「風通」といった加工が付いていて、より高額であり、日本製よりもイタリア製に多くの生地を発見。

当ブログ記事は、最初の2019.04.02からおよそ5年後の2025.01.12にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

当時、「高級品の生地はもっと技術が高まってから。。」と思っていたのですが、「思いついたなら、今すぐやる」こんな気持ちが勝りました。

今から思えば、結局は技術の未熟さと経験の少なさでほとんどがボツになった結果でしたが、2019年は高級生地のバッグの製作に入っていったのでした。

しかも最初の1点は、複数同時に集めた生地の中でも一番ピンと来ていた生地から先に取りかかったのでした。

このたびは、素材も初めて・デザインも初めてのショルダーバッグを完成した記録、「その生地の良さが最大限に活かされたのか」という視点で綴っていきたいと思います。

うっとりするほどの美しさに対しては技術が追いついていない悔しさが溢れる、素材の良さに依存したバッグ製作

本当にうっとりとしてしまうような「フクレジャガード」というイタリア製の生地を使用したコンパクトなサイズのマチ無しショルダーバッグです↓。

ドーム型バッグ:<サイズ>縦23cmx横26cmxマチ無し。ファスナーの両サイドに口布有りの方が簡単。

ファスナーがマチ無しに対して付くことの二次元ミシンの限界を大きく感じました、作りにくさは歪みの原因になってしまうのです。

イメージ:可愛らしいサーモンピンクとダークカラーのコントラストが元々おしゃれなので良い雰囲気を演出。
表地:フクレジャカード、ビスコース/60%、ポリエステル30%、綿/10%、イタリア製。/裏地:アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。

イタリア製の「フクレジャガード」や「風通ジャガード」の混率の特徴としては、「ビスコース」入りが多いということ。

ツヤがありしなやかな特徴と共に、一層高級感が増しています。

この生地は、@¥5,980/mの高級品でした。

難しめのカーブラインもそれほど未熟さを感じないのも、この記事のハリコシの素晴らしさのおかげ。

まるでバネのような弾力性と強靭さをミシンで縫っていて感じました。

生地の時には膨らんだ加工なので安定感が無いように感じますが、ミシンで固定するとなれば生地の時には無かった性質が生まれているような。。

この生地はその後はもう見つけることはできませんでした。

その時に出会っていたからこそ、早めに知れた「フクレ加工」の性質と、ピクチャレスクの技術の足りなさといったところです。

あとがき

一度きりの生地であることも、その後もたくさん経験しまして、むしろ何年もの間同じ生地が入手できることがかえって珍しいことなのです。

それほどに生地は多品種小ロットで作られ、どんどん移り変わっていくもの。

だからこそその時の出会いが貴重であり、技術の未熟さに先立って一歩足を踏み出してしまったことは、決して無駄ではなかったのかもしれません。

ただ、出来上がったバッグは到底販売できるものとは思えず、解体し前面のポケットのみをポーチにして「はぎれ製作品」として販売し2020年初頭にご購入いただきました<m(__)m>。

2025年の今、もしこの生地をもう一度バッグに仕立てるという機会があれば、どうしたいのか。。

同じく表地に使うと思いますが、もっと面積を思い切って広く使ったものにします。

せっかくの有難い素敵な柄をまず敬意をもって存分に見せるということをすると思うからです。

当時は、高額なので最低限の35cmのみ(幅は145cmくらいありました)の調達であったこも、「思いっきりの無さ」であり自信の無さであったと2019年の製作を振り返ったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

おそらく一生使っていくであろう存在感がある素敵な小物、1990年代後半に流行の「PRADA」キーホルダーの健在具合【249】

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「一世を風靡した〇〇」というブランド小物がかつての1990年代にはたくさんありました。

ある物や芸術などが広く大衆(マス)に受け入れられたものの1つ。

この記事を書いている昨今ですが、ある1つのものが一世を風靡する事態というのは、かなりの大事件であるぐらい、現在ではなかなかあり得ないことになのですね。

各々の個性が認められ、趣味嗜好が多種多様化している、そんな中で、同じ共通の品物を多くの人が買ったり受け入れたりということが稀であるのです。

今回は、そんな現在から、遡ること20年程前に一世を風靡したとはとても言いすぎな「プチ流行」があったと見るブランドキーホルダーの話題です。

もう1990年代でさえもここへ来て30年来の物になっているのです。

時の経過を感じます(^_^;)。

1990年代後半のブランドキーホルダーの魅力

1990年代後半は、この記事を書いています現在と比べると、円高傾向が顕著であったため、ブランドショップがたくさんあり、「並行輸入」の商業形態により、世界の有名ブランドの小物類がとてもお買い得に買える時代でした。

その頃に、今までは全く興味がなかったブランド品に目覚め、インターネットをする人の割合がまだ少なかった1990年代後半の頃ブランドショップに出向き、店舗でブランド小物をいろいろ購入して楽しんだものです。

そのような時に購入したキーホルダーが大変良いデザインと作りで、30年以上経過の今でもずっと持ち続けていることにここ最近の整理整頓で改めて気づきました。

1990年代後半の「プラダ」のプレートキーホルダー。

「PRADA」キーホルダーをここまで持ち続けてきた理由を考えてみた

オーソドックスといいますか、色を1色のみに抑え、バッグやポケットに入れやすいよう、2次元的なぺたんこの形をしています。

それでいて、重みもそこそこあるので落としても気づきやすいし、存在感はキープされています。

デザインと機能のバランスがしっかりとれていて、申し分のないお品だったから何も不満が無かったと言えます。

そして「キーホルダー」というアイテム自体に流行など無いこともあるかもしれません。

確かに、「ブランドプレートをキーホルダーにする」という製造側のハイブランド様の企画こそがもしかして、当時の小さな流行であったかもしれないです。

あまりにも「一世を風靡し過ぎた」品物であると少し古臭さが気になり今は持ちたくない気持ちになっていたかもしれないです。

そうは思わないこのアイテム、「程好いプチ流行」だったからこそなのかもしれません。

ブランドロゴそのままに従来のキーホルダーの機能を付けているシンプルな作りなので「普遍的」である点も「美しさ」なのだと言えます。

あとがき

身近にある自然に長年持っているものを一度改めて見てみると面白いものです。

途中で他のデザインとか新調をする必要が無かった「理由」を考えてみると、そこになにか重要なことが発見できるかもしれません。

1つ私がこの度発見したことは、「PRADA」キーホルダーには、「ミニマムなデザインと良質さ」があったことです。

長年持つという自然な事実が品物の良さを正直に物語るのではないでしょうか。

長く年月が経過しないと分からないことも「深み」ですね。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ジュエリーマニアはこうこだわる、その時だけの買取による現金化よりも他のジュエリーとの組み合わせで見つける新しい装いの価値【305】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年の地金価格は相も変わらず高騰したままのようです。

20年前くらいにとてもお得に購入した18金のネックレスなどは、この記事を書いている現在では、簡単には手の届かない高級品に変わってしまいました。

そこで、ややブームとなったのが、古き昔の昭和の時代の18金製のネックレスやブレスやリングなどを地金として質屋さんで現金化するという行動です。

ずっと使わない古いネックレスなど18金製やプラチナなどの価値ある物を眠らせておくだけなら、現金に交換し結構な金額のお小遣いにしようということで、喜んで質屋さんに駆け込むわけです。

今回は、そのように買取に手放してしまう貴金属に対して真逆ともいえる考え方、地金の価値だけでなく、商品そのものの価値でもって、今後もジュエリーの姿で持ち続けていくことの素晴らしさというものがあるということを書きたいと思います。

価値=お金ではデザインや意味が失われる残念さ

過去に、ネックレスのチェーンが細すぎて絡まることにうんざりし、換金するために質屋さんへ持っていったところ、予想外の値段がついたことに大変驚き短時間で現金が得られるすばらしさを実感しました。

何か高額な物やコトの目的が現れ、その資金作りとして、使わない眠っていた地金を現金化することは使い方によっては、大変上手く納得できるものではあります。

ただ、真珠が付いていたりとか、綺麗なマルチカラーの天然石の価値は買取にはほとんど重視されないとのことなのです。

たとえ、どんなゴージャスなお花の形が天然石で素敵に形づくられたモチーフであっても計算は、台の金属の部分だけとなります。

質屋様によっては、「デザイン性の価値」を盛り込まれる会社様も一定数ありますが、ほとんどが地金の部分だけに換金の価値を充当。

このことは、一見お金をもらえたようで、同時に、実は美しさとか素敵さなどの価値を自分が捨てたということになってしまうのです。

その点が非常に残念なことと思えてなりません。

写真のようななこんな感じのリングなどがこのケースにぴったりだと思います↓。

貴金属の岐路、質屋さんで現金か1点物のビンテージか
左:地金がK18WGの天然石マルチカラーフラワーダブルリング/右:地金がK18YGのあこや真珠ブーケリング。

これらは、華やかな様相をしていますが、これを地金のみの計算で価値を評価されてしまうことになります。

一方、地金のみでできているリングはどうなのかということです↓。

左:ツタの葉の透かし彫りが美しいK18YGリング/右:「グッチ」ブランドのK18YGロゴチェーンリング

ALL地金でできている形のリングでもこれらのデザイン性が、かなり商品の付加価値を上げていると思われるのです。

地金の考え方で行くと、こちらの地金だけのリングの方が持つ価値があることになってしまいます。

それはそれは味気ないジュエリーコレクションではないかと。。

こうした比較から、本当に価値あるジュエリーとは何なのかをじっくり考えたいものです。

あとがき

貴金属というのは、洋服や、靴やバッグと少し違い、消耗品というほどの劣化が無いです。

むしろ永久的であり、どんなに古いものでも、そのリアルタイムな地金の価値に相当するのです。

そういった貴金属の特性は素晴らしく、そうであるならば、良い物を購入することをお勧めしますし、昭和時代の貴金属は地金もたくさん使ってあり厚みがあるところが魅力です。

ただ、古いものだと明らかに分かってしまう「デザインのクセ」などがそのままの利用を躊躇させてしまいます。

そういったケースに関しては特に得意とするところです。

まずは、数ある中から良い意味でクセの無いデザイン選びすぐるというところも重要です。

そして、できるだけそのままの姿で装いによって新しい価値が生まれるような工夫をご提案して行ければと思っております。

それは、「本物志向のレンタルジュエリー」という事業を通して今後もやっていきたい追究です(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

1990年代初頭のジャケットを素敵に着崩したい♪、裏地に覆われた肩パットの取り外しリフォーム、綺麗な口の閉じ方【144】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1990年代初頭の古着のジャケット。

その頃はちょうどバブルの頃に当たります。

肩パットが入ったエレガントさが多くのジャケットのポイントになっていたことは周知の記憶です。

もう現在2019年からはバブル時代のお洋服も30年前くらいにあたり、随分年代物となってまいりました。

バブル時代のお洋服の現在の注目は大きく2手に分かれると私は見ています。

1つのグループは、かつての10-20代をなつかしく振り返ることができるという人達。

もう1つのグループは、バブル時代の親の子供達であったり1990年代後半に生まれた人達。

この人達はこういったシルエットが新鮮に映ります。

ここ最近にはなかった新しいお洋服の発見になるようです。

そんな人の層が集まって1980年代後半-1990年代前半の古着に注目が集まっていると考えます。

楽しいですね♪。

春先のピンク色のジャケットを崩して着てみたい願望の実現にむけてのリフォーム、肩パット取り外し

まさに、1990年代前半のお品であろうというショート丈のジャケットを発見。

デッドストックのような者だと思います。

非常に綺麗で一度も来ていないようなお品でした。ヤフオクで見つけたお品です。

おそらくセットアップ出会ったかと思われますが、このトップスだけを私らしく着ていきたいと思いました。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
ショートジャケット(ピンク):クレージュ。
混率:毛/65%、レーヨン/18%、ナイロン16%、絹/1%、日本製。

優しい春色ですが、毛の割合が高く、暖かいことは、まだ寒さも残る、春になりかけた3月や4月にぴったりだと思いました。

このたびこのジャケットを崩して着たくて肩パットを取り外すという単純なアイデアのリフォームをするわけです。

しかし、お洋服コーデにおいて、肩パットを邪魔もののようにだけ考えるのは少し違います。

このバブル時代の象徴とも言えるジャケットの肩パットは「鎧:よろい」とも言える「戦闘服」であるからです。

よく働き、よく遊びたくさんのお金が流れた時代。。

そんな活発な時代、アグレッシブなスタイルの象徴なのです。

そう考えるとこの肩パットが付いたジャケットそのものがその時代を表す鏡のようで、社会を象徴するような優れたお品だと考えることができます。

肩パット取り外しリフォーム過程

きちんとしたジャケットですので、当然裏地が付いています。

少し邪道気味ながら、これも古着の良い所。

分かりやすい方法で行っていきます。

まずは、ジャケットを裏返しにして、肩パットの付いている肩の部分の裏地の縫い線がTの字になっているカーブの方のハギ線を見つけます。

そして、中心周辺から縫い糸をほどいていきます。 

ほどく道具はリッパー。小ばさみはハサミを傷めますので、リッパーの方が向いています。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
Tの字の縫い線のカーブを描いた方をリッパーで必要な分だけほどきます。

このほどくとき、最初の1目が少々難しいです。

コツは、横に広げて、縫い目を出して、1目だけ糸のみをリッパーでぐりぐりっと切ります。裏地は繊細なので優しく扱っていただきます。

そうすると、そのあとは、スルスルっと糸がほつれていき、やりやすくなります。

ある程度まで開けると、肩パットが見えてくるので、そうしたら、ほどくのをやめ、裏地を引っ張らないようにできるだけ、中身を縮めて、開け口から引っ張り出します。

肩パットの取り付け位置が見やすいように、一時的ではありますが、袖も少し出す感じになりますね。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
開け口から袖ごとやさしく引っ張り出し、肩パットを本体からリッパーで外します。

そして、肩パットがミシンで緩やかに取り付けてあるので、リッパーで本体から外します。

そうすると、すっぽりこのように外れました。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
肩パットが完全に本体から外れました。

この後は、開けた口を閉じて終了となります。

この口の閉じ方は、私が最近勉強しました方法で、ハシゴとじとかコの字とじと呼ばれている方法です。

敷居が高そうで難しそうだったのですが、実際、YouTubeでアップしている人の動画を見させていただきその後のリフォームにも取り入れさせていただきました。

結果は、とても有効な良い方法だと思いうに至ります。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
コの字まつり/ハシゴまつりで口を閉じます。

ちょっとこの写真だけでは、わかりにくいですね。後で貼り付けます私がお作りしたYOUTUBE動画の7:00(7分ちょうどあたり)から数分がちょうどこのコの字まつりをしている部分となります。

要するに、表に縫い目が出ないような結果になるわけですが、そのために、糸を真横に飛び出して、そのあと反対側に渡り、そこでも真横へ針を刺して進んでいくという方法です。

この真横へ進むというところが、意外というか、は?って思う部分かもしれませんね。

そうして、最後は、玉留めを内側の位置にしたら、その玉留めの同じ位置に針を刺して、先へ進む場所から針を出して、引っ張ると、縫い目が中にひょっこりと隠れ、玉留めも一緒に隠れるということになり、仕上がりが綺麗です。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
完成。

私が不慣れで、元の位置から少しずれましたが、とても始末がすっきりしていると思いませんか。

これを見て感動してしまいました。

肩パットは、カーブを描いているので多少難易度があるのかもしれませんが、水平だともっとやりやすいかもしれませんね。

しかし、明らかに綺麗なまつり方法だと思います。

ちなみに、私がこのやり方をまだ学んでいない時の始末の写真が見つかりました。黒い方です。

黒なので目立ちはしませんが、明らかに、今回のやり方の方が見栄えもよいし、ジャケットを脱いで、裏側が見えるシーンを想像すると何か不自然なのが、黒い方。

今回のピンクは自然です。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
黒よりピンクの方が自然な見た目となります。

一度ミシンで縫ってあるものをほどいたのだから少しは、不自然感はありますが、黒よりはるかにピンクの方が今後も何も気にせずにずっと使っていけそうな気にならないものになった感じも大事なところですね。

気にかけたりするのはストレスですから、今後の「心地良さ」ということがとても重要なのです。

YOUTUBE動画の7:00(7分ちょうどあたり)から数分がちょうどこのコの字まつりをしている部分となります。

あとがき

今回、かなり私も勉強になりました。

このまつり方法を知っただけで、何か心強いものがあります。

何か口を閉じるという作業の時には、肩パッドに限らず、他のことにも使ってみて下さいね。

そして、自分らしい着こなしにできる自主リフォームライフが充実したもになることを応援しています(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

バブリーな全14個もの金ボタンを総取替えし、黒ボタンでコーデの巾が広がった黒白ギンガムジャケット【304】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今までもブログ内で幾度かお話させていただきましたが、洋服はすべて古着を着ています。

現在の一律的な類似だらけのデザインより、80年代辺りのようなデザイナーズブランドのテイストが色濃く出ているような少ない数しか出回らなかった魅力的な洋服が古着の中にはたくさん見つかるからです。

このたび「ESCADA(エスカーダ)」様(ドイツブランド)の、ウールジャケットを入手しましたところ、少し気になるところがありました。

肩パットがやや強調されすぎている、ボタンがゴールドでややバブル感が感じられボタンも少し浮き気味、余計な背のチェーンがゴールドで付いている、この3点。

今回この3点同時リフォームを自ら行いました中で、ボタンの交換の部分のみにスポットを当てた記事になります。

ボタンを交換するだけで劇的な変化、年代が色濃く出たゴールドボタンよりも普遍的な時代性を感じない同色ボタンの選択

たかがボタンとはいえ、このジャケット、実はボタンが全部で14個も付いているデザイン。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ゴールドのボタンがゴージャスなジャケット:「ESCADAエスカーダ」製。黒白ギンガムチェック、毛/100%。

やや80年代-90年代前半のような感じがしますね。

このままでも、回帰的に着るというのも悪くはないのですが、「流行」というものは「新しい装いを入れ込んだらせん状の繰り返し」がベースにあり、古着も新しいテイストを入れていくことでかっこよくなると思っております。

そこで、このままゴールドボタンのジャケットをそのまま着るのではなく、今あるボタンを外し、ボタンの総入れ替えです。

ボタンは、黒色のプレーンなもの、元のゴールドとは真逆の雰囲気です。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
交換する黒いプレーンなボタン:ツヤがあるタイプの四つ穴。ボタンストックから探しました。

新しくボタンを購入するのではなく、過去に着なくなったコートやジャケットのボタンを外しておいて、何かに後々使えるようにボタンをストックしていたものからの使用です。

14個は相当な数、なかなかこの数はそろわないものなのですが、だからこそ、今までのマメなストックが活きることになりました。

ボタンのストックケースなどを持っていると、使える時がありますのでお勧めしたいです↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ボタンケース:ある程度サイズ別にケースを分けています。

その後、またボタンが増えたら、同じ種類をチャック袋に入れる保管法も後に取り入れるようになりました↓。

収納の仕方:チャック袋のミニを利用します。同じボタンをまとめて使いやすく保管します。
全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
リッパーを使って根本の糸だけを切ってボタンを取り外します。

まずボタンをすべて取り外します。

生地に穴をあけてしまわないように気を付けます。

はさみは、こういうところで使うと刃がだめになった経験から、「リッパー」を使うことをクセにすると良いとお勧めしたいです。

無理矢理引っ張るのではなく、リッパーの刃を滑らせて負担の無い小さな力で取り外すことができます。

そして、今度は14個をすべて新しくボタンを取り付け直します。

前立て部分がベルベット生地に切り替えられている部分で、良いのか悪いのか、まるっとボタンの形アタリが付いていまして、そこへ同じように当てればよかい点が分かりやすかったです(^_^;)。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ボタンを取り付けます。

実はこの14個のボタンは元はすべて同じサイズというデザインではなかったのです。

袖の部分左右合計8個はひと回り小さめでした。

そんなうまい具合に手持ちのボタンが対応しきれず、袖の部分の8個にボタンホールが存在しなかったことで、同じサイズで飾れば問題ないとなり、同じサイズのボタンを1種だけ共通でで対応できたというわけです。

バランスも同じサイズによることで崩れるということも感じませんでした。

ということで、ボタンを交換しただけで劇的に変化したジャケット雰囲気の新しい姿です↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
リフォーム完成。ボタンをすべて付け替え終わりました。

以前よりしっとりと落ち着きました。

ゴールドのボタンの時より、ギンガムチェックの柄がより主役になります。

もう一度並べて比べてみましょう。

左:ボタン交換前 右ボタン交換後。

違いが顕著ですね。1色がなくなってシンプルになったとも言えます。

「粋:いき」という言葉がありますが、「すっきりとした整然さ」ということからは、より右側が「粋になった」と見ることができます。

決して華やであることが粋なのではありません。

誤解を招きやすいのですが、「粋:いき」のテイストはもっと違った意味であり、きちんと整っているようなさっぱりしたイメージを指すのです。

お魚などの活発な「活き」と音が同じなので、意外と勘違いしやすいテイストです。

黒ボタンへ変わったことで実現しやすくなったデニムコーデ

では、このリフォーム後のジャケットでしたかったコーデを実現していきます。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
インディゴブルーデニムパンツとのコーデ。

まず、このような色のデニム。

もともと、このジャケットはタイトスカート付きのセットアップスーツです。

いかにもお出かけ風なジャケットに、デニムでカジュアルなボトムを同時に装うという上下のギャップが面白いのです。

そして、このままデニムパンツの色を変えます↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ブラックデニムパンツとのコーデ。

黒のデニムパンツもすっきりとして良いでしょう。

使われている色がとても絞られていることこそが粋です。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ブルーデニムパンツとのコーデ。

そして、最後はこのブルーデニムパンツ。

この3本のデニムの中では、このブルーが一番カジュアルでくだけていますので、ジャケットとの組み合わせの意外性があります。

この場合、さらに、小物、例えばショルダーバッグをデニムと同じカジュアルな感じのテイストものにするのか、エレガントなハンドバッグにするのかでさらにコーデのテイストがいかようにも分かれていくのです。

あとがき

ボタン交換するだけで随分とお洋服が「自由」を手に入れました。

ゴールドボタンは、今度は交換後の出番の機会を待ちながらストックしておきます。

この度のジャケットには合わせなかったけど、別のアイテムには合わせていくかもしれないからです。

そして、アウターの金ボタンが必要な時の出番を待つのです。

全てのお洋服アイテムに関して、ゴールドボタン=バブリーということではありませんので、ワンピースなどの別アイテムには見合うこともあるのです。

このように「シャッフル」ともいうべきボタンの交換をしていくことで新しくボタンを購入する必要がなくなるのです。

せっかくお得に得た古着ですので、その後のメンテナンスや維持に余計な費用がかからない方が長い目で見たお得感が実現できることになるのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

磁気がカードに影響、デジタル時代にはバッグのマグネットボタンは選ばない勧め【161】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、1990年周辺のデザインであると思われる中古品のバッグを購入後、自分の希望するような使い方をしたくて自主リフォームを致しました。

基本的には、元あるお品をそのまま譲り受けて使っていければ良いのですが、時代の変化とともにそうもいかないことがどうしても起きていきます。

元のデザインは、正面のフックに外れないような頑丈な設置でチェーンが通され、全体で黒とゴールドのコントラストが効いた華やかなナイロンハンドバッグでした。

チェーンも斜めがけではなく、ハンドバッグを肩に引っ掛けるドレスライクな持ち方のいかにも1980-1990年のファッションを彷彿とさせるような長さです。

購入は2015年くらいですが、購入時にすでに思っていたことがあります。

それは重すぎるバランスの悪いチェーンが気になるのです。

ある時代では、チェーンのゴールドの輝きが華やかさとパワーを見せるというような価値があったかと思います。

しかし、現在は見かけよりも持ち心地とか体への負担の無さがより重視されているようであり同感です。

2015年の購入時も、「チェーンは外そう、入れ物として使っていこう」こんな風に思いながらの購入でした。

古い物の割には非常に綺麗で、チェーンのピカピカな様子、内側の新品同様の綺麗さから、ほとんど使用していないお品であることが見て取れました。

そのような綺麗な古物に出会えたことがまずはラッキーだと思いました。

その後、不可能であるチェーンの留め具の部分をペンチなどを使い時間をかけて取り外し、まずはセカンドバッグへ。。

その時にはまだ、マグネットボタンが付いていました。

そして、その後、このセカンドバッグへのリフォーム品の中に大切なカードなどを収納するようになりました。

そこで、気になりだしたことが、マグネットボタンの磁気。

以前にハイブランドバッグの入り口の強力なマグネットボタンの磁気によって(予想です)、銀行の通帳、カードと次々に磁気が壊れて使えなくなる不便な事態を経験。

その時気づいたのです。バッグの入り口のマグネットボタンの磁気に物の出し入れの際に影響していることを。

そして、マグネットボタンをマジックテープに交換したのが、下の写真です。

ある程度ミシンを扱えること、自主交換しやすいバッグのデザインであったことで、上手く行きました。

収納の為のバッグなので、持ち歩きなどの行動があまりありません。
インテリアとしてお部屋の中で収納専用のバッグとしての役目を担ってくれる存在になりました。

今度はトートバッグをそのままトートバッグで今後も使用していくマグネットボタンのリフォーム例

上述のお品は、過去に自主リフォームした記録でした。

今回、もう1点同じ黒のナイロンバッグに気になるマグネットボタンが付いているお品が手持ちの中から見つかりました。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
今回マグネットボタンをマジックテープに交換するバッグ。

1995年くらいに購入のお品です。

過去にマジックテープに付け替えたように全く同じ要領でリフォームしてみようと思いました。

すると、驚く光景を目にすることになりました。

個性的な形のマグネットボタンになっている理由を読み解く

少し脱線です。

マグネットボタンというのは、一般的な形としては、2枚のプレート状の刃を生地に差して反対側に折り込んで留めます。

下の写真では左側のような形です。

ところが、このたびのトートバッグのリフォームでは、マグネットの爪が一般的な左右のみの開閉式ではなく、放射線状のものだったのです。

写真では右側のものが今回のマグネットボタンです。独特ですね。

簡単には外せないようにしてありました。ここに製造メーカー様のデザイン変更への阻止策を見ました。

よくジュエリーのリングにサイズ直しできないようリングのちょうど真ん中位置に刻印が入れてあることに類似しています。

そんなことを考えると、とりあえず、「申し訳ございません<m(__)m>」とまず一言。

ただ、どうしてもリフォームする必要があったのです<m(__)m>。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
左:一般的なマグネットボタンの形(刃が2枚) 右:今回付いていたマグネットボタンの形(刃が放射線状)

左側が一般的なマグネットボタンのイメージと同じ形をしていますが、右が今回のバッグに付いていた形で、初めて見ました。

こちらは、裏面なのですが、表側のパーツと真ん中に本体の布を挟んで完全に一体化している様子でした。

おそらく、ドットボタンのような考え方で、道具で打ち込んで二度と外れなくする作りを独自に考案されたようなのです。

私はこうやりました!マグネットボタンをマジックテープに交換する作業の過程

特にリフォームの技術や長い経験のない私が行ったやり方です。

それほど複雑な形には見えないので結構簡単に作業できると最初は思っていました。

ただ、放射線状の特殊なマグネットボタンは、上述の通り、取り外しができないように固定されている作りなので、やむなく生地を少し破って取り外したことがちょっと気持ち的にあまり良いものではなかったです。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
元のマグネットが付いた状態。

まず、マグネットボタンのすぐ近くの縫い目から、必要な分だけ、ほどいていきました。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
リッパーで1縫い1縫いずつ縫い糸を外します。

入り口が「わ」なので、このファスナーの周りをほどかないとマグネットに到達できないのです。

2cm近く進むと、ほどきやすくなってきます。

その後は、開け過ぎず必要な分だけにとどめます。

めやすは、ファスナーの行きどまりの端っこ位置より1cm以上は手前でないといけません。

後でもう一度閉じる時に、3次元の世界になってしまって、普通のミシンでは行えないからです。

①これぐらい開けてマグネットボタンを取り外します。 
②取り外す時に生地を切ったのでこんな跡です。 
③後で見えなくはなりますが、糸をいろんな方向に走らせて覆い、切り口をカバーしておきます。

たとえ見えなくなってしまう箇所でも、糸で破れたところを修繕しておくのは、気持ち的にとても安らぎます。

その後も永く永く持っていけることにつながる見えない箇所の手間のかけ方の例です。

そして、反対側の相方であるマグネットボタンも取り外します。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
マイナスドライバーで放射線状のプレートすべて起こし面積を狭くします。
周りの布を最低限だけ切って取り外します。

まさかのマイナスドライバーの登場で、プレートを起こし、円の面積を小さくしておいて、リッパーなどで生地をカットして取り抜きます。

これでも生地にキズを付けることが乱暴で心もとないですが、ドットボタン形式に取り付けてあるので、どう引っ張っても取り外せませんでした((+_+))。

仕方がないのです。

そして、マジックテープのオスとメスをそれぞれ、もとのマグネットボタンのあった位置にかぶせるようにして、縫い付けます。

返し縫いをしながら、2.5mmほどのミシン目でまっすぐに、丈夫に縫い付けます。

黒いマジックテープになじむ黒糸はマストです。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
マジックテープのステッチを裏側に貫通させないよう生地1枚分だけに縫い付けます。

そして、同じことを反対側の相方のマジックテープも行います。

マジックテープのオスメスはどちらを前側か後ろ側かなどは、どちらでもいいと判断し、こだわりませんでした。

そして、この後は、一時的に開けていた空き口をふさぐという始末を両側とも行います。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
こちらのポケット側の方の口とじは、ファスナーの箇所と一体化した作りなので、しつけ糸で固定しないと、
変な場所を縫ってしまいますので注意です(一度失敗してやり直しました)。

反対側はこちらとまた、作りが違いますが、閉じる作業を行いました。

左側:しつけ糸をして口を閉じたファスナーが付いた方。 
右側:ファスナーでない作りの方。3次元の作りなので、やむなく2次元的に2枚重ねで閉じました。

左側の写真のファスナーが絡む方も、それほど簡単ではなかったです。

右の方は、そもそも3次元の世界。

今から、同じようにするには、ミシンがバッグの中に入り込まねばできませんので、そんなことは不可能で、やむなくつまんで山を重ねて縫うという方法になりました。

しかし、綺麗に縫えれば、中側であるし、黒いバッグということで、目立つものではありませんので、これは仕方がないことです。

私はミシンでやったのでこうなりますが、手まつりであれば、ある程度3次元の世界観で行えまして、ハギ目の突き出しが無いです。

いかにお直しがしにくいような作りに考えられていることがよく分かりました。

元の構造は、唯一のデザインとしての哲学が入っていることが見て取れました。

よって、なかなか後で手を加えにくくなっているバッグなのです。

見た感じは簡単な作りのように見えますが、実は隠れた内部の構造にものすごい工夫がしてあったという貴重な経験をしました。

では、これで、完成です。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
マジックテープが、両側とも取り付けられました。

この写真でははっきりわかりませんが、実は手前のマジックテープがちょっと斜めにゆがんで付いてしまいました(;'∀')。

このまま今回は仕上げてしまいましたが、ここから得たことは、マジックテープをマチ針1本で留めていましたが、2本ほど使うか、ボンドで縫う場所以外の数か所を貼り付けて、固定してから行うのがまっすぐに出来上がるコツかも。

さらに、縫い付ける時は、一気にぐるり1周して、その後、2度目のステッチに二重にするなどのやり方が良いですね。

私がずれてしまったのは、返し縫いしながら前に進めていったので、これもずれの原因です。

そうして、このように入り口の留め具が変身したわけです↓。

左:リフォーム前の元のマグネットボタン。 右:リフォーム後のマジックテープ。

あとがき

以前に、貴金属のお店で、こういう話を聞きました。「指輪のお直しは、実はできるだけしない方がよい、お直しによって石がぐらつきます」という店員さんの言葉です。

今回、どうしてもお直ししたいので修正しましたが、この時の言葉が思い出されます。

元の形というのが一番望ましく作られているものです。

後から手を加えたりすると、今回のように、生地を切らねばならなかったり、再び閉じた口が、前と同じようにどうしてもできなかったりということが起こってくることがありますね。

最初の形が一番美しいのだということを分かった上でリフォームした方が良いです。

私はそこまでしてもマグネットボタンが気になっていましたので、満足はしています。

でも、注意しなければならないのは、手を加えたことによって、弱いお品になるのはよくないので、広い目で行く先を予想するということもとても大切です。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

あらかじめ「中表」に完成のプレート2枚を「外表」で縫い合わせた分かりやすい構造の薔薇柄のペンケース【11】

アイキャッチ画像11

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

高級なお洋服などは、特に柄をきちんと縦横共合わせて縫製されています。

そういった製作スタイルこそが、贅沢品・高級品の証であったこれまで。

贅沢品は極端な姿ですが、そもそも「裁断」という作業が入る縫製では、どれも材料の生地の多くがもったいない余り方をしている現実があると思うのです。

このたびは、もったいなく余った面積のはぎれの活かし方例としまして、表地も裏地も同じ生地を使用しながらペンケースの製作風景をご紹介したいと思います。

量産品で作られる「中表袋」を作るやり方とは全く違う、板状のパーツの合体の手法が斬新だと感じていただけるのではないかと思います。

はぎれからも立派な小物が製作できる可能性、「中表」のパーツを引き続き「外表」で組み立てるペンケースで証明

このたび利用させていただきました薔薇柄の場合は、ある一定のまとまり(「ピッチ」と呼びます)でひたすら繰り返されています。

「一番大きな薔薇の花が2個隣り合わせの部分」が1枚のはぎれの中で2回登場していますので、まずは半分ずつに分けられると考えました。

ダークなカーキグリーンベースの薔薇柄:縦37cmx横22cm。【10】の投稿のクッションカバー作りの残布。

この柄はお花や葉っぱの向きはあえて方向性が無いようにプリントされていますので、向きは気にしなくて良いということになります。

カットする前の1繋ぎの状態で接着芯を粗裁ちします。
粗裁ちした接着芯の余分をカット、アイロンで貼り、4等分にカット。ものさしを使わず折り線で気軽に続行。
縦37cmx横22cmを4パーツに切り分け。表地2枚と裏地2枚。真ん中2枚が華やかなので表地へ。

さらに、表地の方のパーツ2枚のみにハード薄芯を貼ることにしました↓。

ボンドでハード薄芯を貼り、端から1.5cmに印を付けます。後の反省としては縫い代は1cmで十分であること。

上側の口を開けておいて、コの字型に縫い、アイロンで割って、ひっくり返します。

ファスナーの先端には別布の切れ端(ぼやけた花柄)を見つけ、上下左右を折り込みカバーを縫い付けました。
ファスナーに本体の左右を取り付けていきました。この姿は、正に「外表」の仕立て方です。
「外表」組み立て式の作り方ではファスナーはむき出し。内側にファスナーが丸見えですので綺麗に始末します。

最後に表側から本体2パーツの縁2mm程度をピッタリ縫い合わせまして、2度縫いで強固に仕上げます。

完成したペンケース。<サイズ>縦6cmx横19cmxマチ無し。
お気に入りの「パーカー」社のボールペン。お好みで側面の色が多色展開のすべては黒インクのモデル。
ボールペン4本の他シャープペン4本も投入。合計8本入れることができたのは、マチ無しでもなかなかの容量です。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.03.16からおよそ6年後の2025.01.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

6年前の当時の作りを見て思うことは、まだまだ美しく作る技術が未熟であったと感じます。

すべてが粗野であり、革ひも先が結んだだけの粗さ・二重線の重なりの曖昧さ・重なりのずれ・ファスナーがむき出しにもかかわらず縫い付けが1本のみであるなど、課題の多い出来上がり。

これらは、その後の「外表組み立て式」を作る中で美しく見える工夫をしていく試行錯誤に繋がりました。

それでもそれなりにすっきりと出来上がったことは、こうした作り方も1つのアイデアなのではないかという点です。

その後に製作した様々な作りのペンシルポーチ:一番上から時計回りに「中表袋型」「外表半月型」「外表水平型」。

こうして、その後にも大いに活躍したのが、このたびの作り方と同じ「外表」のスタイルです。

新しい可能性として、一度引用してみてくださいませ、大きいバッグでは、より立体的な「バニティ」や「ボストン」にも挑戦しやすい作り方だと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

黒と濃紺は似て非なる色、古着選びで誤購入しないための洋服の附属品の色への注目【147】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

こんな経験ってないでしょうか。

洋服の黒と濃紺を間違えて買ってしまったなどという経験。

ブルーとか、ネイビーと呼ぶ辺りまでの濃さであれば、紺色も黒ではないと分かりますが、限りなく黒に近いダークな紺色の場合は、一瞬黒と思ってしまう。。なんと人間の視覚というものがたよりない機能であることか。。

濃紺は黒以外のカラーの括りに入るという考え方

これは、私の考え方ではあるのですけど、黒と濃紺というのは、似て非なる色という言葉がぴったりな2色なのではないかと思っています。

黒の鋭さ、強さは、他のどの色にも劣らないとのこと。それが似ているような濃紺でも。

よって、濃紺は黒の代用というわけにもいかないのです。

例えば、黒の柄物が、同じ柄で濃紺色に変わった場合に黒よりやや強さが抜けます。

そういった意味で黒という色は唯一の色です。

ただ、黒に比べて、濃紺のマイルドな感じが程よいコーデを作ってくれることもあるので、濃紺の存在も確かな物なのです。

ということで、黒なのかそれ以外のカラーなのかでくくる場合に、濃紺はそれ以外のカラーの方になるかと。

やはり黒は唯一の色であり特別、最強の色であるとまで言われているようです。

限りなく黒に近い濃紺が黒と間違われたエピソード

この2色を比べてみてください。

私が、Windowsの中のユーザー設定というグラデーションのカラーの中からピックアップさせていただきましたカラーです。

黒と濃紺は似て非なる色、限りなく黒に近い濃紺を黒と間違えないコツ
左:黒 右:限りなく黒に近い濃紺

このように2色並べれば何とか、左が黒で、右が濃紺と分かりますが、もし、右側だけを単独で目にした場合、第一印象は黒だと錯覚してしまいがちです。

実のところ、もともと紺が苦手なので、紺だったら避けるから確かめたくなります。

この難しい色、黒に限りなく近い濃紺にまつわるエピソードがありました。

よくヤフオクやメルカリでビンテージのような30年以上は前だと思われる洋服を探して、購入してはワードローブに加えています。

出品者様が、黒x白の水玉です、と記載していた半袖ジャケットを落札して、届いたところ、なんと、紺色だった事件があったのです。

黒と濃紺は似て非なる色、限りなく黒に近い濃紺を黒と間違えないコツ
水玉のジャケット:限りなく黒に近い濃紺

私としては、黒x白の水玉こそが粋(いき)であると考えて購入しましたので、紺色となると、かなり話が違うわけです。

ただ、こういうビンテージ物は1点物。

同じ物が黒で見つかるなんて、ファンタジーの世界の話です。

よって、これは、着ていくことにしました。

その代わり、黒白水玉という雰囲気に近くなるように、ボタンを黒っぽいものにに替えました。色の変装です(^_^;)。

なぜ、黒として買った水玉ジャケットが紺だと気づいたのか

ところで、なぜ私は限りなく黒に近い濃紺なのに紺であることが分かったのでしょうか。

ここが、今回のポイントの部分になります。

実は、以前にも、ウールのコートで、黒だということで買ったものが、ダークネイビーだった経験がありました。

だから、この水玉ジャケットも黒だと聞いてはいても自分の目で確かめるまでは、紺かもしれないと疑う部分はどこかにあったと思います。

それで、なぜ、どこを見て濃紺だと分かったかなのですが、洋服に付いている附属品の色を数か所において確かめたのです。

①ボタンの色

②裏地の色

③糸の色

などです。

黒と濃紺は似て非なる色、限りなく黒に近い濃紺を黒と間違えないコツ
裏ボタンの色が紺が使ってあれば、生地が紺であると考えてよい。

表のボタンは、黒に取り換えてしまってしまっているので、裏ボタンを見てみます。

そうすると、どうですか、紺ですよね。

洋裁とか縫製というものの昔からのしきたりや常識として通っているのが、メイン生地の色に附属品の色もマッチさせて作り上げるものだということがあります。

だから、私が取り換えたボタンがもともと紺が付いていたとこともそうですし、この裏ボタンも紺を使っていることから生地が紺色であることを導けるわけです。

紺色の生地に、黒のボタンを付けたりすることは、もしかすると、現代や未来には型破りのような形であり得ないことではないです。

しかし、このようなビンテージ物は、型通りのしきたりに従って縫製されていることが多いと思うので、メイン生地の色に合わせた附属品の色を選ぶという型通りの作業がなされているわけです。

ですから、ボタンの色が紺であることが、メイン生地が紺であると確定できる手がかりとなったのでした。

②の裏地の色は、今回の商品は裏地が付いてないので判断できなかったです。

③の糸の色は、なかなか分かりやすく表れていました。

黒と濃紺は似て非なる色、限りなく黒に近い濃紺を黒と間違えないコツ
ロックミシンの糸は密集しているので単独ステッチ部分より色が分かりやすい。

1本線の縫い糸より、ロックミシンの糸がある場合はこちらを見た方が糸が密集していることによって色が明確に出ていますので分かりやすいと思います。

明らかに紺色の糸を使っていることが分かりますものね。

その他、芯地の色が紺色のようですし、生地の裏側が、表側よりも紺色が明るいので、生地の裏側を見てみるなんて手段もあるかもしれません。

黒と濃紺は似て非なる色、限りなく黒に近い濃紺を黒と間違えないコツ
芯地の色が紺色を使っているもよう、そして生地の裏側の色が明るい紺

このように、附属品の色から判断するということがとても確かな色判断の手がかりとなるわけです。

今回たまたま裏地が付いていませんでしたが、裏地が付いていれば、裏地でほぼ確定して良いと思います。

それぐらい、裏地は表生地の色に沿ってチョイスされるものです。

ということで、この水玉ジャケットは限りなく黒に近い濃紺x白の水玉だったのでした。

言葉のご説明を頼りにしてしまうだけの判断が招いたことだとも言えます。

黒と濃紺は似て非なる色、限りなく黒に近い濃紺を黒と間違えないコツ
水玉のジャケット:限りなく黒に近い濃紺

YOUTUBE動画もございますので、よろしければ、是非(^-^)。

あとがき

今回は、濃紺と黒の見分け方および間違えないコツだったのですが、特にリサイクル品や古着でこういう場面に遭遇することが多いと思います。

情報がどうしても少ない古着を手にしたときに、一度今回の記事やYOUTUBE動画のようなことを思い出してみてくださいね。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク


木製の良質なスツールの座面の保護と座り心地の追求、薔薇柄低反発クッション製作と経年のウレタン替え【10】

アイキャッチ画像10

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

天井の高い賃貸のお部屋、慎重158.5cmにとっては届かない部分が多々ありました。

この天井の高さこそが住み心地の良さでもあったわけですが、例えばクローゼットの上の広い棚などの出し入れには、椅子が必要でした↓。

2015年頃購入のスツール:座面が木製、脚が金属です。しっかりした作りであり、記憶では¥6,400程の価格。

このたびは、ここに低反発クッションカバーを製作した2019年、そしてその5年後の姿も含む現実的な様子を含めて低反発クッションの有限性もお伝えできればと思います。

当ブログ記事は、最初の2019.03.15からおよそ5年半後の2025.01.10にブログ記事の「手直し」の順番で当記事を綴り直しています。

2025年現在もこの椅子は継続使用中なのですが、低反発クッションはもう新調しております。

ウレタンが経年でペタンこになり、元の厚みに戻らないところまで行き着いてしまいました。

後に貼りますYouTube動画は当時の2019.03.15のままですので、動画は最初に製作した2019年のままであることをどうぞご了承いただければと思います<m(__)m>。

低反発クッションのウレタン2枚重ねで四角で製作、椅子カバーもインテリアの一部なのだと教えてくれた薔薇柄

生地に選びましたのが、中間くらいの厚みの「ツイル」という丈夫な織り方の生地です。

ダークなカーキグリーン地に、バラの花がぎっしりとつまった好みのクラシックな薔薇柄は、このたぐいの柄一辺倒で集めたインテリアによく馴染みました↓。

使用生地:生地名不明、綿/100%、原産国不明。縦37cmx横92cm、カーキグリーンベース。美しい柄です。

この生地を存分に使用し、クッションカバーと固定用共布ひもを4本を製作。

中に入れ込む低反発クッション用のウレタンシート、40cmx40cm。これを半分にカットし二枚重ねで投入。
このウレタンの厚みは2cm、座面は縦22cmx横31cm、2枚重ねて厚みが4cmのクッションになる見込み。

できるだけ簡単に製作したく、型紙などの作成は無し。

①生地を真っ二つにカット:出来上がりの縦22cmX32cmに対して、縦横それぞれ+15cmずつのゆとり。

余計な材料は徹底的に省くこの度のケース、ファスナーは使いません。

最終的には縫い閉じて仕上げてしまいます。

よって、最後に空き口を縫う時にミシン目が4cmの厚みに引っ張られて、物理的に落ちてしまわぬよう、結構なゆとりが必要なのです。

②生地を中表に、返し口の1辺以外の3辺を、端より3cmで縫い合わせステッチ。
③この直後、3cmある縫い代を1cmくらいずつラッピングを兼ねた三つ折りステッチ。
空き口の1辺を残し、3辺の縫い代始末と縫いとじ完了。
④三つ折りを3方とも行ったら、ひっくり返して、1か所だけ残ったてっぺんぐるり1週を三つ折りステッチ。

ここですべての縫い代が隠されましたが、まだ返し口は開いたままです。

⑤ウレタンを2枚重ねて、カバーの中に入口をきちんと合わせてミシンで縫い閉じます。

この時が、ウレタンの厚みで、縫いにくいので、最初の15cmのゆとりが効力を発揮していました。

⑥余った生地で幅8cmのリボンテープを裁断、観音開き折理をしてステッチ後十文字の位置4箇所に縫い付け。

以上で完成です。

完成:リボンテープの長さは、左右は55cm、上下は45cmと椅子の座り面の差10cmを付けました。
横から見た様子:出来上がり2cm幅の共布ひもが立派です。

さて、ここまでが、2019年当時の完成の状態でしたが、その後の様子はここから↓。

【1379】という番号の投稿で製作過程の詳細を綴らせていただいたのですが、2023年に四角い座面を楕円形に仕立て直しをしたのです↓。

全解体後楕円型に仕立て直した2023.12.31の投稿は【1379】にてご覧いただけます。型紙から作りました。

その後、楕円の座面で完成した後は使用頻度が高まりまして、こんな風になっている現在↓。

見事なぺたんこぶりです。ウレタン2cmx2枚の合計4cmであっても、5年後にはここまでぺたんこに。。

最終的には、別のクッションを新調し、上に載せる使い方をしています2025年現在↓。

2025年現在:このジャガードのカバー製作は【628】の記事で投稿。5cmのウレタンを2枚重ねの10cmの厚み。

これでも座ると沈みますので、最初から10cmくらいで作ると良いのかもしれません。

あとがき

さて、グリーンの薔薇の物語はまだまだ続きがあるのです。

是非【1428】という記事で、その行く末をご覧になって下さいませ(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク