1点物バッグ製作者の生きがい、表地と裏地のまたとないコーデをじっくりと創造する時間を惜しみなく過ごすこと【33】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

生地を選び生地の表地と裏地の組み合わせを考える時間、ハンドメイドバッグ製作者にとって至福の時です。

バッグが完成する前の、柄が広々と配された美しさを100%で感じ取れる段階なのです。

この生地のままの美しさをいかにして完成品(バッグ)に継承できるのかということを意識するようになりました。

良き完成品にならなかった場合は、最初の段階の素敵さを仇にしてしまったと思うことがあります。

このたびは、現時点での製作予定の生地を複数ご紹介しながら、グループに分類して、より生地の性質や存在を大きく見てみる回としたいと思います。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.11からおよそ5年半後の2025.02.02にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

ここに登場のすべての生地は、その後の製作でバッグに作られていきました。

多くが失敗を伴った未熟な期間だと今思えばそう振り返ることができますが、どれも2019年でしか出会えなかった貴重な生地、ほとんどが2025年では見つけることができません。

では、ピクチャレスクの視点で分類をしながらご紹介してまいりたいと思います。

すべての生地に、細かな混率や原産国の情報がありますので、そういった点にもご注目いただければと思います。

たとえ無地でも織柄やミックスカラーを選択、「ジャガード」「マルチカラー」がキーワードのハンドメイドバッグ生地集め

ヨーロッパ製のジャガード生地6点:ジャガードにも様々な種類があり、それぞれの立体感の表現があります。

左上から時計回りに詳細を記載します↓。

インテリアジャカード(うろこ柄)、綿/100%、トルコ製

②ジャガード(暖色系大花柄)、綿/55%、ナイロン/45%、イタリア製。

③ジャガード(黒xゴールド薔薇柄)、ビスコース/70%、ポリエステル/30%、イタリア製

④風通ジャガード(グリーン系ボタニカル柄)、ポリエステル/75%、絹/22%、ナイロン/11%(全体で100にならないため、生地屋様の記載間違いだと思われます)、イタリア製。

⑤ジャガード(シルバーグレーxピンク丸花柄)、ポリエステル/100%、イタリア製

インテリアジャカード(原色系花柄)、綿/100%。スペイン製

日本製のプリント花柄生地6点:曖昧な色こそ「手間」が入っていて高級で優れた生地だと見ることができます。

①ちりめんジャガード(グレーxエンジxモカ花柄)、ポリエステル/100%、日本製。

②つむぎシルクプリント(黒地xブルーグレー小花柄)、絹/100%、日本製。

③エスパンディーニットプリント(白地赤小花柄)、ポリエステル/100%、日本製。

④スエードプリント(濃ピンクx黄緑薔薇柄)、ポリエステル/100%、日本製。

⑤サッカープリント(黒地xセピア薔薇柄)、綿/100%、日本製。

⑥paper printed(ライトグリーン地xマルチフラワー柄)、ポリエステル/100%、日本製。

ネイティブ柄の生地2点:抽象的な模様がかえって落ち着いた感じに映ります。幾何柄のような柄も含みます。

左から順です。

①ジャガード(インディゴ)、綿/100%、日本製。

②バティック(ピンクxグリーンx黒マルチカラー)、綿/100%、タイ製。

柄の外枠が必ずゴールドの線で囲われたこの作りは、「バティック:ろうけつ染め」の特徴です。

ボタニカルテイストの草木柄生地x2点:フローラルとは違ったかっこよさがあり、お花よりもクセが無いのでは。

左から順に行きます。

①インテリアジャガード:フィーユ(カーキグリーン)、ポリエステル/100%、日本製。

②ジャガードプリント(カーキグリーンxオレンジ)、ポリエステル/100%、日本製

無地ライク生地x5点:無地と謳われながらも織柄が出ていたりミックス感がある糸のカラーの織り交ぜが美しい。

左上から時計回りにまいります↓。

①フクレジャガード(黒)、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製。

②塩縮プリント(黒)、綿/100%、日本製。

③パイルニット(カーキグリーン系ミックス)、綿/100%、日本製。

④合繊無地(キャメルベージュ)、ポリエステル/100%、日本製。

⑤クリスティーヌ(ゴールド)、ポリエステル/60%、メタル/40%、日本製。

裏地に色違いで何度も使わせていただいた万能生地:ジャガード(まだら柄)、ポリエステル/100%、日本製。

あとがき

生地の状態の時にも画像や動画でできるだけユーザー様にもお伝えするようにはしていますが、生地の状態をじかに味わうことはバッグの製作者しかできないこと。

十分に眺めイメージしながら楽しませていただく部分は作り手としては必要な時間であり、バッグを作る者にとって大切なことです。

そうして、味わわせていただいた良き心地と引き換えに、良質で素敵なバッグを全力で製作していくのでございます(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

<糸の色選び>1点物を丁寧に仕立て上げる製作スタイル、すべてのカラーをカバーする糸コレクション【32】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグが出来上がるために必ず必要なのは、生地と縫い糸。

この2種のみでも成り立つバッグ製作ですが、強度を高め機能を高めるためには「副資材」が複数に渡るのが自然です。

ミシン糸は、毎回使用させていただくメインの「副資材」、常に重視しています。

ハンドメイドバッグ道を歩み始めた2007年当初は50-60番でしたが、2018年で30番に徹底しました。

主にスパン糸とテトロン糸に分かれますが、個人的好みはテトロン糸。

とはいえ、生地との相性もありますので、両方を持ち合わせるというスタイルです。

バッグ用の30番糸カラーを豊富に持ち備えていたおかげで分かる、糸の濃淡やトーン別の映り方の違い

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.03からおよそ5年半後の2025.02.01にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

2018年では全50コーン程であった数が2025年現在では136コーンに増加。

マルチカラー生地や複雑な織り糸が絡むジャガードの利用が多く、すべてのカラーに対応できるようにとあらかじめミシン糸を大箱いっぱいにストック↓。

2019年当時の糸ストック(すべて30番):ざっと50コーン程度。この時はまだ大箱+αで何とか収納できました。

その後は製作の広がりとともに糸の量も増え、専用チェストに収納することに↓。

2025年現在の糸ストック(すべて30番):136コーンに増えました。購入時にセットで多色を一度に仕入れます。

確かにまだ未使用のカラーもあるのですが、よく使用する色は複数仕入、1コーンあれば十分なレアカラーは1コーンずつ仲間のレアカラーと一緒にお得に仕入、という集め方でここに至ります。

出来るだけ類似の色同士を近くに配置することがポイント、1コーンずつチャック袋(サイズは17cmx12cmの縦長サイズ)に収納。

ある一部のメーカー様のコーンが少しはみ出しますが、9割がた覆うのでむき出しよりも断然効果的。

新規購入の包装袋があればそれでOK。むき出しでは糸同士が擦れ、特にテトロンはぐちゃぐちゃに。。

ここからは類似のカラーの糸を濃淡やトーン違いで複数持つメリットを証明していきます↓。

ベージュカラーの生地に合う糸探し:こうした多色が混合の生地が美しいのでよく取り入れているのです。
候補2色:グレーベージュとキャメルベージュです。離れて見ているとキャメルベージュが合いそうですが。。
上はグレーベージュ糸でステッチした糸目の色、下はキャメルベージュでステッチした糸目の色です。

こうしてじっくりと生地に近づけて比べてみると、本当の相性が見えてくることがあります。

私の選択は、上のグレーベージュです。

わずかながらキャメルベージュは違和感がありました。

しかし、どちらか片方しか持ち合わせていなかったなら何も考えることもなくそれが一番合うのだと思い込んでいたかもしれないのです。

イメージのみでは到底解決できないことを可能にしてくれるのも、比べる対象があるからであり、これこそが多色を持ち備えるメリット。

糸選び失敗例:固定観念で紺ベースだから濃紺を選択のミス。ステッチが汚く、ブルーグレーなど中間色を推奨。

花柄は、ほぼマルチカラーのようなもの。

糸のカラーの選択が難しいのですが、肝心の美しい綺麗な色のお花柄を地の濃紺で合わせた糸がつぶしてしまうのでこんな風にまともに選ぶべきではありません。

後日のブログで、タイトルの頭に<糸の色選び>シリーズとしていくつか例をご紹介してまいります。

あとがき

「在庫は最低限に。。」などというフレーズは表面的、こだわる部分には在庫を持ってでも良き結果になるためのスタイルを選択するのです。

本当のゴールは、素敵なバッグを作ることにあります。

確かに製作は計画的に行うものですが、縫い糸をその都度調達していてはかえって時間とコストのロス。

思い切ったこうしたストック方法は作業がスムーズ、他の事に悩みを集中した方が良いのです。

同じように、接着芯なども考えておりまして1反丸ごと購入というのも悪くありません。

「無駄」と「必要」の判断は表面的な一時的な費用のみならず、長い目で見た効果を見通すと良いと思います。

在庫を持たずして、商品など出来上がらないということ、たとえ外注加工であっても必ずどこかの役割分担を担う者が在庫を抱えているはずです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ジャガード柄のクシュクシュ感と巾着バッグの開閉フォルムがリンク、外部から拝受した素材と仕立てとの交わり【31】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前にも巾着バッグは別の素材で2度【15】【20】の投稿で製作致しました。

このたびは、【15】【20】から本体の縦の長さを5cmアップ、入り口付近の安全性の追求で考案の「マジックテープルーフ」をもっとシンプルなデザインへ改良しました。

縦の長さ5cmアップの理由は、巾着ひもが通る「片面ハトメ/アイレットカン」の存在により容量が不足することのカバーです。

非常に素敵な生地、その表地に合わせた裏地やパーツなどの附属品にもご注目いただければと思います。

ゴージャスなジャガード花柄生地の利用、巾着バッグがエレガントな方向へ向かうための附属品の選択の大切さ

巾着ショルダーバッグ:<サイズ>縦28cmx横30cmxマチ7cm。マチは2倍に増幅の必要があると思います。

表生地はイタリアらしさ満載の華やかな花柄ジャガード、裏地はミラーレースカーテン地を利用させていただきました。

ともに花柄ジャガード同士、あえて柄同士を近づけた理由は、お花の形が互いにマッチする感動を製作の中に「気持ち」として入れ込みたかったからです。

表地(ブロンズ):ジャカード、ポリエステル/49%、綿/34%、ナイロン/17%、イタリア製。

フクレのうねりが非常に美しく花柄が立体的に浮かび上がっています。

このうねりとバッグ自体のフォルムの「巾着型」の相性も感じた次第です。

裏地(ベージュ):ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。
ここでしか見られない場面のポケットの裏側の構造:「裏側」という言葉が奥深く、コトの裏側でもあるのです。
パーツカラーはゴールド:生地に合わせてゴールドかシルバーかを選んでいます。右下は打ち込み工具類。
マジックテール―フの改良:シングルタイプでマジックテープをくっつけることで屋根になるのです。

開けっ放しで持ち歩くシーンが多い街中の風景をイメージした対策です。

安心してオープンのまま持ち歩く心理の根底には、ショルダーであり目線の範囲内であることが一番にあるかと。

更に考えたのがこの「マジックテープルーフ」という機能です。

セキュリティー性の強いファスナーポケット:後に開け閉めのストレスから廃止にしたのですが、確かに安全。

左上は、マジックテープルーフを使っていない時の状態、使用を義務付けるものではなく「自由」も考慮。

それでも、ファスナーポケットで安心感が残るのです。

すずらんループエンド:「アイリス」社様のお品物、金銀のみ。これまで見た希少なすずらん型の中では一番。

「アイリス」社製のシェイプされた美しいラインは非常にエレガント、てっぺんの穴が他製品よりも大きいので多くのひもに対して対応してくれるのです。

「大は小を兼ねる」のです。

その他の角度から:上から時計回りに、後ろ面(ファスナーポケット付き)、底面、サイド面。
持ったイメージ:お洋服との相性が悪くごめんなさい<m(__)m>。随分ゆったりとした容量になったと思います。
お洋服とのコーデ:いかに自らの趣味から選んだ生地なのだと恐縮します。柄同士ですが合わせてしまえます。

あとがき

イタリア生地のジャガード、大変素晴らしいのですが、もうこれ以上美しくは作れないという極限まで素敵さを高めらなかったことが残念です。

マチも不足していますし、美しい柄が存分に広がっていないような感じです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.03からおよそ5年半後の2025.01.31にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

この5年半後に思うこととしては、この柄の選択は非常に突拍子もないチャレンジであったということ。

それぞれのユーザー様の趣味があるのに、製造者のみの趣味ですのでよほど共感していただき同じこの柄を気に入ってくれた方でなければヒットしないのです。

とはいえ、色違いのこの生地の製作者様のお写真を拝見したこともあり、まずは製作者自らがこの美しい生地に感動して選択していることも事実なのでしょう。

その後、こんな風に穴を開けてホールを作ること自体に「乱暴さ」を感じるようになり、このデザインを廃止。

表地とは別の生地を使用して巾着ホールタブを製作するタイプへ変更したのです↓。

巾着ホールタブ:左上は8個、右下は10個。感触としては、断然10個が良いと感じています。

この写真は比較的カジュアルな素材を使ったものですが、何らゴージャスな生地にも引用してしまえます。

かえってそこが面白いと思うのです。

このたびの素材は、どうもマダムのイメージ、あえてサブバッグ的存在の「ナップサック型」に製作するというスタイルが2025年現在の考え方です(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

布製ハンドメイドバッグ製作に相応しい芯地の定番はミニマム2種、ニット接着芯とハード薄芯がすべてをカバー【30】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

早速ながら、冒頭からお伝えしたいことがございます。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.01からおよそ5年半後の2025.01.30にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

後で貼りますYouTubeは当時のままであり、3選で定番としてご紹介しています。

実は、その中の「ソフト厚芯」という芯地は近年レア素材となってしまい、2025年現在では調達することができません。

よって、現在は「接着芯」「ハード薄芯」の2種のみでミニマムに続行していますので、年月を経る中で変遷があったのでした。

ただ、2024年に使い切りによる終了をもって廃止の「ソフト厚芯」は、大変融通のある優れた素材でした。

ということで、2025年現在の新しい解釈も交えながら、当時の2019年での利用を3種、「接着芯」「ハード薄芯」「ソフト厚芯」で綴らせていただきたいと思います。

定番2種で十分、「ニット接着芯」は布帛・ニット両方に対応、「ハード薄芯」はキルトシートや重ねて当て芯になる

ハンドメイドバッグ用の芯地:上から斜め右下へ、「ハード薄芯」「接着芯」「ソフト厚芯」です。

真ん中の「接着芯」から順番にご紹介していきます。

ニット接着芯:上の画像やYouTubeでは「織芯」の方だった当時。ニットや弾力性あるナイロンにはニット芯必須。

確かに織芯タイプの良さもあるのですが、ニット接着芯の方を1反持っておけば、どの素材にも関係なく対応できます。

織芯を使っていた時代は、織芯に加えニット芯も別で持っている必要がありました。

織芯は、ハリコシが素晴らしく出る場合もあるというメリットもありますが、やはり条件付きの使用となってしまいます。

ニットや横に伸びるタイプの弾力性を持った織物であるナイロン/100%生地には織芯は不向き、風合いの失敗の原因です。

気泡ができ皺が寄ってしっかりと重ならないという苦い失敗の経験済みなのです。

接着芯使用:生地パーツすべてに全面に貼っています。部分的に貼ることはバッグには効果は無しと判断。
ハード薄芯:一時期「ハード厚芯」の方も使いましたが1mm近くの厚みで重さがありバッグが野暮ったいです。

確かに当て芯の部分で強度を高めたい場合には「ハード厚芯」の方が1枚で役立つのですが、「ハード薄芯」を二重や三重に重ねて対応できますので、わざわざ必要ないという結論です。

ハード薄芯使用:しっかりとさせたい蓋や取っ手の付け根タブに利用。キルトシートにはキルト芯として対応。
ソフト厚芯:これが入手できなくなってしまったウールライクな芯地。バッグの取っ手や支柱に入れてきました。

キルトも、最初はこの「ソフト厚芯」を使っていました。

キルトをかけるとしっかりするのでラインにハリコシが出るのですが、この芯地では自然に映るというメリットがありました。

ソフト厚芯使用:右上の3コマの写真はリュックのショルダーを作る際にまさにこの芯地を内蔵している場面。

ボンドなど必要なくアイロンで折って内蔵しやすいのが、この「ソフト厚芯」の優れた性質だとも言えました。

ただ、もう入手ができない素材、類似品としては、「エンボス加工の不織布」というラッピングの素材。

しかし、そういうことならハード薄芯で良いというところに結果行き着くのです。

現在は、ピクチャレスクは、ソフト厚芯を使わなくても出来上がるデザインだけになっていますので、問題の無い方向に対応していったという経緯があります。

あとがき

一度、通常の生地をキルト芯のように裏面に当ててダイヤキルトシートを製作したことがあります。

出来上がりは、ハリコシがなくふにゃんとしてしまいまして、貼ったというような感覚が無いほどの効果の無さでした。

そうした試みもしたことで、こうした不織布芯の良いところを改めて発見することになりました。

かつての取っ手の持ち心地がステッチと相まってぷっくりと気持ちが良いという感触が味わえるバッグは難しいということに。。

残念ではあるのですが、材料のおかげでバッグ1つが出来上がるという有難味をこのミニマムな現在の体勢で感じています。

ただ、不思議なもので芯地を2種のみに絞らざるを得なかったタイミングで、デザインが絞られ、1種に対して技術も高まっていったのも事実。

本来、材料のみに依存するのも良くないのであり、その後の製作の存続はバッグの製造者が生み出す付加価値が大きく占めていないと難しいのだと考えます。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

派手と地味は本来対等の立ち位置にあるのでは。。どんな服の着方にも必ず宿る着る者の「考え方」にこそ注目したい【227】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

人間である以上、必ず伴うもとのとして「服を着る」という行動があります。

ファッションに興味がある・興味がない関係無く、誰もがお洋服を纏うのです。

この万人共通の行為は、その一人一人の「スタイル」が現れるもの。

「スタイル」というのは、体型のイメージをまず思い浮かべるかもしれませんが、体型も含むもっと一人の人間の生き方までにも及ぶ存在感すべてを表すと思っております。

そんなことから、「人となり」「人生」を表す程、「衣」が大切であるとこれまでもお伝えしてきたのです。

このことを受け止め、本当の自分らしさを意識せざるを得ない、お洋服をもっと重んじるべきなのではないかということをお伝えできればと思います。

更に、着る側のみならずその表現を拝見する側にも注目、着ている本人以外の目線や見方も同じ上述のようなベースで見てあげるべきだということを同時にお伝えしたいと思います。

「ファッションに興味が無い」という逃避が効かない、「興味が無い」という考え方すら服装が「スタイル」として映し出す

これはあくまでも個人的な印象ですが、「ファッションに興味が無い」という方は、こんなイメージの服装をされていることが多くないでしょうか↓。

無彩色な服:興味が無い人はカラー配分などを考えることさえしない、この姿こそそんな考え方を映し出します。

一方で、ファッション好きでもあえてこの無彩色コーデを好む人もいます(私もそうです)。

無彩色という共通なカラーは、様々な考え方の人達が共有していることになります。

カラフルな服:この派手さを表面的に捉えずに、考え方やスタイルを見る側も理解することが大切だと考えます。

「服には無頓着、何でもいいのだ」という考え方の人がこのように装っても、本当はそれほどお洋服の着こなしは得意ではないということがかえって他人の目に映るかもしれません。

見る側の自分以外の視点こそ、自分という人間の理解であり大切なのではないかと。

服は本来は「機能」中心で生まれたものだと思います。

長い歴史の中で「自由」を市民が得たことで、一律な制服から脱却し個人の表現がしやすくなっていったかと。

そうすると、なお「見る側」の見方も今後大切であり、まるで舞台の演者と観客の関係のようなものです。

「いやいや、舞台になんぞ立ちたくないよ」とひっそりと目立たない服を着ている人も、毎日を過ごし行動し街を歩くわけで、それも立派に舞台に立っていると言えます。

究極こんな表現をしてみました↓。

「人間である以上、舞台に立たざるを得ない」、お洋服はそんな大切な存在、決して軽んじるべきではないのではないかと。

軽んじた分、その装いにそうした考え方も反映され、見る側がそれを感じ取るということになります。

あとがき

以上のことから、人間が一人一人個性的であることにイコールでお洋服が自由なものであるべきということも言えませんかね。

そういった点で、お洋服は自分らしい表現ができるツールなのだという前向きな考え方を持つと良いと思うのです。

ただ「ファッション」では「流行」が起こることで本来の良き千差万別の中に一定の傾向ができてしまう、これがより「思いのままに着る」ということを困難にしているのではないかと考えます。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

広くゆったりと見渡せるA4横型の良さ、素敵な柄も同時にゆったりと眺めてもらえるボックス型のサブバッグ【29】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

サブバッグはあくまでもカテゴリーの分類としてそう呼んでいます。

しかし、実際の使用はもしかしてメインバッグで使われることもあるのかもしれません。

その辺りはユーザー様に委ねる部分でございますが、製造者本人がサブバッグのようなシンプルな形状こそメインバッグに使いたい実状を感じているのです。

いつの時代も流行を気にせずに自然なスタイルで使えること。

ただのシンプルな入れ物のような様相が、かえって使いやすいのです。

トート型の自由で開放的な作りは、セキュリティー性には欠ける部分もあります。

しかし、完璧なバッグというものはどこまでも未解決なものであり、どこに一番重きを置くかという点を先に重視していくことの大切さを考えております。

そのような価値観も組み込みながら、せっかくの広い面積に美しくお花が咲く風景のように映るフローラルな素材をめいっぱい活かしたサブバッグをお作りしたいと思いました。

もとは服地のワンピース用と想像するような生地であり、バッグに仕立てること自体がレアケースとなります。

装飾を入れず面積を広くとった定番デザイン、広々とした画面に花柄が生き生きと躍動するA4横マチ付きバッグ

このたびは、表地も裏地も同じ花柄の生地で作り上げました。

裁断風景:全手のパーツに接着芯を貼り、更に本体にはハード薄芯を内蔵、底板も「ベルポーレン」を内蔵。
<表地/裏地共通:サーモンピンク花柄>:PAPER PRINTEDという名前の生地、ポリエステル/100%、日本製。

日本製なのですが、英語で加工名が記載してあるようです、捺染の事なのか転写プリントのことなのか。。

なぜ、表地も裏地も同じ生地を使用したのかの理由に、裏地にどんなカラーを持ってこれば良いかが全く思い浮かばなかったからです。

そこで、思い切って1種の素材のみと決断したのですが、内部が違った方が深みはあると思うのです。

もしジャガードの場合でこのように困った時には、裏面を使い反転の出方をあえてユーザー様にお知らせすることを兼ねた1種のみの生地の使い方も解決策の1つではないかと。

ハード薄芯の内蔵:こんな場面は出来上がったら見ることはできません、白い部分が不織布のハードな芯地です。
ポケット:これ以降、両玉縁風から型玉縁風へ完全シフト。セキュリティー性があるのは屋根のような片玉の方。
ポケットが設置された内部。奥にポケットが見えます。
完成:<サイズ>:縦27cmx横34cmxマチ14cm。
つの角度から:左上から右下へ、入り口オープン、底面、サイド面。すっきりとしたスタイリッシュなバッグです。

製作した感想は、確かにアイロンで折り曲げにくいとろみ生地の分野です。

もともとバッグになど考えられもしない生地をあえてバッグで試したことは、後のハンドメイドキルト加工のアイデアに役立ちました。

もっと強度や長持ちを高める価値アップには、柄を壊さない馴染む糸でキルトをかけて固定すれば、とろみ生地であろうが関係なくしっかりと仕上がるのです。

持ったイメージ:左が正面、右が斜め45度くらい。サイズ感はグッドです。マチは15cm程度は使いやすいです。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.07.25からおよそ5年半後の2025.01.29にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

あまりにも出回り過ぎているデザインですので、その後は廃止。

別の縦長のB4サイズ程度のものに代わりました。

ただ、新型は一重仕立てでポケットも無いので、この時の「裏地も付いてポケットも付いたデザイン」というのはこの時ならではの価値を持っていたと思います。

2019年では、同じ仲間の素材違いで複数製作しました↓。

同じデザインで同じ物が1つとしてない1点ずつの製作。2019年に主にこのデザインを利用していました。

その後、生地を丈夫なものに限定し、取っ手を長い支柱として底面に頑丈に縫い付け、底ベルトパーツも追加する形の一重仕立てへと変更していきました。

重い荷物には、2019年当時の取っ手の付け方では生地を部分的に傷めてしまうのです。

その後だんだんと製作に深みを増していったのですが、それでもこの時の過程は必要だったと思うのです。

ここを通らなかったら、何が必要で何が削ぎ落した方がよいのかなどの判断さえはっきりしない現在のままだったと振り返ります。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

年代物の「化学材料」の落とし穴、ユニフォーム素材のつやのあるメッシュTシャツのプリントの剥がれは30年後に「洗濯」で起きた【406】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ15年間、古着の洋服しか購入しなくなりました。

店舗で実際に手に取って購入することはほぼ「ゼロ」。

2010年代における「ファストファッション」の大盛況の中で、その流れに乗れず全く反対のお洋服を見つけることに価値を見出し、より一層古着への愛着が深まりました。

そんな中で、1980年代辺りの品数が少ない年代物に素敵なマルチカラーが見つかったことがありました。

現在でも世界的に多くの人が日常着として来ている「アディダス」製です。

現在では随分世界的な「ファスト」的な製造形態が確立されているという印象ですが、1980年代の品物は良質だったと感じており、ジャージなども現在とはかけ離れた厚手の良質さがあったのです。

このたびは、素敵なマルチカラーの部屋着として考えていた「アディダス」製ビッグTシャツがお洗濯後ロゴが全部はがれてしまった事件から古着Tシャツの選択の仕方の極意のようなものを考えたいと思います。

事件は洗濯後に起こった!この事件から導く2つの大切な事、①古着業者の責任感②消費者の品物の性質を見極める目

ある時期に、素敵なマルチカラーの古着Tシャツをネットの古着屋様で見つけます。

ボトムに黒を合わせたいので、黒を含むマルチカラーを探していました。

そんな時に素敵なこちらを発見↓。

洗濯前の状態:何も問題が無いように見えます。ボーダーは生地の切り替え、胸と背のプリントは塗装タイプ。

なぜこちらを選んだかの理由は、丈が70cm以上あったからです。

ボトムにはレギンスのようなフィットしたパンツを用意しており、それも同じ「アディダス」でした。

ヒップがすっぽりと覆われるようなロング丈をしぼって探すと、ほとんど無いことに気づきました。

Tシャツは、メンズであっても65cm辺りの着丈が平均であり、70cm以上ものロング丈はなかなか見つからなかったのです。

そうした時にこちらはサイズがメンズのL以上のもので、丈も75cmくらいあったのでした。

古着購入の到着後必ずやることがあります。

それは「洗濯」。時にはクリーニングも。。

そうして、新たなスタートを切る節目としています。

古着は洗濯がされていないものもありますし、洗濯の仕方1つにもその仕上がりの香りが思う香りと違ったります。

「柔軟剤」が広がったような香りは違和感を感じます、無臭が一番だと思っております。

そして、洗濯をした後、事件は起こりました↓。

洗濯後の状態:わずかにロゴの塗装が前側も背中側も残っていますが、ほぼ全滅です。しかもベタベタします。

これでは、古びた感じの印象にもなってしまいますので、着用する気持ちにはどうしてもなりません。

まず、この原因を考えてみます。

おそらく「PVC」のような劣化する印刷塗料が、長年の時を経て劣化したのだと思います。

おそらく、30年前の1980年代後半あたりのお品だということです。

30年ともなれば劣化する部分は劣化してくるということなのです。

30年も前のTシャツというアイテムが残っていることがせっかく素敵なことなのに、こんな状態では、がっかりです。

販売業者様へは苦情を申し出まして(直電)、「無責任さ」を追求しました。

刺繍のロゴの場合は、素材が糸なので永久的ですので劣化の心配はないです。

また、アップリケも布であれば永久的です。

アップリケが合皮の場合は将来劣化が予想されます。

今回の科学的な塗料も詳しい素材までは分からないですが、おそらく、空気にふれた瞬間から劣化が始まるPVC、合皮などと同じ性質を持っているのだと思います。

ここで勘違いしてはならないのは、大切に引き出しにしまっておけばよいではないかというと、保管の引き出しの中で空気に触れているので、同じことが起こります。

ということで、古物で気を付けたいことは、「塗装」タイプのプリントの劣化です。

決して「塗装」タイプを選ばないというのが正解だと。

同じ「ロゴ」なら、刺繍や布製のアップリケに注目していくことがお勧めとなります。

この「塗装」と「プリント」の違いを次の類似のメッシュ素材のTシャツでお話致します↓。

質の良い、マルチカラーのメッシュTシャツは永久的な作り

「カステルバジャック」のキャラクターメッシュTシャツ、ポリエステル/100%:イタリア製。

このたび塗装部分が劣化したTシャツと似たメッシュ素材です。

おそらく、ゴルフなどのスポーツシーンに向けられたTシャツかと。

マルチカラーが楽しく、当ブランド様らしい遊び心があります。

明らかにこちらの方が、何も問題なく今後も安心してそのままの状態で着用して行けるのです。

幅広い視点は大切で、「このブランドで」と決め過ぎて、間違った選び方をしてしまった購入者にも責任はあるのです。

ただ、こうした将来の状態を想定した気配りは、「古着屋」様がやるべきことだと思います。

「商品を仕入れ、横に流すだけが仕事なのですか」という追求に対して、古着屋様は「今後気を付けていく」とのことでした。

あとがき

いくつかの購入の失敗をしながら、その学びを新しい知識として他の人に伝えていく役割は実際に購入してこうした事件が起こった自分にあると思っています。

実は、1つその後のアイデアが生まれています。

「リメイク」に当たると思いますので、その後の「転売」は一切不可になる行為ですが、自分使いだけなら正当な処置となります。

それは、更にお洗濯でブラシなどを使ってロゴを完全に消滅させてしまうのです。

そして、ロゴが付いていた正面だけに左胸かVネックの先端の下あたりに、「アディダス」の別のどうしようもない捨てるような古着の「ワッペン」を移植するのです。

移植方法は、ボンドで軽く貼って、ミシンで色がなじむ糸でステッチで固定するというやり方です。

これなら、がっかりした後の立ち上がりとして、せっかく金銭をはたいて購入した古着が活きるのではないでしょうか。

1つの箇所がだめになったとしても、別の切り口で活かす方法はないかと考える「アイデアの考案」もこうして起こってしまったどうしようもない事件の対処方法としてあるのではないでしょうか。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

フクレジャガードはニットよりも伸びる、ファスナー設置後の波打ち・うねり解消の伸び止めテープ3重の成果【28】

アイキャッチ画像28

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグのファスナーは、玄関のようなもの、整ってスッキリしている状態であるべきです。

このたびは、フクレ加工という横に伸びる織物の生地を使用したバッグのファスナー周りに注目。

ものすごく波打って出来上がってしまったファスナー部分について、お直しをし、その波打ちを解消して一定の成果を得た記録です。

ニットだけではない、織物でも横に伸びる生地には起こるファスナー周りの波打ち・うねりを伸び止めテープ三重で解消

どんな場合でも大きく波打つというわけではなく、このたび使用させていただいたフクレジャガード生地の性質に原因が大きくありました。

主に、「生地の方が伸びている」ということが原因、ファスナーの布の部分に重なるこのたびの生地がぴったり馴染まないという見方です。

ファスナーの布の部分は金具のおかげで固定されていますので、大きくはそれほど伸び縮みするものでは本来ないと思います。

ニットやこのたびの横に融通性がたっぷりのフクレ加工の生地の方が伸びている動きにファスナー側がついてゆけず、うねって「合ってないよ」と表現してくれているのです。

ニットだから伸び、織物はそれほど伸びないというのが一般的な考え方ではありますが、フクレ加工であれば織物であっても起こるということなのです。

波打ち・うねりが顕著のバッグ:ファスナー周辺がものすごい波打ちです。ちなみにポリエステル/100%。
一部解体:まずは、完成品を遡ってファスナーの縫い付けの段階までリッパーでほどいていきます。
伸び止めテープ(平)9mm幅:はみ出して見えないように9mmを半分にカットした細幅でトライ。
ファスナーの口布に一重で効果が出ると思っていたのですが、甘かったようです。
伸び止めテープ一重貼りの結果:わずかにうねりが控え目になったような感じですが、まだまだ未解消だと判断。
伸び止めテープ三重貼りの結果:かなり解消されまして、目に見えて効果を感じることに。ここまでが限界です。
これ以上重ねて貼ることは無意味。別の支障が出ると思います。フクレ生地とファスナーは相性が無いのです。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.07.18からおよそ5年半後の2025.01.28にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

確かに三重で一定の効果が出た記録は残りましたが、もっとバッグ製作を俯瞰して見てみますと、「そもそもフクレジャガード生地にファスナーを使うデザインを引用するべきではない」とまとめました。

解消し切れないという結果が、このお直しを兼ねた実験で証明されていたのです。

2019年というのは、技術もおぼつかないこともさることながら、考え方も狭く根本的にこれを製作するのかどうかさえ表面的な判断だったと振り返ることができます。

もともと、大変美しいフクレジャガード生地、ファスナーを使うのではなく、そのふっくらとした丸みを活かした巾着型などではこうした問題さえ起こらないのです。

製作者としての心得としては、そもそもその素敵な生地が最大限に活かされるバッグなのかどうかという見方を作る前の「企画」の時点で判断するべきなのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ニット生地でも角張ったフォルムは可能、青い海の波のような幾何学マルチカラーが美しい四角バッグ【27】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ニット素材でバッグを作ることに挑戦、素敵な生地を探す範囲を広めた結果見つかった生地があります。

ニットであっても得に何も変わらず進行、いつもの布帛(織物)と同じように糸もいつものテトロンやスパンで製作していきました。

このたびは、ニット生地でバッグが製作可能であることで、今後の素材の選択のポテンシャルの高まりを感じていただければと、実体験を綴ってまいりたいと思います。

美しいマルチ変形ボーダー柄のニットでピンタック入りバッグを製作、寸法を狂わせないハード薄芯の効果

イメージとは裏腹に、ニットであっても案外作りやすいのがこの度の生地。

織物だけに留まらないことで、また1つ製作品の材料の可能性が広がります。

表地(ブルー系マルチカラー):ニットジャガード、ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。

裏地も同じようなテイストを保ったニット生地を選びました↓。

裏地(薄グレー):スポーツメッシュ、ナイロン/96%、ポリウレタン/4%、日本製。
四つ角のピンタックの入れ方:サイドの柄を重ねる→マチ幅に忠実にアイロン→折り線から2mm程度をステッチ。

表地の方は、表へ「凸」が出るよう表からピンタックを作ります。

内部をしっかり写しておらず申し訳ないのですが、表地にはハード薄芯を内蔵しています。

このおかげで、ニットがどこまでも伸びでしまわず、基準の正しい寸法の型紙のような存在になってくれています。

ピンタックがハリコシ良く出ているのもハード薄芯のおかげが大きいです。

裏地の方は、その表地のへこみに上手く裏地の凸部分が入る構造になるように、裏地は中表の状態でピンタックを作るのです↓。

裏地のピンタック作り:見えている方が内部で、内部に向かって突き出すイメージです。
四角バッグ完成:<本体>:縦19cmx横30cmxマチ6cm。<ショルダー>:幅1.2cmx長さ63/123cm。
ファスナーとポケット:左上から反時計回りに、ファスナーを閉める→ファスナーを開ける→内部のポケット。
複数の角度:上から時計回りに、後ろ面(ファスナーポケット付き)、底面、サイド面。
サイズ感のイメージ:コンパクトなバッグにしてはゆったりとした容量。横向き長方形は特にそう感じるのです。
正面:ニットの優しい感じを受けます。幾何柄はクセがあるようで意外と感じが良いという見方をしました。
コーデ例:アウターはおおまかなボーダー柄、バッグにそれとなくリンク。カジュアルテイストに合わせた例。

その他、バッグの中のマルチカラーの中のわずかな「ライトグレー」の部分に着目し、こうした色のお洋服とも相性が良いと見ています。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.07.18からおよそ5年半後の2025.01.27にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

この2019年の製作は大きく見ると、生地頼みの製作の一連だったと思うのです。

技術が未熟なので無理もないのですが、課題の多い完成が相次ぎました。

内容は、入り口のファスナー周辺の隙間のセキュリティーの甘さ・取っ手のカジュアルな縫い付け方・貼り付けポケットのラインの歪みなどです。

その後どんどん改良していきまして、思い切って「廃止」という選択もしました。

唯一この製作の「ピンタック」は2025年においても別のデザインで活用していますので、この道のりは決して無駄ではない必要なルートだったかと。

この美しいマルチ変形ボーダー柄はもう二度と出会うことはありませんでした。

よって、なおのことこの時の生地との出会いはまたとない機会だったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ジャガード生地特有の表裏両面使いで注意したいこと、厚みを抑えたい裏地には調整できないバランス【26】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで個人的な好みでは、薔薇柄一辺倒でした。

2019年で複数の高級生地で美しいフクレジャガードなどをバッグ製作に使わせていただく中で、デイジーの花柄にたくさん出会い、その可愛らしさを知ることに。。

このたびは、デイジー柄がかわいい赤味ベースのジャガード生地でバニティーバッグを製作。

ジャガードの特徴としては、裏面の反転の出方も美しければこちらも使えること。

1種のみの生地で表地と裏地の配分を、表面使いと裏面使いという分け方で製作したのがこのたびです。

同じ生地を表地にも裏地にも使ったその製作の注意点を、その出来上がりの「感触」と共にお伝えしたいと思います。

バニティの二重ポケットの「アタリ」がくれた1つの答え、違った顔を持つジャガードの表面と裏面の同時使いは不可

ジャガードと呼ばれる生地は、基本表面と裏面が同じ柄となります。

面白いのが、全くの反転でもないこと、もう少し糸の折り込み具合が複雑なようなのです。

じっくり見ても不思議なもので、「表側の色のそのままの反対側が本当にこの色?」という意外性があります。

<表地/裏地共通>:ジャガード、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、イタリア製。

ぎっしりと咲き誇ったデイジーの花。

表面の赤xブロンズx薄グレーが本来の表面、下のサーモンピンク中心にモカなどの色が混じった色の方が本来の裏面になります。

裏面は何となくセピア色の風景と言った感じ。

極端な話、どちらが表として使っても様(さま)になるというのがジャガードのメリットです。

生地の厚みは中肉で柔らかめですが、表地と裏地の厚みに差が無かったことで起こった致命的な問題がありました↓。

裏地にも同じ厚みの生地を使用したことで二重ポケットの生地の重なりによる「アタリ」が表の正面に出ました。

こうして作ってみて初めて、この生地の本当の性質に気付きます。

このことは、今後の裏面の選択への貴重な失敗であり、同じ製作に両面を同時に使うのは避けた方が良いとも言える例でした。

何のために裏地を別生地で選ぶのかの1つの答えをいただいたのだと思います。

<本体のサイズ>:縦17cmx横27cmxマチ12cm。<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ67/120cm。
後ろ面:ネックパーツ(正方形)の位置が悪いです。重なりの真ん中よりも右に寄っています。難関の場所です。
ファスナーの色が思うように選べませんでした。長さも選べず真ん中で2本がぶつかり止まるという構造。
ネックパーツの縫い付け場面:この場所は後にたくさんの練習と研究を重ねていくことになりました。
複数の角度から:左上から時計回りに、「てっぺん」「内部の二重ポケット」「側面」「底面」。
使用イメージ:てっぺんが膨らんでしまっている課題は後に中に「ハード厚芯」を入れることで解決。
お洋服とのコーデ:わずかに表れるモカ茶に注目してみました。茶色コーデに新たなオレンジ系が加わる効果。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.07.17からおよそ5年半後の2025.01.26にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしてまいりました。

このモデルは、カーブが半径2.5cmの円の一部を利用というスクエアライクであることで縫いにくさを伴っていました。

その後、半径7.5cmの円の一部を利用したデザインへ大きくシフト。

縫いやすい型紙へのチェンジも良質なバッグを作るにあたり非常に大切なことなのです。

そして、正方形のネックパーツの正位置の徹底と縫い付けステッチの内部での完全カバー(覆い隠してしまう)ことを研究していきました。

最終的には、歪みがどうしても解消できない二次元ミシンでの製作の限界を感じ、このデザインを終わらせたのでした。

とはいえ、非常に貴重な体験ですし、なんやかんや20点以上はこのモデルを製作したのでした。

もし、2025年現在にこの形を作るとしたら、縦に長いリュックに引用できないかを考えると思います。

しかし、歪みの問題はどうしても付いてくると思いますので、成功率の低いデザインだという情報はしっかりと持っておきます。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク