見よ、これが日本製のフクレジャガードだ!、柄を引き立てるハンドメイドバッグデザインとは【14】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は新型の角々しいボックス型ショルダーが完成しました。

ボックス型は特に凝ったデザインではありませんが、その角をピンタックでつまみ、シャープな雰囲気を出したデザインです。

なぜ、このような凝っているわけではないデザインを採用したのか、このデザイン考案の意味をお伝えできればと思います。

ミニボックス型ショルダーバッグのイメージ

2019年から、新しい形の素材チョイスと共に、デザインも新しく考案しています。

布製なので、材料である生地というのは無限と言っても大げさではないくらいの豊富さです。よって、その分テイストは絞り込むのがよかろうとある特化した生地の種類の分野に絞っています。

それが、「フクレジャガード」生地です。

フクレジャガードの中で更に素敵な素材をチョイスできるといったことでより渾身の生地選定ができるということになります。

今回は、こんな感じの幾何柄をチョイスしました。

この幾何柄は、ピンタックとかボックス型との相性が良いかなと。

幾何柄のフクレジャガードの裁断場面:黒xピンクのツートンカラー

フクレジャガードの生地を中心に集めている中では、圧倒的に花柄系が多いのですが、たまにはこんな遊び心ある幾何柄も美しいと。

綺麗な上にかっこよさも感じました。

出来上がり風景

まず、写真10枚をご覧くださいませ。

表地/裏地共通:フクレジャカード、ポリエステル100%。日本製。・・・日本製のフクレジャガードはこういった控え目なふくらみのタイプが多いです。それも日本製らしさのかな。ダイナミックなのだけど、やや織りが粗いと感じるイタリア製生地のフクレジャガードに対して、日本製は控え目な柄だけれどきめ細やかな構造であると感じます。
<サイズ>縦18cmx横30cmxマチ6cm

それほど大きサイズではありませんので、長財布や携帯電話などの必須アイテムがとりあえずゆったりと入るようなサイズ感です。

四角いイメージからメンズライクな雰囲気も感じられます。

上述の「特に凝ったデザインではありません」ということを今一度振り返ります。

よくあるような平凡なデザインなのです。

この柄が生き生きするには、面を平たくとり、柄が引き立つような引き立て役的な役割をするデザインが良いだろうということです。

クシュクシュとたくさんのタックが寄って柄が隠れてしまうよりも、全面に柄を出すという方の見え方を選択したわけです。

あとがき

親しみやすい形ですね。

長財布がすっぽりと余裕で入れられ、ポケットにはスマホがゆとりを確保して入れられるところが意識した点の1つ。

YOUTUBE動画内では、最後の方で洋服コーデもしています(^-^)。

picturesque

せっかくの美しいエキゾチックなレアな花柄生地を素敵に活かせなかったバニティバッグの問題点を「タラレバ」でとことん綴りました【377】

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2018年にメンズライクな製作で開始し、2019年ではバッグの素材をエレガントな花柄中心に変えています。

多くの方に人気のコットンのプリント物ではなく、お洋服に使われるような花柄ということろが自身なりの多少の差別化です。

美しく、エレガントな柄や素材を厳選しての新たな再スタートを切っています。

このたびは、生地自体は縫いにくいものでもなかったのですが、非常に出来の悪い結果に感じたバニティバッグを失敗作とは言えあえてご紹介致します。

悪い例になるわけですが、失敗後の行く末を課題を持って前に進むための重要な姿としては記録に残そうと思ったからです。

なぜ失敗なのかということを「タラレバ」ではありますがとことん振り返りながら、今後に活かしてまいります。

失敗作だと思うことの1つに生地があまりにも美しかったということが大きな理由として挙げられます。

素敵な生地をそれに見合うように美しく作れなかったこの悔しく苦い体験を時間をかけながら巻き返していきたいと誓った貴重な失敗作だったのでした。

こんなに美しい生地なのになぜこのように出来上がってしまったのか

こちらが出来上がったバニティバッグです。

実は、失敗と言ってもどこかミスをしたわけではないのです。

それなのに信じられないほどの悪い出来上がりだということに自身が驚いてしまいました。

そもそもこんな茶色いファスナーの選択は間違っていました。もっと俯瞰して全体を見る目を持たねばと。
ブランドネームも、後に友人(アパレル関係)からの指摘で、内側にひっそりと縫い付けるべきだとのこと。
マチがやや浅いです。10cm強くらいがこの写真ですが、15cmくらいの方がボリュームが良いです。
角が四角いフォルムだったのが共通にしているデザインですが、もっと楕円に丸い方がエレガントかな。
ショルダータブのバランスがごついです。もっとスタイリッシュに細いショルダーに変更した方が良さそう。
裏地にもこの生地を使いましたが、別生地の方が変化があり立体感が出ると思われます。
内側にも小さなポケットがあります。これも表地と同じでファスナーの色をライトに変えて馴染ませたいところ。
ネックパーツが左に歪んでいます。真ん中に取り付けるよう徹底、そしてパーツが長くて野暮ったいです。
遠目で見るとパープルがかっています。バッグの横幅の寸法のバランスがやや悪く狭くした方が良いです。

次に、使用生地についてご紹介したいと思います。

この美しい生地のぼやけた世界観は、「転写プリント」というここ最近の技術であり、ぼんやりとした雰囲気が特徴です。

<表地>:トリアセ転写プリント、トリアセテート/67%、ポリエステル/33%。日本製。

<サイズ>本体は、縦18cmx横26cmxマチ12cm。

取っ手は幅2.5cmx長さ26cm、高さ7cm。

ショルダーは、幅2.5cmx長さ80cm/150cmの調節可能。

外前ポケットは、縦11cmx21cmの隠しポケットでファスナーはチョコ茶色のYKK社製。

入口開閉は同じくチョコ茶色のYKK社製のファスナー2個で、真ん中で固定両開き。

中側前には、ポケットがあり、縦8cmx横13cm。

底の部分に「ベルポーレン」という割れない丈夫なプラスチック2mm厚の底板が入れ込んであります。

あとがき

いろいろ「タラレバ」を綴りました。

根本的なことを1つ挙げますと、そもそもこの生地をバニティデザインにしたのがどうだったのか。。ということ。

むしろ巾着袋の方が合うと思いました。

後に、巾着袋を作っていまして、ここでお写真だけご紹介致します↓。

同じ生地で製作の巾着バッグ:おそらくこちらの方が柄が壮大に広がって生地の美しさがうまく活かされました。

巾着のデザインの方が良さそうですね。

生地のデザインへの向き不向きもあるのだと思いますが、とにかく茶色いファスナーが柄の美しさを遮っていました。

この教訓からバニティバッグの正面にはファスナーは付けない仕様に徹底したということがあります。

失敗しなければわからないことがほとんどで、このことも今思えば必要な出来事だったのかもしれません。

picturesque

薔薇xレオパードコンビがイタリア製らしい、無彩色なフクレジャガードが美しい蓋付きショルダーバッグ【13】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

前回の【12】の記事に引き続き、ぷっくりと膨らんだ素敵な生地を利用させていただいたハンドメイドバッグの製作になります。

2019年より新しい分野の「高級フクレジャガード」に注目しての生地集めと並行しながらバッグ製作をしています。

この新しい分野の生地のテイストは、私自身の好みもあり、生地選びの時点で、自身が心が躍るような感動を覚えたものを選定しております。

去年の2018年だと、かっこいいようなメンズライクなテイストの素材でした。

メンズライクも非常に難しい点があり、それは、写真の映りの悪さです。

いかに世の中の写真がカラフルな写真映えするものであふれているかを考えると、メンズライクは撮影がとても困難です。

メンズライクの生地に比べて、的をとことん絞ったフクレジャガード生地はそれほど多くは見つかりません。

日本製とイタリア製ではイタリア製の方が見つけやすく、その多くが、「風通加工」というタイプの膨らみ方です。日本製はたまにぽつんと見つかる程度で、あまり膨らみがダイナミックでなく、織柄のじゃガードの方が主流みたい。

生地織の製造業者様の数の豊富さとかそういった事情も日本とイタリアで違いがあるのかもしれません。

とにかく数は少ないこのレア生地と言えますフクレジャガードが私は大好きで、その美しさに思わずうっとりとしてしまいます。

洋服では、アルマーニ様がこのフクレ素材を多く取り入れたアイテムが多いです。

私がアルマーニの古着が好きな理由にこの素材の拘りが1つ挙げられます。

アルマーニ様もイタリア製ですね。

今度はフラップ型のデザインで製作

ものすごくぷっくりと膨らんだ立体感のある素材です。

【12】の時のデザインとまた違ったタイプになります。

本体は、縦15cmx横30cmxマチ7cmです。

薔薇とレオパードがコンビになっているところが何ともイタリア製らしさがあります。

表地:フクレジャカード、ポリエステル/87%、ナイロン/13%。イタリア製。

グレーの濃淡と黒の無彩色カラーでとてもシックです。この柄は、プリント加工ではありません。立体的にぷっくりふくらませたフクレ加工です。よって、より柄が立体的に浮かび上がって美しいのです。

裏地:アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。

アムンゼンというぶつぶつとした凹凸感のある柄の入った織り方の無地の生地です。

入り口フラップがあることが、結構親しみやすいデザインだと思います。

フラップのみのセキュリティーの危うさを、第2の入り口のファスナーの口布でフォローしています。

旅行で、ゴロゴロと重い荷物を引きながら、このショルダーを肩から掛けるイメージで、できるだけ手がふさがらないようにと想像しながらお作りしました。

あとがき

今回の薔薇柄は、無彩色で、色が最小限にしぼられています。

それでも、素材の立体感とか、柄で十分に無彩色でも美しい表現ができるものなのですね。

更に私が、製作の技術をもっと上げて、素材頼みにならない、独自の特徴もちゃんと価値の大部分を占めることができるように邁進したいものです(^-^)。

picturesque

そのぷっくり膨らんだ凹凸感の美しさが多くの人々を魅了する、デイジー柄のフクレジャガード生地で作ったショルダーバッグ【12】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年より、ハンドメイドバッグのテイストをがらりと変えました。

2018年の1年間はメンズライクな柄や、黒やグレー色の生地を中心に製作してまいりましたが、2019年から大幅にテイストをチェンジ、華やかな凹凸感ある柄に挑んでいきます。

以前からとてもあこがれていた、凹凸感あるフクレ生地です。

フクレはぷっくりと立体構造で、平面な生地を素敵にしてくれます。

フクレ加工の生地は全体的に高級品が多いです。

高級品なのでもっと先に。。と思っていたのですが、考えを改めました。

「思いついたなら、今すぐやれ!」こんな声を聞いたのです。

そして、あこがれのフクレジャガード生地での製作を決意。

うっとりするほど美しい素材に技術がなかなか追いつかない悔しさが残る製作だった

まずは、10枚の写真を見ていただきましょう。

サイズ:縦23cmx横26cmxマチ無し。

こんな感じのミニのバッグです。

ミニの割にはそこそこスペースが確保され、ポケットの大きさが十分なゆとりがある、ゆったりとしたサイズ感のもの。

表地:フクレジャカード、ビスコース/60%、ポリエステル30%、綿/10%、イタリア製。

ビスコースとは、レーヨンの仲間です。

ベースがチャコールグレー色で、シック。そこへ、ピンクの濃淡のデイジーの花がぎっしりと埋め尽くされています。

この柄は、プリント加工ではありません。フクレ加工と呼ばれる生地を立体的にぷっくりふくらませた加工です。よって柄が生き生きとして美しいのです。

裏地:アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。

アムンゼンというぶつぶつとした凹凸感のある柄の入った織り方の無地の生地です。

色はチャコールグレーで、表地のベースの色とマッチ。

あとがき

この生地は、この時の一瞬だけで、後はもうその姿を見ることはありませんでした。

生地の入手可能期間はとても短いです。

出会った時のインスピレーションでゲットしておくのも重要です。

この先も、しばらくフクレジャガード素材を中心に、バッグを複数製作していきたいと思います。

どこにでもあるわけではない、あまり見かけないような素材を選定していきますので、まずは、生地のチョイスによる1点物志向が実現できそう(^-^)。

今は、フクレジャカードに対してとてもワクワクしています。

バッグにした時の美しさが広がる様子が楽しみです。

ここからまだまだ美しいフクレジャガード素材が登場していくと思います。

多くがイタリア製です。日本製でぷっくりとここまで膨らんだ生地はあまり見かけません。

イタリアならではの良さだと言えます。

フクレジャガード♪、その魅力は飽きることがありません。レア生地だとは思いますが、今後めいっぱいご紹介していきたいと思います。

そして、その美しさに見合う、美しい仕立ての技術を自身が高めるということも同時に行っていきたいと思っています(^-^)。

picturesque

おそらく一生使っていくであろう存在感がある素敵な小物、1990年代後半に流行の「PRADA」キーホルダーの健在具合【249】

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「一世を風靡した〇〇」というブランド小物がかつての1990年代にはたくさんありました。

ある物や芸術などが広く大衆(マス)に受け入れられたものの1つ。

この記事を書いている昨今ですが、ある1つのものが一世を風靡する事態というのは、かなりの大事件であるぐらい、現在ではなかなかあり得ないことになのですね。

各々の個性が認められ、趣味嗜好が多種多様化している、そんな中で、同じ共通の品物を多くの人が買ったり受け入れたりということが稀であるのです。

今回は、そんな現在から、遡ること20年程前に一世を風靡したとはとても言いすぎな「プチ流行」があったと見るブランドキーホルダーの話題です。

もう1990年代でさえもここへ来て30年来のヴィンテージ物になっているのです。

時の経過を感じます(^_^;)。

1990年代後半のブランドキーホルダーの魅力

1990年代後半は、この記事を書いています現在と比べると、円高傾向が顕著であったため、ブランドショップがたくさんあり、「並行輸入」の商業形態により、世界の有名ブランドの小物類がとてもお買い得に買える時代でした。

その頃に、今までは全く興味がなかったブランド品に目覚め、インターネットをする人の割合がまだ少なかった1990年代後半の頃ブランドショップに出向き、店舗でブランド小物をいろいろ購入して楽しんだものです。

そのような時に購入したキーホルダーが大変良いデザインと作りで、30年以上経過の今でもずっと持ち続けていることにここ最近の整理整頓で改めて気づきました。

1990年代後半の「プラダ」のプレートキーホルダー。

「PRADA」キーホルダーをここまで持ち続けてきた理由を考えてみた

オーソドックスといいますか、色を1色のみに抑え、バッグやポケットに入れやすいよう、2次元的なぺたんこの形をしています。

それでいて、重みもそこそこあるので落としても気づきやすいし、存在感はキープされています。

デザインと機能のバランスがしっかりとれていて、申し分のないお品だったから何も不満が無かったと言えます。

そして「キーホルダー」というアイテム自体に流行など無いこともあるかもしれません。

確かに、「ブランドプレートをキーホルダーにする」という製造側のハイブランド様の企画こそがもしかして、当時の小さな流行であったかもしれないです。

あまりにも「一世を風靡し過ぎた」品物であると少し古臭さが気になり今は持ちたくない気持ちになっていたかもしれないです。

そうは思わないこのアイテム、「程好いプチ流行」だったからこそなのかもしれません。

ブランドロゴそのままに従来のキーホルダーの機能を付けているシンプルな作りなので「普遍的」である点も「美しさ」なのだと言えます。

あとがき

身近にある自然に長年持っているものを一度改めて見てみると面白いものです。

途中で他のデザインとか新調をする必要が無かった「理由」を考えてみると、そこになにか重要なことが発見できるかもしれません。

1つ私がこの度発見したことは、「PRADA」キーホルダーには、「ミニマムなデザインと良質さ」があったことです。

長年持つという自然な事実が品物の良さを正直に物語るのではないでしょうか。

長く年月が経過しないと分からないことも「深み」ですね。

picturesque

ジュエリーマニアはこうこだわる、その時だけの買取による現金化よりも他のジュエリーとの組み合わせで見つける新しい装いの価値【305】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年の地金価格は相も変わらず高騰したままのようです。

20年前くらいにとてもお得に購入した18金のネックレスなどは、この記事を書いている現在では、簡単には手の届かない高級品に変わってしまいました。

そこで、ややブームとなったのが、古き昔の昭和の時代の18金製のネックレスやブレスやリングなどを地金として質屋さんで現金化するという行動です。

ずっと使わない古いネックレスなど18金製やプラチナなどの価値ある物を眠らせておくだけなら、現金に交換し結構な金額のお小遣いにしようということで、喜んで質屋さんに駆け込むわけです。

今回は、そのように買取に手放してしまう貴金属に対して真逆ともいえる考え方、地金の価値だけでなく、商品そのものの価値でもって、今後もジュエリーの姿で持ち続けていくことの素晴らしさというものがあるということを書きたいと思います。

価値=お金ではデザインや意味が失われる残念さ

自身も過去に、ネックレスのチェーンが細すぎて絡まることにうんざりし、換金するために質屋さんへ持っていったところ、予想外の値段がついたことに大変驚き短時間で現金が得られるすばらしさを実感しました。

何か高額な物やコトの目的が現れ、その資金作りとして、使わない眠っていた地金を現金化することは使い方によっては、大変上手く納得できるものではあります。

ただ、真珠が付いていたりとか、綺麗なマルチカラーの天然石の価値は買取にはほとんど重視されないとのことなのです。

たとえ、どんなゴージャスなお花の形が天然石で素敵に形づくられたモチーフであっても計算は、台の金属の部分だけとなります。

質屋様によっては、「デザイン性の価値」を盛り込まれる会社様も一定数ありますが、ほとんどが地金の部分だけに換金の価値を充当。

このことは、一見お金をもらえたようで、同時に、実は美しさとか素敵さなどの価値を自分が捨てたということになってしまうのです。

その点が非常に残念なことと思えてなりません。

写真のようななこんな感じのリングなどがこのケースにぴったりだと思います↓。

貴金属の岐路、質屋さんで現金か1点物のビンテージか
左:地金がK18WGの天然石マルチカラーフラワーダブルリング/右:地金がK18YGのあこや真珠ブーケリング。

これらは、華やかな様相をしていますが、これを地金のみの計算で価値を評価されてしまうことになります。

一方、地金のみでできているリングはどうなのかということです↓。

左:ツタの葉の透かし彫りが美しいK18YGリング/右:「グッチ」ブランドのK18YGロゴチェーンリング

ALL地金でできている形のリングでもこれらのデザイン性が、かなり商品の付加価値を上げていると思われるのです。

地金の考え方で行くと、こちらの地金だけのリングの方が持つ価値があることになってしまいます。

それはそれは味気ないジュエリーコレクションではないかと。。

こうした比較から、本当に価値あるジュエリーとは何なのかをじっくり考えたいものです。

あとがき

貴金属というのは、洋服や、靴やバッグと少し違い、消耗品というほどの劣化が無いです。

むしろ永久的であり、どんなに古いものでも、そのリアルタイムな地金の価値に相当するのです。

そういった貴金属の特性は素晴らしく、そうであるならば、良い物を購入することをお勧めしますし、昭和時代のヴィンテージ物は地金もたくさん使ってあり厚みがあるところが魅力です。

ただ、古いものだと明らかに分かってしまう「デザインのクセ」などがそのままの利用を躊躇させてしまいます。

そういったケースに関しては特に自身が得意とするところです。

まずは、数ある中から良い意味でクセの無いデザイン選びすぐるというところも重要です。

そして、できるだけそのままの姿で装いによって新しい価値が生まれるような工夫をご提案して行ければと思っております。

それは、「本物志向のレンタルジュエリー」という事業を通して今後もやっていきたい追究です(^-^)。

picturesque

ヴィンテージジャケットを素敵に着崩したい♪、裏地に覆われた肩パットの取り外しリフォーム、綺麗な口の閉じ方【144】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1990年代初頭の古着のジャケット。

その頃はちょうどバブルの頃に当たります。

肩パットが入ったエレガントさが多くのジャケットのポイントになっていたことは周知の記憶です。

もう現在2019年からはバブル時代のお洋服も30年前くらいにあたり、いよいよヴィンテージと呼ぶにふさわしい領域になってきました。

バブル時代のお洋服の現在の注目は大きく2手に分かれると私は見ています。

1つのグループは、かつての自身の10-20代をなつかしく振り返ることができるという人達。

もう1つのグループは、バブル時代の親の子供達であったり1990年代後半に生まれた人達。

この人達はこういったシルエットが新鮮に映ります。

ここ最近にはなかった新しいお洋服の発見になるようです。

そんな人の層が集まって1980年代後半-1990年代前半のヴィンテージ服に注目が集まっていると考えます。

楽しいですね♪。

春先のピンク色のジャケットを崩して着てみたい願望の実現にむけてのリフォーム、肩パット取り外し

まさに、1990年代前半のお品であろうというショート丈のジャケットを発見。

デッドストックのような者だと思います。

非常に綺麗で一度も来ていないようなお品でした。ヤフオクで見つけたお品です。

おそらくセットアップ出会ったかと思われますが、このトップスだけを私らしく着ていきたいと思いました。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
ショートジャケット(ピンク):クレージュ。
混率:毛/65%、レーヨン/18%、ナイロン16%、絹/1%、日本製。

優しい春色ですが、毛の割合が高く、暖かいことは、まだ寒さも残る、春になりかけた3月や4月にぴったりだと思いました。

このたびこのジャケットを崩して着たくて肩パットを取り外すという単純なアイデアのリフォームをするわけです。

しかし、お洋服コーデにおいて、肩パットを邪魔もののようにだけ考えるのは少し違います。

このバブル時代の象徴とも言えるジャケットの肩パットは「鎧:よろい」とも言える「戦闘服」であるからです。

よく働き、よく遊びたくさんのお金が流れた時代。。

そんな活発な時代、アグレッシブなスタイルの象徴なのです。

そう考えるとこの肩パットが付いたジャケットそのものがその時代を表す鏡のようで、社会を象徴するような優れたお品だと考えることができます。

肩パット取り外しリフォーム過程

きちんとしたジャケットですので、当然裏地が付いています。

少し邪道気味ながら、これも古着の良い所。

分かりやすい方法で行っていきます。

まずは、ジャケットを裏返しにして、肩パットの付いている肩の部分の裏地の縫い線がTの字になっているカーブの方のハギ線を見つけます。

そして、中心周辺から縫い糸をほどいていきます。 

ほどく道具はリッパー。小ばさみはハサミを傷めますので、リッパーの方が向いています。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
Tの字の縫い線のカーブを描いた方をリッパーで必要な分だけほどきます。

このほどくとき、最初の1目が少々難しいです。

コツは、横に広げて、縫い目を出して、1目だけ糸のみをリッパーでぐりぐりっと切ります。裏地は繊細なので優しく扱っていただきます。

そうすると、そのあとは、スルスルっと糸がほつれていき、やりやすくなります。

ある程度まで開けると、肩パットが見えてくるので、そうしたら、ほどくのをやめ、裏地を引っ張らないようにできるだけ、中身を縮めて、開け口から引っ張り出します。

肩パットの取り付け位置が見やすいように、一時的ではありますが、袖も少し出す感じになりますね。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
開け口から袖ごとやさしく引っ張り出し、肩パットを本体からリッパーで外します。

そして、肩パットがミシンで緩やかに取り付けてあるので、リッパーで本体から外します。

そうすると、すっぽりこのように外れました。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
肩パットが完全に本体から外れました。

この後は、開けた口を閉じて終了となります。

この口の閉じ方は、私が最近勉強しました方法で、ハシゴとじとかコの字とじと呼ばれている方法です。

敷居が高そうで難しそうだったのですが、実際、YOUTUBEでアップしている人の動画を見させていただきその後自身のリフォームにも取り入れさせていただきました。

結果は、とても有効な良い方法だと思いうに至ります。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
コの字まつり/ハシゴまつりで口を閉じます。

ちょっとこの写真だけでは、わかりにくいですね。後で貼り付けます私がお作りしたYOUTUBE動画の7:00(7分ちょうどあたり)から数分がちょうどこのコの字まつりをしている部分となります。

要するに、表に縫い目が出ないような結果になるわけですが、そのために、糸を真横に飛び出して、そのあと反対側に渡り、そこでも真横へ針を刺して進んでいくという方法です。

この真横へ進むというところが、意外というか、は?って思う部分かもしれませんね。

そうして、最後は、玉留めを内側の位置にしたら、その玉留めの同じ位置に針を刺して、先へ進む場所から針を出して、引っ張ると、縫い目が中にひょっこりと隠れ、玉留めも一緒に隠れるということになり、仕上がりが綺麗です。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
完成。

私が不慣れで、元の位置から少しずれましたが、とても始末がすっきりしていると思いませんか。

これを見て感動してしまいました。

肩パットは、カーブを描いているので多少難易度があるのかもしれませんが、水平だともっとやりやすいかもしれませんね。

しかし、明らかに綺麗なまつり方法だと思います。

ちなみに、私がこのやり方をまだ学んでいない時の始末の写真が見つかりました。黒い方です。

黒なので目立ちはしませんが、明らかに、今回のやり方の方が見栄えもよいし、ジャケットを脱いで、裏側が見えるシーンを想像すると何か不自然なのが、黒い方。

今回のピンクは自然です。

肩パットの取り外しのリフォームの口の閉じ方の綺麗な方法
黒よりピンクの方が自然な見た目となります。

一度ミシンで縫ってあるものをほどいたのだから少しは、不自然感はありますが、黒よりはるかにピンクの方が今後も何も気にせずにずっと使っていけそうな気にならないものになった感じも大事なところですね。

気にかけたりするのはストレスですから、今後の「心地良さ」ということがとても重要なのです。

YOUTUBE動画の7:00(7分ちょうどあたり)から数分がちょうどこのコの字まつりをしている部分となります。

あとがき

今回、かなり私も勉強になりました。

このまつり方法を知っただけで、何か心強いものがあります。

何か口を閉じるという作業の時には、肩パッドに限らず、他のことにも使ってみて下さいね。

そして、自分らしい着こなしにできる自主リフォームライフが充実したもになることを応援しています(^-^)。

バブリーな全14個もの金ボタンを総取替えし、黒ボタンでコーデの巾が広がった黒白ギンガムジャケット【304】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今までもブログ内で幾度かお話させていただきましたが、洋服はすべて古着を着ています。

現在の一律的な類似だらけのデザインより、80年代辺りのようなデザイナーズブランドのテイストが色濃く出ているような少ない数しか出回らなかった魅力的な洋服が古着の中にはたくさん見つかるからです。

このたび「ESCADA(エスカーダ)」様(ドイツブランド)の、ウールジャケットを入手しましたところ、少し気になるところがありました。

肩パットがやや強調されすぎている、ボタンがゴールドでややバブル感が感じられボタンも少し浮き気味、余計な背のチェーンがゴールドで付いている、この3点。

今回この3点同時リフォームを自ら行いました中で、ボタンの交換の部分のみにスポットを当てた記事になります。

ボタンを交換するだけで劇的な変化、年代が色濃く出たゴールドボタンよりも普遍的な時代性を感じない同色ボタンの選択

たかがボタンとはいえ、このジャケット、実はボタンが全部で14個も付いているデザイン。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ゴールドのボタンがゴージャスなジャケット:「ESCADAエスカーダ」製。黒白ギンガムチェック、毛/100%。

やや80年代-90年代前半のような感じがしますね。

このままでも、回帰的に着るというのも悪くはないのですが、「流行」というものは「新しい装いを入れ込んだらせん状の繰り返し」がベースにあり、古着も新しいテイストを入れていくことでかっこよくなると思っております。

そこで、このままゴールドボタンのジャケットをそのまま着るのではなく、今あるボタンを外し、ボタンの総入れ替えです。

ボタンは、黒色のプレーンなもの、元のゴールドとは真逆の雰囲気です。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
交換する黒いプレーンなボタン:ツヤがあるタイプの四つ穴。自身のボタンストックから探しました。

新しくボタンを購入するのではなく、過去に着なくなったコートやジャケットのボタンを外しておいて、何かに後々使えるようにボタンをストックしていたものからの使用です。

14個は相当な数、なかなかこの数はそろわないものなのですが、だからこそ、今までのマメなストックが活きることになりました。

ボタンのストックケースなどを持っていると、使える時がありますのでお勧めしたいです↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ボタンケース:ある程度サイズ別にケースを分けています。

その後、またボタンが増えたら、同じ種類をチャック袋に入れる保管法も後に取り入れるようになりました↓。

収納の仕方:チャック袋のミニを利用します。同じボタンをまとめて使いやすく保管します。
全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
リッパーを使って根本の糸だけを切ってボタンを取り外します。

まずボタンをすべて取り外します。

生地に穴をあけてしまわないように気を付けます。

はさみは、こういうところで使うと刃がだめになった経験から、「リッパー」を使うことをクセにすると良いとお勧めしたいです。

無理矢理引っ張るのではなく、リッパーの刃を滑らせて負担の無い小さな力で取り外すことができます。

そして、今度は14個をすべて新しくボタンを取り付け直します。

前立て部分がベルベット生地に切り替えられている部分で、良いのか悪いのか、まるっとボタンの形アタリが付いていまして、そこへ同じように当てればよかい点が分かりやすかったです(^_^;)。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ボタンを取り付けます。

実はこの14個のボタンは元はすべて同じサイズというデザインではなかったのです。

袖の部分左右合計8個はひと回り小さめでした。

そんなうまい具合に手持ちのボタンが対応しきれず、袖の部分の8個にボタンホールが存在しなかったことで、同じサイズで飾れば問題ないとなり、同じサイズのボタンを1種だけ共通でで対応できたというわけです。

バランスも同じサイズによることで崩れるということも感じませんでした。

ということで、ボタンを交換しただけで劇的に変化したジャケット雰囲気の新しい姿です↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
リフォーム完成。ボタンをすべて付け替え終わりました。

以前よりしっとりと落ち着きました。

ゴールドのボタンの時より、ギンガムチェックの柄がより主役になります。

もう一度並べて比べてみましょう。

左:ボタン交換前 右ボタン交換後。

違いが顕著ですね。1色がなくなってシンプルになったとも言えます。

「粋:いき」という言葉がありますが、「すっきりとした整然さ」ということからは、より右側が「粋になった」と見ることができます。

決して華やであることが粋なのではありません。

誤解を招きやすいのですが、「粋:いき」のテイストはもっと違った意味であり、きちんと整っているようなさっぱりしたイメージを指すのです。

お魚などの活発な「活き」と音が同じなので、意外と勘違いしやすいテイストです。

黒ボタンへ変わったことで実現しやすくなったデニムコーデ

では、このリフォーム後のジャケットでしたかったコーデを実現していきます。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
インディゴブルーデニムパンツとのコーデ。

まず、このような色のデニム。

もともと、このジャケットはタイトスカート付きのセットアップスーツです。

いかにもお出かけ風なジャケットに、デニムでカジュアルなボトムを同時に装うという上下のギャップが面白いのです。

そして、このままデニムパンツの色を変えます↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ブラックデニムパンツとのコーデ。

黒のデニムパンツもすっきりとして良いでしょう。

使われている色がとても絞られていることこそが粋です。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ブルーデニムパンツとのコーデ。

そして、最後はこのブルーデニムパンツ。

この3本のデニムの中では、このブルーが一番カジュアルでくだけていますので、ジャケットとの組み合わせの意外性があります。

この場合、さらに、小物、例えばショルダーバッグをデニムと同じカジュアルな感じのテイストものにするのか、エレガントなハンドバッグにするのかでさらにコーデのテイストがいかようにも分かれていくのです。

あとがき

ボタン交換するだけで随分とお洋服が「自由」を手に入れました。

ゴールドボタンは、今度は交換後の出番の機会を待ちながらストックしておきます。

この度のジャケットには合わせなかったけど、別のアイテムには合わせていくかもしれないからです。

そして、アウターの金ボタンが必要な時の出番を待つのです。

全てのお洋服アイテムに関して、ゴールドボタン=バブリーということではありませんので、ワンピースなどの別アイテムには見合うこともあるのです。

このように「シャッフル」ともいうべきボタンの交換をしていくことで新しくボタンを購入する必要がなくなるのです。

せっかくお得に得た古着ですので、その後のメンテナンスや維持に余計な費用がかからない方が長い目で見たお得感が実現できることになるのです(^-^)。

picturesque

磁気がカードに影響、デジタル時代にはバッグのマグネットボタンは選ばない勧め【161】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、1990年周辺のデザインであると思われるヴィンテージのバッグを購入後、自分の希望するような使い方をしたくて自主リフォームを致しました。

基本的には、元あるお品をそのまま譲り受けて使っていければ良いのですが、時代の変化とともにそうもいかないことがどうしても起きていきます。

元のデザインは、正面のフックに外れないような頑丈な設置でチェーンが通され、全体で黒とゴールドのコントラストが効いた華やかなナイロンハンドバッグでした。

チェーンも斜めがけではなく、ハンドバッグを肩に引っ掛けるドレスライクな持ち方のいかにも1980-1990年のファッションを彷彿とさせるような長さです。

購入は2015年くらいですが、購入時にすでに思っていたことがあります。

それは重すぎるバランスの悪いチェーンが気になるのです。

ある時代では、チェーンのゴールドの輝きが華やかさとパワーを見せるというような価値があったかと思います。

しかし、現在は見かけよりも持ち心地とか体への負担の無さがより重視されているようであり、自身も同感です。

2015年の購入時も、「チェーンは外そう、入れ物として使っていこう」こんな風に思いながらの購入でした。

古い物の割には非常に綺麗で、チェーンのピカピカな様子、内側の新品同様の綺麗さから、ほとんど使用していないお品であることが見て取れました。

そのようなヴィンテージ物に出会えたことがまずはラッキーだと思いました。

その後、不可能であるチェーンの留め具の部分をペンチなどを使い時間をかけて取り外し、まずはセカンドバッグへ。。

その時にはまだ、マグネットボタンが付いていました。

そして、その後、このセカンドバッグへのリフォーム品の中に大切なカードなどを収納するようになりました。

そこで、気になりだしたことが、マグネットボタンの磁気。

以前にハイブランドバッグの入り口の強力なマグネットボタンの磁気によって(予想です)、銀行の通帳、カードと次々に磁気が壊れて使えなくなる不便な事態を経験。

その時気づいたのです。バッグの入り口のマグネットボタンの磁気に物の出し入れの際に影響していることを。

そして、マグネットボタンをマジックテープに交換したのが、下の写真です。

ある程度ミシンを扱えること、自主交換しやすいバッグのデザインであったことで、上手く行きました。

収納の為のバッグなので、持ち歩きなどの行動があまりありません。
インテリアとしてお部屋の中で収納専用のバッグとしての役目を担ってくれる存在になりました。

今度はトートバッグをそのままトートバッグで今後も使用していくマグネットボタンのリフォーム例

上述のお品は、過去に自主リフォームした記録でした。

今回、もう1点同じ黒のナイロンバッグに気になるマグネットボタンが付いているお品が手持ちの中から見つかりました。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
今回マグネットボタンをマジックテープに交換するバッグ。

1995年くらいに購入のお品です。

過去にマジックテープに付け替えたように全く同じ要領でリフォームしてみようと思いました。

すると、驚く光景を目にすることになりました。

個性的な形のマグネットボタンになっている理由を読み解く

少し脱線です。

マグネットボタンというのは、一般的な形としては、2枚のプレート状の刃を生地に差して反対側に折り込んで留めます。

下の写真では左側のような形です。

ところが、このたびのトートバッグのリフォームでは、マグネットの爪が一般的な左右のみの開閉式ではなく、放射線状のものだったのです。

写真では右側のものが今回のマグネットボタンです。独特ですね。

簡単には外せないようにしてありました。ここに製造メーカー様のデザイン変更への阻止策を見ました。

よくジュエリーのリングにサイズ直しできないようリングのちょうど真ん中位置に刻印が入れてあることに類似しています。

そんなことを考えると、とりあえず、「申し訳ございません<m(__)m>」とまず一言。

ただ、どうしてもリフォームする必要があったのです<m(__)m>。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
左:一般的なマグネットボタンの形(刃が2枚) 右:今回付いていたマグネットボタンの形(刃が放射線状)

左側が一般的なマグネットボタンのイメージと同じ形をしていますが、右が今回のバッグに付いていた形で、初めて見ました。

こちらは、裏面なのですが、表側のパーツと真ん中に本体の布を挟んで完全に一体化している様子でした。

おそらく、ドットボタンのような考え方で、道具で打ち込んで二度と外れなくする作りを独自に考案されたようなのです。

私はこうやりました!マグネットボタンをマジックテープに交換する作業の過程

特にリフォームの技術や長い経験のない私が行ったやり方です。

それほど複雑な形には見えないので結構簡単に作業できると最初は思っていました。

ただ、放射線状の特殊なマグネットボタンは、上述の通り、取り外しができないように固定されている作りなので、やむなく生地を少し破って取り外したことがちょっと気持ち的にあまり良いものではなかったです。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
元のマグネットが付いた状態。

まず、マグネットボタンのすぐ近くの縫い目から、必要な分だけ、ほどいていきました。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
リッパーで1縫い1縫いずつ縫い糸を外します。

入り口が「わ」なので、このファスナーの周りをほどかないとマグネットに到達できないのです。

2cm近く進むと、ほどきやすくなってきます。

その後は、開け過ぎず必要な分だけにとどめます。

めやすは、ファスナーの行きどまりの端っこ位置より1cm以上は手前でないといけません。

後でもう一度閉じる時に、3次元の世界になってしまって、普通のミシンでは行えないからです。

①これぐらい開けてマグネットボタンを取り外します。 
②取り外す時に生地を切ったのでこんな跡です。 
③後で見えなくはなりますが、糸をいろんな方向に走らせて覆い、切り口をカバーしておきます。

たとえ見えなくなってしまう箇所でも、糸で破れたところを修繕しておくのは、気持ち的にとても安らぎます。

その後も永く永く持っていけることにつながる見えない箇所の手間のかけ方の例です。

そして、反対側の相方であるマグネットボタンも取り外します。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
マイナスドライバーで放射線状のプレートすべて起こし面積を狭くします。
周りの布を最低限だけ切って取り外します。

まさかのマイナスドライバーの登場で、プレートを起こし、円の面積を小さくしておいて、リッパーなどで生地をカットして取り抜きます。

これでも生地にキズを付けることが乱暴で心もとないですが、ドットボタン形式に取り付けてあるので、どう引っ張っても取り外せませんでした((+_+))。

仕方がないのです。

そして、マジックテープのオスとメスをそれぞれ、もとのマグネットボタンのあった位置にかぶせるようにして、縫い付けます。

返し縫いをしながら、2.5mmほどのミシン目でまっすぐに、丈夫に縫い付けます。

黒いマジックテープになじむ黒糸はマストです。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
マジックテープのステッチを裏側に貫通させないよう生地1枚分だけに縫い付けます。

そして、同じことを反対側の相方のマジックテープも行います。

マジックテープのオスメスはどちらを前側か後ろ側かなどは、どちらでもいいと判断し、こだわりませんでした。

そして、この後は、一時的に開けていた空き口をふさぐという始末を両側とも行います。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
こちらのポケット側の方の口とじは、ファスナーの箇所と一体化した作りなので、しつけ糸で固定しないと、
変な場所を縫ってしまいますので注意です(一度失敗してやり直しました)。

反対側はこちらとまた、作りが違いますが、閉じる作業を行いました。

左側:しつけ糸をして口を閉じたファスナーが付いた方。 
右側:ファスナーでない作りの方。3次元の作りなので、やむなく2次元的に2枚重ねで閉じました。

左側の写真のファスナーが絡む方も、それほど簡単ではなかったです。

右の方は、そもそも3次元の世界。

今から、同じようにするには、ミシンがバッグの中に入り込まねばできませんので、そんなことは不可能で、やむなくつまんで山を重ねて縫うという方法になりました。

しかし、綺麗に縫えれば、中側であるし、黒いバッグということで、目立つものではありませんので、これは仕方がないことです。

私はミシンでやったのでこうなりますが、手まつりであれば、ある程度3次元の世界観で行えまして、ハギ目の突き出しが無いです。

いかにお直しがしにくいような作りに考えられていることがよく分かりました。

元の構造は、唯一のデザインとしての哲学が入っていることが見て取れました。

よって、なかなか後で手を加えにくくなっているバッグなのです。

見た感じは簡単な作りのように見えますが、実は隠れた内部の構造にものすごい工夫がしてあったという貴重な経験をしました。

では、これで、完成です。

磁気がカードに影響、バッグのマグネットボタンをマジックテープに交換
マジックテープが、両側とも取り付けられました。

この写真でははっきりわかりませんが、実は手前のマジックテープがちょっと斜めにゆがんで付いてしまいました(;'∀')。

このまま今回は仕上げてしまいましたが、ここから得たことは、マジックテープをマチ針1本で留めていましたが、2本ほど使うか、ボンドで縫う場所以外の数か所を貼り付けて、固定してから行うのがまっすぐに出来上がるコツかも。

さらに、縫い付ける時は、一気にぐるり1周して、その後、2度目のステッチに二重にするなどのやり方が良いですね。

私がずれてしまったのは、返し縫いしながら前に進めていったので、これもずれの原因です。

そうして、このように入り口の留め具が変身したわけです↓。

左:リフォーム前の元のマグネットボタン。 右:リフォーム後のマジックテープ。

あとがき

以前に、貴金属のお店で、こういう話を聞きました。「指輪のお直しは、実はできるだけしない方がよい、お直しによって石がぐらつきます」という店員さんの言葉です。

今回、どうしてもお直ししたいので修正しましたが、この時の言葉が思い出されます。

元の形というのが一番望ましく作られているものです。

後から手を加えたりすると、今回のように、生地を切らねばならなかったり、再び閉じた口が、前と同じようにどうしてもできなかったりということが起こってくることがありますね。

最初の形が一番美しいのだということを分かった上でリフォームした方が良いです。

私はそこまでしてもマグネットボタンが気になっていましたので、満足はしています。

でも、注意しなければならないのは、手を加えたことによって、弱いお品になるのはよくないので、広い目で行く先を予想するということもとても大切です。

picturesque

あらかじめ「中表」に作ったプレート2枚を「外表」で組み立ててスタイリッシュに出来上がる分かりやすい構造の薔薇柄のペンケース【11】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「はぎれ」という漢字、「端布(はぎれ)」と書きます。

ところで、高級なお洋服などは、特に柄をきちんと縦横共合わせて縫製されています。

その部分が、贅沢品(ぜいたくひん)であったり、高級品であったりする証(あかし)となってきたこれまで。

その贅沢に作られたお品物の裏側では、材料の生地の多くが採用されずに、処分されたのではないかと想像します。

このたび、そんな想像を埋めるようなはぎれを存分に使った製作をご紹介したいと思います。

はぎれそのままを捨てることなく等分にカットしながら作っていく、型紙無しのペンケースの裁断

裁断の苦労は柄合わせです、そうでもない簡単な柄と種類によってかなり差があるものです。

例えば、チェック柄というのは、親しみやすい柄である一方で、この柄合わせに関しては、洋服やバッグやポーチにおいて、縦も横も両方合わせる意識をせねばなりません。

ストライプやボーダー柄であると縦か横のどちらか片方だけ合わせる、半分の手間となります。

また、水玉やドット系のある一定の同じ間隔の柄は比較的柄合わせは簡単で、柄合わせの必要がないものも多いです。

このたび利用させていただきました薔薇柄の場合は、ある一定のまとまり(「ピッチ」と呼びます)でひたすら繰り返されています。

「比較的大きめの薔薇の花が2個隣り合わせの部分」が1枚のはぎれの中で2回登場していますので、まずは半分ずつで使えると考えることができます。

そうしますと、チェック柄のような縦も横も柄を意識するという方向性の柄の味方になるわけですが、花柄というのは柄の向きも上下あるわけでその辺りは縫い合わせる前にチェックが必要です。

このたび使用するはぎれ:ダークなカーキグリーンベースの薔薇柄:縦37cmx横22cm

この柄はお花や葉っぱの向きはあえて方向性が無いようにプリントされていますので、向きは気にしなくて良いということになります。

この生地は、今回の記事の1つ前の記事の【10】で、低反発クッションを作った時のカバーの残りの生地です。

ペンケース製作過程、4等分し、2ピッチをうまく使い分けて裏地付きで完成へ

気軽に作れるようなアバウトな製作方法でご紹介したいと思います。

縦37cmx横22cmを4パーツに切り分けます。表地2枚と裏地2枚です・

裏に芯地を貼ってから、カットしました。

さらに、表地の方のパーツ2枚のみにハード薄芯を貼ることにしました。

ボンドでハード薄芯を貼り、端から1.5cmに印を付けます。

そして、端から1.5cmの部分に地縫い線用に印を付けて、上側の口を開けておいて、残り3方を縫います。

コの字型に縫い、アイロンで割って、ひっくり返します

アイロンで割り、入り口の空き1.5cmに印を付けて、ひっくり返し1.5cm中側へアイロンで折り込みます。

ひっくり返して、口を縫う準備をします。

この空き口というのは、結局は閉じて板状のパーツにしてしまうので、1枚の頑丈なプレートを作っていると考えたら分かりやすいです。

はぎれのうまい使い方で役立つアイテムを作る
空き口を縫う時に、引き続き1周ステッチで固めます。

空き口を縫っていく時に、その流れでそのまま全体にぐるり1週ステッチをかけます。

そして、ファスナーにこの後、縫い付けます。

ファスナーは外に飛び出しますので、端っこを、別布で縦6cmx横5cm程のタブを作り、ファスナーの先を包み込みます。

ファスナーの頭としっぽに、タブをくるみこんで縫い付けます。

そして、ファスナー本体に2本のステッチで縫い付けたら、表側から、縁の端から2mmほどのステッチの上をなぞる形で2度縫いで本体を合体します。

ファスナー取り付けに2本ステッチ(上)、本体縫い合わせとして2回地縫いステッチを表側からかけます(下)。

はい、これで出来上がりました。

最後は、大切なボールペン、シャープペンを思う存分入れます。

完成したペンケースに入れたペン計8本(まだ余裕あり)。<サイズ>縦6cmx横19cmxマチ無し。

確かに、ハード薄芯のおかげでしっかりしたキャンパス地程度の厚みになったのですが、入れなくても良かったかもしれないと思うこともあります。

    

あとがき

布を隅々まで使うことの気持ち良さを感じましたこのたび。

自身の中ではほんの初期のペンケースでしたが、その後別のタイプも製作しています↓。

その他のペンケース:上から時計まわりに「袋型」「外表型」「水平型」です。

この度の作り方は、黒色の半月型のモデルの「外表型」へ発展しました。

ファスナータブなど飛び出さずにすっきりとシンプルに仕上がった改良をしました。

当ブログ記事は、過去の2019.03.16の投稿からおよそ5年半後の2024.08.18にブログ記事の「手直し」をしていまして、まさにこの部分は追記しています。

現在の2024年からは2019年は随分過去の製作でしたので顧みると随分お品物が野暮ったい印象です。

先程の写真の3点のペンケースは、もともとどれも生地が高級でしたし、すべて現在も手元で利用し続けています。

手作りは一度作るとよほど置き場所に困らなければずっと持ち続けることができることを実感。

できるだけ中身に入れる目的を最初に決めて、実用的であることもかえって長持ちの秘訣。

入れる物が考え付かない物は価値が無いということに繋がるのです。

無料であっても有料であっても使い道が無いものは喜んでもらえないことが想像できます。

picturesque